勇者「お前ら勇者という呪いをしってるか?」

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1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:50:10.291 ID:tYWyqh7H0.net
あるときに俺は気づいた、勇者とは勇者そのものが呪いなんだ。勇者とその他の生物の決定的違いがなにかわかるか?

勇者の剣が持てる?ステータスが高い?神に選ばれたもの?神の加護?

だがあえて言うなら決定的な違いは死なない、それだけだ。

勇者は絶命した瞬間に最後に立ち寄った教会に復活する。神の慈愛により生き返らせられる‥‥

それは体が完全に消滅してしまおうがなんだろうが神が『死んだ』と判断すれば行き返るんだ。

そりゃあ初めは飛ぶように喜んだね、ただの農民だった俺が勇者に選ばれたなんて誰が想像してた?俺は特別な存在なんだって産まれて初めて生きてるって実感が沸いたよ。

勇者に選ばれた俺は何をしていいかもわからないまま村をでた、だけどせいせいしたね

あんな何も無いド田舎の村で、普通に農民をしてたら一生外の世界には出れなかっただろうし、村のみんなは歓迎してくれたけど実際俺はみんなを見下してた、一生畑でも耕してろよ。俺はなんたって勇者様なんだからよ


2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:50:56.905 ID:tYWyqh7H0.net
次第に魔物も強くなって来たある日、俺は死んだ。

魔物って夜中は凶暴化するんだ、常識さ。

その日も夜中だった、安全に夜営出来るところが見つからなくてね、大木の下で眠ることにしたんだ。

次に目が覚めたときは巨大なベアータイプのモンスターが俺の眼前にいたんだ。

大きな口からだらだらと流れるヨダレ、鋭く俺を見据えた目、荒い息、一呼吸するごとに生臭い匂いが鼻をつく

俺は恐怖に動けなかった、手元の剣は数メートル先。今なら一瞬で取れるさ。

でもあの頃は‥‥そりゃあそうだよな?村を出たばっかりの農民がこういう時に出来ることってなんだ?

正解は泣き叫ぶ‥‥それしか出来なかった、幸いそんなカッコ悪いところを見てくれる人もいなかったからな、精一杯叫んだよ

助けを求めたよ、勇者がさ!笑っちゃうよな今思えば。

俺は、喰われた。生きたまま‥‥体を巨体に潰されながら内蔵を引きずり出された。でも人間って思ったより死なないよな?自分の腸を喰われながら、絶望しながら思った。

はやく殺してくれ‥‥

3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:51:18.516 ID:tYWyqh7H0.net
『勇者よ‥‥死んでしまう‥とは‥情けな‥い‥‥』

暗い底から上がってきた来たような感覚‥‥放心状態、冷たい床‥そして気がついた時俺は見たことのある天井を見上げていた。

そう、お待ちかねの教会だ!

始めて見たときの神父の顔を今でも思い出すよ、白目を見開いて、体中に浮き上がった血管、鼻血が栓を抜いたビール樽のように流れ出すどうみても正気を失ってた。

なんだと思う?悪魔?呪い?

正解は神様さ、全知全能の奴は神父の体を借りて俺を生き返らせるんだ。そのあとは死ねば最高!死ななければ一生死ぬよりつらい後遺症だ、しかしそいつらはしばらくするとまた新しい人員と変えられてる。

あいつらもあいつらでどっかイカれてんだ、きっとな。

俺は喜んだねー、だって不死だぞ?死なないんだ。それに記憶だってある、リセットじゃない。記憶があるからにはそこで沸き起こった感情がある‥‥怒り‥憎しみ‥だ

まずはあの熊野郎の情報を片っ端から探したよ。そして巣を見つけたんだ。魔物の分際で子供達がいたんだけど、それが可愛くて可愛くて‥‥

でもよ、よくみるとなにか咥えてるんだよ

俺の指だ‥‥毎日見てるもんを間違えるはずもねぇ

バラバラにしたよ、そして親が帰って来た時にはもう手は付けれないくらいの逆上、しかし武器もあるし血がのぼった熊くらいなら俺でもやれる。一体一だしな

親子仲良くバラバラにして‥‥放置した。

5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:51:45.214 ID:tYWyqh7H0.net
そこからかな、少しずつ魔物を殺るのが快感になったんだ。向こうだって見つけた瞬間襲ってくるんだ、殺したって可笑しくはないよな?

自然の摂理だ。

あるときだ、一人の魔法使いを助けたんだがそいつとパーティーを組むことにした。

俺にとってのはじめてのパーティー、しかも上玉の女。喜んだ喜んだ、もうね。天にも昇るようなとはこのことだって思った。

あっけなく死んだ。

女で魔法使い‥‥そりゃあすぐに壊れるよな‥‥

教会に弔いに行った時だった、神父に神が乗り移った。いつもは俺が死んだ後に乗り移ってるから見るのは初めてだったわけだが、あれは地獄だね。みるに耐えない。だってあの神父が最後まで命乞いしてるんだぜ?覚悟の上だったろうにさ。なんで私の時に!?とかさ

シスターなんかもう号泣だよ腰から砕けてなんも出来ないからさ、ただただ大声で喚いてた。

そして神父が言うんだ

『仲間‥‥を‥みせ‥ろ‥‥』

もうそれは神父じゃないか。

そして勇者のパーティーは俺と同じ‥‥そう、この呪いの連鎖に巻き込まれてしまうってわけだ。

でもまぁ、その時の俺は涙を流して喜んだしほっとした。生き返った魔法使いはなにが起きたか分からないって顔してキョトンとしてよ‥‥いま思い出しても笑えるな。

それに事情を話せば魔法使い自身もこれで不死だって喜んでたよ。

6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:52:14.482 ID:tYWyqh7H0.net
話は大分飛ぶんだけどさ‥‥数週間か‥‥数ヵ月か‥‥

俺たちは不死を良いことに強引にダンジョンに潜ったり格上と戦い続けた。強くなった。金も手にはいった。そのうちに麻痺してたんだよな‥‥命に対して‥

その度に犠牲になる神父にだって巨額の献金がされるってのも知ってた‥‥けどそういうんじゃないんだよな‥‥

それに麻痺してたのはその他の命への‥‥

俺たちは一つだけ長く滞在した街があった。みんな親切で、いい人たちばかり、居心地がよくて二ヶ月はいただろうか、そんなある日。

俺達の噂を耳にした魔王軍の大軍が現れた。

俺と魔法使いはそりゃあ死に物狂いで戦ったさ、大切なみんなを守りたかった、それは本心だ。

でも圧倒的な物量に押された俺らは無力だった‥‥

次の瞬間俺と魔法使いは前に寄った村の教会にいた、安堵したよ。またやり直せるって、今度は失敗しないって‥‥

すぐに馬を手配して走った。近道もわかってたし数時間後にはついたよ。

ただ‥‥もう街は無かった‥‥

女 子供 老人に至るまで考えられるすべての暴力と殺戮を繰り広げられた後だった。

女は子供だろうと犯されていたし、男は手足を落として町中に吊るされてた。

魔法使いは枯れるほど泣き崩れ、俺は胃がひっくり返るぐらい吐いた。

7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:52:38.253 ID:tYWyqh7H0.net
俺たちはまだ気づいていなかったんだ、バカだった‥‥

ちょっと考えれば分かること。でも麻痺してたんだ。

俺達の時間は巻き戻る‥‥生き返る‥‥けど‥‥

世界の時間は巻き戻らない‥‥

俺達以外は死ねば終わりだ

破壊されれば終わりだ

俺たちは誓った。街に長く滞在しない。人と深く関わらない。自分達の損得だけを重視する。

孤独を選んだ

それは‥自分達に残された最後の心を守る‥‥ためだったのか‥な‥今はどうでもいい‥‥

それから、二人のパーティーに限界を感じた俺たちは全く知らない戦士と僧侶を加えた。この呪いに巻き込む事になんの感情も生まないためだ。自分達が傷つきたくなかったからだ。

ただ、1日‥‥また1日と冒険を繰り返すたびに心が通っていくのがわかった。

仲間がいつ死ぬか‥‥気が気じゃなかった‥‥不死だとバレるのが怖かった、本当に怖かった‥‥

まるで体を少しずつ蝕んでいく毒のようにジワジワと内側から不安と絶望のような感情が心を崩壊させていった。

8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:52:57.165 ID:tYWyqh7H0.net
その頃になると日中パーティー四人で居るときは我慢していた魔法使いだが、二人きりになるといつも泣いていた。

「私達‥‥騙してるのかな?」

「そんなことはないさ‥‥」

「でも‥‥もう死なないんだよ‥‥いや‥‥死ねない‥んだよ‥」

「あの二人も‥もう‥」

「大丈夫‥‥大丈夫‥‥」

俺は魔法使いを抱き締めた‥‥自然にお互いを求めあった‥‥体を‥‥心を‥‥

戦士と僧侶には勇者の加護‥‥いや呪いのことは言って無かった。騙したのか?いや、聞かれてない‥‥だから言ってないだけだ‥‥

ただ、神に選ばれた勇者だということ、大義のために戦うということを伝えて二人とも二つ返事で了承した‥‥了承したんだ‥‥

俺は‥‥俺自身を‥騙した。

9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:53:36.018 ID:tYWyqh7H0.net
しかし、騙し続けるのはそう長くは続かなかった。俺達が魔族の拠点を攻めた時だった。

大人の魔族を全員殺し終わった時だった。戦士が乗り気でないのは途中から気づいていた。

残った子供の手をかけようとしたまさにその瞬間だった

「やめろッッ!!」

「ッッ!?」

「なんだよ戦士!?」

「お前がなんなんだよ!子供は関係ないだろ?!」

「‥‥?」

「魔族だろ‥‥?」

「こいつらは子供だろ!?なにも感じないのか!?」

「容姿だって人間と肌の色くらいしか変わらないじゃないか!?」

「それが‥‥どうかしたのか‥‥?」

「お前‥‥本当に勇者かよ?」

「こいつらが大人になれば必ず人間に復讐するだろう?」

「それに子供だけでどうやって生きて‥」

「「「きゃああああ!!」」」

「ッッ!?」

その時俺らの口論のうちに僧侶が誘拐された。魔物の残党だった。

数体の魔族に阻まれてそいつらを斬った頃にはもう僧侶は見つからなかった。

「お前のせいだぞ勇者!!」

「初めに始めたのは戦士だろ」

「なんでお前は警戒もしていなかったんだ戦士?」

「そ、それはッッ‥‥!?」

「もうやめて!!!」

「‥‥」

「‥‥」

「くそ、ちょっと外の空気をすってくる」

「そうしろ、頭冷やせよ」
俺たちは解散の危機だった。
「勇者‥‥」
「しかたないさ‥‥甘いんだよあいつらは」
「‥‥大丈夫だよ‥教会にこないって事は死んでないよ‥」
「魔法使い‥‥それが本当に良いことだと思うか‥‥?」

10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:53:57.499 ID:tYWyqh7H0.net
一週間後、僧侶が教会で生き返った

その後の僧侶はしばらく何に関しても反応を示さなかった。

それから一週間後、すべてを話してくれた。

僧侶は勇者の加護の情報を引き出されるため、想像を絶する拷問を受けていたらしいその一つ一つ言葉を発するごとに僧侶は嗚咽を漏らし泣いた

俺たちは加護についてなにも教えていなかった。だからこそさらに拷問は激しくなったのだろう。

そして、僧侶の体はもう純粋ではなく魔族に傷物にされていた‥‥

子供を産まされる予定だったようだ。そして、耐えきれなくなった僧侶は最後に‥‥

舌を咬みきって死んだ

そして、教会に戻ってきたのだ。彼女自身最初はなにが起きたのか分からなかったようだった。

11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:54:27.021 ID:tYWyqh7H0.net
それから戦士は敵が人の子供だろうが率先して殺した。進んで俺達の盾になった。それは僧侶に対しての償いか‥‥

戦士は誰よりも身を削るようになった。不死だから?

たぶんそれは違う‥‥戦士は‥僧侶の事を‥‥

僧侶も旅を続けてくれた、戦っている時だけは全てを忘れられるからだと一度だけ聞かされた。

俺と魔法使いは戦いが終わるごとに体を重ねた。薄れていく感情を‥‥崩れていく心を‥‥

俺たちは溢さないように互い集め合った、最後に残された気持ちを。

そのあいだ僧侶と戦士が何をしていたかはしらない、あるいは俺たちと一緒か‥‥どうか‥‥

日々俺たちは強くなった、人間が到達しえない力をてにした。

これはきっと神の加護って奴が強まっているのか

魔王城につく頃には魔物は恐れをなして逃げていった。本当に俺たちは人間なのか?それとも‥‥

12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:54:52.361 ID:tYWyqh7H0.net
城の中には勇敢で強力な魔物ばかりがいた。さすがに俺達もギリギリの戦闘を強いられた。

一歩、また一歩進むごとに肉を削がれ、骨を砕かれた。

もう、俺たちに怖いとか痛いとか。そんな感情は微塵も無かった。僧侶は次々と傷を癒していく。

魔物は口を合わせてこういった。

「本当に人間なのか??」

俺達の最後の思いは魔王を倒したいだとか、世界を平和にしたいだとかそんなものはとうの昔に無かった。

ただこの呪いから解放されたかった。ただ、ただそれだけ‥‥

そのために歩をすすめた‥‥

魔王との戦いは過去最大の死線だった。

繰り出される一撃は全てを砕き、唱える魔法は何もかも焼き尽くした

13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:55:17.003 ID:tYWyqh7H0.net
魔王の秘術を戦士が受け止め死んだ。

僧侶は最後までMPを使いきり戦士に寄り添うように死んだ。

魔王が死んだとき、神の加護が消えたのを俺ははっきり感じ取った。

まってくれよ、おいていかないでくれ‥‥

魔法使いの脇腹から止めどない血が流れ続ける‥‥

冷たくなっていく、生気が抜けていく

きっともう生き返らない‥‥

魔法使いはやっと死ねると‥安心したように笑みを浮かべた‥

俺の手の中で最後の希望を失った‥‥

剣から指が離れない‥‥血と焦げた石の匂いが鼻をつく

ならもうこの剣を離さなくてもいい‥‥俺は全ての種を超越した‥‥人間でもない‥魔物でも‥魔族でも‥‥

14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:55:32.955 ID:tYWyqh7H0.net
じゃあ最後の仕事をしよう。争いを起こらなくするには‥‥もうこれしかないだろ?

すでに人間も魔族も魔物も‥‥残り少ないからな‥‥

これが俺の最後の‥‥決断だ‥‥

聞こえてるか?世界よ。

こんな魔法も使えるようになったんだぜ。聞こえてなくてもいいさ結果は変わらない‥‥

俺は‥‥

勇 者 だ

15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:56:35.565 ID:tYWyqh7H0.net
~~

全ての生命が死に絶え莫大な時が流れた‥‥

もう一度神はあらゆる生命を作り出した。しかし今度は争いが起きないように魔物も魔族も作らなかった。そして、勇者も‥‥

そして、一対の人間を作り出す。

それから数千年後、神はまた失敗したとつぶやいた。

16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 02:56:52.746 ID:tYWyqh7H0.net
~~fin ×
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2017/10/30 03:00:13.770 ID:ko+Xh6nW0.net
面白かった


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タイトル:勇者「お前ら勇者という呪いをしってるか?」
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