電「ケッコンカッコカリの書類が届いたのです」

艦隊これくしょん -艦これ-

見たいSSカテゴリーは??

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1: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 00:58:38.37 ID:iHBIgP710
電(数日前に本部からケッコンカッコカリ一式が届いてからというもの……)

提督「電、この書類を大淀に届けてくれ」

電「分かりました。今から届けてくるのです」

提督「あぁ、頼む」

電「」ガチャ

電「」パタン

金剛「あっ! ヘーイ電! 提督の様子はどうデスカー?」

電「金剛さん。提督さんは、えっと……いつも通りだと思うのです」

金剛「そうデスカ……。ンー、もし私を呼ぶことがあったら、すぐに教えて欲しいのネー!」

電「分かりました。では失礼するのです」

電(鎮守府内が少しざわついているのです)

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2: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 00:59:30.51 ID:iHBIgP710
五十鈴「あら、電」

電「五十鈴さん。こんにちはなのです」

五十鈴「はいこんにちは。何してるの?」

電「この書類を大淀さんにお届けする途中なのです」

五十鈴「なんの書類?」

電「内容までは……」

五十鈴「ちょっと貸してもらってもいいかしら?」

電「えっ。あの、中身を見るのはいけないと思うのですが……」

五十鈴「見ない見ない! 見ないから、少しだけね!」

電「は、はぁ?」スッ

五十鈴「ありがとう」

3: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:00:16.12 ID:iHBIgP710
五十鈴「」マジマジ

五十鈴「」スッ スッ

五十鈴「ふーん、紙以外無さそうね……。ありがとう、電」スッ

電「は、はいなのです?」

五十鈴「じゃあ、秘書艦のお仕事がんばってねー」テクテク

電「あ、ありがとうございます。失礼しますのです」ペコ

電「……」

電(五十鈴さん、指輪が封入されてないか調べてたのです……)

4: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:01:02.80 ID:iHBIgP710

電「大淀さん」

大淀「電さん、どうしたの?」

電「提督さんから書類を預かってきたのです」

大淀「あら、ありがとうございます。なんでしょうか……」

電「……」ソワソワ

大淀「ふふっ、気になりますか?」

電「えっ!? い、いや! 気にならないのです!」

大淀「そうですか。でも良かったら電さんも、見てください」

5: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:01:51.69 ID:iHBIgP710
電「これは……今月の資材の予算計画書ですか」

大淀「みたいですね。備蓄量を考えると、ここは潤沢とはいえませんね」

電「その通りなのです。深海棲艦との闘いも激しさを増すばかりで……」

大淀「そういえば、電さんはケッコンカッコカリのお相手、誰になると思いますか?」

電「えっ、あ、そのお話ですか……」

大淀「ケッコンカッコカリすることで、燃費の向上の効果があるみたいですしね」

電「うーん、練度でいえば金剛さん、赤城さん、加賀さん、大和さん、利根さん、千代田さん、陸奥さん……」

大淀「そして、あなた」

電「お、恐れ多いのです」

6: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:02:20.78 ID:iHBIgP710
大淀「着任してからの期間では、金剛さんが一番の古株ですね。次に赤城さんと加賀さん」

電「電は大和さんの次に新参者です」

大淀「みなさん、提督への好意はありますし、悩みどころでしょう」

電「……///」

大淀「うちの提督は真面目ですから、しっかり考えて決断してくれると思います」

電「電も、そう思うのです」

大淀「では電さん。書類、ありがとうございます」

電「はい、失礼しますのです」

7: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:02:49.63 ID:iHBIgP710
電「ただいまなのです」ガチャ

提督「ご苦労様、電。ちゃんと大淀に届けてくれたか?」

電「はい、届けたのです」

提督「ありがとう。戻ってきたばかりで悪いのだが、もう一つ頼みごといいか?」

電「なんでしょう?」

提督「大和を呼んできてくれ」

電「!」

電「分かり、ましたのです……」

8: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:03:22.41 ID:iHBIgP710
電(その後、提督さんからケッコンカッコカリを申し込まれたことを、嬉しそうな大和さんの口から聞きました)

電(数日経った今でも、鎮守府は祝福と落胆の空気が入り混じったままですが、次第に収まってくると思います)

電(本音をいうなら、電を選んでくれるんじゃないか、と期待していた部分もあったのです。だから大和さんが選ばれた時は、ショックでしたし、何より泣いている金剛さんの姿が心に深く残っています)

電「提督さん、第三遠征部隊が無事帰還したのです」

提督「了解した。各自、補給と休息をとるように伝えてくれ」

電「分かりましたのです」

提督「それと、この書類を本部に送っておいてくれ」

電「これは……」

提督「ケッコンカッコカリ一式の追加申請の書類だ」

9: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:04:01.71 ID:iHBIgP710
電「あの……」

提督「ん? どうした?」

電「それは、えっと……提督さんはジュウコンをする、ということなのですか?」

提督「その通りだ」

電「……」

提督「どうした、電?」

電「……」

電「……提督さん、あの、お、恐れ多いのですが、意見具申があるのです」

提督「……ふむ。聞こう」

10: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:04:39.62 ID:iHBIgP710
電「提督さんは先日、大和さんとケッコンカッコカリを行ったのです。それはつまり、大和さんとの間に強い絆を結んだということなのです」

電「確かに他の鎮守府ではジュウコンをしている所もあるのですが、個人的にはそれは、不誠実なことだと電は思うのです。なので、大和さんの好意に応えるためにも、ジュウコンはするべきでは……ない、と思うのです」

提督「……」

提督「先程君に与えた仕事に、追加の指示を出す。本部から追加のケッコンカッコカリ一式が届き次第、該当する練度の艦娘たちに燃費の悪い順に配っていってくれ」

電「それって……!」

提督「以上だ」

電「それは酷いです! 提督さんは電たちをなんたと思っているのですか!?」

提督「反対に聞こう。電は自分たちのこと何だと思っている?」

電「い、電たちは艦娘であり……」

提督「ならば艦娘とは何だ?」

11: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:05:08.97 ID:iHBIgP710
電「艦娘とは、えっと……」

電「……」

提督「……」

提督「質問に答えなくてすまない。だが、電自身にもしっかり考えて欲しかったんだ」

提督「電、君が考える艦娘とは何だ? 他の艦にも聞いてみるといい」

電「はい、なのです……」

12: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:05:43.64 ID:iHBIgP710

隼鷹「艦娘ぅ? 艦娘は艦娘じゃない?」

皐月「艦娘とは僕たちのことだよ」

木曾「艦娘……。それはこの海を守ることのできる唯一の存在」

睦月「艦の……娘?」

秋雲「うーん? 艦を擬人化したやつでしょ」

最上「艦娘は人だよ」

大井「艦娘とは兵器ですね」

13: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:06:22.75 ID:iHBIgP710
~~~
電「提督、入るのです」ガチャ

提督「電か」

電「……」

提督「どうだった?」

電「正直、分からなかったのです……」

提督「そうか」

電「みなさん、色々なことを言っていて」

提督「艦娘という存在を定義付けすることに、正解はないと私は考えている。個人個人の見方はあっても、絶対的な見方は存在しない。だから、電自身の考えで艦娘とはどういうものか捉えるしかないのだよ」

提督「それならば大別して、艦娘は人か兵器か。どっちだと思う?」

電「それは、その……」

14: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:06:57.77 ID:iHBIgP710
提督「元々、人の定義は刑法上だと胎児が母体から一部でも露出したら、人としてみられるのか通説らしい。生物学的にはヒトとは、脊索動物門ほ乳類綱サル目ヒト科に属しているのがヒトとされている。しかし、今私たちが考えている人とは、こういった『ヒト』のことではないよな?」

電「はいなのです」

提督「なのでいわゆる人というのは、常識的な見方、もしくは社会的な見方から人と判断されるのが普通だ。しかし艦娘同様、人としての絶対的な定義はない」

電「常識的な見方、ですか」

提督「そうだ。これに基づくと世間の目は、電たち艦娘を人として考えるだろう、と私は思う」

電「電たちは人……」

提督「電も五感があるし、お腹も減るし、疲れたりもするし、怪我だってする。そこはなんら人と変わりないだろう?」

15: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:07:28.77 ID:iHBIgP710
提督「じゃあ次は、兵器としての点を考えてみよう」

電「艦娘は兵器かどうか、ですか……」

提督「艦娘は人間と違って、人工的に作られて生まれてくる。電の一番古い記憶は?」

電「……鎮守府のドッグなのです」

提督「艦娘が作られた目的は、深海棲艦と戦うためだな」

電「そして、この海に平和をもたらすためなのです」

提督「そのために、艤装を装着することができ、通常の人間なら死ぬ砲撃にも耐えることができる」

提督「存在意義が、対深海棲艦用兵器なんだ」

16: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:08:26.45 ID:iHBIgP710
電「今までのお話からすると、電たち艦娘は人でもあり兵器でもある……?」

提督「人でも兵器でもない存在ともいえるね」

電「結局、よく分からないのです」

提督「私の考えと電の考えを合わせる必要はないさ。だから電自身がしっかりと考えて欲しいと言ったんだ」

電「難しいのです……」

提督「まぁ、だろうね」

電「提督さんは……」

提督「うん?」

電「提督さんは電たちを何だと思っているのですか?」

提督「……」

提督「『兵士』かな」

17: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:09:26.19 ID:iHBIgP710

電「……」トボトボ

鈴谷「あれ、電じゃーん。何してんのー?」

電「あっ、鈴谷さん。こんにちはなのです。今は……お散歩を……」

鈴谷「ふーん、要するに暇なんだね。アタシと一緒」

電「……」

鈴谷「……」

鈴谷「あー、あのさ、電? ちょっと聞いてもいいかな?」

電「なんでしょう?」

鈴谷「落ち込んでない? 大丈夫?」

18: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:10:11.42 ID:iHBIgP710
電「落ち込む……。あの、ケッコンカッコカリのことですか?」

鈴谷「まぁね。熊野と喋っててさ、私ら練度足りないから候補には入ってないけど、選ばれたいよねーって。だから電の気持ち、少し、分かる……」

電「確かに、電を選んでほしかったって気持ちもあるのですが、提督さんの判断なら仕方ないと思うようにしているのです……」

鈴谷「そう、それなんだよね」

電「?」

鈴谷「提督の判断ってやつ」

電「……が、どうかしたのですか?」

19: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:10:55.66 ID:iHBIgP710
鈴谷「いや、うーん……なんだろ。はっきりと言葉にしにくいんだけどさぁ」

鈴谷「大和さんが嫌いって、意味じゃないんだけど……。大和さんが選ばれたことで『あぁ、やっぱ結局は性能かぁ』って思っちゃってさ」

電「……」

鈴谷「提督が私たちをただの道具だと思うような人じゃないことは知ってるけど、ケッコンカッコカリで選んだ相手を見るとやっぱそういうことじゃん?」

電「鈴谷さんは、間違ってたと思うのですか?」

鈴谷「間違ってるじゃなくてさー。うーん……、ケッコンカッコカリを単なるレベルキャップ解放の手段じゃなくて、ケッコンカッコカリの名前とか、なんで指輪なのかとか……。そこらへんをもっと提督には考えて欲しかったなぁーって」

20: ◆ORT4WeHxxkkO 2016/04/03(日) 01:11:38.72 ID:iHBIgP710
電「……」

鈴谷「うわぁー、やっぱこれって非難してるのかなぁー。ヤバい、頭ごっちゃなってきた……」

電「なんとなく、なんとなく鈴谷さんの気持ち、分かるのです……」

鈴谷「いやいやいや! 分からなくていいから! 変なこと言っちゃったから忘れて! んじゃアタシいくからー」テクテク

電「あっ、あの! 鈴谷さん!」

鈴谷「うん?」ピタッ

電「心配してくれて、ありがとうございましたなのです」ペコリ

鈴谷「いいっていいって。がんばろーねー!」

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