苗木「ゲームをしようよ。闇のゲームをね……」

ダンガンロンパ

1: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:20:28.39 ID:0j9QW/+Jo

苗木「モノクマに閉じ込められて2,3日が経った…」

苗木「今の所コロシアイなんて起きてないし、絶対にそんな事起きちゃだめだ!」

苗木「けど脱出しようにも、手掛かりは見つからないし、正直ボクらが行ける場所は全部調べ尽くしたんだよね…」

苗木「そんなわけで、藁にもすがる思いで、モノモノマシーンをやってみたんだけど…」

苗木「なんだコレ?”千年パズル”?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379308828


2: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:23:05.79 ID:0j9QW/+Jo

苗木「……説明書が付いてる」

苗木「なになに、”古代エジプト王が身につけていた由緒あるパズル。これを組み上げた者は何でも一つ願いが叶う”?」

苗木(うわぁ……胡散臭い……)

苗木(でも何故だろう。初めて見るはずのそのパズルは、どこか懐かしく感じられて…)

苗木(気がついたらボクは、部屋にパズルを持ち帰り、食べる事や眠る事すら忘れて組み上げていたんだ)

カシャ…カシャ…

 

3: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:23:50.08 ID:0j9QW/+Jo

苗木(立体パズルなんてやった事なかったし、完成図すらない状態で組み上げるなんて無謀かなと思ってたけど…)

苗木(ボクにはわかる…理由はわからないけど、手が勝手に動いていく)

カシャ…カシャ…カシャ…

苗木(”願い”か…こんなパズルをやっただけで叶うわけがないんだけどさ…)

苗木(もし一つだけ、願いが叶うなら……みんなでここから脱出したい!)

カシャ…カチッ

苗木「できた!」

苗木(その瞬間、パズルは眩しいほどの光を放ち…)

苗木(ボクそのまま、意識を失った…)

 

4: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:24:54.91 ID:0j9QW/+Jo

訂正

苗木「ボク【は】そのまま、意識を失った…」

 

5: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:26:25.94 ID:0j9QW/+Jo

ーNIGHT TIMEー

舞園「嫌!来ないで!」

桑田「鍵掛けたって無駄だぜ!工具セットで無理やりこじ開けてやる!」

桑田「お前が…お前が悪いんだ!俺を殺そうとするから!」

苗木「やめなよ」

ドンッ☆

桑田「!?」

 

6: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:33:15.07 ID:dnZwnxhDO
よしよし、クズ桑田だな。千本ノックより超えた絶望な罰してやれよ。

 

7: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:33:15.85 ID:lNP4kBF9o
期待

 

9: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:45:24.38 ID:0j9QW/+Jo

苗木「桑田クン…包丁を捨てるんだ。そんな事をしたって、外に出られる保証はどこにもない」

桑田「うっせー!元はと言えば舞園ちゃんが俺を騙して殺そうとしたのが悪いんだ!俺は悪くねえ!」

苗木「だから殺していい、って?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

桑田(な、なんだよ…これ…)

桑田「苗木、だよな…?」

 

10: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:47:14.03 ID:0j9QW/+Jo

苗木「それじゃあ目撃したボクをキミはどうするのかな?ボクも殺すかい?」

桑田(なんだよ、こいつ…昼間とまるで雰囲気が違う…別人みてーだ…)

桑田「そ、そうだよ!見られたからには苗木、お前だって生かしちゃおけねえ!まずはお前から…!」

苗木「いいよ…ただし桑田クン、君がゲームで勝てたらね」

桑田「ゲームだと?何言ってんだお前…?」

苗木「それもただのゲームじゃない。…闇のゲームさ!」

ドンッ☆

 

12: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:56:06.31 ID:0j9QW/+Jo

苗木「ルールは簡単だ。桑田クン、キミがボクに向かってこの硬球を投げる」

苗木「そしてそれを見事キャッチできたらボクの勝ちだ。ボクが落球すればキミの勝ち…どうだい?シンプルなルールだろう?」

桑田「な、なんだよそれ!俺の”超高校級の才能”を知ってて言ってんのか?」

苗木「勿論。”超高校級の野球選手”でしょ?だからこそこのゲームを選んだんだ」

桑田「舐めやがって!いいぜ、ゲームだかなんだか知らねーが受けてやるぜ!」

桑田(とは言ったものの、普通に考えたら俺の球を苗木が取れるはずがない。MAXいくらだっけ?確か168キロくらいは出せたはずだ)

 

13: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 14:57:14.84 ID:0j9QW/+Jo

苗木「ふふふ、早く投げなよ。それとも、怖気づいちゃった?」

桑田「うるせぇ!それよりも俺が勝ったら…」

苗木「約束は守るよ。煮るなり焼くなり刺すなり絞めるなり、好きにするといいさ」

苗木「でも、キミが負けたら…その時は”罰ゲーム”を受けてもらうよ。楽しみにしててね」

 

25: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:12:43.90 ID:0j9QW/+Jo

ゾク…

桑田(な、なんだよこいつ…そんなに自信があるのか?も、もしかして、球に何か細工を?)

苗木「ククク…」

桑田(クソッ、舐めやがって!だったら俺にも考えがある!)

桑田(この包丁を先に投げつけてやる!そうすりゃ、避けざるを得ないはずだ。そしてその隙に、全力のストレートを顔面にお見舞いしてやる!)

苗木「ほら、早く早く」

桑田(前からこいつは気に入らなかったんだ!舞園ちゃんとイチャイチャしやがって!そのキレーな顔をグチャグチャにしてやる!)

桑田「ああ、いくぜ!」

 

26: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:14:50.57 ID:0j9QW/+Jo

桑田「まずは……こいつを食らえ!」

ヒュン!

桑田「今だ!」

ヒュン!!

桑田「これでゲームは、俺の勝ち……な、なんだと!」

桑田が目を疑うのも無理はない。
苗木は、投げつけられた包丁を左手の人差し指と中指で挟んで受け止め……
素手の右手で硬球を受け止めていた……!

 

27: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:16:10.69 ID:0j9QW/+Jo

ぷすぷすぷす……

未だに勢いを失っていなかった硬球は、苗木の右手の中で回転を緩め……そして止まった。

桑田「ば、馬鹿な…!?」

苗木「ふふふ……あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」

苗木「あーあ、ガッカリだよ。桑田クン、キミの希望は、その程度なのかい?」

 

28: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:18:03.32 ID:0j9QW/+Jo

ゾク、ゾク……

桑田「な、な、どういう意味だ…?」

苗木「包丁を投げる事に気を取られたキミは、本当の意味で全力投球できてなかったって事さ……」

苗木「今の球は、せいぜい150キロってトコじゃないかな…」

苗木「それ位の球なら、素人だって取れるよ。…”運がよければ”ね」

桑田(運が良ければ…!?そうか、こいつの才能は…”超高校級の幸運”!)

苗木「どうやらゲームは、ボクの勝ちのようだね」

 

29: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:18:24.86 ID:pStMJqVw0
狛枝きたーw

 

30: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:20:09.79 ID:dnZwnxhDO
くっくっくっ…桑田絶望に罰ゲーム始まるだな…

 

31: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:21:34.41 ID:0j9QW/+Jo

桑田「ま、まだだ!」

そう叫ぶと、桑田は苗木の元に駆け寄り、首を絞める!

桑田「ゲームなんてカンケーねぇ!こうやってお前を殺っちまえば、ゲームオーバーなのは、お前だ!」

苗木「それは違うよぉ…言ったはずだよね?キミが負けたら、”罰ゲーム”を受けてもらう、って…」

ゾクゾクゾクゾク…

桑田「ンなもん認めねぇ!アホアホアホアホアホ!死んじまえ!」

苗木「今、闇の扉は開かれた…罰ゲーム!!」

そう苗木が言い放つと、彼の額から眼(ウジャト)の形をした光が現れ……

そして、”罰ゲーム”が始まった。

桑田「アポ?」

 

32: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:30:52.44 ID:0j9QW/+Jo

桑田「ん……ここは……」

そこは、満員の球場だった。

桑田「つか、ここどこだよ…?」

ボコッ☆

桑田「痛ッ!?なんだ!?」

それは、軟球だった。

桑田「これが”罰ゲーム”?大した事ねーじゃん。あ、もしかして何球も何球も飛んでくるとか?…軟球だけに」

ボコォッ☆

桑田「ぐええ…」

次に飛んできたのは硬球だった。

 

33: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:38:31.48 ID:0j9QW/+Jo

さすがに頭の悪い桑田でも、この先が予想できたらしく顔から血の気が引いていく。

桑田「ちょっ、ちょっとタンマ…」

ズドンッ☆

桑田「いっ……いってえええええええええええ!」

次に飛んできたのは、鉄球だ。

桑田「か、勘弁……これ以上は……マジで死んじまうって……」

そんな言葉はお構い無しに、罰ゲームは続く。

桑田「軟球、硬球、鉄球と来たら、次は……」

苗木「そりゃもちろん…地球さ」

桑田の頭上遥か上に、巨大な球体が現れる。
いや、その場所からではそれが球体である事すら、わからないだろう。

桑田「アポ…アポ?」

そうして、それはゆっくりと、しかし確実に落ちていき……

グシャ☆

ぺったんこの桑田が出来上がった。

 

34: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:39:56.24 ID:0j9QW/+Jo

苗木「大丈夫、死にはしないさ。これは一夜限りの悪夢」

苗木「これでキミが”希望”を取り戻してくれるって、ボクは信じてるよ…」

苗木「うふふふ……あっははははははははははははははははははははははははははははは!!」

GAME OVER!!

 

36: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:50:21.88 ID:0j9QW/+Jo

苗木「さぁてと、もう一人は…」

ガチャ

舞園「嫌ァ!来ないで!……え、苗木君?」

苗木「もう大丈夫だよ、舞園さん。桑田クンなら、少しの間眠っててもらったから……」

舞園「あ、あぁ……」

安堵からか、舞園はへろへろと壁にもたれかかる。

舞園「苗木君、知ってますよね?全部……」

苗木誠は答えない。

 

39: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:58:51.60 ID:0j9QW/+Jo

舞園「ごめんなさい……私、どうかしてました……」

舞園「苗木君のやさしさを利用して、桑田クンを……!」

苗木「……構わないよ。それがキミの”希望”だったとしたら」

舞園「えっ!?」

苗木「キミの”希望”の為になら、ボクは喜んで犠牲になるよ……」

苗木「いや、キミだけじゃない。みんなの”希望”が輝く為なら、ボクは喜んで死を受け入れるよ」

ゾク…

舞園「苗木、君…?」

舞園(違う…苗木君じゃない…)

苗木「けどまあ、次はボクに相談して欲しいかな?そうすれば、もっと素晴らしいゲームを用意できるからさ…」

 

41: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:10:45.76 ID:0j9QW/+Jo

苗木「まあでも、死人が出なくてよかったよ」

苗木「一応”みんなでここから脱出する”ってのが彼の願いだからね……ふふふ」

舞園「だ、誰なんですかあなたは!苗木君じゃない…誰なの!?」

苗木「誰って、苗木誠さ。キミのよく知ってる、王道という言葉すら裸足で逃げ出すほどのごく普通の平凡な、他人より少し前向きな所くらいしか取り柄のない」

舞園「違います、私には解るんです!」

苗木「エスパーだから?」

舞園「…ッ!」

苗木「まぁいいや。キミの勘の良さに敬意を払って今日の所は退散するよ」

苗木「またいつか。”希望”が輝く時に……」

そう言い残すと、苗木の体は意識を失い、その場に座り込むように倒れた。

 

42: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:17:55.76 ID:0j9QW/+Jo

ーMORNING TIMEー

苗木(パズルを完成させたボクは、気がついたら眠ってしまっていたらしい)

苗木(結局、願いが叶うってのは嘘だったんだなぁ……まあ、そんなわけないと思ってたけどさ)

苗木(そんな事を考えながら、ボクは朝食会に出る為に、食堂へと足を踏み入れた)

苗木「おはよう!みんな!」

石丸「おはよう!苗木君」

セレス「おはようございます。苗木君」

朝日奈「苗木、おっはよー!」

 

44: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:25:25.01 ID:0j9QW/+Jo

苗木(いつも通りのあいさつ、いつも通り
の光景…誰一人欠ける事のない朝だった)

苗木(妙によそよそしい二人を除いては)

桑田「ひ、ヒィ!……な、苗木……」

舞園「な、苗木君……苗木君ですよね?」

苗木「そうだよ、二人ともどうかしたの?ボクの顔に何かついてる?」

桑田「お、お、覚えて……ねえのかよ……」

桑田「い、いや……す、すいませんでしたぁ!!」

そう言うと、桑田は逃げ出すように食堂から走り去った。

舞園「あらあら、桑田君、どうしたんでしょう?」

苗木「うーん、お腹でも壊したのかな?」

 

47: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:30:20.78 ID:0j9QW/+Jo

苗木「そういえばさ、舞園さん、昨日の夜何もなかった?」

舞園「!?」

苗木「いや、何もなければそれでいいんだけど……結局、部屋に入ろうとしてたっていう人物もわからずじまいだしさ」

舞園「え、ええ。苗木君のおかげで、大丈夫でしたよ」

舞園(嘘は、言ってませんよね…)

苗木「そっか。よかった」

 

48: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:38:11.66 ID:0j9QW/+Jo

苗木「でも一つだけわからない事があるんだよね…」

舞園「何ですか?わからない事って」

苗木「朝起きたら、右手に擦りむいたような傷があったんだよね…まだちょっと痛いや…」

苗木「いつこんな傷作っちゃったんだろう?」

舞園「あっ、それは…」

苗木「舞園さん、何か知ってる?」

舞園「あ、いえ……」

それは、苗木が舞園を守った時にできた”勲章”だと、舞園にはとても言えなかった。

苗木「そっか、舞園さんならわかると思ったのになぁ…」

 

49: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:43:22.74 ID:0j9QW/+Jo

舞園「ごめんなさい、私の為に…」

苗木「舞園さん、何か言った?」

舞園「い、いえ何も!」

舞園「それより、その傷ちゃんと手当しないとダメですよ!後で私の部屋に来てください!」

苗木「だ、大丈夫だよ、こんなの。放っておけばすぐ治るからさ」

舞園「ダメですよ!私は苗木君の”助手”なんですから!」

 

50: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:50:32.19 ID:HtxCmrsZo
舞園さんのヒロイン力は異常

 

51: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:51:38.78 ID:0j9QW/+Jo

苗木「わ、わかったよ…それじゃ、お言葉に甘えて後でお邪魔するよ」

舞園「今からです!」

苗木「ええ!?」

舞園は苗木の返事も聞かず、強引に手を取り食堂を駆けていく。
手を引かれ最初は困惑していた苗木も、心なしか楽しそうだった。

…To be continued?

 

60: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 22:10:31.26 ID:fnO6fNVdo
十神は是非カードゲームで決着を付けて欲しい

 

64: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 22:56:21.85 ID:ZRlxGsj2o
途中からカードバトルになるんですね

 

65: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 02:16:03.06 ID:9YE4iQFA0

これは面白いな
デュエルモンスターズ知ってる人なら尚更

とりあえず全員分のバトル見たいな~(チラッ

 

68: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:43:27.53 ID:xvhH4tbvo

ーMORNING TIMEー

苗木(ボクがパズルを完成させてから、また何日かが過ぎた…)

苗木(理由はよくわからないけど、モノクマが2階へ続く階段を開放した以外は特に変化はない)

苗木(強いて言うなら…)

舞園「苗木君!早く探索に行きましょう!」

苗木「あぁ、うん!すぐいくよ!」

 

69: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:44:21.14 ID:xvhH4tbvo

苗木(舞園さんとの距離が少し縮まったかな、なんて…)

ブンブンッ

苗木(いやいや、何を考えてるんだ!ボクなんかが、”超高校級のアイドル”である舞園さんと…そんなの不釣合いだよね…)

苗木(それともう一つ)

桑田「あ……な、苗木さん、おはようございます!!」

苗木(桑田クンが、人が変わったみたいに誠実な好青年になった事だ)

苗木(どういう心境の変化なのか、本人に聞いてみてもはぐらかされるばかりだけど、みんなの評判もいいみたいだし、まあいいか…)

 

70: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:45:36.11 ID:xvhH4tbvo

苗木(そんなわけで、今のところ、”コロシアイ”なんて起きちゃいない)

苗木(モノクマが”動機”を寄越して来た時はどうなるかと思ったけど、杞憂だったみたいだ)

苗木(そんな、ある日の事だった)

モノクマ『オマエラ!体育館にお集まり下さい!至急!至急~!』

苗木(業を煮やしたモノクマが、また、”動機”を用意して来たんだ…!)

 

71: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:46:55.74 ID:xvhH4tbvo

苗木(「苗木クンは小学校5年生までおねしょしていた…」…ど、どうしてこれを!)

苗木(”外の映像”の次は、”恥ずかしい思い出や知られたくない過去”……)

苗木(24時間以内にクロが現れなければ、世間にみんなの秘密を公表するらしい)

苗木「さ、流石にこんな事で誰かを殺したりはしないよね?」

十神「どうだかな。自分の尺度で物事を計らない方がいいぞ」

腐川「…………」

大和田「…………」

不二咲「…………」

 

72: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:47:50.38 ID:xvhH4tbvo

苗木(そうして、気がつけば夜時間になり……)

苗木(ボクは、眠りについたんだ)

 

73: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:48:36.16 ID:xvhH4tbvo

ーNIGHT TIMEー

大和田「そうだよ…オレは強ぇーんだ…」

大和田「強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い誰よりも!オメェよりも!兄貴よりもだぁぁぁぁぁああ!!」

ブンッ!

ガシッ!

苗木「やめなよ……大和田クン」

ドンッ☆

大和田「苗木…!?」

不二咲「な、苗木クン…どうして!?」

 

74: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:49:38.17 ID:xvhH4tbvo

苗木「たまたまさ。たまたま二人が男子更衣室に入って行くのを見かけたんだ」

苗木「大和田クン、キミに一体どんな知られたくない過去があるかはわからない」

苗木「けど、だからといって人を……仲間を殺していいわけがないんだ!」

バンッ☆

大和田「ッ!!」

大和田「オレに教えを説こうっていうのかよ!?ああ!?」

 

75: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:50:36.14 ID:xvhH4tbvo

苗木「それは違うよぉ。ボクはただ、キミの”希望”が見たいだけさ」

苗木「秘密をバラされるという”絶望”を、乗り越えるキミの”希望”をね……」

ゾクッ

大和田(な、なんだコイツ…本当にあの苗木かよ?)

大和田(オレが……このオレが……ビビってるだと……?)

 

76: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:51:24.11 ID:xvhH4tbvo

大和田「ンなわけねぇ!オレは強ぇんだ!苗木、オメェよりも!」

苗木「ならさ…勝負しようよ?どっちが強いか、ゲームでね」

大和田「ゲームだと?」

苗木「それも、ただのゲームじゃあない」

苗木「……闇のゲームさ」

 

77: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:52:38.49 ID:xvhH4tbvo

そして、苗木と大和田、不二咲は廊下に並ぶ。

苗木「ルールは簡単。このローラースリッパで向こう側の壁まで先にたどり着いた者が勝ちだ」

苗木「ただし、ゴールの壁に体が衝突したら、無条件で負けだ」

苗木「そして敗北した者には…運命の”罰ゲーム”が待っている…!」

大和田「チキンレースってワケか、おもしれぇ!乗ってやるぜ、そのゲーム!」

苗木「ふふふ…なら、ゲームスタートだ!不二咲さん…いや、不二咲クンか…スタートの合図をお願いするよ」

不二咲「えっ?……あ、うん。よーいっ、スタート!」

 

78: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:53:37.84 ID:xvhH4tbvo

大和田「先頭は貰ったぜ!」

苗木「どうぞ、ご自由に…でも、周りをよく見た方が身の為だよ?」

大和田「どういう意味だ…?」

ピカッ☆

前方で、何かが妖しく光を放つ!

大和田「!?」

本能的に身の危険を感じた大和田が横に避ける。
が、避け損ねた無色の糸が頬を掠めた!

 

79: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:54:33.48 ID:xvhH4tbvo

大和田「…ッ!」

苗木「言ったはずだよ。これは闇のゲーム……ゴールにたどり着く為には張り巡らされた罠を潜り抜ける必要があるのさ……命がけでね!」

大和田「じょ、上等じゃねーか!ゼッテー負けねぇぞ!」

二人のデッドヒートは熾烈を極めた。
抜きつ抜かれつ、両者は一歩も譲らない!
そして、いつの間にか、二人の間には奇妙な一体感が生じていた……

 

80: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:55:44.21 ID:xvhH4tbvo

大和田(……不思議な気分だぜ。こうやって走ってると、色んなコトを思い出す……)

大和田(兄貴との、最後の勝負……オレは……オレの弱さのせいで兄貴を死なせちまった……)

大和田(なのにオレは……その弱さを嘘でもみ消しちまった……!)

大和田(それだけじゃねえ……不二咲の強さにオレは嫉妬した……!)

大和田(あの時、苗木が止めてくれなかったら……オレはまた、取り返しのつかないコトをしちまってたに違いねえ!!)

 

81: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:56:41.22 ID:xvhH4tbvo

大和田「…苗木よお」

苗木「どうしたの、大和田クン。棄権でもするかい?」

大和田「ンなわけねぇだろ!……その、さっきは……ありがとな」

苗木「何の事かな?」

大和田「な、なんでもねえよ!ゼッテー負けねぇ!」

苗木「ふふふ…その意気だよ。ゴールは、もうすぐそこだ!」

 

82: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:57:35.77 ID:xvhH4tbvo

壁が迫る。
先に止まった方が、臆病者の烙印を押されるチキンレース。
だが、苗木も大和田も、止まる気配すらない。

大和田「オレは……負けねぇ!」

苗木「大和田クン、まさか…!?」

ドガシャーン!!

苗木は、壁ギリギリの所でブレーキをかけ……止まった。

しかし、大和田は……見事に壁に正面衝突していた!!
そのまま、仰向けに倒れ込む大和田。

 

83: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 04:59:13.50 ID:xvhH4tbvo

苗木「大和田クンッ!……どうして……?」

大和田「へっへっへっ……根性比べで、誰にも負けるわけにはいかねえよ……」

それは、”超高校級の暴走族”の意地だった。

大和田「ゲームには負けても……勝負には負けたくなかったのさ……ゼッテーな…」

苗木「大和田クン…」

大和田「さあ、ゲームはオレの負けだ。始めてくれや……”罰ゲーム”ってヤツをよ……」

 

84: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:00:24.84 ID:xvhH4tbvo

苗木「……罰なら、キミはもう受けたさ……」

眼(ウジャト)が光る。
その光を受けた大和田は……そのまま気を失った。

苗木「それにゲームには勝ったけど、”男の勝負”には負けた……だからこの勝負、引き分けにしておくよ」

苗木「キミの”希望”も見れたしね……」

 

85: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:01:24.60 ID:xvhH4tbvo

そう言い残して、苗木は去っていく。
後に残されたのは、遠巻きに二人を見ていた不二咲と、気絶したままの大和田だけだった。

不二咲(苗木クン、だよね?……まるで別人みたいだったなぁ……)

不二咲(ボクも、あんな風に…強くなれるかなぁ……いや、なるんだ!)

 

86: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:02:20.18 ID:xvhH4tbvo

ーMORNING TIMEー

苗木(なんかあんまり眠った気がしないなぁ)

苗木(気のせいだろうけど、体のあちこちが筋肉痛みたいに痛いや…)

苗木「おはよう!みんな!」

不二咲「お…おはよう!苗木クン!」

大和田「オッス、苗木!」

石丸「おはよう!苗木君!」

大和田「おう苗木、こっちへ来いや。一緒に食おうぜ!」

苗木「う、うん……」

 

87: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:03:24.87 ID:xvhH4tbvo

苗木(大和田クンがわざわざボクを指名するなんて……ボク何かやらかしたかな…?)

苗木(そんな心配をしながら、なぜかすごくフレンドリーな大和田クンと、石丸クンと、不二咲さんという少し奇妙な組み合わせで談笑した)

石丸「ところで兄弟!その額の絆創膏はどうしたんだ!?まさか、また喧嘩でも?……いくら兄弟と言えども、喧嘩は良くないぞ!」

大和田「いんや、コレは……男の”勲章”さ……な?苗木」

 

88: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:04:19.31 ID:xvhH4tbvo

苗木「えっ?あ、あぁ、そ、そうだよ!アハハ…」

苗木(正直何の事だかさっぱりだけど、とりあえず同意しておこう……)

不二咲「そ、そうなんだぁ…」

石丸「そうかそうか、喧嘩ではないならいいんだ!アッハッハッハッハ!!」

大和田「アッハッハッハッハ!」

石丸と大和田に釣られて、不二咲や苗木も笑い出す。

不二咲「え、えへへへへ」

苗木「あはははははは」

「「アッハッハッハッハ!」」

 

89: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:05:08.53 ID:xvhH4tbvo

苗木(なんだかよくわからないけど、少しずつみんながまとまっていってる気がする)

苗木(これなら、きっと……きっと大丈夫だよね?)

自分に言い聞かせるように、そう自問自答する苗木。
笑い合う仲間の中に、彼は”結束”の萌芽を感じずにはいられなかった。

そんな彼らを、見つめる者が一人。

???「腐腐腐、みぃつけた……アタシ好みの萌える男子!」

…To be continued?

 

91: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 05:58:49.65 ID:UtBbU8BDO
城之内くんポジション的な奴

 

99: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 22:59:07.07 ID:40QddVlDO
狛枝だと、容姿的には遊戯よりも獏良に近いかもな

 

100: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 23:39:32.50 ID:wC98dKOAo
>>99
性格的にもバクラだとおもう

 

101: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:27:58.90 ID:lAkrvjsko
投下します。
今回は相手が相手なので、グロテスクな表現を含みます。ご注意を。

 

102: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:29:06.28 ID:lAkrvjsko

ーNIGHT TIMEー

苗木「ね、ねえ腐川さん…や、やめようよ、こんな事……」

苗木誠は後ろ手に縛られていた。
腐川冬子の部屋のベッドの上で。

はたから見れば、特殊な性的嗜好のカップルに見えなくはないかもしれない。
だが、苗木にとってそれは、死活問題だった。

腐川?「だぁーかぁーらぁー、アタシはそんなダッセェ名前じゃねぇっつーの」

ドンッ☆

ジェノ「笑顔が素敵な殺人鬼、ジェノサイダー翔とはアタシの事よんっ」

 

103: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:30:03.79 ID:lAkrvjsko

ジェノ「あぁん言っちゃった!まーくんに秘密バラしちゃったー!」

苗木(ジェノサイダー翔!?あの新聞やテレビで話題の…!?腐川さんがそんな秘密を持っていたなんて……!)

ジェノ「その顔はアタシの事を知っててくれたって顔~?嬉しいわぁ…お礼にまーくんを……」

ジェノ「切り刻んで切り刻んで切り刻んであげちゃうぅ!!」

苗木「ひ、ひぃ!」

ジェノ「大丈夫、痛くしないからぁ…だってまーくんの初めてだもん(はぁと)」

苗木「嘘だ!絶対嘘だ!」

苗木(どうして、こんな事になっちゃったんだろう……)

苗木(やっぱりボクは……”超高校級の不運”だ……)

話は数時間前に遡る。

 

104: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:31:29.67 ID:lAkrvjsko

ーNOON TIMEー

腐川?「ね、ねぇ苗木君…」

苗木「腐川さん?何か用?」

腐川?「あ、後で部屋に来て欲しいの……」

苗木「部屋に?何か悩みでもあるの?ボクでよければ相談に乗るけど」

苗木(誰かを部屋に入れるどころか、朝食会の時以外は外にも出ようとしない腐川さんからのお誘いだなんて、何だろう?)

苗木(……十神クンの事かな?腐川さん、ずっと目で追ってるし……)

苗木(そうして、ボクは腐川さんの部屋の前まで来て、インターホンを鳴らしたんだけど…)

ピンポーン

腐川?「あぁーら待ってたわぁ、な・え・ぎ・く・ん!」

苗木(背後におぞましいほどの殺気を感じたのを最後に……ボクの意識は途切れてしまった……)

 

106: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:33:17.78 ID:lAkrvjsko

ーNIGHT TIMEー

苗木(そして、今に至るってわけだけど……)

ジェノ「腐腐腐…イイ!萌えるわぁ…その捨てられた子犬のような、哀れで怯え切ったまーくんの顔……」

ジェノ「じゅるり……もぉ我慢できなぁい……いただきまーす!」

苗木「う、うわあ!来ないでっ!」

絶体絶命。苗木の脳裏に走馬灯すら過ろうとしたその瞬間……!

ドンッ☆

苗木「汚い手でボクに触らないでよ……垢が付くからさ」

ジェノ「!?」

 

107: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:34:22.89 ID:lAkrvjsko

苗木「そんなにボクを切り刻みたいならさ…ゲームをしようよ」

苗木「闇のゲームをね……」

ゾクッ

ジェノ(ナニコレ……ドSなまーくんもちょー萌えるんですけど!)

 

108: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:35:33.10 ID:lAkrvjsko

苗木「ルールは簡単さ。ここに100枚の紙が入った封筒がある。これを掌の上に置いて……」

苗木「ハサミを……振り下ろす!」

ジェノ「ってアタシのマイハサミ!いつの間に……!?」

ザクッ

苗木「そして貫通した紙は、取り出して自分のポイントとする」

ジェノ「なぁるほどねー!多く取れた方が勝ちってワケ!おもしろそー!」

苗木「飲み込みが早くて助かるよ。どうだい?キミが勝てたらボクを好きにするといいよ……切り刻むなり切り刻むなり切り刻むなりね……」

 

109: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:36:40.84 ID:lAkrvjsko

苗木「ただし、キミが負けたら……その時は”罰ゲーム”を受けてもらう!」

ゾクゾクッ

ジェノ(あぁん…”罰ゲーム”だなんて……勝っても負けてもイイコトしかないじゃなぁい…)

ジェノ「いいわぁ…ヤってあげる。そのゲーム…」

苗木「ふふふ…なら、ゲームを始めようか。キミの番だ」

 

110: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:37:42.05 ID:lAkrvjsko

ジェノ「オッケー、こちとらプロの殺人鬼やってんだ…このマイハサミで串刺しにする事くらい朝飯前どころか…前の日の晩飯前よッ」

ザクッ!

ジェノ「ほぅら…こんなにいっぱい取れちゃったぁ…」

苗木「…!へえ…すごいね……さすがは”超高校級の殺人鬼”さんだ」

苗木「でもボクも、負けちゃいないよ!?」

ザクッ!

遠慮なしにハサミを振り下ろす苗木。
まるで封筒の下に、掌なんてないかのように、加減という物を一切知らない一振りだ。

 

111: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:38:53.93 ID:lAkrvjsko

苗木「ふぅ……少しヒヤっとしたけど、これでボクの逆転だね」

ジェノ「へぇー、もやしっ子のまーくんのくせに度胸あんじゃん!でもでもアタシに比べたら、まだまだまだまだなんデスけどねぇ!!」

ザクッ!!

一進一退。両者の実力はほぼ互角といっていいだろう。
決死の攻防が続き……封筒に残る紙は、残り10枚を切ろうとしていた……!

 

112: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:40:21.03 ID:lAkrvjsko

苗木「ここまで来ると…さすがに慎重にならざるを得ないね……さあ、ジェノサイダー翔、キミの番だ」

ジェノ「ふふふ…この一投でキメるわぁ…」

ジェノ(このまま、掌に突き刺さるのを覚悟してマイハサミを降り下ろせば…アタシの勝ち…)

ジェノ(それはそれで悪くはないんだろーけどさぁ…)

ジェノ(でもでもでも!こんなにも萌えるまーくんなのになんでだろうなぁ…)

ジェノ(一回切り刻んじゃったらそれでオシマイ、なんて…なんか少し勿体無い気もするのよねぇ…)

 

114: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:41:39.19 ID:lAkrvjsko

ジェノ「ハッ!もしかして、これって…”恋”?」

苗木「それは違うよぉ…”超高校級の殺人鬼”であるキミが、ボクみたいな何の取り柄もない平凡な人間を、好きになるわけないじゃないか」

苗木「……キミは心のどこかで、恐れてるんだよ……自分の身体が傷付く事をね……」

ジェノ「んなッ!?……まーくん、言っていい事とダメな事があるって習わなかったかしらぁ……」

ジェノ「……切り刻むぞ」

怒りをあらわにするジェノサイダー翔に、苗木は一歩も引かない。

 

115: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:43:15.94 ID:lAkrvjsko

苗木「ふふふ……なら証明してみせてよ。キミが臆病者なんかじゃないって事をさ……!ボクに見せてよ……キミの”希望”を……!」

爛々と目を輝かせる苗木。

ゾクゾクッ

そんな彼に得体のしれない恐怖感を感じたジェノサイダー翔は…

ジェノ「だぁらっしゃい!」

本能的に、苗木誠にハサミを向けていた!

ザクッ!

それは、一瞬の出来事だった。
苗木は咄嗟に封筒を手にし、ハサミを受け止める!

 

116: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:45:20.38 ID:lAkrvjsko

ジェノ「!?」

苗木「ふふふ……あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

苗木「あーあ、キミの”希望”はその程度なの?……正直、ガッカリだよ」

ゾクゾクゾクゾクッ

ジェノ(ナニコレ……こんなにアブない雰囲気のまーくんなんて……濡れる!)

 

117: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:46:16.21 ID:lAkrvjsko

苗木「ルールを破ったキミの負けだ……ジェノサイダー翔!」

ジェノ「ルールなんてもうどーでもいいわぁ!もう我慢できなぁい!…ねぇねぇ早く切らせて切らせて!むしろ切る!今切るすぐ切る切り刻むッ!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラゲラッ!」

長い舌を延ばし、ハサミを両手に苗木に迫るジェノサイダー翔!

しかし、苗木は妖しく微笑み……”罰ゲーム”を宣告する!

苗木「やれやれ……聞き分けの悪い子には、”おしおき”が必要だね?」

眼(ウジャト)の光が現れる。
そしてそれが、ジェノサイダー翔が見た、最後の景色となった……

 

118: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:48:06.99 ID:lAkrvjsko

ジェノ「……んっ、アレ?まーくんは……?」

目覚めたジェノサイダー翔は、周囲を見渡そうとした。
が、不思議な力が働いているのかなぜか身体が動かない。
そうして、自分の身体がハリツケにされている事に気がつく。

苗木「”ここ”さ…」

ジェノ「ッ!?」

耳元で、すぐ側で、苗木は囁いた。
驚くのも無理はない。
彼女からすれば、苗木が突然現れたように見えているのだ。

 

119: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:49:27.23 ID:lAkrvjsko

苗木「さぁて……”罰ゲーム”を始めようか」

屈託のない笑顔、そのはずなのに、どこかこの世のものとは思えぬ妖気を、苗木は放っていた。

スチャ☆

いつの間に奪ったのか、苗木はジェノサイダー愛用のハサミを手にする。

苗木「ここで問題、ボクはこのハサミで今から何をするでしょう?」

ジェノ「……悪趣味ね」

誰よりも、彼女には”正解”が解っていた。自分が今までやってきた事…いや、むしろ自分の存在意義そのものなのだから、当然だ。

 

120: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:50:38.40 ID:lAkrvjsko

苗木「キミにだけは、言われたくない…なっ!」

ブスリ☆

ジェノサイダー翔の身体が跳ねる。
しかし、身体は押さえつけられているので、その場からは動く事はできず、悶絶する他ない。

ジェノ「ーッ!ーーッ!?」

言葉にならない悲鳴。
しかし、そんな事はお構いなしに、苗木は次々とハサミを突き刺していく!

 

121: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:51:34.91 ID:lAkrvjsko

苗木「ふふふ…どんな気分だい?身体を切り刻まれるご感想は……?」

ジェノ「……サイコー…………まーくんに切り刻まれるなんて……あはっ……サイアクで……サイコー……」

苗木「……そうかい」

つまらなさそうに、苗木はそう呟くと、静かに最後のハサミを突き立てた。
……ジェノサイダー翔の心臓に。

 

122: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:52:20.64 ID:lAkrvjsko

苗木「なんだか、喜ばせちゃっただけだし、”罰ゲーム”になってないような気がするなあ……」

苗木「まぁいいや、それも”希望”の形の一つ……だよね?」

苗木「ふふふ…あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

苗木誠は、笑い続けた。
絶望と希望がグチャグチャに混ざり合ったような瞳で。
それを見つめるのは、亡骸となったジェノサイダー翔だけだった。

GAME OVER!!

 

123: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:53:16.23 ID:lAkrvjsko

ーMORNING TIMEー

苗木(ふぁーあ……なんか酷い夢を見たなぁ…)

苗木(腐川さんが、あのジェノサイダー翔でボクを殺そうとする夢なんて…)

苗木(これから彼女に会った時、どんな顔をすればいいんだろう……)

苗木「みんな、おはよう!」

大神「苗木か、おはよう」

葉隠「おう苗木っち、おはよう!」

山田「おはようですぞ、苗木誠殿!」

苗木(今日も、ボクらは平和だ。モノクマがどんな手を使って来ようが、ボクらは負けない、絶対に!)

 

124: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:54:14.39 ID:lAkrvjsko

ーNOON TIMEー

腐川「な、苗木…」

苗木「ふ、腐川さん?どうしたの?」

苗木(あれ、この光景……なんか見覚えがあるような……)

腐川「昨日の事なんだけど……あんた、何か覚えてる?」

苗木「えっ?」

苗木(もしかして、昨日のあれって夢じゃなかったのかな……?)

苗木「な、何の事?」

腐川「……し、知らないならいいわ……」

 

126: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 00:55:25.16 ID:lAkrvjsko

苗木「……そっか、じゃあボクは行くね」

腐川「引き止めて悪かったわね……」

苗木「ううん、気にしないで。それじゃまた!」

腐川「ええ…またね……まーくん☆」

苗木「えっ?」

振り返る苗木。
しかし、既に部屋に戻ったのか、腐川冬子の姿はない。
昨日の出来事が、夢だったのか現(うつつ)だったのか……それを知る術を苗木は持ち合わせてはいなかった。

ただ、背後から感じた刺し貫くような殺気だけは……身体が覚えていたに違いない。

…To be continued?

 

127: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 01:28:59.05 ID:F7qQ7DDDO
あれ?腐川とジェノサイダーって、記憶を共有できないんじゃなかったっけ?

 

128: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 01:30:38.22 ID:TgxO/Q1qo

腐川のふりしたジェノだったみたいな感じじゃない?

 

131: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 01:38:13.11 ID:lAkrvjsko
わかりにくくてすみません。
最後のは、腐川のフリをした翔ちゃんです。

 

135: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:21:07.72 ID:qvq/XLqqo
投下します。
自分でも納得のいくものにしたくて、少し悩みましたが、まだまだかな、といった感じです。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。

 

136: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:22:12.96 ID:qvq/XLqqo

―NOON TIME―

苗木(…今度は3階が開放された。)

苗木(よくわからないけど、モノクマが言うには、「監視してるボクとしても、何も起こらないのはツマラナイ」から、らしい)

苗木(理由はどうあれ、新しく行ける場所が増えたのは喜ばしい事だった)

苗木(そして、みんなで手分けして脱出への新たな手掛かりを探していたはずなんだけど……)

セレス「うふふ…これはいいカードを引きましたわ。レイズですわ」

苗木「えっ…また…!?」

苗木(なぜかボクは今、セレスさんとポーカーで勝負をしていた)

 

137: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:23:44.70 ID:qvq/XLqqo

苗木(確かにこの娯楽室は、そういう雰囲気にピッタリな場所だけど…こんな事してていいのかな?)

セレス「あら、わたくしのヒマを潰させて差し上げているのに、よそ見とはいい度胸ですわね?」

苗木「ゴ、ゴメン……ボクは降りるよ。ツーペアすらできないや……」

セレス「はぁ……まったく、張り合いがありませんわね。”超高校級の幸運”が聞いて呆れますわ」

苗木「アハハ……抽選で選ばれたってだけだからね……”超高校級の幸運”じゃなくて”超高校級の不運”の方が、ボクにはお似合いだよ」

セレス「それにしたって、もう少しゲームに集中して欲しいですわ。これでは暇つぶしにもなりませんわよ?」

 

138: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:25:12.36 ID:qvq/XLqqo

セレス「……大方、ここから脱出する為の手掛かりも探さずに、わたくしとゲームに興じていて良いのか……そんな事を考えていたんでしょうけど」

苗木「ど、どうしてそれを!?」

セレス「顔に書いてありましたわ」

苗木「えっ!嘘!?」

セレス「嘘ですわ」

苗木「もう、からかわないでよ!」

セレス「うふふふふ……」

苗木「あ、あはははは……」

 

139: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:26:19.76 ID:qvq/XLqqo

苗木(でもまあ、たまにはこういうのもいいかな。……思えば、ここでの生活が始まってからは、こうやってゲームを楽しむ余裕すらなかったし……)

苗木(うん、今だけは楽しんじゃっても……いいよね?)

苗木「よし、それじゃ本気で行かせてもらうよ!」

セレス「うふふ…よろしいですわよ。粉砕して差し上げますわ!」

苗木(…結果はもちろん、ボクの玉砕、セレスさんに大喝采だ。けれど、セレスさんとの対戦は、時間を忘れるほど楽しかった!)

モノクマ『オマエラ!またまた体育館に集合だよ!迷わずいけよ、行けばわかるさ!』

苗木(”あいつ”が、モノクマが水を差すまでは……)

 

140: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:27:48.12 ID:qvq/XLqqo

モノクマ「ジャジャーン!ひゃっくおっくえん!もしクロが現れたら、ここにある現金をプレゼントしちゃうよ!先着一名様限定だから、お早めにね!」

十神「フン、一桁足りんぞ。俺はデイトレードでその数十倍は稼いでいるからな」

セレス「わたくしも、裏のギャンブルで稼いだ資産が数十億はありますし、お金には不自由してませんわ」

葉隠「ひゃ、ひゃくおく……示談金払って借金返しても余裕でお釣りがくるべ……」

朝日奈「百億円って、ドーナツ何個買えるかな?」

大神「朝日奈よ……モノクマの言う事を本気にするでない……」

 

141: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:29:24.16 ID:qvq/XLqqo

苗木「正直、百億円もあっても使い道に困っちゃうよね……」

桑田「苗木さんの言うとおりッス!こんな事でモノクマの思い通りになっちゃダメッスよ!」

石丸「その通りだ!こんな事で仲間を殺す者がいるとは思えないが、くれぐれも変な気は起こさないでくれたまえ!」

大和田「さすが兄弟!」

モノクマ「な、なんだよぉ……人が、いやクマがせっかく用意したのに、オマエラつれないなぁ……これだからシラケ世代はさ……ぶつぶつ」

苗木(こうして、モノクマが用意して来た新たな”動機”は、葉隠クンを除いたボクらには無意味のようにも思われた……)

苗木(そうしていつものように、夜時間を迎え、ボクはまた眠りについたんだ……)

 

142: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:30:48.39 ID:qvq/XLqqo

―NIGHT TIME―

葉隠「そろそろ、このメモにあった時間だべ……ホントに出口なんてあるんだべか……?」

山田「ふひひひひひひひ、隙ありですぞ!」

ガバッ

葉隠「!?……zzz」

セレス「やはり、簡単に引っかかってくれましたわね……」

山田「ええ、後は石丸のヤツを呼び出して……!」

苗木「……呼び出して、どうするのかな?」

ドンッ☆

 

143: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:32:13.61 ID:qvq/XLqqo

「「!?」」

山田「苗木誠殿!?……クッ、見られたからには……覚悟!」

山田の巨体が苗木に迫る。
しかし、苗木はあっさりと攻撃を躱し、逆に一撃を加え、山田を気絶させた。

苗木「ふふふ……今の会話から察するに、大方キミ達は、石丸クンを殺してその罪を葉隠クンに着せようとしていたんでしょ?」

セレス「…………」

セレスは答えない。
構わず苗木は独白を続ける。

 

144: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:34:04.71 ID:qvq/XLqqo

苗木「けれど、ここから出られるのは人を殺したクロ一人だけ……共犯者にはメリットなんて何もない」

苗木「このままだと山田クンとセレスさん、キミ達二人のどちらかしか生きて出られない」

苗木「…… あくまでもこれはボクの想像だけど、セレスさん、キミは山田クンを裏切って殺すつもりだった……どうかな?」

セレス「!?」

苗木「……したたかなキミの事だ。共犯関係にある人間を生かしておくなんてリスク、そのままにしておくわけがないからね」

セレス「うふふ、たいした想像力ですこと……ですが苗木君、あなたの推理には証拠が何一つありませんわ」

セレス「それどころか、まだ事件は起きてすらいないのですから」

 

145: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:35:42.87 ID:qvq/XLqqo

苗木「……それもそうだね。それじゃあさ、ボクに協力させてくれないかな?」

苗木「ボクみたいな人間でも、そこで寝ている役立たずの山田クンよりは、余程キミの”希望”の踏み台になれると思うんだけど……」

ゾクッ

セレス(苗木君?まるで人が変わったようですわ……)

セレス「……どういう意味ですの?」

苗木「今言った通りさ。キミの”希望”が輝く為なら、ボクは喜んで死を受け入れるよ……!」

苗木「ただし、キミが”闇のゲーム”で勝てたら、だけどね……」

 

146: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:38:01.59 ID:qvq/XLqqo

昼間と同じように、テーブル越しに苗木とセレスは向かい合う。

苗木「ルールは簡単だ。勝負はキミもよく知っている、ポーカーで行う」

苗木「ただし、賭けるのはただのチップじゃあない……”命”さ!」

セレス(”命”!?)

苗木は説明を続ける。
形式はごく一般的なワイルドカードなしのクローズド・ポーカー。
ディーラーは交代制で、ノー・リミット……つまり、一度のベットで賭ける額に制限はない。
ただし、アンティとしてディーラーが指定した枚数分、チップを最初に賭ける必要がある。

 

147: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:39:12.63 ID:qvq/XLqqo

まずは、ルールの確認をかねて、最低額のアンティとベットで1勝負が行われた。

苗木「…ショー・ダウンだ」

苗木の手は”Q”のワンペア。
対するセレスは”2”と”10”のツーペア。

セレス「うふふ、まずはわたくしの1勝ですわね」

場に出されたチップを、セレスが自分の側へ引き寄せると…

 

148: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:40:43.20 ID:qvq/XLqqo

セレス「!?」

苗木の身体が、黒いもやのような物に包まれる。
そして、もやが消えると……腕の一部が消失していた!
まるで最初からそこには腕なんてなかったかのように、存在そのものが消えていたのだ。
度肝を抜かれるセレスをよそに、苗木は楽しげにカードを切る。

 

149: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:42:02.65 ID:qvq/XLqqo

苗木「驚いているようだね……チップはギャンブラーの命。それが失われる度に、闇が身体を喰らっていく。どうだい?これが闇のゲームさ」

セレス「…………」

苗木「ふふふ、怖気づいちゃったかな?」

セレス「面白い……面白いですわ。やはりギャンブルはこうでなくては!」

久々に行う命がけのゲームに、セレスは昂(たかぶ)る。

苗木「気に入って貰えると思っていたよ。……OK、ゲーム続行だ」

 

150: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:46:03.29 ID:qvq/XLqqo

そうして、何度か対戦が行われ、牽制を挟みつつ、一進一退が繰り返される。

セレス「……ショー・ダウンですわ」

苗木はKのスリーカード。
セレスはAと7のフルハウス。

苗木「あれ、またボクの負けか。うーん、今回は結構自信あったのにな……」

セレス「うふふ、残念でしたわね」

だが、二人の実力差は歴然だ。
最初の対決に比べれば、苗木は確かに健闘はしているものの、徐々に手持ちのチップの差は開きつつあった。

そして、重要な局面がやって来た。
ディーラーはセレス。そして、一度目のベットでかなりの数のチップを彼女は賭ける。
ハンドに相当な自信があるのか、あるいはハッタリで苗木を降りさせようというのか。

 

151: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:49:02.08 ID:qvq/XLqqo

セレス「……苗木君、勝負ですわ!」

苗木「そう言われると……逃げるわけには、いかないよね」

売り言葉に、買い言葉。
苗木は自分のカードを確認すらせずにコールする。
しかしそれは、ゲームのセーフティラインを超えていた。
これ以上負けが込めば、苗木は次の勝負には参加できるかすら怪しい。
つまりこの戦いで負けるか降りるかすれば、彼はかなり不利に立たされる事になる…!
セレスの挑発には、そんな意図があったのだ。

 

152: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:49:40.67 ID:qvq/XLqqo

セレス「ではわたくしから、2枚換えますわ……うふふ」

不敵な笑みを浮かべるセレス。

セレス「レイズですわ」

どうやらかなりの手を持っているようだ。彼女は更に賭け金を釣り上げる。

セレス「うふふ、降りてもよろしくてよ?」

苗木「……いいや、みすみすここで引き下がりはしないよ……」

 

153: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:51:12.28 ID:qvq/XLqqo

セレス「あら、そうですか……ではカードの交換を」

苗木「いいや、交換はしない。ボクはこのままでいい……」

苗木「そして、レイズだ。ボクは……残りの命(チップ)を……全て賭けるよ!」

セレス「なんですって…!?」

セレスのポーカーフェイスが一瞬崩れたのも無理はない。
苗木は見もしていない自分のカードに、残りのチップ全てを賭けると言ってのけたのだ。

セレスの手はポーカーの中でも2番目に強い、ストレートフラッシュ。
これを上回る組み合わせとなれば、ロイヤルストレートフラッシュ以外は存在しない。
1度も交換せずに勝てる確率は、わずかに0.0001539%……
誰がどう見ても、ゲームを捨てにきているとしか考えられなかった。

 

154: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:52:39.68 ID:qvq/XLqqo

セレス「苗木君…見損ないましたわ……最後の最後に、こんな形でわたくし達の勝負を侮辱するなんて!」

苗木「それはどうかな…?」

ゾクッ

冷たい、氷のような眼だ。
しかしその瞳の奥で…苗木誠は確かに笑っていた。
多くのチップが失われ、身体の大半が闇の呑まれたにも関わらず、だ。

 

155: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:53:53.36 ID:qvq/XLqqo

苗木「確かにみんなに比べたらゴミのような能力だけどさ…」

苗木「ボクは…ボクの唯一の”才能”に賭けてみたんだ」

セレス(……”超高校級の幸運”!)

けれど、セレスは知っていた。
苗木誠の”幸運”は、所詮抽選で希望ヶ峰学園に選ばれただけの、偶然の産物でしかないものだと。
それは苗木も嫌という程、昼間の対決で痛感させられたはずだった。

 

156: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:55:38.12 ID:qvq/XLqqo

苗木「ボクは誰よりも信じているんだ……ボク自身の”幸運”をね……」

確信、いや、もはや盲信と言っても良いほどの自信だった。
そんな苗木の気味の悪さに、セレスは別の可能性すら模索し始める。

セレス(一旦、落ち着きましょう)

セレス(ゲームは、自分自身との戦い……自分のペースを見失った者が敗北する……)

間近に見える勝利や、異常とも言える男を前にしてもなお、冷静な分析を行う……
それは、”超高校級のギャンブラー”にしかできない芸当だった。

 

157: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:56:28.76 ID:qvq/XLqqo

セレス(苗木君は、カードを交換するどころか、見もしていない……)

セレス(そして、残り全てのチップを賭けてきましたわ……)

セレス(考えられるのは2つの可能性)

セレス(一つは、ハッタリで脅しをかけ、わたくしをゲームから降ろす作戦)

セレス(現実的に考えれば、これが一番考えられる戦略)

セレス(ですが、苗木君は自分の役に絶対の自信があるようですわ……)

 

158: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:57:58.98 ID:qvq/XLqqo

セレス(だとしたら警戒すべきは……”カードのすり替え”!?)

苗木「それは違うよぉ…」

セレス「ひっ…」

心すら見透かされれているような錯覚。
思わず嘘の壁に隠された、彼女の素の声が漏れてしまう。

苗木「ボクなんかが”超高校級のギャンブラー”であるセレスさんを出し抜けるわけないじゃないか…」

 

159: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 16:59:39.51 ID:qvq/XLqqo

訂正

>>158
×心すら見透かされれているような錯覚。

○心すら見透かされているような錯覚。

 

160: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:00:38.87 ID:qvq/XLqqo

苗木「…ボクはスタンドを出せるわけでもなければ、ミュータントでもない。自分が大したことない人間だってことくらいは、ボク自身が誰よりも理解してるつもりだよ」

苗木「夢や希望を持つのもおこがましいほど…努力をするのも図々しいほど…」

苗木「ボクは決定的に最低で最悪で愚かで劣悪で…何をやってもダメな人間なんだ」

ゾクゾクッ

呪詛のような自己否定。
誰よりも前向きな事だけが取り柄だと言っていた少年の口から出た、誰よりも後ろ向きな言葉。
そこに苗木誠という人間の面影は、もはや皆無だった。

 

161: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:02:03.43 ID:qvq/XLqqo

苗木「さぁ、セレスさん!ボクと勝負してくれるよね?」

セレス「…ッ!」

誰がどう見ても、セレスの勝利は確実なはずだった。
手札はほぼ完璧で、手持ちのチップは相手を上回り、相手はカードの交換すらしていない。
このまま勝負に乗れば、全てに決着が付くはずだった。
しかし、考えれば考えるほど、セレスの思考は泥沼に嵌り、安全策に逃げたくなる。

 

162: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:02:45.16 ID:qvq/XLqqo

セレス(ここで勝利を焦らなくとも、アンティとベットで賭けたチップが失われるだけ……)

セレス(無理に勝ちを急がなくても、依然優位に立っているのはわたくし……)

セレス(そうですわ……念には念を、それがギャンブルの鉄則!)

セレス「……降りますわ」

苗木「えっ?」

セレス「降りる、と言ったんですわ」

 

163: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:03:45.07 ID:qvq/XLqqo

苗木「…ふぅん、まぁいいけどね」

口ではそう言いつつも、露骨に落胆の感情をあらわにする苗木。

苗木「あーあ、なんだかガッカリだなあ。でも仕方ないよね……ボクみたいなゴミクズ、勝負する価値もないって事か……」

セレス「そんな事は…」

苗木「それとも、ボクの見込み違いだったのかな?」

苗木「”超高校級のギャンブラー”の持つ”希望”が……ボク程度の存在から逃げ出すなんて……なんだか絶望的だね」

 

164: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:05:36.22 ID:qvq/XLqqo

セレス「……聞き捨てなりませんわね」

苗木「だったらさ…ボクに見せてよ……キミの”希望”をさ」

苗木「キミの”希望”で、ボクを殺してみせてよ!」

ゾクゾクゾクゾクッ

おぞましい程の寒気。
苗木の目の焦点は合わず、もはやどこか別の世界を見ているような気さえする。
セレスは、そんな彼に恐怖と畏怖を感じずにはいられなかった。
……今までギャンブルで対峙してきたどんな対戦相手よりも。
しかし、同時にそれを打ち負かしたいという欲求にも駆られる。

 

165: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:06:38.44 ID:qvq/XLqqo

セレス(ここで引いたら、”超高校級のギャンブラー”の名折れ……ですわ!)

何も恐れる必要はない。今までもそうやって、数多の命がけのゲームを勝ち抜いてきたではないか。
その武勇伝に、今日の対決が加わるだけだ。
そう自身に言い聞かせ、セレスは……

セレス「よろしいですわ……この勝負、受けましょう。コールですわ!」

苗木「そうこなくちゃ…!それじゃ…勝負だ!」

そして、運命の時は来た!

「「ショー・ダウン!」」

 

167: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:07:59.48 ID:qvq/XLqqo

セレス「……そんな、こんな事って!」

セレスティア・ルーデンベルクは、我が目を疑った。
目の前に広がる光景、それは……

苗木「ロイヤルストレートフラッシュ……これがボクの答えさ」

スペードのA、K、Q、J、10。
“最強”にして”最高”の役が、そこにはあった。
“超高校級の幸運”の……紛れもない勝利だった。

 

168: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:09:36.58 ID:qvq/XLqqo

セレス「あ、ありえませんわ…!」

この土壇場で、戦況をひっくり返す大逆転。
文字通り命がけの大勝負に、苗木誠は見事勝利したのだ。

セレス「こんな……ことがっ……」

奇跡、そんな言葉が陳腐になるほどの、幸運っ…!
圧倒的幸運っ…!
まさにこの男、悪魔っ…!
幸運に愛されし悪魔っ…!

 

169: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:10:40.74 ID:qvq/XLqqo

苗木「これで形勢逆転だね……さあ、次のゲームを……」

セレス「……ありませんわ」

苗木「えっ?」

セレス「その必要は……ありませんわ」

確かに、まだセレスにはチップが残されていた。
しかし、彼女の精神(マインド)からはギャンブラーとしての”闘志”が失われていく……

 

171: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:13:01.84 ID:qvq/XLqqo

セレス「わたくし、王手を宣告されても最後まで諦めない質ですの……」

苗木「だったら……」

セレス「ですが、勝てないと解っている相手にみっともなく足掻くほど、往生際は悪くありませんの」

大一番のあの勝負で、セレスは確信した。
苗木誠の持つ、”超高校級の幸運”は、紛れもなく”本物”だと。
それも、命がけの戦いにおいてのみ力を発揮する、絶対的な”力”であると。

それを相手にすれば、いくら”超高校級のギャンブラー”としての才能が、ギャンブルにおける幸運を自身にプログラミングしていたとしても、決して勝ち目はないと。

 

172: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:14:30.57 ID:qvq/XLqqo

セレス「さあ、ゲームはわたくしの負けですわ……いくらでも、殺してくださいな」

苗木「そうかい……」

その言葉に呼応するように、彼女の周囲に黒いもやがかかる。
敗者は消える、それが闇のゲームのルールだ。

セレス「だけど、もし生まれ変わったら……その時は勝ちますわ……このセレスティア・ルーデンベルクが……必ず!」

 

173: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:15:36.41 ID:qvq/XLqqo

苗木「ふふふ、それは楽しみだよ……」

セレス「それでは、ごきげんよう」

セレス「うふふふふふ……」

最期まで笑いながら、彼女は漆黒の闇へと溶けていった。

苗木「また、いつでも受けて立つよ」

テーブルに残されたトランプを見つめながら、苗木はつぶやくように言った。

苗木「ボクなんかでよければね……」

GAME OVER!!

 

175: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:17:21.47 ID:qvq/XLqqo

―NOON TIME―

セレス(結局、あれは夢だったのでしょうか……?)

セレス(それともここは既に現世ではない、とか……冗談にしても笑えませんわね……)

ロイヤルミルクティーを口にしながら一人考え込むセレス。

気がつけば朝になっており、朝食会でそれとなく尋ねてみたものの、山田も葉隠も昨晩は何もなかったと話すばかりだった。

もちろん、目の前のこの男も。

 

176: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:18:55.69 ID:qvq/XLqqo

苗木「どうかな?……初めて淹れたから、美味しくなかったらゴメンね……」

セレス「そうですわね……ギリギリ及第点、にしておいてあげますわ」

苗木「あはは…それはよかった、のかな?」

セレス「初めてにしては、ですわよ。……これから毎日手ほどきして差し上げますから、早く上達して下さいね?」

苗木「えっ、毎日?」

セレス「当然ですわ。苗木君はゆくゆくはわたくしのナイトとなるお方……よろしいですわね?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

177: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:20:20.11 ID:qvq/XLqqo

有無を言わさぬセレスの威圧に、

苗木(強制、なんだ……)

半ば諦める苗木。

苗木(けど、セレスさんのマイペースに振り回されるのも、悪い気はしないかな……)

セレス「それでは、これを飲んだら参りますわよ?」

苗木「えっ?どこに……あ、そうか、わかったぞ!」

セレス「うふふ、それはもちろん……」

「娯楽室だ!」「娯楽室ですわ」

…To be continued?

 

182: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/19(木) 17:41:15.46 ID:qvq/XLqqo
ネクストヒナタズヒント:髪型

 

191: ボツネタその1 2013/09/19(木) 19:55:25.20 ID:qvq/XLqqo

苗木「ボクと」

狛枝「キミで」

「「オーバーレイネットワークを構築!」」

「「現れろ!No(ナンバーズ).39、希望王ホープ!」」

 

210: ボツネタ2 2013/09/20(金) 14:48:49.60 ID:eU4v/fYKo

コトダマスター苗木

最終話「”希望”を胸に」

すべてを終わらせる時……!

苗木「チクショオオオオ!」

苗木「食らえモノクマ!【それは違うよ!】」

モノクマ「さあ来い!苗木クン!ボクは一度論破されただけで死ぬぞォ!」

B R E A K !!

モノクマ「グアアアア!……こ、この学園の学園長であるボクが……こんな苗木クンごときに……」

モノクマ「バカなぁああああ!?」

ネクラ「モノクマがやられたようですね……何の役にも立たないなんて……絶望的ですよね……」

眼鏡「彼は我々超高校級の絶望の中でも最弱……たったそれだけの存在という事です……」

凶悪「苗木ごときに負けるなんざ、オレ達の面汚しよッ!!」

苗木「【それは違うよ!】」

江ノ島ズ「グアアアアアアア!!」

苗木「ハァハァ、やった、ついに江ノ島さん達を倒したぞ!……ついに黒幕のいる学園長室への扉が開かれる!」

黒幕(よく来たな……コトダマスター苗木よ……!待っていたぞ……)

苗木「こ、ここが学園長室だったのか!……黒幕の”絶望”を感じる!」

黒幕「苗木よ……戦う前に一つ言っておく。この私様を倒すのに【コトダマ】が必要だと愚かにも思っているようだが……別に無くても倒せる!」

苗木「な、なんだって!」

黒幕「そしてお前の両親や妹は、世界が崩壊しているから保護しておいた。後は私様を論破するだけだな!」

苗木「ふ、上等だよ……。ボクも一つ言っておく事がある。ボクらは入学したばかりで初対面だと思っていたけど、別にそんな事はなかったんだ!」

黒幕「そうか」

苗木「ウオオいくぞオオオ!!!!」

黒幕「さあ来い苗木!!」

苗木の【希望】が世界を救うと信じて!
ご愛読ありがとうございました!

 

214: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/20(金) 20:34:36.77 ID:eU4v/fYKo

番☆外☆編

大和田「ところでよぉ……桑田、オメー随分と印象変わったよな」

桑田「え……そうッスか?」

大和田「その喋り方もだ。なんつーか、以前のオメーはもっとチャラチャラして、いけすかねぇヤローだと思ってたんだが……」

桑田「そ、そうッスかねぇ……」

大和田「そうだよ。ガタイもなかなかいいし、ここを出たらオメー、オレんトコのチームに入らねぇか?」

桑田「い、いや……遠慮しとくッスよ……もしここを出られたら、野球したいんで……」

大和田「そうか。まぁ無理強いはしねぇさ……なら苗木でも誘ってみるかな」

桑田「苗木さん、ッスか?」

大和田「おう、アイツはああ見えてなかなか根性あるみてーだし、いい”族”になれるぜ」

桑田「ははは……確かに苗木さん、怒ったらコワいですもんね……」

大和田「……ああ。アイツ、人が変わったみてーにキレるよな……」

桑田「ええ……」

大和田「…………」

桑田「…………」

どんな事があっても、苗木だけは絶対に怒らせないようにしようと決意する二人であった。

苗木「くしゅん!」

苗木(風邪かなぁ……?)

続きますm(__)m 

元スレ
タイトル:苗木「ゲームをしようよ。闇のゲームをね……」
URL:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379308828/
掲載サイト:SS速報VIP@VIPサービスに投稿されたスレッドの紹介です

Similar Posts:


PAGE TOP