貴音「もののけ姫」

THE IDOLM@STER

アンケートへの回答ありがとうございました。

今後のまとめ記事の参考にさせて頂きます。

要望等あればいつでもご連絡ください。

1: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:04:54.04 ID:h9HDffnt0
注意
・地味に長いです
・百合?です
・キャラは崩壊する上、ストーリーも崩壊します
・投下間隔長めです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432472684


2: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:06:38.65 ID:h9HDffnt0
~???~

パカラッパカラッ

貴音「じい!」スタッ

貴音「今日はなにやら森が騒がしいですね」

じい「何か良からぬ物が迷い込んだ様子ですが……」

3: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:08:46.64 ID:h9HDffnt0
ズモモモモモ……

貴音「っ!? あれは!」

祟り神「プギィィィッ!!」

じい「祟り神じゃ!」

貴音「何あれキモい」

じい「その様な言葉を使ってはなりません!」

4: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:10:17.48 ID:h9HDffnt0
貴音「……っ! あれは、雪歩!」

じい「祟り神に追われてますぞ」

貴音「本当ですね」

じい「……」

貴音「……」

ヒェー、アナホッテウマッテマスー

5: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:12:06.42 ID:h9HDffnt0
じい「あ、あのぉ」

貴音「何か?」

じい「助けたり、しないのかなぁ……なんて」

貴音「あー」

貴音「やはり、助けた方が良かったですか」

じいや「はぁ、まあ……呪われますが」ボソッ

6: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:13:26.31 ID:h9HDffnt0
貴音「今なんと?」

じい「呪われますが」

貴音「お疲れ様でした」

じい「お嬢様! 適切な判断ですが話が進みません!」

貴音「呪い怖い呪い怖い呪い怖い……」ガクブル

7: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:15:28.58 ID:h9HDffnt0
じい「大丈夫です。聞いた話によると、あんまり痛くないと専らの噂ですから!」

貴音「ほ、本当ですか? 嘘ではありませんか?」ガクブル

じい「それはもう、町では痛くないと評判です」

貴音「うぅ……では」バッ

8: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:17:00.36 ID:h9HDffnt0
貴音「参りますよ、やっくる!」パカラッパカラッ

雪歩「ふぇぇぇ! 穴掘って埋まりたいぃぃぃぃい!!」

貴音「雪歩、今助けます!」ギリギリギリ

雪歩「四条さん!」

9: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:19:04.58 ID:h9HDffnt0
パシュンッ

祟り神「ピギィィィ!!」

シュルルル

貴音「きゃっ」グルグル

雪歩「し、四条さんの腕にキモい触手が!」

貴音「あ、本当に痛くな……や、痛い! やっぱり痛いです! じいの嘘つきぃぃぃいいいいいい!!!!」ジタバタ

じい「いやぁ、あくまで噂ですから」

10: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:20:36.37 ID:h9HDffnt0
雪歩「し、四条さん!」

じい「触れてはならん! 呪いがうつるぞ」

貴音「じい、酷くありませんか?」

小鳥「貴音ちゃん!」パカラッパカラッ

スタッ

じい「ピィさま!」

11: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:22:36.34 ID:h9HDffnt0
小鳥「うわぁ……凄い呪われてる」ミズドバー

貴音「はやー!?」

小鳥「あのぉ、祟り神さん……何でそんなに怒ってるんでしょうか?」

祟り神「汚らわしい人間どもよ……我が憎しみと苦しみを知るが良い」シュゥゥゥゥ

小鳥「急にそんなガチっぽいこと言われても……」

12: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:25:08.49 ID:h9HDffnt0
……

小鳥「さて、困ったことになったわね……困ったと言えば、何で私この配役なわけ?」

じい「さ、さぁ……」

小鳥「とにかく、あの祟り神はここからはるか西から来たみたい。貴音ちゃん、皆に傷を見せてあげて」

貴音「はい」スッ

皆「うわぁ……」

小鳥「アシ貴音彦ちゃん。あなたには自分の運命を見据える覚悟はあるかしら?」

貴音「……それが、私のさだめならば」

13: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:27:05.45 ID:h9HDffnt0
小鳥「その痣はやがて骨まで達し、あなたを殺すでしょう」

貴音「えっ!?」

雪歩「何とかなりませんか!? 四条さんは私たちを助けて……」

貴音「そうです! ただ死を待つだけというのは……」

じい「自分で言うなよ」

貴音「黙らっしゃい!」

14: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:29:35.51 ID:h9HDffnt0
小鳥「悲しいけど、誰にも運命は変えられないわ。でも、ただ待つか、自ら赴くかは選べる」

小鳥「見なさい。あの祟り神から出てきた物よ。肉を咲き、骨を砕いた恐ろしい物」

小鳥「西の彼方で、何か良くないことが起こってるみたいね……アシ貴音彦ちゃん、西へ向かいなさい。これができた土地なら、もしかするとあなたの助かる方法も見つかるかもしれないわ」

15: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:30:36.02 ID:h9HDffnt0
貴音「……」

小鳥「掟で見送ることはできないけれど……元気でね、貴音ちゃん」

16: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:33:12.46 ID:h9HDffnt0
……

貴音「……」パッカパッカ

雪歩「四条さん!」

貴音「雪歩!? 見送りは禁じられているはずです!」

雪歩「お仕置きは受けます! 私の代わりに、これを持って行って下さい!」スッ

貴音「これは……大事な黒曜石の小刀ではありませんか」

雪歩「四条さんをお守りするよう、お祈りしました。いつも私は四条さんのことを想ってますぅ!」

17: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:34:55.00 ID:h9HDffnt0
貴音「私も、雪歩のことを想っております」

雪歩「……本当に?」

貴音「へ?」

雪歩「本当に……浮気、しませんよね?」ゴゴゴゴゴゴ

貴音「ひぃっ!? ゆ、雪歩?」

18: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/24(日) 22:37:58.47 ID:h9HDffnt0
……

貴音「あれは……戦?」パッカパッカ

侍A「大将首だな!」

侍B「首置いてけ! 首置いてけよ!」

貴音「私の何処を見たら大将首に見えるのですか!」ゴボッ

貴音「っ!? う、腕が……」ゴゴゴゴゴゴ

侍A「ぐわぁっ!!」ズパッ

貴音「な、何と……」

侍C「お、鬼だ……」

貴音「くっ、御免!」パカラッパカラッ

クビオイテケー

27: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:46:09.09 ID:Z1A0f/j00
……

貴音「……痣が濃くなっていますね」チャプン

貴音「早く何とかしなければ……」

28: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:46:42.00 ID:Z1A0f/j00
……

律子「何だか白湯みたいなご飯ねぇ」ズズズ

「何だいこりゃ!!」

律子「ん?」

貴音「これではいけませんか?」

村人「お代は銭で払いな! こんな石ころじゃ話にならないよ!」

29: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:47:18.24 ID:Z1A0f/j00
律子「はいはーい、ちょっと見せてもらえる?」

村人「な、何だいアンタは」

律子「ふぅん……あら、これ砂金じゃない」

村人「えっ!?」

ザワ……ザワ……

30: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:48:03.29 ID:Z1A0f/j00
律子「これだけの大きさ……これは米の五貫や十貫じゃ足りないわね……」

律子「これ、要らないの? 要らないなら私が」

村人「わ、私んだ!」パシッ

貴音「……」テクテク

律子「あっ、ちょっと待ちなさいよ!」タッタッタッタッ

31: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:48:41.31 ID:Z1A0f/j00
律子「さっきの戦い、見てたわよ」

貴音「っ!」ピクッ

律子「鬼神の如しってのはあの事ね。あ、責めてる訳じゃないのよ? こう荒れた世の中じゃ、仕方ないわよね」

貴音(この御仁は何故着いてくるのでしょうか……)

律子「……気付いた? つけられてるわよ」

貴音(気付かなかった……)

律子「あんなとこで砂金見せれば、まぁこうなるわよね。全く、人心の荒みっぷりときたらないわね」

律子「寝込みを襲われちゃ堪らないし、走りましょ」

貴音「……」コクン

32: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:49:23.44 ID:Z1A0f/j00
……

グツグツ

律子「ふぅん、猪が祟り神にねぇ……」

貴音「ええ。足跡を辿っていたのですが、ここに来て完全に見失ってしまいまして……」パクパク

律子「ま、仕方ないわよね。ここのところ戦続きだし。戦災、飢饉、天変地異……人の世は恨みで満ちてるわ。祟りと言うなら、そこらじゅう祟りだらけよ」ヤレヤレ

貴音「人里に下りたのは間違いだったのかもしれません……人を殺めてしまうとは」モグモグ

律子「人はいずれ死ぬわ。早いか遅いかよ……相手が侍なら、それで助かる命もあるわ。結局、巡り合わせなのよ」

貴音「そういうものでしょうか……」ズルズル

33: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:50:02.18 ID:Z1A0f/j00
律子「あなたを見てると、東の果てに暮らすという古い一族の話を思い出すわ。石の鏃を用い、アカシシに跨る面妖な一族……ってね」

貴音(どうでもいいのですが、この方はいつまで着いてくるつもりでしょうか……)ムシャムシャ

律子「大切なのは死に飲まれないことよ……ま、私の上司の受け売りだけどね」

貴音「この鉛の礫をご存じではありませんか?」ガツガツ

律子「ん?」

貴音「大猪の肉を裂き、骨を砕いた物です」モグモグ

律子「大猪……ねぇ」

34: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:50:36.38 ID:Z1A0f/j00
律子「……ここから更に西に進むと、人の立ち入らない深い森があるの」

律子「春閣下の森と呼ばれるその森では、動物たちは皆昔のまま大きく、賢く、なんくるないというわ」

貴音「……」ムシャコラムシャコラ

律子「どうしても行くのね?」

貴音「ゴクン」コクン

35: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 00:51:07.54 ID:Z1A0f/j00
律子「ハァ。ま、これもまたさだめなのかも知れないわね。それにしても……」

貴音「?」パクパク

律子「よく食べるわね……いや、アンタの米だから良いんだけどね」

40: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 21:56:22.36 ID:Z1A0f/j00
……

亜美「えっほいえっほい……ふぃー、疲れた~」

牛飼い「山犬だーっ!」

牛飼い=サン「アイエエエ! ヤマイヌ!? ヤマイヌナンデ!?」

牛飼いB「モロだっ! モロが出たぞ!」

41: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 21:58:49.02 ID:Z1A0f/j00
亜美「うぇっ!? わわっ!!」ヒュー

美希「あふぅ……列を乱しちゃ、ヤ!」

伊織「石火矢構えなさい! 雨で火薬を塗らさないようにね!」

美希「まだ撃たないでね……じっくり近づけて」

モロ「グルルルルルル」

美希「今なの!」

伊織「撃てぇぇぇええええっ!!」ズドンッ

モロ「ぐぅっ!!」ヒュー

村人「やったぞ!」

42: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 21:59:24.78 ID:Z1A0f/j00
伊織「仕留めたかしら?」

美希「デコちゃん甘過ぎ。あの山犬がこの程度で死ぬわけないの。みんなー、列を組み直して出発なのー!」

伊織「落ちた子達は?」

美希「放っとくの。どうせこの高さじゃ無駄だし、助けたくても助けも出せないの」

43: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:00:01.93 ID:Z1A0f/j00
……

亜美「……っ」

貴音「もし?」

亜美「……ぅぅ」

貴音「もし!」

44: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:00:36.44 ID:Z1A0f/j00
ガサッ

貴音「っ!」

響「……」

貴音(巨大な山犬……それに、あの娘は?)

響「……」

貴音(発見、美味しそうな女の子、じゅるるん!)

響「っ!!?!」ゾクッ

モロ「どうしたんだい、響」

響「ううん、何でもない! それより大丈夫、いぬ美?」

45: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:01:08.71 ID:Z1A0f/j00
モロ「だから私ゃいぬ美じゃないといつも……」

響「いぬ美、今手当したげるぞ!」スッ

モロ美「だから私は犬神のの長、モロだと……」

響「いぬ美、痛かったら言ってね」

モぬ美「話を聞かないね、この娘は」

響「よし、これで大丈夫だぞ、いぬ美!」

いぬ美「もういぬ美で良いよ」

46: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:02:03.32 ID:Z1A0f/j00
ガサッ

響「っ!? 誰だ!」

貴音「我が名は四条貴音! 東の果てより参りました。貴女はもしや、この地に古くから住むという女神でしょうか?」

貴音(ふっ、決まりました)

響「……帰れ!」クルッ

貴音「なっ!?」ガーン

47: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:02:38.83 ID:Z1A0f/j00
亜美「あわわわわわっ!?」

貴音「っ! 気付かれましたか」

はるかさん「かっかー」

貴音「おや、はるかさんではありませんか。この地にもいるのですね」

48: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:03:21.97 ID:Z1A0f/j00
はるかさん「かっかー」

亜美「あばばばばばばば」

貴音「静かに、動くと傷に障りますよ。何もしなければ悪さはしません」

亜美「こいつら春閣下を呼ぶんだよ!」

貴音「春閣下? 大きな山犬でしょうか?」

49: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:03:53.94 ID:Z1A0f/j00
亜美「違うよ! もっともっとおっかないお化けだよ!」

貴音「お、お化け……」ブルブル

貴音「」キョロキョロ

貴音「き、危険なものはいないようです。さ、今の内に」スッ

亜美「わーいおんぶだー!」キャッキャッ

貴音「元気なら歩きますか?」

亜美「がふっ……亜美はもう駄目だ……」

貴音「面妖な……」テクテク

ヤックル(私に乗せれば良いんじゃ……)

50: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:04:56.97 ID:Z1A0f/j00
はるかさん「かっかー!」ワラワラ

貴音「ふふ、道案内をしてくれるのですか?」

はるかさん「かっかー」

亜美「お姫ちーん、こいつらどんどん増えてるよ! 亜美達を帰さない気だよー!」

貴音「昨夜は雨でしたからね。大繁殖したのでしょう」

51: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 22:06:39.45 ID:Z1A0f/j00
……

亜美「zzzzzz」

貴音「ふふ、寝てしまいましたか。私も少し休みましょう」

貴音「……りぼんの跡? まだ新しいようですが」

貴音(……自分で言っておいてなんですが、りぼんの跡とはなんでしょうか?)

貴音「っ! 腕が!?」ゴゴゴゴゴ

亜美「むにゃ……お姫ちん?」

貴音「ハァ……ハァ……先へ、進みましょう」

53: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:27:27.98 ID:Z1A0f/j00
……

亜美「わーい! 凄いやお姫ちん、ビシャビシャだ! たたら場についた!」

貴音「もしや、どんぴしゃでは?」

亜美「おーい、私だよ! 牛飼いの亜美だよー!」

54: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:28:08.32 ID:Z1A0f/j00
……

亜美「ふぃー、助かったぁ」

やよい「うっうー! 無事で良かったね!」

真美「亜美ー!」タッタッタッタッ

亜美「真美っ!」

真美「ばかばか! 牛飼いが脚折ってどうすんのさ!」

亜美「そ、そんな事言われても……」

真美「もう……心配したんだからね!」グスッ

亜美「真美……」

貴音「ふふ、仲良きことは美しきことですね」

55: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:28:42.22 ID:Z1A0f/j00
伊織「ちょっとアンタ!」

貴音「はて、私でしょうか?」

伊織「亜美を助けてくれたのは礼を言っとくわ。けど、アンタ何者? 私達が帰ってきて1刻もたたない内に、人一人担いで、それも春閣下の森を越えてくるだなんて……」

亜美「いおりん、亜美のオンジにそんな言い方はないでしょ!」

伊織「恩人ね。アンタ達は黙ってなさい。こいつ、もののけの仲間かも知れないんだから」

56: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:29:15.19 ID:Z1A0f/j00
美希「そこの人が亜美を助けてくれたの?」

伊織「美希っ」

貴音「……貴女は?」

美希「ミキは美希だよ。このたたら場の主なの」

美希「亜美を助けてくれてありがとね。ゆっくりしてって欲しいの」

貴音「ありがとうございます。私、四条アシ貴音彦と申します」

57: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:29:49.77 ID:Z1A0f/j00
美希「よろしくね。えーっと」

貴音「貴音で結構ですよ」

美希「よろしくね、貴音!」

伊織「ちょっと美希、良いの? もののけや侍連中の手先かも知れないのよ?」ヒソヒソ

美希「大丈夫なの。見張りはつけてるから」ヒソヒソ

伊織「でも……」

美希「泳がせといた方が、尻尾も掴みやすいの。今は放っとこ?」ヒソヒソ

58: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:38:45.21 ID:Z1A0f/j00
美希「貴音、後でミキのお家に来て欲しいの。歓迎するの!」

貴音「かしこまりました」

亜美「お姫ちん、こっちこっち! 助けてくれたお礼にご馳走するよ!」

貴音「ご馳走!?」ジュルリ

やよい「もやし祭りですよー!」ウッウー

真美「後で真美達のたたら場にも寄ってねー」

59: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:39:54.04 ID:Z1A0f/j00
……

貴音「ごちそう……」パクパク

やよい「ごめんなさい……あんまり贅沢な物がなくて」

貴音「い、いえ。しかし、この町はそう貧しいようには見えませんが……」

亜美「ここらは採鉄や精錬に土地を使ってるからね。田畑がほとんどないんだよ。だからあんま余分な食料がなくて……」

貴音「そうなのですか」パクパク

亜美(まあお姫ちんの分、二人分はあるんだけどね)

やよい「だから私や亜美みたいな牛飼いが、山を越えて食料を手に入れてくるんです!」

貴音「なるほど」モグモグ

亜美「ま、ここらも大分鉄を採っちゃったんだけどね。いやー、ナゴノカミ倒せて良かったよ」

60: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/26(火) 23:40:38.05 ID:Z1A0f/j00
貴音「……ナゴノカミ?」ピクッ

やよい「こーーんな大きな猪で、この辺りの山の主だったんですよー」

亜美「あいつが山を守ってるせいで採鉄が出来なかったんだけど、我らがミキミキがあいつをやっつけてくれたんだ!」

貴音「然様、ですか……」ゴゴゴゴゴ

亜美「……お姫ちん?」

やよい「お腹痛いんですか?」

貴音「……ご馳走様でした。そろそろ、美希の館へ行ってみます」

亜美「う、うん」

67: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:33:57.95 ID:TPTJhaRe0
……

美希「いらっしゃいなの」

伊織「……」ムスッ

貴音「……」スッ

美希「ん?」

貴音「この礫に覚えはありませんか?」

68: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:34:43.39 ID:TPTJhaRe0
美希「んー、これだけじゃ分かんないかな。同じようなの何発も撃ってるし」

貴音「この礫は、大猪を傷つけ、祟り神にしたものです」ズイッ

貴音「祟り神は村を襲い、死の間際にこの呪いを放ちました。この痣はやがて私を悔い殺してしまうでしょう」

美希「……貴音は何処から来たの? 見かけない服装だけど」

貴音「東と北の間より……それ以上はそう、とっぷしぃくれっとです」

伊織「正直に応えなさい! たたっ斬るわよアンタ!」

69: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:35:49.97 ID:TPTJhaRe0
美希「良いのデコちゃん。で、礫の秘密を知ってどうするの?」

貴音「曇りなき眼で見定め、決めましょう」

美希「……アハッ、曇りなきマナコかー」

美希「デコちゃん、クモリナキマナコって何なの?」ヒソヒソ

伊織「冷静に考えてるってことよ」ヒソヒソ

美希「……分かったの。ミキの秘密、教えたげるの。ついてきて」テクテク

70: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:36:30.21 ID:TPTJhaRe0
……

美希「どう、順調?」

ファン「ミキミキハァハァ」

貴音「この者達は?」

美希「この人たちはミキのファンなの」

71: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:37:27.01 ID:TPTJhaRe0
ファン「ミキミキ、新しい石火矢が組み上がったよ!」

美希「ありがとなの……ん、まだちょっと重いかな?」

貴音「美希、貴女は一体ここで何を……」

美希「ミキはね、春閣下をやっつけるの」

貴音「春閣下を!? あの森の神ではありませんか」

72: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:38:04.51 ID:TPTJhaRe0
美希「春閣下がいなくなれば、春閣下の力を貰ってる愚民達もただの小さな獣になるの。そうなれば、もののけ姫も人に戻るんじゃない?」

貴音「もののけ姫?」

美希「山犬に育てられた女の子なの」

貴音「あの娘が……」

73: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:40:06.21 ID:TPTJhaRe0
美希「春閣下の山が手に入れば、この町はもっと豊かになるの。おにぎり食べ放題なの!」

貴音「た、食べ放題……し、しかし! その過程でどれだけの命を奪い、恨みを生む気ですか!」

美希「じゃあ、貴音が代わりにここの皆にご飯を食べさせてくれるの?」

貴音「なっ……」

美希「ここの子達は皆捨て子や人買いに売られた子達なの。そんな子達で集まって、自分たちの力で食べてくには他に方法なんてないの」

貴音「……」

74: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:40:32.58 ID:TPTJhaRe0
美希「貴音には悪いと思ってるの。ナゴノカミもバカだよね、呪うならミキを呪えば良いのに」

貴音「っ……くっ!」ゴゴゴゴゴ

ビュンッ!

ミキ「その腕はミキを殺そうとしてるの?」

貴音「この腕、今更その程度では止まりません! この場の人全てを殺し尽くそうと止まらぬでしょう」グッ

75: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:41:06.63 ID:TPTJhaRe0
ファン代表P「貴音ちゃん、どうか美希ちゃんを殺さないでくれないかい」

美希「そこの人……」

ファン代表P「美希ちゃんは僕のようなヒキオタニートを気持ち悪がらず、職と美希ちゃん達の側で住む権利を与えてくれた」

ファン代表P「どうか美希ちゃんを助けてくれ。愚かな僕に免じて……」

貴音「……」

76: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 22:42:04.27 ID:TPTJhaRe0
美希「……貴音、ここに暮らしてミキ達に力を貸して欲しいの」

貴音「私に呪いを振り撒くのを手伝えというのですか!」

美希「だとしても、ミキは今更立ち止まれないの」

貴音「……」

美希「春閣下のリボンはどんな病気も治してくれるって言うし、もしかしたら貴音の痣も治るかもしれないの」

貴音「りぼんで病が治るとは思えませんが……」

美希「その点は同意なの」

79: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:12:54.86 ID:TPTJhaRe0
……

真美「んーしょ、んーしょ……あ、お姫ちん!」

貴音「真美、私にもやらせてもらえませんか?」

真美「うん、いーよ」

80: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:14:09.64 ID:TPTJhaRe0
ギィ……ギィ……

真美「あはは、凄いや!」

貴音「厳しい仕事ですね」

真美「でしょー? これを5日も続けなきゃなんだよ!」

81: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:14:40.88 ID:TPTJhaRe0
貴音「辛くありませんか?」

真美「他所に比べればずーっとマシだよ! ここには恐いおじちゃんもいないし」

真美「真美達ね、人買いに売られちゃったんだ。けど、ミキミキが真美達を買い取って、ここで働かせてくれたんだ!」

貴音「そう、ですか……」

真美「うん! だから、大変だけどちっとも辛くなんてないよ!」

貴音「……」

82: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:15:09.81 ID:TPTJhaRe0
……

真美「えー、明日には出てっちゃうの!?」

貴音「ええ」

真美「お姫ちんもここに住んじゃいなよ!」

貴音「どうしても会いたい方がいるので」

83: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:15:36.21 ID:TPTJhaRe0
「山犬だーっ!!」

真美「あ、あいつらだ!」

貴音「っ!」タッタッタッタッ

真美「あ、お姫ちん!?」

84: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:16:27.92 ID:TPTJhaRe0
……

美希「町へ入ったのは?」

伊織「もののけ姫一人だけよ。にひひ、アイツも相当追い詰められてるみたいね」

美希「例の場所に誘い込むの」

伊織「どのみち、狙いはアンタよ」

美希「そうだね……もののけ姫!」

85: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:16:55.34 ID:TPTJhaRe0
響「……」スタッ

美希「おいでよ、決着つけよ?」

伊織「まだ引きつけるのよ」ヒソヒソ

響「……」バッ

貴音「っ! いけません、これは罠です!」

伊織「あ、アイツぅぅぅ!」

美希「放っとくの」

86: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:17:29.41 ID:TPTJhaRe0
貴音「山犬の姫、退くも勇気です! 森へお帰りなさい!」

響「……」タッタッタッタッ

美希「……今なの」

伊織「放てぇぇ!!」

ドォン!

響「うぎゃっ!」パリンッ

ドサッ

伊織「やった!」タッタッタッ

87: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:18:16.11 ID:TPTJhaRe0
響「」グッタリ

伊織「もののけ姫、とうとう討ち取ったわよ!」

響「……おりゃ!」バッ

伊織「へ? ぐぇっ!?」

タッタッタッタッタッ

キィンッ!

美希「やっぱり、ミキが直接ケリをつけなきゃみたいなの」カキンッ

響「くぃどぅるるる!」キンッ!

88: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:18:43.79 ID:TPTJhaRe0
貴音「……」ユラリ

伊織「くっ……アイツこの伊織ちゃんを本気で蹴りやがったわね……ん?」

貴音「……」ゴゴゴゴゴ

伊織「っ! アンタやっぱりもののけの仲間だったのね!」バッ

貴音「邪魔です」ググッ

伊織「な、薙刀が腕で曲げられたですって!?」

89: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:19:24.39 ID:TPTJhaRe0
カンッキィンッ!

貴音「……」ガシッ

美希「っ!? 何のつもり?」

貴音「互い矛を納めなさい。この娘の命、私が預かります」

響「うがー!」ガブッ

美希「何がしたいの? その子を嫁にでもするつもり?」

貴音「その通r」

美希「え?」

貴音「コホン。貴女の中には修羅がいます。そして、彼女にも」ズズズズズ

響「ひゃっ!?」

90: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:19:54.36 ID:TPTJhaRe0
貴音「皆の衆、ご覧なさい! これが憎しみに身をやつした末に生まれる物……肉を腐らせ死を呼ぶ呪いです! これ以上、徒に憎しみを生んではなりません!」

美希「下らない説法じゃ誰も救えないの……そんなに憎しみを断ちたいなら、ミキがその腕たたっ斬ったげるの!」

貴音「……」ヒュッヒュッ

美希「かはっ!」ガクッ

響「がなはっ!」ガクッ

91: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:20:39.96 ID:TPTJhaRe0
貴音「……何方か手を貸していただけますか?」

伊織「美希っ!」

貴音「案ずることはございません。じきに目を覚まします」

貴音「山犬の姫は私が貰い受けます」テクテク

92: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:25:27.57 ID:TPTJhaRe0
伊織「ま、待ちなさい! 動いたら撃つわよ!」

貴音「……」テクテク

伊織「ほ、ホントに撃つわよ!」ガタガタ

真美「いおりん、止め……」

ドォンッ!

貴音「がはっ!」

真美「ほ、ホントに撃った……」

伊織「違っ、手が震えて……」

貴音「……」スタスタ

真美「う、撃たれた……よね?」

93: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:25:59.22 ID:TPTJhaRe0
……

亜美「駄目だよお姫ちん! 戻ってよ!」

貴音「私は自らの足で参りました。出る時もまた同じです」グッ

亜美「ムリだよ! 10人で開ける門だよ!?」

ギギギ……

亜美「……嘘、一人で開けちゃった」

貴音「世話になりました」バタンッ

95: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:26:37.80 ID:TPTJhaRe0
山犬「わんわん」

貴音「山犬たちよ、姫君は無事です。森へ案内して下さい」

パカラッパカラッ……

ヤックル(私の影薄くない?)パカラッパカラッ

響「ん……ん?」

貴音「……」

響「なっ、お前は!」

貴音「……」グラッ

ドサッ

96: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:27:21.91 ID:TPTJhaRe0
山犬「わんわん」カミカミ

響「ステイ!」スタッ

響「お前、撃たれたのか? 死ぬのか?」

貴音「……」

97: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:28:01.98 ID:TPTJhaRe0
響「何で邪魔したんだ!」

貴音「貴女に、死んで欲しくはなかったのです……」

響「死ぬのなんて恐くないもん!」

貴音「ええ、今は、そうでしょうとも……」

響「そうやって自分をからかってんでしょ! 黙らないとその喉噛みちぎってやるぞ!」

貴音「生きて……ください」

響「まだ言うか!」グッ

98: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:28:33.92 ID:TPTJhaRe0

貴音「貴女は、美しい」

響「っ////!?!?」

99: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:29:49.72 ID:TPTJhaRe0
カランッ

山犬「!」

ほめ春香「ニンゲンオイテケ」

響「ほめ春香、何言ってんだ?」

100: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:30:24.54 ID:TPTJhaRe0
ほめ春香「ワタシタチニンゲンクウ」

ほめ春香「ニンゲンノチカラモラウ」

響「人間を食べたって人間の力は手に入らないよ! 皆の地が汚れるだけだぞ!」

101: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:31:13.90 ID:TPTJhaRe0
ほめ春香「ニンゲンワルイ。モリノキヲキル。ワリバシツクル。ケツニハサンデオル」

響「諦めないで! 自分たちには春閣下がついてるんだから!」

ほめ春香「ハルカッカタタカワナイ。ワタシタチシヌ」

ほめ春香「ヤマイヌノヒメヘイキ。ニンゲンダカラタスカル。ヒメモワリバシオル」

山犬「無礼な猿……ん、猿? とにかくその喉噛み砕いてやる!」ワンワン

102: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:31:54.49 ID:TPTJhaRe0
響「ステイ! グスッ……大丈夫。じぶ……自分平気だよ」ウルウル

山犬「響……」

響「行きな。この人間は自分が始末をつけるよ」

103: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/27(水) 23:32:38.41 ID:TPTJhaRe0
山犬「彼奴は食べて良い?」

ヤックル(えっ!?)

響「良いぞ」

ヤックル「え」

109: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/28(木) 23:04:39.85 ID:BAEK0zm/0
……

律子「……出たわよ、アレがハルシュタインね! ちょっと涼、何してんのよ。アンタも見なさい」

涼「で、でもハルシュタインを見ると眼が潰れるって言うよ……」

律子「情けないわね。強い男になりたいんでしょ? こっちにはあの日高舞の直筆サインがあるのよ!」

サイン『春閣下とかよく分かんないけど狩っちゃって良いよby舞ちゃん』

110: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/28(木) 23:05:34.44 ID:BAEK0zm/0
律子「ハルシュタインは春閣下の夜の姿よ。もうすぐ昼の姿に戻る……そこが春閣下の住処ってわけね」

春閣下「……」ヴァイ

律子「戻った! 彼処が住処よ!」

涼「律子姉ちゃん、あれ!」
 
律子「どうしたのよ……何あれ!? 凄い数の猪ね」

111: ◆.xKc9zwqNY 2015/05/28(木) 23:06:12.63 ID:BAEK0zm/0
涼「あれは……鎮西のオッコトヌシ!」

律子「鎮西!? 海を渡ってきたっての?」

涼「あの四本牙、間違いないよ! 春閣下の森を守るために一族を連れてやって来たんだ!」

オッコトヌシ「……」ギロ

律子「やば、バレたわよ」

涼「えっ」

律子「引き上げよ、急ぎなさい!」

涼「ぎゃぉおおおおん!」

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