風見雄二「死んだ世界戦線?」2

Angel Beats!, グリザイアシリーズ

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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:40:06.88 ID:ATv7Zvun0

風見雄二「死んだ世界戦線?」の続きになります。

グリザイアの果実とAngel Beats!のクロスです。
両作品のネタバレがあります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489394406


2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:42:24.84 ID:ATv7Zvun0

時として不自然なことが自然に思えることがある。

俺が生前通っていた美浜学園には一人、メイドがいた。
そいつは日常生活のほとんどをメイド服で過ごしており、最初こそ違和感があった服装だが数日後にはその違和感はなくなっていた。

そして、いざそいつのメイド服を脱がした時、メイド服を着ていないそいつを見て、俺は何故か物足りなさを感じたのだ。

このように、不自然だと思われるようなものでも、それを頭から否定することは間違いなのである。

 

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:43:51.01 ID:ATv7Zvun0

天使「……」カリカリ

雄二「……」フム

俺は今、とある教室で天使と共に授業を受けている。

ここで勘違いしてほしくないのだが、俺は戦線を脱退したわけでも、天使の味方になったわけでもないし、ましてや自分の学力に不安を感じたわけでもない。

では何故俺が天使と共に勉学に励んでいるのか。

 

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:47:00.13 ID:ATv7Zvun0

話はこうだ。
この世界でも生前の日課であるマラソンを行っている俺は、今朝も日課をこなしシャワーを浴びた後、この世界を見て回ることにした。

とりあえず校舎を見て回ろうと廊下を歩いていた俺は、そこで偶然天使と鉢合わせてしまったのだ。

 

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:48:25.07 ID:ATv7Zvun0

天使「おはよう…」

雄二「む、天使か。調子はどうだ?」

天使「…少し眠いわ」ボー

雄二「フム、それはよくないな。睡眠不足は思考を鈍らせる。今日は早めに寝ることだ」

天使「そうね…そうするわ…」

雄二「ああ。後悔がないよう全力で睡眠に励んでくれ。では俺は失礼する」

天使「…待って、そろそろ授業が始まるわ」ガシッ

雄二「…そうなのか、引き止めてすまなかったな。では、思い残すことがないように死ぬ気で勉学に勤しんでくれ。それじゃ…」

天使「あなたもこの学校の生徒よ?授業を受けないといけないわ」ジー

雄二「いや、確かにそうかもしれんが、俺は自分の教室すらわからん状態だからな…」

天使「大丈夫よ。あなたの教室もちゃんと用意されているから」ジー

雄二「……フム」

適当な理由をつけて、この場を離脱しようと考えていたが、逆にこれは天使からこの世界の情報を得ることのできる、いい機会なのではないだろうか?

そう考えた俺は天使の提案に乗ることにした。

 

 

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:50:29.96 ID:ATv7Zvun0

雄二「…わかった。では授業を受けよう。教室に案内を頼む」

天使「………っ!?」

雄二「どうした?お前が誘ったのだろう。何をそんなに驚いている」

天使「SSSの人で授業を受けてくれた人は初めてだったから…」

雄二「そうなのか?」

天使「ええ…感動だわ……」ジーン

雄二「…もしかして俺は今大変な隊規違反を犯しているのではないだろうか?」フム

天使「…何してるの?授業に遅れるわ。早く行きましょう」スタスタ

雄二「……まあ、いいか」

死人である俺に授業を強いる理由も気になるし、特に予定があるわけでもない俺はこうして天使に連れられ、授業を受けてみることにしたのである。

???「……」

 

 

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:52:40.10 ID:ATv7Zvun0

~教室~

天使「……」ペラッ

雄二「……フム」

今回の授業は俺が美浜学園で受けたものと人数の規模こそ違うが、内容は同じようなものだった。

てっきりこの世界では宗教や道徳の授業でもするのだろうかと考えていた俺は、少し拍子抜けした気分だった。

そうこう考えているうちに、授業終了の鐘がなり休み時間になった。

…ちょうどいい、天使にこの世界について少し聞いてみるか

 

 

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:53:54.61 ID:ATv7Zvun0

天使「……ふぅ」

雄二「なあ、ちょっと質問があるんだがいいか?」

天使「…ええ、何かしら?」クビカシゲ

雄二「何故死人の俺達が勉強をしなければいけないんだ?」

天使「…学生は勉強をするのが当たり前だから」

雄二「なるほど。しかし、その常識は死後の世界であっても成立するものなのか?」

天使「…そうね、なら言い方を変えるわ」

天使「学生にとって勉強は青春のひとつだからよ」

雄二「…ん?すまない。間違っていたら指摘して欲しいんだが、今青春と言ったか?」

天使「ええ、そうよ。この世界で勉強する理由…」

天使「それは青春よ」

雄二「……フム」

これは天使なりの冗談なのだろうか?

 

 

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:55:33.77 ID:ATv7Zvun0

雄二「すまん。笑うところだったか」

天使「???何処か笑うところがあったかしら」

雄二「…なるほど」

天使はどうやら本気で言っているらしい。

天使「…ここに来る人はみんなひどい人生を経験しているわ」

天使「そんな人達が青春をやり直すための場所がこの学校なのよ」

雄二「…つまりこの世界に学校がある理由は、俺達の“青春“のためだということなのか?」

天使「……っ!?」

雄二「どうした?何処か間違っていたか?」

天使「いいえ、その解釈で合ってるわ」

雄二「そうか。それはよかった」

天使「初めて伝わったわ…」ジーン

このことをゆり達戦線メンバーは知っているのだろうか?

一応報告した方がよさそうだな…

そう考えた俺は、話を切り上げることにした。

 

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 17:58:08.52 ID:ATv7Zvun0

雄二「…さて、俺はそろそろ寮に戻ろうと思う。世話になったな」

天使「…寮に戻るの?すぐに次の授業が始まるわ」

雄二「すまない。ちょっと急用ができてな」

天使「……そう、残念だわ」

雄二「また何か疑問に思ったことがあれば、質問してもいいか?」

天使「ええ」

雄二「そうか。では…」

と、そこでふと気になったことを聞いてみた。

雄二「さっそくで悪いが、一つ質問がある」

天使「ええ、何かしら」

雄二「あんたに名前はあるのか?」

天使「…あるわ。橘、奏よ」

雄二「そうか。なら、奏と呼んでもいいだろうか?」

天使「…あなたがそう呼びたいのなら、それでいいわ」

雄二「すまない。知人に同じ名字の奴がいてな…」

天使「わたしもあなたの名前を知らないわ」

雄二「俺の名前か?風見雄二だ」

天使「そう…わかったわ」

雄二「よろしく頼む。ではまたな」

天使「ええ」

さて、さっそくゆりに奏との会話で得た情報を報告しないとな…

俺は教室を出ると、寮ではなく戦線の本部に向かって歩き出した。

 

 

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 18:00:56.61 ID:ATv7Zvun0

~戦線本部~

雄二「失礼する」ガチャッ

本部に入ると、そこには緊張した面持ちの日向と妙に胡散臭い笑みを浮かべたゆりが居た。

日向「お、おう…風見か…」

雄二「…どうした?何か取り込み中だったか?」

日向「いや、そういうわけじゃないんだが…」チラッ

ゆり「……待ってたわよ、風見くん?」ニコニコ

雄二「…えらく機嫌がいいようだな。もしかしてだが、今日はお前の誕生日だったりするのか?」

日向「バカ!!風見……ッ!!」

ゆり「……」ブチッ

雄二「ん?」

ゆり「てめぇ今すぐそこに直れやごらぁぁぁああああ!!!!」

日向「ゆ、ゆりっぺ!!落ち着けって!!!」ガシッ

いきなりゆりがナイフを取り出し、俺に襲いかかろうとしてきた。
それを日向が何とか後ろから押さえ込む。

 

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 18:05:16.90 ID:ATv7Zvun0

雄二「何だ?何をそんなに興奮している?」

ゆり「お前この前の言葉は嘘だったのかッ!?あ゛ぁ゛ッ!?」

雄二「この前の言葉だと…?」

ゆり「あたしのために何でもするって言ってただろーが!!」

ゆり「それなのに天使なんかの言いなりになって、授業なんか受けたりして……!!」

ゆり「てめぇこの世界から消えたいのか!!??あ゛ぁッ!!??」

雄二「この世界から消える?…待て、話が見えてこない」

日向「待て、ゆりっぺ!!お前ちゃんと風見に天使の事とか“成仏“の話はしたのか!?」

ゆり「はぁっ!?そんなの話したに決まって…………あっ」

雄二「“成仏“だと?何だそれは」

日向「…もしかして、ゆりっぺは風見に何も説明してなかったのか?」

雄二「だから何の話だ」

日向「この世界では、天使の言うことを聞いて従っていると、すぐにこの世界から消えちまうんだよ!」

雄二「消える?存在しなくなるのか?」

日向「ああ。多分天国にでも行くんだろうよ」

日向「それで、俺達は天使の言いなりになってこの世界から消えちまうことを“成仏”って呼んでるんだ」

雄二「なるほど…この世界ならではのスラングってやつか」

日向「ああ!!…って本当に知らなかったのかよ…」ハァ

雄二「初耳だな」フム

 

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 18:06:26.34 ID:ATv7Zvun0

日向「ゆりっぺ……」ジー

ゆり「……」

ゆり「…そ………よ」

雄二「???」

ゆり「そうよ!!普通に伝え忘れてたのよ!!それなのにあなたが天使側についちゃったって勘違いして、ひとり騒いで逆ギレして大声あげてたのよ!!滑稽でしょ!?滑稽よね!?いっそ笑いなさいよ!!笑えばいいわ!!」

ゆり「あーはっはっは!!」

雄二「……」

日向「……」

ゆり「何か言えやごらぁぁぁああああ!!!!」

雄二「………疲れないか?」

ゆり「…………疲れた!!」プイッ

日向「こんな残念なゆりっぺ初めて見たぜ…」

雄二「……」ハァ

俺は疲れて息を切らしていたゆりが落ちつくのを待った。

 

 

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 18:08:52.33 ID:ATv7Zvun0

ゆり「……」ズーン

雄二「……」

日向「…そういえば、風見は用があってここに来たんだよな?」

雄二「…ああ、奏との会話でわかったことがいくつかあってな」

雄二「それを報告しにきた」

ゆり「……かなで?」

日向「かなでって…天使のことか?」

雄二「ああ。名前を聞いたら橘、奏だと答えたからな」

ゆり「…そういえば、そんな名前だったわね」フン

日向「そうだな、俺達は天使としか呼んでなかったから忘れてたぜ…」

ゆり「それで?風見くんは、“かなでちゃん“との会話で何がわかったのかしら?」

雄二「…フム、わかったことは二つだ」

雄二「一つは今言った天使の名前」

雄二「そしてもう一つはこの世界の学校の存在理由だ」

 

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/13(月) 18:12:37.55 ID:ATv7Zvun0

日向「学校の存在理由?そんなのあるのか?」

ゆり「……」

雄二「この世界の学校の存在理由…それは青春だそうだ」

日向「…うん?青春?なんだそりゃ」

雄二「つまり…」

ゆり「つまり、生前に青春を謳歌出来なかった人間に、この世界で青春をやり直させる…」

ゆり「そんなとこかしら?」

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