大和「もし許されるなら」

艦隊これくしょん -艦これ-

1: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 19:52:29.31 ID:Q1IxI1jM0

・独自設定あり
・提督鎮守府の艦娘が少数
・個人名あり
・グロシーンあり
・途中(主に戦闘シーン)地の文あり
・砲雷撃戦は殆ど皆無
・中二病全開の戦闘シーン
・書き溜めを投下するのでコメントに返信できない
その他、様々な点はありますが、それでも構わないという方はどうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492253549


2: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 19:54:04.13 ID:Q1IxI1jM0

某鎮守府 執務室

提督「やっと終わったか、8時間」

吹雪「喜んでくださいよ司令官、初めての大型建造でこれですよ!! きっと戦艦か空母です!!」

提督「空母はもう引き取って来たあいつがいるだろ」

吹雪「そうですけど、彼女一人では厳しい時もありますよ」

提督「あぁ、やっと戦力強化できるぜ」スッ

提督「皆を集めといてくれ、全員で迎えるぞ」

吹雪「はい!」タッタッタッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

吹雪「皆さん、いよいよですよ」ワクワク

北上「楽しみだねぇ」フワァァ・・・・・・・

大鳳「どんな方でしょう」ドキドキ

文月「優しい人かなぁ?」

利根「そうじゃと良いがの」

利根「それより吹雪、提督はまだ来とらんのか?」

吹雪「あ、あれぇ!?」キョロキョロ

吹雪「もう、あの人は!! すみません、連れてきます!」タッタッタッ

スタスタ・・・・・・

北上「お? 出てきたねぇ」

 

3: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 19:55:13.16 ID:Q1IxI1jM0

大和「大和型戦艦一番艦、大和。推して参ります!」ビシッ

利根「何と! 大和型じゃったか!!」

大鳳・文月「うわぁ・・・・・・!!」キラキラ

タッタッタッタッタッ・・・・・・

吹雪「何してたんですか、司令官!!」タッタッタッ

提督「小便行ってただけだろ」タッタッタッ

吹雪「ハァ、ハァッ・・・・・・。っ!? あぁ! この人が新しい艦娘ですか!? 」

大和「はい、大和です!」ニコッ

吹雪「まさか大和さんに会えるだなんて!」

大和「よろしくお願いしますね」

提督「ん? そいつが・・・・・・。っ!?」ハッ

大和「貴方が提督ですね? 大和型戦艦一番艦、大和です!!」ビシッ

提督「・・・・・・」

文月「? 司令官?」クイクイ

提督「! いや失礼。俺がこの鎮守府の責任者、提督の海原だ」

大和「提督、よろしくお願いします」

提督「お前ら、順番に自己紹介しろ」

吹雪「はい! 特型駆逐艦、吹雪です!! この鎮守府の初期艦です!」ペコ

北上「あたしは雷巡北上。よろしくねぇ」

文月「あたし、文月って言うのぉ。よろしくぅ」ニパァ

大鳳「装甲空母、大鳳です。よろしくお願いします」

利根「吾輩が利根である! 吾輩にドンと頼るが良いぞ」

大和「ふふふ、なかなか個性的な艦隊ですね。他の艦娘はどちらに?」

提督「これで全員」

大和「・・・・・・へ?」

提督「まぁ、詳しくは皆から聞いてくれ。皆、大和に鎮守府を案内してやれ」クル

 

4: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 19:56:34.47 ID:Q1IxI1jM0

提督「そうだ大和、案内終わって部屋を確かめたら執務室に来てくれ」

大和「あ、はい」

提督「じゃ、後は頼んだ」スタスタ

吹雪「大和さん、こっちです」グイッ

文月「こっちこっち~」グイッ

大和「あぁ、はい」スタスタ

提督「・・・・・・」スタスタ

提督(焦った、まさかあんなにそっくりとは・・・・・・)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大鳳「ここが食堂です。とはいえ人数が人数なので、一般家庭のダイニングレベルですけど」

利根「これであらかた案内したかの?」

大和「はい、ありがとうございました」

文月「大和さん、司令官に呼ばれてたのぉ」

吹雪「そうでした! 執務室に案内しますね」

大和「はい」

スタスタ・・・・・・

ーー
ーーーー
ーーーーーー

吹雪「ここが執務室です。隣が司令官の自室ですから」

大和「吹雪ちゃん、今から何をするのでしょうか?」

吹雪「あぁ。ここに来た艦娘は皆やるんです」

大和「な、何をですか!?////」カァァッ

吹雪「如何わしい事じゃないですよ!?」アセアセ

吹雪「まぁ、大丈夫ですよ」

コンコン

吹雪「吹雪です。大和さんを連れてきました」

ガチャ

提督「早かったな、入ってくれ」

吹雪「では、後で食堂に」ペコ

大和「はい。ありがとうございました」

 

5: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:02:58.54 ID:Q1IxI1jM0

提督「で、どうだった?」

大和「皆さん本当に優しい方達でしたよ」

提督「仲良くしてくれたら何よりだ。そこに座ってくれ」

大和「はい」スタスタ

ポフッ

提督「さて、先ずは説明させてもらうが、数年前に大規模作戦が遂行され、深海棲艦はほぼ壊滅したという。今は僅かな残党を残すのみだ」

大和「! では、大和ははっきり言って足手まといでは?」

提督「まぁ、奴らとの戦闘はするが、それが終わるのもそう遠くはねぇ。俺は戦後のお前らが何不自由なく、社会に溶け込むようにしたい」

提督「そこでだ。色々端折って言うが」スッ

ドサッ

大和「? これは?」

提督「学力検査だ。五教科250点満点、高校受験レベルの問題を解いてもらいたい」つ鉛筆・消しゴム

大和「えぇっ!?」ギョッ

提督「別に悪いからって不合格にするわけじゃねぇよ。今のお前の学力を調べるだけだ」

大和「はぁ・・・・・・?」

提督「一教科25問のマークテスト。一教科50分だ」つストップウォッチ

提督「休憩は10分ずつ。ま、気楽にやってくれ」

ピッ

大和「・・・・・・・」カリカリ

カリカリカリカリカリ・・・・・・

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

6: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:04:18.12 ID:Q1IxI1jM0

ピピピピ、ピピピピ、

提督「そこまで。筆記用具を置け」カチッ

大和「・・・・・・・」スッ

提督「全部終わったか。採点してくるから、ここで待っててくれ」トントン

大和「分かりました」

提督「この部屋にいてくれたらいいから、好きに見て回っていいぞ。あ、引き出しは開けるなよ、機密書類あるかもしれねぇから」スタスタ

ガチャ パタン

大和「・・・・・・」キョロキョロ

大和(・・・・・・あまり物を置いてませんね。あら?)スッ

スタスタ

大和(本棚にある本、兵法とか軍事書類かと思ったら、物理に化学、生物に地学、英語や数学・・・・・・古典や地理まで・・・・・・学生みたいね)

スッ

パラパラ

大和「うわ・・・・・・」

大和(何この問題! 見てるだけで頭が痛くなってくる!!)

大和「赤線や付箋だらけ・・・・・・」

スッ

大和「! 写真立て・・・・・・」

スッ

大和(提督・・・・・・子供の頃でしょうか? 側の筋骨隆々な壮年の男性は・・・・・・元帥のバッジ!?)

大和「・・・・・・関係者かしら?」

 

7: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:05:18.51 ID:Q1IxI1jM0

「父親だ。義理だけどな」

大和「!?」バッ

提督「採点終わったぜ。やるなぁ、ほぼ満点じゃねぇか」

大和「殆ど勘ですよ」

提督「運も実力の内って言うだろ? まぁ、これならあいつらについて来れるな」スッ

大和「? これは?」

提督「この鎮守府では、学校みてぇに一般教科の授業を行っているからな。それに使う参考書や教科書だ。念のため、吹雪達に今までのノート写させてもらえ」

大和「へ? あ、はい」

提督「次の授業は3日後。教科は化学だ」

大和「分かりました」

提督「詳しい予定はあいつらに聞きゃあいいだろ。じゃ、ゆっくり休め」

大和「はい、失礼します」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

食堂

吹雪「えぇっ!? すごいじゃないですか、大和さん!」

大和「そ、そうでしょうか?」

大鳳「そうですよ! 私なんて殆ど分からなかったわ」

文月「頭いいんだね~」

スタスタ・・・・・・

北上「ご飯できたよ~」つお盆

利根「新しい仲間の歓迎会じゃ、たんと食え」つお盆

大和「あ、その、大和、実は・・・・・・」アセアセ

吹雪「大丈夫です!」

大和「え?」

北上「あたし達、いつも色々してるうちに大量に作っちゃうからね。逆に食べてもらわないと困るんだよ」コトッ

大鳳「わぁ・・・・・・いっぱいあるなぁ」キラキラ

大和「そういう事なら・・・・・・。あ、そうだ提督は?」

吹雪「提督はあまりこういうのは好きじゃないんです。『お前らが親睦を深めるのに、俺がいたら邪魔だろうが』っていっつもインスタントで済ませてるんです」プンプン

文月「あたしも司令官と食べたいなぁ」

利根「奴も普段は一緒に食べるんじゃ、我慢せい」

文月「ふみゅ~」プーッ

利根「頬膨らましても駄目じゃ」ツン

 

8: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:06:40.66 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「さぁ皆さん、グラスは持ちましたね? では、大和さんの着任をお祝いして、カンパーイ!!」

「「「「カンパーイ!!」」」」

大和「カンパーイ!!」

吹雪「はい、大和さん! 欲しい料理があったら遠慮なく言ってくださいね!」

大和「ありがとうございます、吹雪さん」モグモグ

大和「! この唐揚げ美味しい!」

北上「ありがとねん」ニヒッ

大和「北上さんはお料理上手ですね」

北上「まさか。あたしは人並みだよ////」ポリポリ

利根「食べておるか、大和?」

大和「はい」モキュモキュ

大和「これもすごく美味しいです!」

利根「当然じゃ、吾輩の自信作じゃからな」フフン

吹雪「利根さんは、この五人の中で一番料理が上手いんですよ!」モグモグ

大鳳「私も利根さんのご飯大好きです!」

文月「あたしも~!」パクパク

利根「ふふん、褒めても何も出ないぞ」ドヤァ

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9: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:07:38.95 ID:Q1IxI1jM0

「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」

大鳳「うぅ、満腹です」ケフ

大和「大和もです」

利根「やはり大和型の食いっぷりは凄まじいのぅ」カチャカチャ

大和「お恥ずかしいです」

利根「いや、作り手としては嬉しいぞ」ニコニコ

利根「吾輩が食器を片してくる。皆は少し休んでおれ」スタスタ

大和「! そうだ、皆さんが着任された時の話を聞かせていただいても?」

文月「やっぱり最初は吹雪ちゃんなのぉ」

吹雪「分かりました。初期艦ですもんね」

大和「最古参なら色々話もありますよね?」

吹雪「まぁ、最初は苦労の日々でしたね」ニガワライ

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1年弱前

吹雪「はぁぁ、緊張するなぁ・・・・・・」ドキドキ

吹雪「確か、15歳で軍学校に入って殆どを好成績で卒業した鬼才って話だし」ドキドキ

吹雪「私、やっていけるかな、足引っ張らないかなぁ?」ドキドキ

吹雪「・・・・・・迷っていても仕方ないよね、よし!」

コンコン

「どうぞ」

吹雪「しょ、初期艦吹雪です! 失礼します!」

ガチャ

吹雪「初めまして、司令官!!」ビシッ

提督「あー、お前が吹雪か。この度新しく着任した『海原 櫂(うなばら かい)』だ。よろしくな」

吹雪「はい、よろしくお願いします!!」

提督「さて、初めて鎮守府に来たら、次どうすんだったっけか」ペラッ

吹雪「あ、はい。先ずは・・・・・・って、何読んでいるんですか?」

提督「ん? あぁ悪ぃ、化学の参考書」

吹雪「へ?」

提督「いや、俺昔は理系の道に進みたくてな。勉強してたのが癖になっちまったんだよ・・・・・・。こう見えて緊張してるもんで、紛らわすためにな」ナハハ

吹雪「はぁ・・・・・・」キョトン

 

10: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:08:38.74 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「えっと、確か着任後は建造を・・・・・・」

提督「あ、そうだ。思い出した」

吹雪「え?」

提督「今は、建造自由にできねぇんだ」

吹雪「ど、どういう事ですか!?」

提督「数年前、深海棲艦の本拠地を叩いて、もう後は残党を倒すだけなんだ。それで、軍備を縮小したいらしい」

吹雪「縮小ですか?」

提督「あの作戦で多くの古参提督達が実質引退したからな。若い奴らに後を任せるとはいえ、大規模艦隊は作られたくねぇらしいんだよ」

吹雪「というと?」

提督「理由としては、二つある。一つは、有限の資材問題。これはまぁ、納得できるだろ?」

吹雪「はい。それで、二つ目は・・・・・・?」

提督「これがまた馬鹿らしい理由なんだけど・・・・・・」

吹雪「?」

提督「どうも軍としては、お前ら艦娘に無双してほしいらしい」ハァ

吹雪「無双・・・・・・ですか?」

提督「アクション系でよくいるっしょ、たった一人で雑魚集団相手に無双するキャラ。あんなふうになってほしいんだと」ヤレヤレ

吹雪「そ、それは少し無理があるかと・・・・・・」

提督「まぁ、無双は大袈裟だが要は少数精鋭で活動してほしいそうだ。よって一定の功績を収めて初めて建造が許されるんだってよ」

吹雪「何となく理解しました」

提督「てなわけで、暫くは俺ら二人で何とかしなきゃいけねぇんだ。まぁよろしくな」

吹雪「はい! 精一杯頑張ります!!」

 

11: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:09:35.68 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「では、早速出撃準備を・・・・・・」

提督「おい待てぃ、俺がいつそんな事命令した?」

吹雪「え? だって早く練度を上げないと」

提督「それ以前にお前がある程度レベルアップしとかなきゃいけねぇだろ」

吹雪「どういう事ですか!?」

提督「13時か、昼飯は済ませたか?」

吹雪「? はい、済ませましたよ」

提督「よし、10分後に体操服に着替えてグラウンドに待機してろ」スタスタ

吹雪「」ポカーン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

グラウンド

吹雪「・・・・・・」E:ジャージ

吹雪「10分経ちましたけど・・・・・・」

吹雪「司令官何しているんですかぁ~?」

「総員、整列ッッッ!!」

吹雪「っ!?!?」ビクッ

「気を付けぇぇぇい!!」

吹雪「!!」ビシッ

スタスタ・・・・・・

吹雪「あ、あの、司令官・・・・・・?」

「誰が司令官だ・・・・・・!!」

吹雪「へ?」

提督「海原教官と呼べぃ!!」E:迷彩軍服・ペレー帽・サングラス・葉巻

吹雪「・・・・・・」ポカーン

吹雪(つ、突っ込みどころ多過ぎぃぃ!!)

 

12: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:10:37.27 ID:Q1IxI1jM0

提督「とまぁ、冗談は置いといて」

吹雪「!?」ズッコケ

提督「要はお前らの基礎体力を鍛えさせてもらう」

吹雪「基礎体力?」

提督「闘いに強くなるには、身体を鍛えるべし! 暫くは身体と頭を鍛えるぞ」

吹雪「はい!」

提督「では準備体操の後、腕立て伏せと腹筋、背筋、スクワットを200回、グラウンド10週だ」

吹雪「が、頑張ります!」

トイウカ、シレイカン?
ン?
ミセイネンナノニ、ハマキナンカクワエタラダメデスヨ!
ハマキジャネーヨ、チョコレートガシダ
チョコレート?
ホレ パキッムシャムシャ
ホントダ!

ーー
ーーーー
ーーーーーー

吹雪「はぁ、はぁ・・・・・・。や、やっと終わった・・・・・・」ゼーッゼーッ

提督「なかなか・・・・・・やるじゃ、ねーか・・・・・・」ハァ、ハァ・・・・・・

吹雪「司令官までしなくても・・・・・・」

提督「馬鹿言え、お前らだけにあんな鬼トレさせるわけねーだろが」

吹雪「その割にはあまり息切れしてませんよ?」

提督「軍学校じゃあ、あんなの日常茶飯事だ。遅れたらすーぐペナルティだの何だのって扱かれる毎日だったからなぁ」

吹雪「大変だったんですね」

 

13: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:11:34.07 ID:Q1IxI1jM0

提督「よっしゃ、休んだし次のメニューに行くか」

吹雪「はい!」

提督「先ずは正拳突き100回、前蹴り100回! 始め!」

吹雪「1! 2! 3! ・・・・・・」ブンッ、ブンッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

こんな感じでトレーニングをして、気がついたらもう夕方でした。

提督「よし、今日はこんなとこだ」

吹雪「も、もう動けません~・・・・・・」ヘナヘナ

提督「風呂入ってこい。飯は俺が作っとく」

吹雪「司令官、身体が動きません」

提督「うーん、ちと飛ばしすぎたかね?」ヒョイ

吹雪「し、司令官!?////」

提督「何だ?」オヒメサマダッコ

吹雪「な、何を・・・・・・?」

提督「とりあえず風呂場までは連れてってやる」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「こっから先は自分で歩け」スッ

吹雪「あ、はい」

提督「吹雪・・・・・・」

吹雪「はい?」

提督「今日は、俺の無茶ぶりに付いてきてくれてありがとうな」ナデナデ

吹雪「!」

吹雪「と、当然です! 私は司令官の艦娘ですから!!」キラキラ

提督「そうか、明日からは座学も入れるから、もっとハードだぞ」

吹雪「任せてください!」

提督「いい返事だ。風呂でゆっくり休め」スタスタ

 

14: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:12:25.87 ID:Q1IxI1jM0

ーー
ーーーー
ーーーーーー

食堂

吹雪「こ、これ全部司令官が作ったんですか!?」

提督「有り合わせの炒めもんだけどな。まぁ、食えなくはねぇと思う」

吹雪「い、いただきます」パン

吹雪「・・・・・・!」パクパク

吹雪「すごく美味しいです!」

提督「はは、なら良かった」モグモグ

吹雪「料亭にでも居たんですか?」パクッ

提督「まさか。家族と作った料理だからな」

吹雪「御家族は今どちらに?」モグモグ

提督「大本営」

吹雪「軍人だったんですか?」

提督「まぁな。この件はまたいつか。ほら、さっさと食わねぇと俺がもらうぞ」ヒョイパクッ

吹雪「あ! ちょっと司令官!?」ソレワタシノオカズー!

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「ここが吹雪の部屋だ。明日は7時に執務を始めるからな」

吹雪「はい! おやすみなさい、司令官!」

提督「おやすみ」スタスタ

これが着任初日の私達です。この時はまだ、このトレーニングに意味があるか不安だったんです。そして一週間後でした。

 

15: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:13:15.23 ID:Q1IxI1jM0

執務室

提督「そろそろ出撃しても大丈夫だろ」

吹雪「寧ろ何で今まで出撃させてくれなかったんですか・・・・・・」トホホ

吹雪「この一週間、午前に執務、午後は鬼トレと座学、時々艤装で海上演習。全然出撃してないじゃないですか!」

提督「バッキャロー、俺はある程度レベルアップしてから、次のダンジョン進む派なんだよ」チキンプレーサイコー!

吹雪「RPGと一緒にしないでください! 何事も経験あるのみですよ!」

提督「まぁ、今まではそれで良かったかもしれねぇけどな」ボソッ

吹雪「? とりあえず、出撃しますから」スタスタ

提督「吹雪、二つ条件がある」

吹雪「? はい、何でしょうか?」

提督「俺は執務室から無線でお前と連絡を取るから、こっちから指示する以外は海上ではお前の判断で行動していい。だからこそ、沈まねぇようにしてくれ」

吹雪「当然です!」

提督「それと、これは条件っていうかお願いなんだが・・・・・・」

吹雪「お願い・・・・・・ですか?」

提督「できるだけ、弾薬は消費しないでくれ」

吹雪「えぇっ!?」ギョッ

そんなわけで、無茶ぶりを受けて私は渋々初出撃をしました。

ーー
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ーーーーーー

 

16: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:14:24.06 ID:Q1IxI1jM0

海上

吹雪「弾薬消費しないでくれって、無理ですよ~」

吹雪「砲雷撃戦になったら、絶対消費するし・・・・・・。素手で倒せって事なのかなぁ」

ピクッ

吹雪「! 敵艦発見!」

吹雪「えっ? 嘘・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

波止場

提督「おー、帰ってきたな」

吹雪「司令かーん!」

提督「お疲れさん、どうだった?」

吹雪「司令官、二つ言わせてください」

提督「ん?」

吹雪「何で鎮守府正面海域に戦艦のエリートクラスが居るんですか!? 死ぬかと思いましたよ!!」

提督「生きてんじゃねぇか。前に話した通り、残党だけだからな。多分縄張りも変わったんだろ。なっ、訓練しとかなきゃ沈んでたろ?」

吹雪「それと、その鬼トレですけど・・・・・・」

吹雪「すごい効果ですね、あれ!!」キラキラ

提督「は、はい?」

吹雪「まさか初出撃で戦艦を素手で倒せるなんて・・・・・・私感動しました!!」キラキラ

提督「お、おう・・・・・・そうか」

詳しく聞いたところ、あのトレーニングは軍が膨大な資料から得た効率的な艦娘のトレーニング法を一連のメニューにしたもので、他の鎮守府でも採用しているそうなんです!

吹雪「私今、練度幾つだろうなぁ」ポー

提督「測ればいいじゃん。おーい、妖精さーん」

妖精「はいはーい」ヒョコ

吹雪「妖精さん、私今練度幾つですか?」

妖精「暫しお待ちを・・・・・・」

吹雪「・・・・・・」ワクワク

妖精「吹雪さんの今の練度は48だね」

提督「何だ、とっくに改になれんじゃねぇかよ」

吹雪「嘘ぉ!?」ギョッ

妖精「吹雪さん、工廠へ。改にしますので」

吹雪「はい! 行ってきます!」タッタッタッ

 

17: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:15:12.31 ID:Q1IxI1jM0

思ったより効果てきめんな鬼トレを続け、二週間経った頃でした。

吹雪改二「まさか一ヶ月弱でもうレベル90代だなんて、色々おかしいよ。って、あれ?」

吹雪「司令官、何か届いてますよ」つ封筒

提督「ん? まさか軍の経費でパチンコしてたのバレたか?」ウケトリ

吹雪「そんな事してたんですか!?」ギョッ

提督「冗談だって」ビリッ

吹雪「か、からかわないでくださいよ~!」プクーッ

提督「お? 喜べ吹雪、新しく建造する事が許可されたぜ!」スッ

吹雪「ほんとですか!? おめでとうございます、司令官!!」

提督「でも、一回だけな・・・・・・」ズーン

吹雪「ま、まぁできるだけいいじゃないですか!」アセアセ

提督「それもそうか、よし! やるか!」

吹雪「はい!」

吹雪「あ、でも司令官、この場合もし同じ艦娘が出たらどうするんですか?」

提督「それはねぇよ、確か既に同じ艦娘がいたら予備の艤装が出るだけだ。そうなった場合、その旨を大本営に伝えてもう一度建造できるらしい」

吹雪「じゃあ心置きなくできますね!」

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18: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:16:04.19 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「・・・・・・私はこんな感じです」

大鳳「吹雪さん、提督にいじられすぎじゃないですか?」

吹雪「はい、マイペースな司令官に最初は振り回されっぱなしでした」

北上「まぁ、吹雪は広辞苑に"真面目"の例文で載ってそうなくらいだからねー。苦労してたっしょ」

大和「提督ってそんな方だったんですね」

吹雪「根は良い人なんですけど。次は北上さんですね」

北上「そだねぇ。あたしがその建造で着任した艦娘なんだ」

吹雪「司令官のブレーキ役が増えるかと思ったら・・・・・・」

北上「同じく自由奔放なあたしが来たから吹雪の苦労が増えたんだよね」

吹雪「マイペースなお二人ですから、すぐに意気投合して、ほんと大変だったんですよ」

大和「あ、あはは・・・・・・」ニガワライ

北上「あたしが来た時の話ねぇ~」

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北上「あたしは軽巡北上、まーよろしく」

吹雪「・・・・・・」ポカーン

提督「よろしく、俺がこの鎮守府の提督の海原だ。そしてこの生気の抜けた顔してんのが・・・・・・」チラ

吹雪「どうしよう、司令官だけでも大変なのに、またマイペースな人が来ちゃったよぉ・・・・・・。私胃潰瘍になりそう・・・・・・」ブツブツ

提督「おい、起きろ吹雪!!」ビシッ

吹雪「はっ!? あ、き、北上さん! 初期艦の吹雪です、よろしくお願いします!」ペコ

北上「よろしくねー」

 

19: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:17:02.86 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「では司令官、北上さんに鎮守府を案内してきます」

提督「頼んだ。あ、北上。終わったら執務室来てくれ」

北上「はいはーい」

で、吹雪に案内されて鎮守府を一通り回った後、執務室で提督からあの試験を受けさせられたんだ。

ーー
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ーーーーーー

食堂

北上「ま、まさか着任初日に筆記試験するとは思わなかったよ」

吹雪「司令官曰く、私達が社会で生きていけるようにとの事です」

北上「吹雪はあれやったの?」

吹雪「私は一から司令官の授業を受けていますから。あれは今の授業についていけるかを見るためらしいんです」

北上「うへぇ、学校じゃんそれ。嫌だなぁ」

吹雪「何言ってるんですか、ここで一番キツイのは鬼トレですよ」

北上「へ? 鬼トレ?」

吹雪「めちゃくちゃキツイですけど効果てきめんなトレーニングなんです! 深海棲艦相手に素手で無双できるようになれるんですよ!!」

北上「そんな話あるわけないじゃん」

吹雪「とにかく明日やってみてくださいよ」

北上「まぁ、期待しないで受けるよー」

ーー
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ーーーーーー

翌日

執務室

提督「・・・・・・」カリカリ

北上「提督ー」ペラッ

提督「ん?」カリカリ

北上「何か昨日、吹雪から聞いたんだけどさ」ウワ、ナニコノモンダイ!?

提督「何だ?」カリカリ

北上「鬼トレ? ってのがあるみたいじゃん? どんなやつなの?」スッ

提督「その名の通り、まるで鬼のようなトレーニングだ」カリカリ

北上「あたし多分無理だと思うよ」

提督「やってみなきゃ分かんねぇよ」カリッ

北上「にしても、この本棚の参考書難し過ぎ」

提督「お前も勉強によってはそれが解けるようになるぜ」トケイチラッ

提督「昼飯食ったら13時までに体操服に着替えてグラウンドに集合な」スタスタ

北上「あーい」

 

20: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:18:38.68 ID:Q1IxI1jM0

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「では、いつも通りのメニューを始めろ!!」教官モード

北上「・・・・・・色々突っ込みどころが多過ぎない・・・・・・?」ヒソッ

吹雪「気にしたら負けです・・・・・・」ヒソッ

提督「私語は慎め! 吹雪、今日は北上にメニューを一通り教えながらこなせ」

吹雪「はい、教官!!」

北上「今は教官なんだね、提督の呼び方・・・・・・」

提督「北上、最初だからといって気を抜くなよ?」

北上「はいよ~」

提督「では、始めぃ!!」

ーー
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ーーーーーー

北上「ヒーッ、ヒーッ・・・・・・何このトレーニング、辛すぎ・・・・・・」ゼーッゼーッ

吹雪「大丈夫ですよ、私も最初はそんな感じでしたから」

北上「何で、二人は、息切れ、して、ないの、さ・・・・・・?」ハァ、ハァ

吹雪「一ヶ月も毎日してたら慣れます」

提督「なら俺と吹雪は次から一段階ハードにするか?」ジロ

吹雪「け、結構です」(震え声)

提督「まぁ、これはトレーニングのアップらしいからな。これぐらいには慣れてもらいたい」

北上「今度は何やるのさ?」

吹雪「正拳突きと前蹴りを100回ずつです」

北上「・・・・・・はい?」

提督「よし、始めぃ!!」

吹雪「1! 2! 3! ・・・・・・」ブンッ ブンッ

北上「い、1! 2! 3! ・・・・・・」ブンッ ブンッ

ーー
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ーーーーーー

 

21: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:19:35.55 ID:Q1IxI1jM0

こんな感じで、何処のスポコン漫画かってトレーニングをした後、提督が一つ提案をしてきてね・・・・・・。

北上「これ、意味あんの?」

吹雪「効果はありますよ!」

提督「なぁ、お前ら」

吹雪「はい?」

北上「何?」

提督「艦娘二人になった事だし、今回から組み手入れてみようかと思うんだが、どうだろうか?」

吹雪「私は構いませんよ」

北上「あたしも」

提督「よし、実戦形式で行くか」

提督「反則行為以外なら何でも有りだ。相手の背中が地面に着くか、相手が降参する、若しくは相手を戦闘不能にしたら勝ちだ」

吹雪「じゃあ、お願いします」スッ

北上「よろしく」スッ

提督「始め!」

ーー
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提督「そこまで。勝者、北上」

吹雪「うぅ、私の方が練度は上なのに」

北上「吹雪は真面目だからねぇ、フェイントに引っかかりやすいんだよ」

提督(うーん、以外と組み手は有りか。互いの弱点が分かるから改善の余地がある)

提督「そういや妖精さん、今の北上の練度は?」

北上「え? 練度ってそんな変わんないっしょ」イヤイヤ

妖精「だいたい19だね」

北上「え!? たったこれだけで?」ギョッ

提督「北上、工廠行け。改になれるぜ」クイッ

北上「は、はーい」スタスタ

提督「にしても、妖精さんはどうやって艦娘の練度見てんだ?」

妖精「妖精の力」

吹雪「すっごくアバウトですね・・・・・・」

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22: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:20:29.19 ID:Q1IxI1jM0

それから、あたしもこのトレーニングの効力知ってからは、何か楽しくなってきちゃってさ。他にも色々娯楽も見つけたしね。

提督「おい北上、お前宛に何か届いたぞ」つ段ボール箱の山

北上改二「あ、やっと来たんだ」スタスタ

吹雪「何か買ったんですか?」

北上「漫画数種とアニメとゲーム」ニヒッ

吹雪「そんなお金あったんですか?」

北上「大人買いしちゃった」つカード

提督「っ!? テメッ、それ俺のクレジットカード!! 何やってんだぁ!!」

吹雪「そうですよ!! 他人のお金勝手に使うなんて」プンプン

提督「ちゃんとポイント付けてもらったのか!?」クワッ

吹雪「て、そっちですか!?」ガクッ

北上「もち」b

提督「なら良し」

吹雪「いいんですか!?」ギョッ

提督「時々俺らも貸してもらうぜ」

北上「いいよー」

提督「但し・・・・・・」パッ

北上「あっ!?」

提督「これ以降は自分の金で買え」つカード

北上「いーじゃんか、ケチ~!」ブーッ

提督「やかましい!!」クワッ

吹雪「・・・・・・」

吹雪(・・・・・・二人のノリに色々とついていけない・・・・・・)ズーン

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23: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:21:40.45 ID:Q1IxI1jM0

グラウンド

北上「よっ、はっと!」サッ サッ

吹雪「えいっ!」ブンッ

北上「ふっ」シュッ

吹雪「あ、あれ!?」

北上「はい、チェック」手刀

吹雪「うっ、降参です」

提督「そこまで。勝者、北上」

吹雪「うわぁん、また負けたぁ・・・・・・」

北上「ニシシシ、ハイパーな北上様をなめちゃあいけない」

提督「・・・・・・なぁ、北上」

北上「ん? 何?」

提督「お前、組み手の時に相手に自分から攻撃しないよな? 何でだ?」

北上「ん~、カウンター派だからかな。相手が単純な攻撃ならいなせばいいんだし」

北上「それに、あたしはあまりパンチとかキックは得意じゃないんだ。あんまり力も入んないしさ」

提督(打撃というより、北上は合気道派(トリッキータイプ)なのか・・・・・・?)

吹雪「なら、飛び道具を使うのはどうですか?」

北上・提督「飛び道具?」

吹雪「鉄砲とまでは言いませんが、何かを飛ばしながら闘うんです。北上さんは身のこなしが軽いから、きっと錯乱しながら攻撃するのに向いてると思います!!」

北上「あ、それ面白そうかも」

提督「妖精さんに聞いてみるか」スタスタ

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提督「とりあえず、木材加工してクナイみたいなの作ってもらったから、これ使いな」つ木製の棘みたいなもの

北上「ありがとねん」ウケトリ

提督「よし、的に当ててみな」つ案山子

ドスッ、ドスッ、ドスッ・・・・・・

北上「・・・・・・」スチャ

提督「始め!」

北上「!」ダッ

ストトトトッッッ!!

北上「はい、一丁~」スタッ

吹雪「全弾・・・・・・命中・・・・・・?」ポカーン

提督「・・・・・・おったまげた」ポカーン

北上「ん~、あたしこーゆーの向いてんのかも」

吹雪(しかも、全部案山子の脳みそに刺さってる・・・・・・)ゾクッ

北上「硬い素材で作ったらあいつらにも十分使えるっしょ?」

提督「うん、有りだな」

てなわけで、あたしは自分なりのスタイルを見つけて、今は個人練習に入ってるんだ。

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24: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:24:07.91 ID:Q1IxI1jM0

北上「あたしの事はこれくらいかな」

大和「自分なりのスタイル・・・・・・ですか」

吹雪「私は基本に沿ったものですけどね」

大和「因みに、北上さんと吹雪ちゃんはどっちが強いんでしょうか?」

北上「総合的なパワーは吹雪だねぇ」

吹雪「でも、勝率は北上さんが上ですよ」

文月「二人とも強いよ~」

大和「それで、次に鎮守府に着任したのは・・・・・・」

大鳳「あ、私です」

大和「え? でも、確か貴女も大型建造でしか・・・・・・」

大鳳「実を言うと、私はここで建造されたわけでは無いんです」

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私は以前、別の鎮守府で建造されました。そこでは、私は何をやっても失敗ばかりで、出来損ないの烙印を押されていました・・・・・・。

「また作戦失敗か! 何故あんな簡単な事ができんのだ!!」

大鳳「ご、ごめんなさい・・・・・・!」

「うちは貴様のような出来損ないを養うつもりは無い! もう貴様は要らん!!」

大鳳「っ!?」

度重なる任務の失敗を咎められ、私は遂に解体される事が決定しました。地下牢で解体される時を待っていた、そんな時でした。

大鳳「・・・・・・」

 

25: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:24:46.22 ID:Q1IxI1jM0

カツ、カツ、カツ、カツ・・・・・・

大鳳(っ! もう来たんだ・・・・・・)

ガチャ、ギィィィィィ・・・・・・

大鳳「!」

提督「ほー、お前が大鳳か」

大鳳「だ、誰ですか!?」

提督「俺は海原 櫂。装甲空母、大鳳。本日付で、お前は俺の艦隊所属だ」

大鳳「は、はい? 仰る意味が・・・・・・」

提督「要は、地下牢から出してやるって事」

大鳳「ここから・・・・・・?」

提督「別に強制はしねぇ。ここで燻ってるか、別の可能性に手を伸ばすかは、お前が決めろ」

大鳳「・・・・・・私は落ちこぼれの出来損ないです。私には可能性なんてもの、微塵もありませんよ・・・・・・」

提督「この世に不必要な人間なんかいねぇよ。お前はいわば原石だ、燦然と輝く宝石のな。お前が落ちこぼれかどうかなんて磨いてみないと分かんねぇよ」

大鳳「私が・・・・・・原石・・・・・・?」

提督「あぁ。もしお前が宝石になれなかったら全部俺の責任だ、お前の前で腹切って土下座して詫びてやる。万が一、いや、例え那由他の果ての可能性でも希望があるなら、一つ賭けてみないか?」

大鳳「・・・・・・分かりました。空母大鳳、貴方の艦隊に配属させていただきます」

提督「よし、交渉成立だ」ニッ

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26: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:25:37.18 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「初めまして! 私は初期艦の吹雪です!」

北上「雷巡の北上だよ、まーよろしく」

提督「こいつらがうちの艦娘だ。仲良くしてやってくれ」

大鳳「あ、あの、提督。たった二人ですか?」

提督「侮るなよ。こいつらは今や単体で、艦隊の五つや六つを瞬殺できる程の精鋭だぜ」

大鳳「た、単体で!? すごいじゃないですか!!」

北上「いやぁ」テレテレ

吹雪「それ程でも」テレテレ

提督「お前も直にこうなるからな」

大鳳「プ、プレッシャーかけないでくださいよ~」

提督「お前ら、大鳳に鎮守府を案内してやれ」

吹雪「はい!」

北上「終わったら、また連れてくるねー」

提督「頼む」

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食堂

大鳳「」ズーン

吹雪「た、大鳳さん大丈夫ですか!?」アセアセ

北上「どうだった、筆記試験?」

大鳳「全然・・・・・・解けなかった」ズーン

大鳳「あぁあ、最初からついてないなぁ」

北上「更に追い込むようで悪いんだけど」

吹雪「明日からもっとハードになりますよ」

大鳳「えぇ!?」ガビーン

 

27: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:26:23.90 ID:Q1IxI1jM0

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翌日早朝

大鳳「はっはっ、ふっふっ、はっはっ、ふっふっ・・・・・・・」タッタッタッ

吹雪「あ、大鳳さん! おはようございます!」タッタッタッ

大鳳「吹雪さん! おはようございます」タッタッタッ

大鳳「吹雪さんも毎朝ランニングを?」タッタッタッ

吹雪「はい! もっと強くなるために」タッタッタッ

吹雪「でも、気をつけてくださいね」タッタッタッ

大鳳「え?」タッタッタッ

吹雪「この鎮守府名物の鬼トレはこんなもんじゃありませんよ!!」タッタッタッ

大鳳「鬼トレ?」タッタッタッ

ーー
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ーーーーーー

執務室

提督「吹雪から聞いたぜ。早朝からランニングなんて」カリカリ

大鳳「いえ。せめてもの努力です」

提督「いや。そういう小さな努力が積もり積もって、いつかは実を結ぶ。よく言われた言葉だ」カリカリ

提督「それに、そうやって努力する事は間違いなくお前の良い点だ。もっと誇ってもいいんじゃねぇか?」カリカリ

大鳳「ありがとうございます」

提督「今日は昼間は雨だ。鬼トレより先に座学しておくか。吹雪達からノートは写させてもらったか?」カリッ

大鳳「は、はい」

提督「今日は物理だ。難しいと思うが、頑張れよ」ヨテイヒョウチラッ

大鳳「が、頑張ります!」

 

28: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:27:08.29 ID:Q1IxI1jM0

ーー
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ーーーーーー

提督「えー、それでは物理の授業を始めたいと思う」スーツ・指揮棒

吹雪「起立!」ガタッ

北上・大鳳「」ガタッ

吹雪「気をつけ、礼!」ビシッ ペコ

北上・大鳳「」ビシッ ペコ

吹雪「着席!」ガタッ

北上・大鳳「」ガタッ

提督「では、今日は力学の波動を学習したいと思います」

北上「"は"・・・・・・」

提督「先言っとくぞ、へそ出し雷巡。『波導は我にあり』とか言ったら、ドタマぶち抜くからな?」つチョーク

北上「チッ、バレタカ・・・・・・」

提督「"波導"じゃなくて"波動"だからな。さて・・・・・・」クル

カツ、カツ、カツ、カツ

スーッ、カツカツ・・・・・・

ーー
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ーーーーーー

提督「・・・・・・であり、この公式は波動力学において、基礎とも呼べる。しっかり覚えておくように」

北上「・・・・・・」ファァ~

吹雪「・・・・・・」カリカリ

大鳳「・・・・・・」カリカリ

提督「じゃあ、この公式を利用して・・・・・・」カツカツ

提督「大鳳、この問題を解いてみろ」

大鳳「っ!? ひゃ、ひゃいぃっ!!」ガタッ

大鳳「え、えーっと・・・・・・」アワアワ

 

29: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:27:50.92 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「大鳳さん、公式公式」ヒソッ

大鳳「!」ハッ

大鳳(そうだ、公式! 振動数と波長が出ているから、それをかけて・・・・・・)

大鳳「に、20m/sです!」

提督「そう、正解だ。このように三つのうち二つがある場合は容易に計算できる。では・・・・・・」

大鳳「吹雪さん、ありがとうございます」ヒソッ

吹雪「いえ、どういたしまして」ヒソッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

グラウンド

提督「少し地面がぬかるんでるけど、まぁ大丈夫か」

提督「よし、ではこれよりトレーニングを開始する!」教官モード

大鳳「・・・・・・」ポカーン

吹雪(分かる、すっごく分かりますけど・・・・・・)

北上(突っ込んだら負けだよ、大鳳)

提督「いつも通りのメニューから、始め!」

北上「ねぇ教官」ノシ

提督「何だ?」

北上「まさか、この泥のとこで腕立て伏せとかやれってわけじゃないよね?」

吹雪「あ!」キョロキョロ

提督「うむ、確かに。仕方ない、準備運動はコンクリートの上でやるとしよう」

ーー
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ーーーーーー

 

30: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:28:30.22 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「はっはっ、ふっふっ、はっはっ、ふっふっ・・・・・・」タッタッタッ

北上「はっはっ、ふっふっ、はっはっ、ふっふっ・・・・・・」タッタッタッ

大鳳「はっはっ、ふっふっ、はっはっ、ふっふっ・・・・・・」タッタッタッ

提督(普段から走り込んでいると言うだけはあるな。初日で全くペースを落とさずについてきている)タッタッタッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「では、組み手を始めるか」

吹雪「大鳳さん、お願いしますね」スッ

大鳳「は、はい」スッ

北上「あたし見学~」

提督「始め!」

吹雪「やぁっ!」ダッ

大鳳「はぁっ!」ダッ

ドムッ

吹雪「」

大鳳「」

提督「・・・・・・(互いに突っ込んだら、クロスカウンターの状態で固まっちまった)」

北上「漫画だけかと思ってたよ、互いの拳がほっぺにめり込んだまま、固まるなんて状況・・・・・・」

 

31: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:29:05.40 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「」フラッ

大鳳「」フラッ

ドサッ ドサッ

提督「お、おいお前ら!!」タッタッタッ

北上「ありゃりゃ・・・・・・」タッタッタッ

提督「おい吹雪、大鳳! しっかりしろ!」

北上「二人とも気絶しちゃったね」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

妖精「脳震盪かねぇ、これは」

提督「脳震盪!?」ガビーン

北上「・・・・・・マジで?」

妖精「今は眠ってるだけだから、安静にしといてね」テテテテ

北上「・・・・・・互いに脳震盪起こす程の一撃だったんだね」

提督「腕力は多分吹雪が上だ。大鳳は恐らく・・・・・・」

北上「踏み込みだよね」

提督「やっぱりか、走り込んでいる分踏み込みが強い。だから初速から前に進む力が強いんだな」

 

32: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:29:52.25 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「う、うぅ・・・・・・」ピクッ

大鳳「うぅ・・・・・・」ピクッ

提督「お、目が覚めたか」

吹雪「司令官・・・・・・?」

大鳳「私達、何が・・・・・・?」

北上「お互いのパンチで気絶しちゃったんだよ」

吹雪「思い出しました・・・・・・」

大鳳「痛っ・・・・・・!?」ズキッ

北上「! 大鳳手首が・・・・・・!」

大鳳「あ、紫色になってる」イタタ

吹雪「えぇ!? 大丈夫ですか!?」アセアセ

提督「見せてみろ」

提督「・・・・・・関節傷めたな。湿布もらってくる」スタスタ

大鳳「そんな! 高速修復材があれば・・・・・・」

提督「いつまでもそれに頼るわけにもいかねぇよ」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

妖精「はい、これでいいよ」

提督「悪ぃな」

妖精「今日一日はなるべく安静にしてね。そしたら明日にはマシになるよ」テテテテ

大鳳「・・・・・・」

提督「? どうした?」

 

33: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:30:36.83 ID:Q1IxI1jM0

大鳳(私・・・・・・本当に役立たずだなぁ。トレーニング初日に皆に迷惑かけて・・・・・・)ジワッ

大鳳「やっぱり、私は落ちこぼれなんだ。役立たずの出来損ないなんだ・・・・・・」ポロポロ

提督「・・・・・・」

北上「何言ってんのさ」

吹雪「司令官も私達もそんな事全然考えてませんよ」

大鳳「でも・・・・・・」ポロポロ

提督「誰にだって得手不得手はある。大鳳は空母だ、肉弾戦は苦手なのかもしれねぇな」

大鳳「そしたら私はトレーニングの意味が」

吹雪「ありますよ!」

大鳳「!?」

吹雪「初日であの鬼トレについてきたんです! 大鳳さんの力は絶対伸びますよ!!」

北上「空母なんだし、弓矢とかで狙撃する遠距離タイプなんじゃないかな?」

大鳳「吹雪さん・・・・・・北上さん・・・・・・」

提督「それだ! 試してみよう」タッタッタッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

34: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:31:22.27 ID:Q1IxI1jM0

提督「負傷したのが左手なのは不幸中の幸いだな」つ的

ドスッ

提督「よし、あの的狙撃してくれ」

吹雪「司令官、肝心の弓矢が無いと・・・・・・」

大鳳「大丈夫です。持っていますから」スッ

北上「それは?」

大鳳「私の武器、クロスボウです」

大鳳「行きます・・・・・・」カチャ

バシュッ

北上「当たった?」

提督「あぁ、バッチリ」ガタガタ

吹雪「ホントですか!? すごいで・・・・・・」

提督「バッチリ外れだ・・・・・・」ガタガタ 帽子に矢

吹雪・北上・大鳳「司令官(提督)!?」ギョッ

 

35: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:32:11.72 ID:Q1IxI1jM0

提督「し、死ぬかと思った」カタカタ

大鳳「ごごご、ごめんなさいぃ!」

北上「あと数センチ下なら頭に刺さってたよ」つ帽子

吹雪「あ、ある意味すごいじゃないですか・・・・・・」(震え声)

大鳳「うぅ。私、空母なのに酷いノーコンなんです・・・・・・」ズーン

大鳳「そのせいで何をやっても失敗ばかりで・・・・・・」

提督(さて、どうしたものか・・・・・・。このままじゃ大鳳がますます落ち込んじまう。何とかあいつの長所を活かす事は・・・・・・)

北上「あのさ」

提督「ん?」

北上「ノーコンなら外さない距離まで近づけばいいんじゃないの?」

吹雪「それができたら・・・・・・あ!」

提督「あ、そうか! 大鳳の脚力を活かして相手の懐に入って・・・・・・」

吹雪「零距離射撃すれば・・・・・・!」

北上「長所を活かせるって事」ニヒヒ

大鳳「え・・・・・・え?」オドオド

提督「よし大鳳、やってみろ!」

大鳳「は、はい!」ダッ

ダダダダッ

北上「おー」

吹雪「は、早い・・・・・・!」

大鳳(懐に入って・・・・・・)ダンッ

大鳳(零距離射撃・・・・・・)ジャコン

バシュッ

大鳳「あ。当たった・・・・・・当たった!」

大鳳「やったぁぁぁっ!!」ピョンピョン

提督「やったな、大鳳!!」

吹雪「すごいです!」

北上「やるぅ」

的に矢を当てる。たったそれだけの事でしたが、それが私にはとても嬉しかったんです! 何せ、今まで何一つとして成功できなかった私が初めて何かを成功できたんですから!

 

36: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:33:01.15 ID:Q1IxI1jM0

ーー
ーーーー
ーーーーーーーー

それから私は何かが吹っ切れたんでしょう、生き生きと鎮守府で生活していました。

工廠

北上「これをこうして・・・・・・と。こんなふうにしてくれない?」カリカリ

妖精「なるほどね、分かった」

大鳳改「何をしてるんですか?」

北上「あぁ、大鳳の武器を新しく創ってたんだよ」

大鳳「私の?」

北上「航空機を発艦させるあのクロスボウの他に、大鳳自身が闘うためのね。それにはあのスタイルを活かせる武器じゃないと」

大鳳「ありがとうございます、北上さん」

北上「いいって。で、大鳳は何しに来たの?」

大鳳「艦載機を数機造っていただきたくて」

北上「あぁ、確かマニュアルが何処かに・・・・・・」ガサゴソ

大鳳「へ?」

北上「はい、これ見て」つマニュアル

大鳳「わ、私が造るんですか!?」ガビーン

北上「あたしも自分の武器は自分で造ったからね」つ魚雷

大鳳「酸素魚雷ですか? 先がかなり鋭角で、なんだか鉄杭みたいですよ」

北上「まぁね。あたしの戦闘スタイルに合わせて改良してあるんだよん」

北上「ちょっと中の火薬をいじってあるのさ。並の相手なら突き立てられた瞬間、ドカンッ!! 木っ端微塵さ」ニヒヒ

大鳳「っ!?」

北上「提督がね、『自分流に改造したらそれだけ自分にあったものになる』って言ってたんだ。大鳳も造ってみなよ」

大鳳「はい」ペラッ

大鳳「・・・・・・」カチャカチャ

 

37: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:33:59.03 ID:Q1IxI1jM0

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大鳳「ふぅ。できた」

北上「できた?」スタスタ

大鳳「はい、何とか」

妖精「おぉ、結構造ったね」

北上「あ、はいこれ。妖精さんが造ってくれたよ」スッ

大鳳「これは? ガントレット? 随分とゴツイですね」

北上「実戦用、というか実戦の時しか使っちゃいけないよ、これ」

大鳳「えぇ!?」

北上「ネイルガンを組み込んだガントレット。大鳳のパンチの衝撃に反応して手の甲から棘が飛び出すんだって」

妖精「片手につき300本、1回で2本ずつ出るから、片手で150回まで発射できるよ」エッヘン

大鳳「あ、ありがとうございます」

妖精「さぁ、物は試し」つ案山子

大鳳「分かりました」スチャ

 

38: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:34:46.15 ID:Q1IxI1jM0

大鳳「!」ダッ

ダンッ

大鳳「はぁっ!」ブン

ドムッ ドシュッ

妖精「さぁ案山子はどうなってるかな」チラ

大鳳「あ!」

北上「うわっ、胸に穴が空いてる」

大鳳「あれ? 飛び出した棘は?」

妖精「あ、貫通しちゃってる」

大鳳「えぇ!?」ギョッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

波止場

提督「帰ってきたか」

吹雪「司令かーん!」ノシ

北上「帰ったよぉ~」

大鳳「ただいま戻りましたぁ」

吹雪「今回"も"全員無傷です!」

提督「そうか、良かった。各自補給をしておくように」

北上「いやぁ、今回のMVPは大鳳だよ」

吹雪「はい! 艦載機で爆撃した後、敵旗艦を一撃で倒したんですから!!」

大鳳「いえ、お二人の力があってこそですよ」テレテレ

提督(・・・・・・一皮剥けたな、大鳳)ニッ

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

39: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:35:27.80 ID:Q1IxI1jM0

大鳳「私の話はこれくらいですね」

大和「すごいじゃないですか!」

北上「最初はこの三人で頑張ってたんだ」

吹雪「で、暫くして建造許可が出て着任したのが・・・・・・」チラ

文月「あたしぃ」ノシ

大和「文月ちゃんだったんですね」

大鳳「文月ちゃんが来てから大変だったんです」

北上「あぁ、確かに」

大和(こんな小さな子ですもの、提督も色々と教えたり世話したりで大変だったのでしょうか?)

吹雪「提督がものすごい子供嫌いで大変だったんですよ!!」プンプン

大和「えぇ!?」ガビーン

文月「えっとね~」

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ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー

文月「あたし、文月って言うの。よろしくぅ~」ニパァ

提督「」

吹雪「私、初期艦の吹雪です、よろしくお願いします!」

北上「雷巡北上だよ、まぁよろしくー」

大鳳「航空母艦大鳳です」

提督「」

吹雪「ちょっと司令官!?」ユサユサ

提督「じょ、嬢ちゃん迷子か? 親御さん何処?」カタカタ

文月「ふみゅ?」キョトン

吹雪「うちに新しく所属した艦娘ですよ、睦月型駆逐艦の文月ちゃんですよ!!」

提督「そ、そうか・・・・・・。俺はこの鎮守府の提督の海原だ、よろしく」ガタガタ

文月「よろしくぅ」

 

40: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:36:22.34 ID:Q1IxI1jM0

提督「み、皆で鎮守府案内してやれ」クル

文月「司令官はぁ?」

提督「司令官は忙しいの! 後で執務室に来るように!!」ダッ

吹雪「ちょっ、司令官!?」アセアセ

文月「あたし嫌われたぁ・・・・・・?」ウルウル

北上「そ、そんなわけないじゃん」アセアセ

大鳳「そうですよ」アセアセ

吹雪「と、とりあえず鎮守府案内しますね」スタスタ

文月「うん~」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

食堂

文月「ふみゅ~」クテー

北上「疲れちゃったね、文月」スタスタ

大鳳「仕方ないですよ、初日に筆記試験は」

北上「はい、シチュー作ったから」コト

文月「ありがとぉ」カチャ

北上「大鳳もね」コト

大鳳「ありがとうございます」

文月「司令官はぁ?」モグモグ

大鳳「執務室ですよ」モグモグ

北上「吹雪も手伝っているし、もう終わるかねぇ」

大鳳「うーん。北上さん、胡椒取ってもらっていいですか?」

北上「おー、香辛料(スパイス)の神が降臨なされた」つ胡椒

文月「・・・・・・」スッ

 

41: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:39:59.08 ID:Q1IxI1jM0

ーー
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執務室

吹雪「司令官」

提督「・・・・・・何だ?」カリカリ

吹雪「今日の文月ちゃんへの態度酷すぎませんか?」

提督「・・・・・・」カリカリ

吹雪「司令官、ひょっとして子供嫌いなんですか」

提督「・・・・・・まぁな」カリカリ

吹雪「それなら私も子供ですよ?」

提督「お前は子供でも聞き分けがある。聞き分けねぇ子供は嫌いなんだ。すぐ泣くからな」カリカリ

吹雪「色々と極論すぎませんか? 子供は最初は聞き分けないものですよ」

提督「あん?」カリッ

吹雪「そのうちに聞き分けや我慢ができるようになるんです。それに、艦娘の精神年齢は司令官が思うよりかなり高いですよ」

提督「そうか。明日から考えてみるか」カリカリ

吹雪「はい!」

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執務室前 廊下

文月「司令官・・・・・・」

トコトコ・・・・・・

ーー
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42: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:40:42.30 ID:Q1IxI1jM0

翌日

グラウンド

提督「始め!」

吹雪「いきますよ、文月ちゃん」

文月「ほわぁ!」ダッ

吹雪「やぁっ!」ブン

文月「!」サッ

吹雪「なっ!? 消えた?」キョロキョロ

文月「やぁっ!」

吹雪「!?」ビクッ

ぺチン・・・・・・

文月「このこのこのぉ~!」グルグル

ポカポカポカポカ・・・・・・

吹雪「痛っ、痛たたた!? こ、降参ですぅ!!」

提督「しょ、勝者、文月!」

文月「やったぁぁぁ」ピョンピョン

北上「何なの、あの試合」

大鳳「すごく微笑ましいですね」

提督「まぁ最初はあれでもいいさ」

提督(攻撃は別として、あの小さな身体を活かして一瞬で相手の懐に入るか・・・・・・。意外とセンスはあるのかもしれねぇ)

ーー
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43: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:41:35.00 ID:Q1IxI1jM0

教室

提督「・・・・・・では、ここまでの復習を兼ねて確認テストをします。筆記用具以外は机の下に」

一同「」ガサゴソ

提督「1問2点、10点満点だ。途中式もちゃんと書くように」スッ スッ スッ スッ

提督「時間は30分間だ。終わって見直しが済んだら提出してもいいからな。では始め」タイマーカチッ

吹雪「」カリカリ

北上「」カリカリ

大鳳「」カリカリ

文月「」カリカリ

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提督(15分経過。ぼちぼち提出者が出るかな)

文月「司令官、終わったよぉ」スッ

提督「お、早かったな」ウケトリ

提督(意外だな、てっきり吹雪かと思っていたが・・・・・・・。って、なっ!?)ギョッ

文月「?」

提督「文月、全問正解だ」

吹雪・北上・大鳳「えぇ!?」ガビーン

文月「えへへ、司令官の説明がわかりやすかったから」テレテレ

提督(途中式も必要最小限だが要点はきちんと書いてある。こいつ才能の塊か!?)ゾワッ

ーー
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ーーーーーー

提督「お前ら風呂入ってこい。飯作っといてやる」

文月「司令官はお風呂入らないの?」

提督「今は入りません。俺まで入ったら誰が飯作るんだ?」

文月「司令官一緒に入ろうよぉ」クイクイ

吹雪・北上・大鳳「なっ!?////」ビクッ

 

44: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:42:30.69 ID:Q1IxI1jM0

提督「話聞いてたか、吹雪達が一緒に入るだろ」

文月「やだやだやだ~!」ギューッ

提督「幼稚園児かお前は!? いいから離れろ!!」ググッ

文月「やー!」ギューッ

提督「こ・・・・・・の! おいお前ら、剥がすの手伝ってくれ!」

吹雪「は、はい!」タッタッタッ

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数週間後

執務室

吹雪「司令官」

提督「ん?」ペラッ

吹雪「折角の休日なんですから、司令官も何処か出かけたらどうですか?」

提督「行く宛ねぇよ」ペラッ

吹雪「もう! 文月ちゃんもほぼレベル90代後半だし、私達にはたっぷり休日くれるのに何で司令官は執務室に籠るんですか!?」

提督「それが提督だからだ」ペラッ

吹雪「ほら、こんないいお天気なんですから、地学の本読んでないで散歩でもしてきたらどうですか?」つ提督の私服

提督「悲しいなぁ、吹雪はそんなに俺をここから追い出してぇのか?」パタン

吹雪「いいから早く」セカセカ

提督「はいはい、分かりました。じゃあ、暫く散歩してくるから、留守番頼むぜ」スッ

吹雪「はい!」

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正門

提督「ったく、吹雪のヤツめ」スタスタ

提督「ま、久々に街を散策してみるか。一人で自由気ままに散歩するのも久々だなぁ」スタスタ

 

45: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:43:20.16 ID:Q1IxI1jM0

??「司令かーん、待って待ってぇ」トコトコ

 

 

46: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:43:56.73 ID:Q1IxI1jM0

提督「ん?」クル

文月改「えへへ、あたしも一緒に行くぅ」テヲギューッ

提督「」

文月「行こ、司令官?」ニパァ

提督「お、おう・・・・・・」ズーン

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街中

文月「司令官暑いねぇ」パタパタ

提督「まだ8月だしな」パタパタ

提督(おまけに都会特有のこの暑さだよ。田舎の太陽が頑張っていますって感じの暑さじゃなくて、なんつーか、都市熱でムカムカするような蒸し暑さ。屋内行かねぇと文月が熱中症になっちまうな)キョロキョロ

文月「司令官」クイクイ

提督「ん?」

文月「アイス食べたい」

提督(あぁ、アイスか! それなら多少涼まるし、店内なら冷房も効いてるだろ)

提督「分かった」

文月「やったぁ。じゃあ、あそこ行こぉ?」スッ

提督「ん? 何処だ・・・・・・」クル

 

47: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:44:44.64 ID:Q1IxI1jM0

某お高いアイス店

提督「」

文月「? 司令官?」

提督「文月、あそこだけは駄目」蒼白

文月「何でぇ?」

提督「高いから」

文月「ふみゅ~」ショボン

提督「うぐっ・・・・・・(頼むからそんな顔するなよ、俺が悪いみてぇじゃねぇか)」

提督「あぁ、もう! 分かった、あそこ行くか」

文月「ホント?」キラキラ

提督「お、おう」


ーー
ーーー

提督「好きなヤツ一つ選びな」

文月「えっと」

店員「いらっしゃいませ! 当店ではただいまキャンペーン中で、お一人様お二つで、もう一つアイスが選べます!」

文月「じゃあ、三つ食べられるのぉ?」キラキラ

提督(それ何か店違くね? いや、突っ込んだら負けか)

文月「司令官は何にする?」

提督「俺は一つでいい。文月は三つ選びな」(震え声)

文月「じゃあ、これとこれと・・・・・・あとこれ」

提督(躊躇いなく選びやがった!? 文月意外と策士か!?)ガビーン

 

48: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:45:27.24 ID:Q1IxI1jM0


ーー
ーーー

文月「おーいひぃ~」ストロベリー&バニラ&キャラメル

提督「よ、良かったな」ラムレーズン

文月「司令官のそれ何?」

提督「ラムレーズン。干しぶどうが入ってんだよ」

文月「一口頂戴」

提督「ん」スッ

文月「はむっ・・・・・・何か変な味ぃ」

提督「干しぶどうをラム酒漬けにしてあるからな。少量酒が入ってるんだよ」パクッ

文月「あたしのも。はい、アーン」スッ

提督「別に要らねぇよ」

文月「あたしのアイス要らない?」ウルウル

提督「っ!? 分かったからその目をやめろ! ・・・・・・あー」アーン

文月「! はいアーン」スッ

提督「あむっ・・・・・・うん、美味い。久々に食べたなぁストロベリー味」

文月「アイス美味しいね」パクッ

提督「・・・・・・あぁ」パクッ

提督(この屈託のねぇ笑顔・・・・・・。こんないい子を避けてたんだな、俺は)

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アリガトウゴザイマシター

文月「司令官ありがとぉ」ニパァ

提督「・・・・・・構わねぇよ」

文月「? どうしたのぉ?」キョトン

提督「いや、何でもねぇ」

文月「お土産買ってこ~」クイクイ

提督「そうだな、あいつらに何か買ってくか」スタスタ

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49: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:46:14.07 ID:Q1IxI1jM0

ショッピングモール

提督「さて、あいつら何がいいんだか」

文月「北上ちゃんはアクション系の漫画、吹雪ちゃんは雑誌、大鳳ちゃんはランニングシューズが欲しいって言ってたよぉ」

提督「マジで? ありがとう文月」ナデナデ

文月「えへへ、司令官に褒められたぁ」ニパァ

提督「一番近いのはシューズ店か」スタスタ

文月「待って待ってぇ」トコトコ

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提督(さて、三人の分買えたな。他にもチョークの補充分も買ったし)

提督「」チラ

文月「」(/◎\)ゴクゴク

提督「・・・・・・文月、少しここで待っててくれ」スタスタ

文月「はぁい」プハァ

文月「あ、ジュース無くなっちゃった」

「お嬢ちゃん一人?」

文月「? おじさん誰?」

「おじさんがいい物あげるよ。一緒においで」

文月「司令官に待っててって言われたのぉ」

「あぁ、司令官ならおじさんと一緒にいるよ、連れて行ってあげよう」ガシッ

文月「! おじさん離してよぉ」ググッ

「大丈夫だから、おじさんと行こう、な?」グイ

文月「やー!! 離してよぉ!!」ググッ

 

50: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:46:53.02 ID:Q1IxI1jM0

ガシッ

「なっ!?」ギョッ

提督「うちの娘に何か用か?」

「な、何だてめぇは!?」

提督「この子の保護者だ。離してもらおうか」

「何が保護者だ、引っ込んでろ!」ブン

提督「・・・・・・」パシッ

提督「ふんっ」グイ

「!?」

提督「よっ!」一本背負い

ドサッ

「ぐはっ!?」

文月「ほわぁ・・・・・・」

提督「大丈夫か、文月?」チラ

文月「うんー、ありがとぉ司令官」

警官「そこ、何の騒ぎだ!」タッタッタッ

提督「ん?」

文月「お巡りさんだぁ」

警官「何だね君は、こんな所で喧嘩とは」

提督「・・・・・・」つ証明書

警官「っ!? ち、鎮守府の方でしたか! これは大変失礼を!」ビシッ

提督「そこのおっさん、幼女誘拐の未遂犯だから」スッ

警官「そうでしたか、ご協力感謝します!」ビシッ

提督「んじゃ、これで失礼」スタスタ

文月「司令官待ってぇ」トコトコ

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51: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:47:24.88 ID:Q1IxI1jM0

文月「司令官さっき何してたのぉ?」

提督「お前にこれを買ってた」スッ

文月「? 開けてもいい?」

提督「あぁ」

文月「ほわぁ」キラキラ

司令官があたしにきれいなヘアゴム買ってくれたんだぁ。赤い小さなビーズのかわいいヘアゴムだったの

提督「安モンで悪ぃな。今日俺の散歩に付き合ってくれたお礼だ」

文月「ひっ・・・・・・ひっ・・・・・・」ポロポロ

提督「な、泣く程嫌だったのか!?」ガビーン

文月「違うの、違うのぉ」グシグシ

文月「さっきのおじさんが怖くて、泣くの我慢してたの」フルフル

提督「? 別に泣きゃいいじゃねぇか」

文月「そしたら司令官、あたしの事嫌いになるから・・・・・・」ジワッ

提督「・・・・・・どういう事だ?」

 

52: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:48:05.60 ID:Q1IxI1jM0

文月「司令官、子供は泣くから嫌いなんでしょ?」

提督「っ!?」

文月「だから、泣かないように我慢してたの。司令官が嫌いにならないように」

提督「つまり、俺が子供は泣くから嫌いだって言ってたから、泣かねぇように今まで我慢してた。でも、さっきのが思ったより怖くて、ほっとした瞬間涙が止まらなくなったって事か・・・・・・?」

文月「うん・・・・・・。こんなに優しくされて・・・・・・もう我慢できないよぉ」ポロポロ

提督「」ダキッ

文月「司令・・・・・・官・・・・・・?」

提督「ごめんな文月、辛い思いさせて」ナデナデ

提督「俺は聞き分けねぇ子供が苦手なだけで、文月みたいないい子は大好きだからな。だから、泣きたい時は泣いていいよ」ナデナデ

文月「司令官、司令官・・・・・・!」ギューッ

文月「ふぇぇぇぇぇん!!」ギューッ

提督「よしよし」ナデナデ


ーー
ーーー

文月「司令官、肩車して?」クイクイ

提督「おう」ヒョイ

文月「ほわぁ、高い高~い!」キャッキャッ

提督「あ、危ねぇから暴れんな!」オロオロ

文月「はぁい」ギューッ

提督「聞き分けがあってよろしい」スタスタ

文月「司令官」スッ

提督「ん?」スタスタ

文月「大好きぃ」ヒソッ

提督「はは、あぁ俺も」ニッ

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53: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:48:40.10 ID:Q1IxI1jM0

文月「こんな感じぃ」

大和「何か・・・・・・すごくいい話ですね」

吹雪「司令官もそれから文月ちゃんに優しくなって、ほっとしましたよ」

北上「まさか文月だけアイス奢ってもらってたなんて」クッ

大鳳「いいなぁ」

吹雪「お二人は何を羨ましがっているんですか」アキレ

文月「司令官にもらったヘアゴム、今も付けてるよぉ」ホラ

大和「本当、とっても綺麗・・・・・・」

利根「ふー、やっと終わった」スタスタ

吹雪「あ、利根さん。どうもありがとうございます」イスヒク

利根「すまんの、吹雪。で、今何の話をしておるんじゃ?」ガタッ

大鳳「ちょうど皆が着任した時の話をしていたんです」

北上「最後の利根っちで終わりだよ」

利根「吾輩の話か? そうじゃなぁ」

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54: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:49:13.56 ID:Q1IxI1jM0

吾輩の提督の第一印象はなかなかであった。何せ、開口一番こう言ったんじゃからな

利根「吾輩が利根である! 吾輩が艦隊に加わる以上、もう索敵の心配はないぞ!」ビシッ

提督「何かガキが古風な喋り方してんぞ、おい!」ガビーン

吹雪「何言ってるんですか!? 利根型重巡洋艦の一番艦、利根さんですよ!」

北上「見た目は子供、それでいて古風な口調。正に『のじゃロリ』だよ」

提督「なるほど憶えとくよ、のじゃロリ」メモメモ

利根「あははは、なかなか面白い提督じゃな! じゃが、吾輩はロリではないぞ」

提督「まぁな、提督の海原だ。よろしく」

吹雪「初期艦の吹雪です、よろしくお願いします」

北上「雷巡北上だよ、よろしくー」

大鳳「装甲空母、大鳳です。よろしくお願いします」

文月「あたし文月って言うの、よろしくぅ」

 

55: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:49:52.38 ID:Q1IxI1jM0

提督「んじゃ、皆は利n・・・・・・じゃなくてのじゃロリに鎮守府を案内してやれ」

利根「何故言い替えるのじゃ、吾輩はロリではないぞ!!」クワッ

提督「どっからどう見てもロリじゃねぇか!」

利根「な、二度ならず三度も呼ぶか!」

提督「何回も言ってやらァ、ロリ!」

利根「やかましいわ、童(わっぱ)!」

提督「誰が童だ! もうそろそろ二十歳(はたち)だ、バーカ!!」

利根「まだ童ではないか、アホゥ!!」

ワーワーギャーギャー

艦娘「・・・・・・」

艦娘(子供の喧嘩じゃん、これ・・・・・・)


ーー
ーーー

提督「いやぁ、久々に楽しい口喧嘩ができたぜ」アハハハ

利根「確かに。お主と話しておると実に愉快じゃ」アハハハ

提督「まぁ、改めてよろしくな」アクシュ

利根「うむ。こちらこそよろしく頼むぞ」アクシュ

艦娘(何か和解&意気投合してる!?)イツノマニ・・・・・・

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56: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:50:27.58 ID:Q1IxI1jM0

利根「よもや着任初日に筆記試験があるとはのぅ」

大鳳「驚きますよね」

文月「利根ちゃんどうだったー?」

利根「社会はできたんじゃが、英語がイマイチじゃったな」

吹雪「皆さーん、ご飯できましたよー」つお盆

北上「お、待ってました」

利根「ん? ここでは皆が分担で料理しておるのか?」

吹雪「はい、今日は私が当番なんです!」ゴト

文月「因みに利根ちゃんは一ヶ月後からだよ~」

利根「何と!? もう吾輩の番も決まっておるのか!?」

ーー
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ーーーーーー

翌日

提督「うーん、今日は一日中雨か。座学しかできねぇなぁ」カリカリ

利根「何じゃ、晴れておれば何をしておったのじゃ?」

提督「地獄の鬼トレーニング」カリカリ

利根「吹雪達が昨日言っておったやつか」

提督「良かったな利根、暫くお前に地獄は来なさそうだ」カリッ

利根「できれば一生来てほしくないがの」

提督「今日は古典だ、得意分野だろ?」

利根「まぁ、英語に比べたらのぅ」

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57: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:51:02.98 ID:Q1IxI1jM0

教室

提督「では、この古文を現代語訳してもらう」カツカツ

吹雪(これは少し難しいなぁ)

文月「分かんないよぉ」

大鳳(も、もう考えるの・・・・・・辞めよう)チーン

利根「ふむ。確かこの単語は・・・・・・」カリカリ

北上「すーっ・・・・・・すーっ・・・・・・」zzz

提督「」ビキッ

艦娘「っ!!」ゾクッ

利根「起きんか北上」ユサユサ

提督「ではとりあえず、余裕綽々なやつがいるし」つチョーク

提督「そいつに聞いてみよう」ブン

バシィィッッッ!!

北上「イダァァァァァッッッ!? 何すんのさ!!」ガバッ

提督「おはよう、北上君。皆が考えている中居眠りとは随分余裕ではないか」ビキビキ

北上「あ・・・・・・(て、提督、血管が・・・・・・)」タラタラ

提督「いや別に居眠りしても構いません、構いませんけど、これくらいの問題にあっさり答えてもらわないと示しが付かないので・・・・・・ねぇ?」ビッキビキ

北上「あ、あははは・・・・・・」ダラダラ

北上(ヤバイヤバイ、朝までアニメ見てて一睡もしてないなんて言ったら・・・・・・)ダラダラ

提督「ほら、答えて・・・・・・」ゴゴゴゴ

北上(殺される・・・・・・!!)ガタガタ

 

58: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:51:37.80 ID:Q1IxI1jM0

提督「はぁ。まぁ大方、徹夜でアニメ鑑賞でもしてたんだろ」マッタク

北上「あ、あれ? 怒らない・・・・・・の?」ビクビク

提督「一週間、アニメと漫画とゲーム禁止な」

北上「そんな殺生な!?」ガビーン

北上「て、提督ー、どうかご慈悲をー」ビエエ

提督「(完全に中毒一歩手前じゃねぇか、大丈夫かよ)・・・・・・明日の座学の振る舞いによっては、返してやらん事もねぇ」

北上「あ、ありがとうございます・・・・・・」ズビビーッ

吹雪(北上さん、キャラが変わり過ぎです)

提督「さて、俺らがこんな茶番してる間に他の奴らはちゃーんと考えたよな?」ニッッッコリ

艦娘「」

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59: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:52:19.01 ID:Q1IxI1jM0

翌日

グラウンド

提督「どうだ、鬼トレの感想は?」

利根「正に地獄、鬼じゃな」

提督「次は組み手だ」

大鳳「では、私が利根さんと組みます」スッ

利根「御手柔らかにな」スッ

提督「始め!」

大鳳「はぁっ!」ダッ

利根「!?(この一瞬で吾輩の懐に!? 何という脚力じゃ!)」バッ

大鳳(!? 後ろに跳んだ!?)

利根「さて、吾輩も攻めるかの!」ダッ

ブンッ

大鳳「っ!?」サッ

利根「ほぉ、これを避けるか。なら!!」バッ

ブンブンブン・・・・・・

大鳳「さ、逆立ち回転蹴りっ!?」サッサッサッ

北上「へぇ、蹴り技主体かぁ」

文月「利根ちゃんかっこいいー」

吹雪「すごい・・・・・・」

提督(長いリーチを活かした回転蹴り。当然遠心力も加わって当たればかなり重い蹴りだな。それにしても・・・・・・)

提督「・・・・・・体操服で良かった」ボソッ

吹雪「え?」

提督「・・・・・・何でもねぇ」

 

60: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:53:08.62 ID:Q1IxI1jM0

利根「はぁっ!」ブン

大鳳「っ!? 回転からの踵落とし!?」サッ

ズドォォォン

大鳳「あぅ!?(しまった、体制が!)」ガクッ

利根「隙ありじゃ!」バッ

ピタッ

大鳳「う、降参です」

提督「そこまで、勝者利根!」

利根「ふぅ、なかなか疲れたのぅ」

大鳳「すごいです利根さん!」

吹雪「はい!」

北上「まさか吹雪と文月の他に打撃タイプが着任するなんてねぇ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

そんな日々に慣れた一週間後の事じゃ。吾輩は初出撃の後、提督に考えを打ち明けたのじゃ。

波止場

利根改「のぅ提督」

提督「ん?」

利根「今日出撃して分かったんじゃがのぅ」

利根「吾輩を対空訓練してくれぬか?」

提督「何を藪から棒に。どういう事だ?」

利根「吾輩は索敵をしようにもカタパルトが・・・・・・の。直しても大鳳が索敵をしてくれておる。ならば攻めを任せて吾輩は防空に徹しようかと思ったのじゃ」

提督「なる程ね。で、具体的にどうするつもりだ?」

利根「うむ。とりあえず対空射撃の練習をさせてはくれぬか」

提督「よし。じゃあ」スッ

提督「これを砲撃で撃ち落とせ」つフリスビー

利根「分かった」ジャキ

提督「よっと」ブン

利根「!」ドォン

バシャァァン

提督「外れだ」

利根「何の!!」ジャキ

ーー
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ーーーーーー

 

61: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:53:37.67 ID:Q1IxI1jM0

利根「ば、馬鹿な・・・・・・カタパルトだけでなく砲撃まで不調じゃと・・・・・・!?」ズーン

提督「全く、貴重な火薬がパァじゃねぇか」

利根「面目ない・・・・・・」ショボン

提督「いっそ、自分をカタパルトにして自分で砲弾投げた方が早いんじゃねぇか?」

利根「吾輩は重巡洋艦じゃ、そんな事できん。戦艦ならまだ分からんが」スッ

利根「じゃが、自分で投げるのはありじゃな」つ小石

提督「またやるか?」つフリスビー

利根「頼む」ジャラ

提督「よっと」ブン

利根「そりゃ!」ブンッ

 

62: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:54:21.21 ID:Q1IxI1jM0

ズドドドドッッッ

提督「え!? 当たったぞ!?」ギョッ

利根「ふむ、こっちのカタパルトは絶好調じゃな」ニヤリ

提督「すげぇ、即席の散弾銃ができたじゃねぇか!!」

利根「弾薬は要らんぞ、ただ小さめの弾があれば良い」

提督「早速妖精さんと話してみよう、工廠に行こうぜ」スタスタ

利根「うむ!」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

利根「・・・・・・」トントン

北上「随分手際いいね、料理の経験でもあるの?」

利根「まさか、吾輩は一ヶ月前に建造されたばかりじゃぞ」コトコト

利根「吾輩の当番である以上半端な物は出さんようにせんとな」カチャカチャ

北上「まさか一ヶ月間勉強したの?」

利根「まぁの」ジュー

ーー
ーーーー
ーーーーーー

利根「さぁ、食べるがよいぞ!!」

ドォォォン

艦娘「いただきまーす!!」

吹雪「うわ、何これ!?」モグモグ

文月「おいひぃよぉ」パクパク

大鳳「はい、はい!!」ガツガツバクバク

北上「大鳳がっつきすぎだよ」ムシャムシャ

利根「良かった、口に合ったようじゃな」

 

63: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:54:56.57 ID:Q1IxI1jM0

提督「うわ、何じゃこりゃ!?」ギョッ

利根「おぉ提督、お主も食べて感想を聞かせてくれぬか」

提督「いただきます」パクッ

提督「うわマジか、すっげぇうめぇ!」ガツガツ

提督「何だお前、レストランにでもいたのか?」

利根「まさか、勉強した料理を何とか拵えただけじゃよ」パクッ

提督(一ヶ月の勉強でこんな上手く作れるもんか!? 文月といい、こいつといい、ここには何かしらの才能がある奴ばっかだな)

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ーーーーーー

 

64: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:55:42.41 ID:Q1IxI1jM0

利根「提督よ、少しよいかの?」

提督「ん? あぁ利根、丁度いいとこに。お前にプレゼントがあるぜ」

利根「何じゃ?」

提督「おめでとう利根、遂に改二になれるじゃねぇか」つ設計図

利根「おぉ、早速後で改修してくるかのぅ」

提督「で、そっちは何の用だ?」

利根「吾輩、欲しい物があるのじゃが」

提督「欲しい物?」

利根「うむ。料理本を何冊か買いたいのじゃ」

提督「料理本?」

利根「あの日以来、何やら料理する事が楽しくてのぅ」

提督「何だ、そういう事ならこっちも歓迎だぜ」

提督「着任時に言ったように、俺の目標はお前らが社会で生きていけるようにする事だ。間違いなくそれはお前の役に立つぜ」ニッ

利根「すまんの、提督」

提督「何なら暫く名のある料理人の下で修行するか?」ニヤニヤ

利根「もし戦いが終結したら、それも良いかもしれぬな」ニヤリ

提督「まぁいいさ。本は俺が何冊か買っとく」

ーー
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ーーーーーー

提督「おい利根、本が届いたぜ」つ段ボール箱

利根改二「おぉ、感謝するぞ提督よ」ウケトリ

利根「む?」

提督「ん? どうした?」

利根「どれも中華料理の本ばかりではないか。何故じゃ?」

提督「・・・・・・何となく」b

利根「どういう意味じゃ!?」クワッ

提督「あ、そうだ。それ作る時に頼みがあるんだけどよ」

利根「ん? 何じゃ?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

65: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:56:16.10 ID:Q1IxI1jM0

その晩

吹雪「楽しみだなぁ」ワクワク

文月「お腹空いたぁ」グー

大鳳「今日は利根さんですからね」ワクワク

北上「早く食べたいねぇ」

提督「今日は中華料理らしいからな」ニマニマ

??「さぁできたぞ」スタスタ

吹雪「待ってまし・・・・・・た?」ポカーン

文月「ほわぁ・・・・・・」ポー

大鳳「え?」ポカーン

北上「・・・・・・どういう事?」ポカーン

提督「おお、今日もまた美味そうだなぁ」

利根「と、当然じゃ。わ、吾輩の自信作なのじゃからな・・・・・・////」E:赤チャイナドレス(スリット入り) ・シニヨン

艦娘(どうしよう、すっごく似合ってる。寧ろ似合い過ぎてて違和感ない・・・・・・)ポカーン

 

66: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:56:48.09 ID:Q1IxI1jM0

文月「利根ちゃん可愛い~」

利根「わ、吾輩が可愛いじゃと!? な、な、何を言うか////」カァァ

北上「いやいや利根っち、語尾に『アル』を付けないと」ニヤニヤ

利根「どういう意味じゃ!?」クワッ

提督「いやぁ、利根を弄れて文字通りのメシウマだわ」モグモグ

利根「く、屈辱じゃ! 何故吾輩がこんな服装を・・・・・・!」

提督「いや、普段の色違いみたいなもんだろ」

利根「!?」ハッ

吹雪「今気づいたんですか!?」

大鳳「服装はともかく、やっぱり美味しいです!!」ガツガツバクバク

文月「このチャーハン美味しい」モキュモキュ

北上「あたしも料理教えてよ」ムシャムシャ

利根「うむ、構わんぞ」

提督「多分軍でも料理の腕は三指に入るんじゃねぇか?」

利根「何を言う。吾輩より上なぞいくらでもおる」

利根「もしそんな人が着任したら共に料理をしたいものじゃなぁ」

提督「・・・・・・」

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67: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:57:37.67 ID:Q1IxI1jM0

利根「吾輩の話はこんなとこじゃな」

北上(尚、褒められて満更でもないから、あのチャイナドレスを大事にしまってある事は内緒であった)

大和「皆さんの話を聞く限り、提督は皆に慕われておいでなのですね」シミジミ

吹雪「大和さん、明日からの鬼トレ頑張りましょうね」

大和「ふ、不安です・・・・・・」

文月「大丈夫だよぉ」

北上「暫くしたら慣れるから」

大和「!?」ギョッ

大鳳「そういえば今何時でしょうか?」

提督「23時59分だ。部屋に戻る時間を一時間は軽くオーバーしてるなぁ」

大和「あ、あの・・・・・・」アセアセ

北上「そろそろ部屋に戻らないとね」

吹雪「うちは22時までに部屋に戻らないといけないんです」

利根「提督に見つかったら長々と説教が待っておる。見つからんうちに早く戻らんとな」

文月「ほわぁ、司令官」

北上「そう、提督に見つか・・・・・・」クル

利根「ん? どうした北上、何を固まって・・・・・・」クル

提督「よぉお前ら。随分楽しそうじゃねぇか」ピキッ

艦娘「」

 

68: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:58:23.72 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「あ、あの、司令官、これはその・・・・・・」

提督「まぁ大和は規則を知らなかったんだ、今回は見逃そう。部屋に戻れ」

大和「は、はいぃ!!」サッ

大和「お、お先に失礼します」ソロソロ

提督「さて、お前ら・・・・・・常日頃から口酸っぱく注意してるよな、『明日の行動に支障が出ない程度なら起きててもいいから、遅くとも22時には部屋に戻っていろ』って」ビキビキ

艦娘「っ!!」ガタガタ

提督「まぁ、そこに正座したまえ。夜更かししたいなら俺も付き合おう」

艦娘(オワタ・・・・・・)チーン

提督「さぁ、楽しい楽しい夜戦(説教)開始と行こうじゃないか、なぁ?」ニッッッコリ

艦娘「ヒェェェ」ガタガタ

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69: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 20:59:01.84 ID:Q1IxI1jM0

翌日

執務室

ガチャ

大和「失礼します。おはようございます提督」

提督「おはようさん」ゲッソリ

吹雪「お、おはようございます、大和さん・・・・・・」ゲッソリ

北上「い、いい朝だねぇ・・・・・・」ゲッソリ

大鳳「あは、あははは・・・・・・」ゲッソリ

文月「スゥー・・・・・・スゥー・・・・・・」zzz

利根「よ、よく眠れたか大和よ?」ゲッソリ

大和「み、皆さんどうされたのですか!?」ギョッ

提督「夜更かしの説教さ、二、三時間ガミガミ、クドクド、イビイビと説教した後朝まで全員で立ってたんだよ」フワァァ

大和「ふ、文月ちゃん寝てますけど」

吹雪「た、立ってればいいんですよ・・・・・・」

北上「立ち寝もありだよ・・・・・・」

提督「ったく、ホント器用な奴・・・・・・」

大鳳「ですが何も提督まで付き合う事無いですよ・・・・・・」

大和「えぇ!?」ギョッ

提督「馬鹿言え、お前らにだけ辛い思いはさせねぇよ。お前らに罰を与えて俺も連帯だ」

吹雪「意味が分かりませんよ・・・・・・」

提督「うー、腹減ったぁ」

大和「で、でしたら大和が何か作ります!」

提督「大和が?」

大和「はい、お任せ下さい」タッタッタッ

ーー
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70: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:00:12.61 ID:Q1IxI1jM0

大和「どうぞ召しあがって下さい」ニコッ

艦娘「い、いただきます・・・・・・」

大鳳「ズズッ・・・・・・っ!? このスープ美味しい!!」

文月「サンドイッチも~」モキュモキュ

吹雪「はぅぅ、パンケーキのシロップの甘さが染み渡るぅぅ」ホッコリ

利根「うむ、疲れた朝はお茶漬けに限る! 梅干しの酸味が最高じゃ!」サラサラ

北上「年寄りくさいよ、利根っち」つふりかけご飯

提督「うーん」ムシャムシャ

大和「? どうしました提督? まさか、お口に合いませんでしたか?」

提督「いや、めちゃくちゃ美味いよ。ただ・・・・・・」ゴクッ

大和「? ただ?」

提督「何でお前、皆の好きな朝食が分かったんだ?」

吹雪「! そういえば話した事無いですよね!?」

大和「何でと言われましても・・・・・・考えるより先に身体が動いていましたので」

提督「・・・・・・」

提督(俺が朝は米派でおにぎり。それぞれ『塩にぎり』と『おかか』と『鮭』・・・・・・。この三つしか食えない事も分かったのか・・・・・・!?)ゾッ

利根(ふむ、吾輩のお茶漬けのお湯の温度、ふりかけの量・・・・・・全て絶妙な具合じゃな)

北上(あたしが玉子味のふりかけご飯が大好物って何で分かったんだろう?)

吹雪(私がパンケーキ好きっていつ言ったのかな?)

文月「レタスがシャキシャキしておぃひぃ」ホッコリ

大鳳「文月ちゃん、私にもサンドイッチください」

文月「はい」スッ

大鳳「ありがとうございます」シャクシャク

大鳳(中からシャキシャキのレタスやトロトロの半熟卵・・・・・・アクセントの胡椒も絶妙ですぅ)ホッコリ

艦娘・提督(大和恐るべし・・・・・・)ゴクッ

大和「?」キョトン

 

71: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:03:27.00 ID:Q1IxI1jM0

ーー
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ーーーーーー

執務室

提督「大和、鬼トレの話は聞いたか?」カリカリ

大和「はい、皆さんからお聞きしました」

提督「言っとくけど最初は本当に地獄だからな。慣れるまで大変だぜ」カリカリ

大和「戦艦の艦娘として着任した以上、どのような訓練にも取り組む所存です」

提督「随分な心がけだな、流石は日本最強の艦娘だ」カリッ

大和「そんな、最強だなんて////」ポッ

提督「時間か・・・・・・・。昼飯済ましたら13時までに体操服来てグラウンド集合な」

大和「はい」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「よぉし、皆お待ちかねのトレーニングを開始する!!」教官モード

大和「・・・・・・」ポカーン

艦娘(もうお決まりのパターンだ、これ・・・・・・)アキレ

提督「準備体操の後、腕立て伏せと腹筋、背筋、スクワットを200回、グラウンド10週だ、始め!!」

大和「っ・・・・・・っ・・・・・・」ストレッチ中

艦娘「」ジーッ

文月「? どうしたのぉ?」

大和「? どうかしましたか、皆さん?」ドォォォン

艦娘「くっ・・・・・・」ペターン

文月「大和ちゃん、おっきいね~」

大和「? 何がですか?」キョトン

文月「お胸~」

大和「はぇっ!?////」ボンッ

 

72: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:04:11.39 ID:Q1IxI1jM0

吹雪(私と文月ちゃんは成長すれば何とかなるかも・・・・・・)

北上「確かに皆より大きいよねぇ」ジーッ

大鳳「ひ、貧乳はステータスだ、希少価値だ・・・・・・・」ガタガタ

利根「流石は戦艦、立派なモノを持っておるのぅ」

大和「あ、あの、皆さん?////」ムネカクシ

提督「ボサっとしてんじゃねぇ、さっさとやれ!!」背筋中

艦娘「は、はいぃ!!」ビクッ

ーー
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ーーーーーー

大和「はっはっ、ふっふっ、はっはっ、ふっふっ・・・・・・」タッタッタッ

提督(うーん、戦艦だから基礎体力はあるのか。初めてでこれ程食いついてくるとは)タッタッタッ

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大和「はぁっ、はぁっ・・・・・・」ゼーッゼーッ

提督「最初っから無理すんなよ?」

吹雪「それにしても初めてで一周も遅れないなんて、すごいですよ」

大和「あの、提督・・・・・・」

提督「ん?」キョウカントヨベ、キョウカント

大和「あ、あの・・・・・・非常に申しにくい事なのですが・・・・・・////」モジモジ

提督「何だよ」

 

73: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:04:59.64 ID:Q1IxI1jM0

大和「は、走る時、揺れるんです。どうしたらいいでしょうか?////」カァァ

艦娘「嫌味かぁぁぁぁ!!」クワッ

大和「っ!?」ビクッ

提督「あ・・・・・・」(察し)

北上「あたしら、揺れるモノも無いのに・・・・・・」チーン

大鳳「」チーン

文月「大鳳ちゃん、大丈夫ぅ?」ユサユサ

吹雪「うぅ・・・・・・」ズーン

利根「ある者だけの悩みじゃなぁ」

提督「・・・・・・ノーコメントで////」フイッ

大和「えぇ!?」ガビーン

提督「いつまで燃え尽きてんだ、さっさと次行くぞ」

艦娘「はぁい・・・・・・」ズーン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「よし、組み手を始めるぞ」

吹雪「大和さん、お願いします」スッ

大和「はい」スッ

提督「始め!」

吹雪「やぁっ!」ダッ

大和「!」

吹雪「はっ!」ブン

大和「っ!」バッ

バシッ

吹雪「なっ、片手で!?」

バッ

吹雪「だったら!」バッ

バババババババッ

大和(乱打・・・・・・! しかも一発一発がとても重い・・・・・・!)パパパパパ

吹雪(全部受け止めてくる! 流石は大和さん!)バババババ

 

74: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:05:44.85 ID:Q1IxI1jM0

大和「ふっ!」ブン

吹雪「っ!?」サッ

大和(避けた! 攻撃だけでなく守りや回避も柔軟に対応するなんて・・・・・・。流石は初期艦の吹雪ちゃんですね)

吹雪「危なかったぁ・・・・・・」

大和「次は大和の番です!」ダッ

ブンッ

吹雪「きゃっ!?」サッ

提督「なんつー速さの回し蹴りだ」

北上「避ける吹雪も流石だねぇ」

吹雪(大きい攻撃はその分隙も大きい、片足立ちで不安定な今がチャンス!)バッ

ズルッ

吹雪「あっ!?」ヨロッ

大和「吹雪ちゃん!!」バッ

ドシィィィン・・・・・・

大和「吹雪ちゃん、大丈夫ですか?」

吹雪「はい、何とか・・・・・・」ムニュゥ

提督「そこまで、勝者吹雪!」

吹雪「えぇ!? どういう事ですか、司令官!?」

大和「あぁ、大和負けちゃいましたね」

提督「あぁ、吹雪が前に倒れる前に大和が下で庇って背中を付けた。判定勝ちだ」

吹雪「そんなっ!?」

大和「無事で良かったです、吹雪ちゃん」ニコッ

吹雪「うぅ、勝ったのに後味悪いなぁ。それに・・・・・・」

大和「?」ムニュゥ

吹雪「こっちは完敗だし・・・・・・精神的敗北だ・・・・・・」チーン

大和「ふ、吹雪ちゃん!?」ガビーン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

75: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:06:23.48 ID:Q1IxI1jM0

大和「吹雪ちゃん、わざわざありがとうございます」カリカリ

吹雪「いえ、今日のアレは私が反則勝ちしちゃったようなものだし・・・・・・」

大和「ふふ、運も実力の内。ですよ」カリカリ

吹雪「あ、それ司令官の言葉ですね!」

大和「はい!」カリカリ

吹雪「大和さん、明日からはちゃんと自分から攻めて来てくださいね」

大和「え、でも吹雪ちゃん・・・・・・」オロオロ

吹雪「本気じゃないと練習の意味が無いですよ」

大和「・・・・・・分かりました」

吹雪「当然、明後日からは座学も入りますよ」

大和「はい。早く残りも写し終えますね」カリカリ

利根「ん? 何じゃ、もう写しておるのか?」つアイスバー

大和「はい、とても多いみたいですから」カリカリ

大鳳「大和さん真面目ですね」つアイスバー

北上「感心だねぇ」

文月「大和ちゃん偉い偉い」ナデナデ

大和「ふふ。ありがとうございます、文月ちゃん」ニコッ

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ーーーーーー

 

76: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:07:00.13 ID:Q1IxI1jM0

翌日

グラウンド

吹雪「やぁっ!」バッ

大和「はぁっ!」バッ

バキッ ドガッ

大和「ふっ!」ブン

ズドンッ

吹雪「うっ! やぁっ!」バッ

バキッ

大和「くっ!」

提督「・・・・・・」

北上「いやぁ、格闘漫画顔負けのバトルだねぇ」

利根「よもや大和と正面からど突き合えるとは、流石は初期艦じゃのぅ」

 

77: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:07:40.25 ID:Q1IxI1jM0

大和「ふっ!」サッ

ブンッ

吹雪「っ!」サッ

吹雪「もらった!」バッ

大和「甘いですよ」グルッ

シュッ

吹雪「ロー!?」ピョン

大和「はぁっ!」グルッ

バシッ

吹雪「きゃっ!?」

ドシャッ・・・・・・

提督「そこまで、勝者大和」

文月「何があったの?」

北上「昨日みたいに回し蹴りをしゃがんで避けた吹雪が突っ込もうとしたら、大和がそのままの回転でローキックを出したのさ」

利根「それを跳んで躱した吹雪に更に一回転した大和の裏拳がヒットしたんじゃ」

大和「吹雪ちゃん、大丈夫ですか?」アセアセ

吹雪「はい、受け身は取れたんで。やっぱり強いですね」

大和「いえ、吹雪ちゃんも強いですよ」

ワイワイ
ガヤガヤ

提督「平和なモンだなぁ・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

78: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:08:17.89 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「明日から座学が始まりますね、大和さん」

大和「はい、初めてだから緊張します」

北上「まぁ、質問に答えたら居眠りしてても大丈夫だよ」

吹雪「北上さん、変な事教えないでくださいよぉ」

利根「とはいえ、あやつのチョークは痛いからのぅ」

大和「利根さんは投げられた事あるんですか?」

利根「ちと、宿題を忘れてそれを誤魔化した時にの。あれは正に弾丸じゃった・・・・・・」ゾッ

文月「バシーンって音がしたのぉ」

大鳳「食らった利根さん白目剥いて気絶しちゃったんですよ」

利根「うぅ、吾輩の黒歴史じゃ・・・・・・」

大和「確か明日は化学でしたよね?」

吹雪「はい。確か有機のとこです」

大鳳「有機は難しいです・・・・・・」

北上「大鳳は座学自体無理じゃん」

大鳳「うぅ・・・・・・」

 

79: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:08:56.17 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「確かに有機は難しいです」

大和「単純だからこそ、ですね」

北上「あたしら、そろそろ寝るね」フワァァ

文月「おやすみぃ」トテトテ

大鳳「おやすみなさい」スタスタ

利根「うむ、吾輩も寝るとしよう」スタスタ

吹雪「大和さんはどうします?」

大和「大和はもう少し起きています」

吹雪「分かりました、おやすみなさい」スタスタ

大和「おやすみなさい」

 

80: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:09:44.96 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・」ペラッ

大和「もし明日の座学、提督の質問に全て答えられたら、大和は褒めていただけるのでしょうか?」

大和(戦艦『大和』は、運用の際大量の資源を必要とする。故に『大和』は数多の鎮守府の財政を圧迫していると聞きます。だからこそ、大和は着任した鎮守府の役に立ちたい。その思いが心の奥底にあるのです)

大和(どのような形でもいい、皆に一言『よくやった』『素晴らしい』と褒められたい・・・・・・)

大和「?」

大和「・・・・・・違う?」キョトン

大和「皆? それとも提督(あの人)? 大和は誰に必要とされたいのでしょうか?」

大和(大和は皆からよりも、寧ろ提督に褒めてもらいたい・・・・・・? 何故あの人の評価を気にするのでしょうか?)キョトン

大和「・・・・・・考えても無駄ですね」パタン

大和「大和も寝ましょう」スタスタ

ーー
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ーーーーーー

 

81: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:10:41.19 ID:Q1IxI1jM0

翌日

教室

提督「・・・・・・である、従ってニトロ化には『濃硝酸』の他に触媒として『濃硫酸』が必要だ。これは正誤問題でよく出てくるから覚えておくように」カツカツ

吹雪「・・・・・・」カリカリ

北上「・・・・・・」カリカリ

大鳳「・・・・・・」カリカリ

文月「・・・・・・」カリカリ

利根「・・・・・・」カリカリ

大和「・・・・・・」カリカリ

提督「では問題だ、トルエンに濃硝酸を加えると水と後何ができる? 大和」

大和(えっと、確かこことここが置き換わって、この配置は・・・・・・)カリカリ

大和「ニトロトルエンです。隣同士ならo(オルト)、一つ分空いたらm(メタ)、反対位置ならp(パラ)を名前の前に付けます」

提督「正解だ、よくやった。大和の言ったように・・・・・・」

大和(提督に褒められました、大和は幸せですぅ・・・・・・)プルプル

提督「・・・・・・因みに、トルエンにニトロ基が三つ付くと何になるか、北上」

北上「確か『2,4,6-トリニトロトルエン』だよね。TNT火薬の材料」

提督「よく知ってるな、その通りだ。今ではニトログリセリンとかが有名だが、これも爆薬の原料だ、覚えておくように」カツカツ

提督「では今日の授業はここまでだ。各自復習しとけよ」トントン

提督「明日は休みだ、ゆっくり羽伸ばしな」スタスタ

北上「ふぁぁ、やっと終わった」ノビーッ

文月「当たらなくて良かったぁ」ホッ

大和(本当に平和ですね。まるで本物の学生みたいです)

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82: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:11:27.91 ID:Q1IxI1jM0

翌日

執務室

ガチャ

吹雪「失礼します・・・・・・って、あれ?」

提督「ん? おはよう吹雪、朝からどうした?」イソイソ

吹雪「珍しいですね、何処か出かけるんですか?」

提督「まぁな、留守番頼む」スタスタ

吹雪「はい」

提督「あ、そうだ。誰か来るかもしれねぇから。来たらこの部屋に通しといてくれ」スタスタ

吹雪「へ? あ、はい・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大和「! あれは提督?」

提督「お前に乗るのも久しぶりだなぁ」つヘルメット

大和(大きなバイクですね・・・・・・。何処か外出でしょうか?)

提督「・・・・・・」スチャ

ブゥン、ブゥン・・・・・・

提督「・・・・・・」ガチャン

ブォォォォォォォン・・・・・・

大和「・・・・・・少し興味あります・・・・・・////」タクシーハ・・・・・・

大和(これは決してストーカーじゃありません、上官についての見識を深めるための行動・・・・・・そう、自主学習です! やましい事ではありません////)正当化

大和「すみません、前のバイクを追いかけてください」

ーー
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ーーーーーー

 

83: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:12:10.17 ID:Q1IxI1jM0

大和(提督を追いかけ、着いたのは墓地でした)

大和「御親族の命日でしょうか?」

大和「ありがとうございます」つお代

大和(提督、バケツと花を持って歩いて行きますね・・・・・・)

大和「・・・・・・」スタスタ

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鎮守府

吹雪「大和さんもお出かけかなぁ?」キョトン

文月「吹雪ちゃん、利根ちゃんが呼んでたよぉ」

吹雪「あ、うん分かった。ありがとう文月ちゃん」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

利根「おぉ、来たか吹雪」

吹雪「どうしたんですか?」

利根「お客が来たんじゃが、提督を出せと聞かんのじゃ」

??「提督はいるか?」

吹雪「司令官は今出かけております。客はお通しするよう指示をされましたので、執務室にご同行願います」スッ

??「良かろう」スタスタ

吹雪(憲兵の制服・・・・・・。何の用でここに来たんだろう?)スタスタ

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84: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:13:07.47 ID:Q1IxI1jM0

墓地

スタスタスタ・・・・・・

提督「」つ水入れ

バシャッ バシャッ

提督「」つ杓

ザバッ グチュグチュ バシャッ

ザバッ グチュグチュ バシャッ

ドプドプ・・・・・・ゴト

ドプドプ・・・・・・ゴト

提督「」つ花

スッ スッ

提督「」つピック

クチュクチュ ガリガリ グチュグチュ

提督「」つ杓

バシャッ バシャッ バシャッ ガッ ガッ ガッ

提督「」つ蝋燭×2

スッ スッ

提督「」つマッチ

チッチッ シュボッ ボッ ボッ

提督「」つ線香

シュボッ ザクッ

提督「」合掌

 

85: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:14:03.65 ID:Q1IxI1jM0

提督(あれからもう5年は経つよな・・・・・・。俺は元気にしてるよ。うちに所属してる娘達もな。勉強教えるのが大変だよ)

提督(そういや、お前にそっくりな娘が着任したんだぜ。生きてたらぜってぇお前に瓜二つな顔だ、雰囲気とかも似てるし)

提督(・・・・・・どんな因果なんだろうな、お前以外愛さねぇって誓ってたのに・・・・・・)

提督(ただ、かなりのアホだってとこは違うな・・・・・・ったく)スッ

提督「上官をストーカーするとは、いい度胸してんじゃねぇか」クル

スッ スタスタ・・・・・・

大和「・・・・・・いつから気づいていたのですか?」

提督「鎮守府を出た時からだ。タクシーが追ってきたから不思議に思っていた」

大和「ごめんなさい、どうしても気になってしまって・・・・・・」

提督「あまり人のプライベートに首は突っ込むな、お前の身が持たねぇよ」

大和「・・・・・・眞祓井(まはらい)・・・・・・という方ですか?」

提督「余計な詮索するな、提督命令だ」スタスタ

大和「・・・・・・はい」スタスタ

提督「タクシー代幾らした?」ヤレヤレ

大和「・・・・・・1500円程、です」シュン

提督「あっあく、ほんあむあふあいひやあっふぇ(訳:全く、とんだ無駄遣いしやがって)」ハンカチクワエ

ジャー バシャバシャ キュッキュッ

提督「まぁいい」フキフキ

 

86: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:15:12.34 ID:Q1IxI1jM0

提督「ほれ」つヘルメット

大和「!? え!?」ウケトリ

提督「後ろに乗れ、帰るぞ」ヘルメット装着

大和「え、えと・・・・・・////」カァァ

提督「いいから」グイッ

大和「あ・・・・・・////」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「しっかり捕まってろ。後舌噛むからあんま喋んなよ?」

大和「は、はい!!」ヘルメット装着

提督「行くぞ」ブゥン、ブゥン

大和「!!」ギュゥゥ

ブォォォォォォォン・・・・・・

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ブォォォォォォォ・・・・・・

大和(提督の背中大きいですね・・・・・・////)

大和(落ち着く・・・・・・////)ギュッ

ムニィ

提督「っ!?////」

大和「? どうかしましたか?」ムニュゥ

提督「・・・・・・いや、何でもねぇ////」カァァ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

87: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:16:02.73 ID:Q1IxI1jM0

鎮守府

吹雪「それで、憲兵の方が何のご用でしょうか?」

??「何、仕事をしに来ただけだ」

文月「?」

北上「仕事ねぇ・・・・・・」

大鳳「定期の職務確認でしょうか?」

利根「っ!? お主、よもや・・・・・・」キッ

??「察しが良くて助かる。その通りだ」

??「この鎮守府の提督、海原 櫂を連行しに来た」

艦娘「!?」

??「『過酷なトレーニングを強要し、艦娘を苦しめている』と連絡があってな」

吹雪「嘘です! あれは軍が推奨している公式のトレーニングのはずです!!」バッ

??「はて? そのような記録は一切存在しないが?」ニヤリ

北上「・・・・・・とんだクズみたいだね、軍も憲兵も」キッ

大鳳「貴方が何と言おうが、私達はあのトレーニングを、何よりも提督を信じています!」スチャ

文月「司令官の事悪く言わないでよぉ!」

利根「連行すると言うなら、吾輩達を倒してからにしてもらうぞ!」バッ

??「・・・・・・臨戦態勢か、さて」

??(周囲を囲んで逃げ道を封じているな、合図無しでこれとはなぁ・・・・・・)

??「面白い・・・・・・」ニタァ

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88: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:16:58.10 ID:Q1IxI1jM0

鎮守府前

提督「もうそろそろ着くぞ」

大和(うぅ、もう少しこのままがいいです・・・・・・////)

ゾワァ

提督「ん!?」ハッ

大和「きゃっ!?」ビクッ

キキィィッッッ

大和「な、何ですか一体!?」ゾクッ

提督「・・・・・・まさか」

提督「急ぐぞ!!」ブゥン

大和「はい!」

ーー
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ーーーーーー

鎮守府

??「・・・・・・」チラ

吹雪「・・・・・・」スッ

北上「・・・・・・」つ鉄杭型酸素魚雷

文月「・・・・・・」

??「・・・・・・」チラ

大鳳「・・・・・・」つクロスボウ

利根「・・・・・・」ジャラ

??(ふむ、慎重だな。相手の出方を窺っているようだ・・・・・・)

??(北上は珍しい型の酸素魚雷を、利根は小さな鉛玉をいつでも投合できるように、大鳳はいつでもクロスボウを撃てるように構えている)

吹雪「・・・・・・」ゴクッ

 

89: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:17:46.03 ID:Q1IxI1jM0

吹雪(相手の周囲を囲んで動きを制限している。私達の方が数で有利・・・・・・な筈なのに)

吹雪(何だろうこの違和感は・・・・・・。寧ろ私達の動きが制限されているみたい)

利根(まるで喉元に刃物を当てられているようじゃ、少しでも動けば死ぬ・・・・・・)

タッタッタッタッ

提督「お前ら何やってんだ、武器を降ろせ」

艦娘「司令官(提督)!?」

提督「いいから早く」

艦娘「・・・・・・了解」スッ

提督「ったく、来るならちゃんと言ってくれよ、ケンの叔父貴」

艦娘「叔父貴!?」ガビーン

??「いやぁ、すまんな。こうでもしないと自由に動けんのでな」ワハハハハ

吹雪「えっと、司令官?」オドオド

提督「あぁ、紹介するよ。こちら憲兵団の海軍担当師団の団長にして俺の叔父の『海原 堅山(けんざん)』だ」

団長「いや艦娘の諸君、先程は嘘を言ってすまなかった、紹介の通り、海原だ」

吹雪「こ、こちらこそ先程はご無礼を!!」ペコ

北上「海軍担当師団?」

提督「憲兵にも色々あってな。海軍や艦娘関連の職務を主に引き受けている団が海軍担当師団。叔父貴はそこのトップなんだよ」

提督「そういや、何で皆臨戦態勢に?」

団長「実はな・・・・・・」

ーー
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90: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:18:28.36 ID:Q1IxI1jM0

提督「・・・・・・で、皆叔父貴の嘘に騙されたと?」ハァ

吹雪「司令官が連行されるかと思ってつい・・・・・・」

提督「叔父貴、しょうもねぇ嘘止めてくれよ、鎮守府ぶっ壊す気か?」

団長「すまんすまん」

提督「皆も、俺を庇ってくれてありがとうな」

吹雪「いえそんな!」アセアセ

北上「あたし達は提督に迷惑かけてばっかなわけだし・・・・・・」(´-ω-`;)ゞポリポリ

大鳳「当然です!」

文月「司令官いなくなっちゃやだもん!」ウルウル

利根「うむ」

提督「でも、迂闊に飛びかからなくて正解だぞお前ら」

艦娘「え・・・・・・?」キョトン

提督「いや、今のお前らじゃ叔父貴にゃ勝てねぇからな」

艦娘「えぇ!?」ガビーン

 

91: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:19:08.45 ID:Q1IxI1jM0

提督「叔父貴と海軍元帥、つまり俺の親父は陸上じゃ艦娘より強ぇからな。多分人の形してる生物の中で最強の二人だから」

団長「そもそも諸君らが行っているあのトレーニングは私と兄者の考案した物だ」

艦娘「」ポカーン

提督「で? まさかこれだけの理由でここ来たのか?」

団長「まさか。つい先日、お前が六人目の艦娘を着任させたと聞いてな。祝いの品を持ってきたのだ」

大和「提督、置いてくなんて酷いですよ!!」タッタッタッ

団長「おぉ、君が・・・・・・っ!?」ハッ

大和「えっと、どちら様でしょうか?」

提督「憲兵団団長で俺の叔父」

大和「これは失礼を。大和です」

団長「大和か、いや私の甥が諸君らに迷惑をかける」

団長「櫂、ちょっといいか?」クイクイ

提督「ん? 何だ?」スタスタ

団長「まさか、"あの娘"の生まれ変わりか?」ボソッ

提督「まさか、それに大和って艦娘は他にもいるだろ?」ヒソッ

団長「うむ、だがしかし先の作戦以降大和の艦娘も殆どが解体され、一般人となった。兄者の鎮守府にもいなかった数少ない艦娘だから、私は実質初めてこの目で見た」

提督「叔父貴が!? 40年も憲兵してんのにか!?」ガビーン

 

92: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:19:47.38 ID:Q1IxI1jM0

提督「とにかく、別モンだろ。雰囲気とか見た目が似てるだけさ」ヒソッ

団長「・・・・・・辛いか?」

提督「そうも言ってられねぇ職だろ」

団長「ふっ、小僧が一丁前に」ニヤリ

吹雪「あの、お二人共?」

提督「ん?」

団長「あぁすまんな、つい話し込んでしまった」スタスタ

団長「ほれ、これが祝いの品だ」スッ

提督「ん? 何だこりゃ、ワインか?」

団長「そうだ、かなりの年代モノだ」

提督「あのさ、叔父貴」

団長「む?」

提督「俺、まだ未成年なんだけど」19歳

団長「・・・・・・」

艦娘「・・・・・・」

提督「」

団長「一口ぐらい飲んでも大丈夫だ、バレなければ問題ない」

提督「アンタ憲兵だろ!? 警察が法破らせてどーすんだよ!!」

団長「馬鹿もん! 世の中法など有って無いような物だ、法がキチンと成立しているなら、この世に犯罪など無いのだからな」ドヤァ

提督「ドヤ顔で何言ってんの!? 憲兵のトップがサラッととんでもねぇ事言っちまったよ!?」ガビーン

艦娘「・・・・・・」ポカーン

艦娘(すっごいめちゃくちゃな人・・・・・・)

 

93: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:20:54.11 ID:Q1IxI1jM0

提督「悪ぃけど、まだ俺は酒は飲まねぇよ」

大和「ですが、このワインどうします?」

利根「団長殿が飲めば良かろう?」

団長「私は酒は飲めん。下戸なのだ」

北上「飲めないのに酒買ってきたの?」アキレ

吹雪「と、とにかくもうお昼です。団長さんもご一緒しませんか?」

団長「ではお言葉に甘えて」

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ーーーーーー

団長「何と美味い! 素晴らしい腕前だな」モグモグ

利根「口に合って良かった」ムシャムシャ

大鳳「はぁ、緊張した分余計にお腹が空きました」バクバク

文月「ねー?」モキュモキュ

吹雪「にしてもすごい方ですね」パクパク

北上「まさかあたし達が束になっても勝てないって言われるなんてね」シャクシャク

提督「まぁ、叔父貴と親父は特殊だからな」ガツガツ

大和「特殊?」

 

94: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:21:53.91 ID:Q1IxI1jM0

提督「皆見てみろよ、あのゴッツイ体つき。見た目に違わず二人共すげぇ脳筋で・・・・・・」

団長「暫く見んうちに随分口がでかくなったなぁ櫂」ガシッ

ミシミシミシ・・・・・・

提督「痛たたたたッッッ!? 折れる折れる、腕折れる!!」ギャァァァァ

団長「全く、お前はまだまだ半人前だ、兄者にもっと鍛えてもらえ」

提督「勘弁してくれよ叔父貴。あんな訓練したら身が持たねぇよ」

艦娘「・・・・・・」

団長「! そうだ櫂、少し買い物してきてくれんか?」つメモ

提督「ん?」ウケトリ

提督「・・・・・・買うもん多くね?」

団長「私の車を貸してやる」つキー

提督「はいはい分かりましたよ、じゃあ留守番頼むぜ」スタスタ

団長「任せろ」

文月「いってらっしゃぁい」ノシ

 

95: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:22:40.94 ID:Q1IxI1jM0

団長「さて、本人がいない間にあいつの過去でも少し話してやるか」ニヤニヤ

北上「悪い顔してるねぇ団長」

団長「聞きたくないか、あいつの過去」

艦娘「はい!」

大和「(即答・・・・・・)は、はい・・・・・・!」

団長「とはいえ、流石にあいつが秘密にしときたい事は話さんよ。それは本人の許可がなければな」

吹雪「で、司令官の過去とは?」

大鳳「確か提督は元帥の養子だと聞きましたが」

団長「あぁその通りだ。今から話すのはあいつの赤子の時の話だ」

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19年前

大本営

ガチャ

団長「兄者、話とは何だ?」

「おおケン、急に呼び出してすまんのぅ」

当時既に大将の地位にあった兄者、そして当時副団長を勤めていた私は共に自由に動けん身分だったが、暇を見つけてはよく顔を合わしていた。

団長「む? 兄者、その赤子は誰だ?」

驚いたよ、兄者がその腕に産まれたばかりの赤子を抱いていたのだからな。

「おぉ、紹介するぞケン。儂の養子じゃ、名前は櫂」

「すぅー・・・・・・すぅー・・・・・・」zzz

団長「おい加賀君、兄者の言っている事がよく分からんのだが」

加賀「はい。先日、深海棲艦に襲撃された海岸の街に出撃した際・・・・・・」

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96: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:23:24.91 ID:Q1IxI1jM0

ザッザッザッザッ・・・・・・

長門「何と惨い・・・・・・」

加賀「沿岸の街はほぼ壊滅状態です」

「もっと早く向かっておったら!!」クッ

榛名「貴方の性ではありません、提督!!」

ーーーーァァ、オギャー!

「! 聞こえたか!?」バッ

加賀「? 何がですか?」

「赤子の声がした!」ダッ

長門「提督!!」

金剛「そっちは崖ネー!」

「加賀、榛名、長門はついてきてくれ! 金剛達は他の艦隊と合流し、他の生存者を探すのじゃ!」

タッタッタッタッタッ・・・・・・

ザザーン・・・・・・ザザーン・・・・・・

オギャー、ホギャー・・・・・・

「こっちか! っ!?」

「オギャー! ホギャー!」

榛名「提督、見つかりましたか! って!?」

「? ア~・・・・・・?」キョトン

 

97: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:24:12.68 ID:Q1IxI1jM0

ガラガラガラ・・・・・・

タッタッタッタッタッ・・・・・・・

「・・・・・・親御さんの方は?」

榛名「駄目です・・・・・・」フルフル

「・・・・・・そうか」

スタスタ・・・・・・

加賀「何故その子は助かったのでしょうか?」

「分からん。ただ、一つだけ言える」

加賀「はい?」

「この男の子は海に愛されておるな」

長門「仰る意味が・・・・・・」

ザバッ

「この子は櫂(オール)の上に乗って海に浮いておった。産まれて間もない赤子が自分から櫂に乗れると思うか?」

加賀「!」

タイショウ!!
ウナバラタイショウ、ドコデスカ!?

「・・・・・・この子は儂の養子にする」

艦娘「「「えぇっ!?」」」

「ほっといたら孤児院行きじゃ、見捨てられんわい」

艦娘「「「・・・・・・」」」

「ばー・・・・・・?」サワサワ

「あぁ、儂がお前の父。お前はこの『海原』の息子。名前は・・・・・・カイじゃな。海という意味じゃが、漢字は櫂にしよう。海に愛され、櫂に助けられた男。お前は『海原 櫂』じゃ」

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98: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:25:28.08 ID:Q1IxI1jM0

加賀「・・・・・・というわけでして」

団長「兄者・・・・・・」

子宝に恵まれなかった兄者はその数年前、奥さんを病で亡くしていてな。恐らく家族がほしかったのだろうな

ガチャ

金剛「Hey! テートク、帰ってきましたヨー!」

「静かに入らんか金剛、櫂が起きるじゃろうが」ゴツン

金剛「Ouch!? Sorryデース」サスサス

榛名「ただいま戻りました」

比叡「あ、櫂は寝てるんですか?」

霧島「そのようです」

「スマンがお前ら暇じゃろう? 休憩も兼ねて櫂の昼寝に付き添え」スッ

金剛「了解デース」ダキシメ

榛名「榛名頑張ります!」

比叡「お昼寝だぁ」

霧島「比叡お姉様がするのではありませんよ」

金剛「さぁカイ、お姉さん達とお昼寝するデース」スタスタ

ガチャ パタン

「あの子を儂の養子に迎え入れ、父として愛情を注ごうと思う。儂の艦隊の皆は全員承諾してくれた」

団長「本当か!? 百人以上はいるあの娘達を説得したと言うのか!?」

「元より、あいつらには命の大切さを知り、優しい心を育んでほしかった。戦争をしていると命を尊ぶという感覚が麻痺してくるからな」

団長「とはいえ兄者、全員があの赤子の面倒を見るのか?」

「あぁ、非番の者は基本的に櫂のお守りじゃ。もちろん当番制じゃがな」

加賀「思いのほか皆積極的に取り組んでいます」

「ケン。お前の甥となる赤子じゃ、お前からも愛情を注いでやってはくれんか?」

団長「当然だ、言われるまでもない」

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99: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:26:33.62 ID:Q1IxI1jM0

団長「そうしてあいつは兄者や私、鎮守府の艦娘達に囲まれて育った」

大和「・・・・・・」

大鳳「? でも少し変じゃないですか?」

吹雪「私達と同じ艦娘には既に会っているって事ですよね?」

北上「なのに提督、あたし達の着任時にまるで初めて見るかのように接してたよね?」

団長「あぁ、それは兄者の教えだろう」

団長「同じ『吹雪』という艦娘でも、人格には若干の違いがある。基本的に真面目な性格だが、少し堅物な娘もいれば、逆にズボラな娘もいる。艦娘も人と同じく十人十色だと教えられたのだ。だから諸君らと今までの自分の知る艦娘とは区別して接しているのだろう」

利根「なるほどのぅ」

文月「? どういう事?」

利根「つまり、あやつは小さい頃に一緒におった『文月』とお主を全く別の人間として考えておる。あくまでお主個人を見ておるのじゃ」

文月「・・・・・・そっかぁ」ポワーン

艦娘(絶対分かっていないな、これ・・・・・・)

大和「! ですが大和を見た時は提督の顔に一瞬動揺が見られましたけど?」

団長「スマンが、それはあいつ本人から許可が出ないと話せん」

大和「どういう事d・・・・・・」

ガチャ

 

100: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:28:12.37 ID:Q1IxI1jM0

提督「ただいまぁ」つ買い物袋

団長「何だ、随分早かったな」ウケトリ

提督「何言ってんだよ、30分ぐらい買い物してきたぞ」カギポイッ

団長「む? もうそんな時間か!?」キャッチ

提督「で、何の話してんだ?」

吹雪「司令官の昔話です!」

文月「司令官の赤ちゃんの時の話ぃ」

提督「んなっ!? そんな事話したのかよ!?////」

団長「減る話でもないだろう? まぁ仕方あるまい、赤子の時を話題にされ、恥ずかしくなるのは誰もが通る道だ」ニヤニヤ

提督「そーゆー問題じゃねぇ!!」クワッ

北上「提督赤くなっちゃってかぁわいい」ニマニマ

大鳳「ふふ、取り乱した提督も可愛らしいですよ?」ニコニコ

提督「きたぁかぁみぃぃ、たぁいほぉぉ!!お前らぁぁぁッッッ!!////」

モーオコラナイデヨ、カイキュゥン

ア、イイデスネソレ! ジャアワタシモ、カイキュン!

オマエラ、イイカゲンニシロー!

マァマァ、ソウオコルデナイ・・・・・・クフッ フルフル

オイトネ、ナニワライコラエテンダ?

シレイカンカワイイヨォ?

フ、フミヅキマデ!?

ア、アノ、ワタシモカワイイトオモイマス・・・・・・!

フブキ・・・・・・オマエモカ ズーン

大和「・・・・・・」

団長「すまないな。あればかりは私と兄者、そして櫂本人の三人で決めた事なのだ」

大和「わかっています」

団長「ただ、あいつが君を決して蔑ろにしたいわけでない事は信じてくれ」

大和「はい」

 

101: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:29:02.88 ID:Q1IxI1jM0

団長「おい櫂、私はそろそろ帰らせてもらうぞ。あんまりサボっておるとあいつが五月蝿いのでな」

提督「ん? あぁ、今日はありがとう叔父貴」

団長「皆も甥が迷惑をかけるが、よろしくな」

艦娘「はい!」

団長「ではまたな」クル

提督「前まで送ってくぜ」スタスタ

団長「む、スマンな」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

団長「櫂、大和君の事だが」

提督「・・・・・・何だよ」

団長「お前の気持ちは分かる。だが、彼女は彼女だ。別人だと割り切って優しく接してやれ」

提督「・・・・・・」

団長「兄者には話したのか?」

提督「報告は義務だ、キチンとしてある」

団長「ならよい。ではな」

提督「またな、叔父貴」

ブォォォォォォォン・・・・・・

提督「・・・・・・それがあいつの為・・・・・・になるのか・・・・・・?」ボソッ

提督(なぁ、教えてくれ・・・・・・お前ならこんな時どうするんだ・・・・・・? 『ヤマ』・・・・・・)

 

102: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:29:42.73 ID:Q1IxI1jM0

ーー
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ーーーーーー

翌日

提督「今日はこの海域に出撃してもらう。近年この周辺では比較的豊富な資源スポットが確認された。軍としてはなるべく抑えておきたいが、敵も考えは同じのようだ」

提督「皆にはここの海域にいる敵艦隊を撃滅してほしい。何か質問はあるか?」

大鳳「よろしいでしょうか?」

提督「ん?」

大鳳「何故我々なのでしょうか? 泊地の方が近いので、そちらの艦隊に要請した方が早いのでは?」

提督「このスポット周辺には過去に使われた機雷や爆雷が不発のまま残っている。それに加え、資源の大半は燃料、つまり可燃物だ。そして、泊地ではお前らのように肉弾戦訓練を行っている所が少ない」

提督「不用意に砲雷撃戦なんかされたら、最悪・・・・・・言わなくても分かるよな?」

艦娘「っ・・・・・・」ゴクッ

提督「敵はどうかはわからないが、可能ならこちらからは砲雷撃を行わないようにしてくれ。旗艦は・・・・・・」

提督「大和、初出撃で悪いが頼めるか?」

大和「! お任せ下さい!」ビシッ

提督「皆旗艦経験がある、大和をフォローしてやってくれ」

艦娘「了解」

提督「では5分後に出撃する。移動して準備を」

艦娘「はっ!!」

ーー
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ーーーーーー

 

103: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:30:24.06 ID:Q1IxI1jM0

その夜

鎮守府

提督「・・・・・・で、何でお前ら中破してんだ?」

大和「・・・・・・」中破

吹雪「じ、実は・・・・・・」中破

利根「艦隊と交戦中にスコールが発生しての」中破

文月「雷様がゴロゴロー!! って鳴ってね~」中破

北上「それが敵艦の燃料に引火しちゃったみたいで・・・・・・」中破

大鳳「それで辺り一帯の爆雷や機雷が連鎖爆発を起こしまして・・・・・・」中破

提督「それでよく中破ですんだなぁ。良かったよお前らが無事で」ホッ

大和「しかし、資源は大丈夫でしたが回収はできず、おまけに大和達の入渠で鎮守府の資材が・・・・・・」ズーン

提督「まぁ、確かにかなり吹っ飛んだけど。お前らが無事なら安いモンだろ?」

提督「さっさと風呂入って来い。飯にするぞ」バケツモツカエ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

執務室

提督「さて、どうしたモンかねぇ」カリカリ

提督(周辺海域の艦隊は撃滅できたが、あの辺りのスコールは想定外だな。あの辺は昔は比較的天候は安定していたはずなんだけどなぁ・・・・・・)

提督「えぇと」ガサガサ

パラパラパラ・・・・・・

提督(吹雪と北上と文月に少し遠征に向かってもらうか。この編成条件に当てはまる任務あったかな・・・・・・?)パラパラ

 

104: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:31:10.72 ID:Q1IxI1jM0

ガチャ

大和「失礼します」

提督「ん? 大和か、どうしたよ?」

大和「あの、今日の失態は旗艦である大和の責任です。何とお詫び申し上げれば・・・・・・」

提督「言っとくけど、俺は今まで任務の失敗を咎めた事は一度もねぇぜ? それにお前はこれが初陣なんだ、仕方ねぇ」

大和「・・・・・・ですが」

提督「どうしてもお詫びがしたいってんなら、少し手伝ってくれ」

大和「! はい!!」ニコッ

提督「この書類の山に一枚一枚印鑑を押して欲しいんだ」つ印鑑

大和「お任せ下さい!」ウケトリ

提督「・・・・・・」パラパラ

大和「~♪」ペタンペタン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大和「終わりました」ニコッ

提督「ありがとう、かなり時間短縮できた」

大和「お次は何を?」ソワソワ

提督「いや、別に何もねぇけど」

大和「そう・・・・・・ですか・・・・・・」ショボン

提督「つーか、もう21時50分だけど?」

大和「あ・・・・・・」ハッ

提督「だからもう休みな。明日もまた忙しいんだから」

大和「はい・・・・・・お先に失礼します」スタスタ

ーー
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ーーーーーー

 

105: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:31:46.70 ID:Q1IxI1jM0

ガチャ

吹雪「あ、大和さん」

大和「! 皆さんまだ起きていたのですか?」

北上「まぁ、旗艦が謝罪に行ってるのに・・・・・・」

利根「吾輩達が寝るわけにもいかんしのぅ」

大鳳「大和さん一人に申し訳ないです」

文月「・・・・・・」zzz

大和「文月ちゃんはもう寝てますね」ナデナデ

吹雪「大和さん」

大和「? はい」

吹雪「司令官の事、どう思っています?」

大和「へっ!?////」

大和「そ、それはもちろん、優しくてしっかりした上官だと・・・・・・////」モジモジ

艦娘(何とまぁ分かりやすい・・・・・・)

 

106: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:32:23.79 ID:Q1IxI1jM0

北上「いや、そんな上下関係抜きでさ。異性としてどうかって話」

大和「いせっ!?////」ボンッ

北上「大和なら一発で墜せると思うなー。だってほれ」モミッ

大和「きゃっ!?////」

北上「おぉ、これはこれは。少なくとも80後半、いや恐らく90前半。その上形や見た目も綺麗だしねー」モミモミ

大和「や、やめてくださいよー!////」バッ

大和「そ、それよりも皆さんはどう思ってるんですか?」アセアセ

吹雪「私は、少し世話が焼けるけど、いざって時は頼りになるお兄ちゃんって感じです」

北上「あたしは親友かなぁ。親身になってくれるから悩み相談とかもできるし」

利根「吾輩も、職場での相棒みたいな感じかのぅ」

大鳳「私にとっては恩人です。私に色々と大切な事を教えてくれましたし、尊敬できる先輩とか師匠みたいな感じです!」

文月「ふみゅ~、何の話ぃ?」グシグシ

大和「あ、起こしちゃいましたか」

吹雪「文月ちゃんにとって、司令官はどんな人ですか?」

文月「? 司令官は司令官だよぉ。でも、時々優しいお父さんに感じるなぁ」

大和「み、皆さん提督を異性としては見ていないと?」

北上「見てないっていうよりも」

利根「寧ろあやつが吾輩達を異性として見ておらん」

吹雪「私と文月ちゃんは子供だから論外ですし」

大鳳「私達を完全に家族のようにしか見ていません」

 

107: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:33:16.79 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・」

吹雪「大和さん」

大和「?」

吹雪「私達、応援していますから!!」キラキラ

大和「えぇ!?////」

北上「いやぁ、こういうのは見てて楽しいからね」ニヤニヤ

大鳳「ワクワクします!」ワクワク

利根「まぁ、吾輩達も全力でサポートするからの」ドン

文月「大和ちゃん、がんばぁ」ニパァ

大和「え、えぇ!?」

吹雪「では、おやすみなさい」スタスタ

スタスタスタ・・・・・・

大和「・・・・・・」ポカーン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

グラウンド

大和(うぅう、昨日の事意識しすぎて集中できません)

利根「はぁっ!」ブン

パシッ

利根「!」

ブンブン

パシッ パシッ

大和「うぅう・・・・・・」

利根(攻撃が全く当たらん、何故じゃ!?)

ガシッ

利根「なっ!?」

大和(は、恥ずかしいですぅ!!////)ブンブン

利根「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!?」グルグル

 

108: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:34:01.24 ID:Q1IxI1jM0

スポッ

大和「! あ、あれ?」

ドカァァァァァァンッッッ!!

大和「! ご、ごめんなさい利根さん!」タッタッタッ

利根「め、目が回るぅぅ・・・・・・」ピヨピヨ

北上「いやぁ、見事なジャイアントスイングだったよ」

吹雪「って!!」ギョッ

大和「て、提督!!」ガビーン

提督「」ピクピク

利根「うぅ、やっと意識が戻ってきた。何じゃ、変な感触の地面じゃのぅ」チラ

提督「」チーン

利根「な、何でお主が吾輩の下敷きになっておるのじゃ!?」ギョッ

大和「と、とりあえず提督から降りてください」

利根「う、うむ」スッ

文月「司令官大丈夫ぅ?」

妖精「皆どいてどいてー!!」テテテテ

吹雪「妖精さん!」

妖精「えっと・・・・・・」診断中

妖精「気絶してるだけだね、今日は安静にしといてね」つ担架

えっほ、えっほ、えっほ・・・・・・

妖精「あ、君達も今日は終わりにしてよ」テテテテ

艦娘「は、はい」

ーー
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109: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:34:44.83 ID:Q1IxI1jM0

提督寝室

提督「う・・・・・・」ピク

提督「ん? ・・・・・・ここは、俺の部屋か?」ムク

大和「気がつきましたか、良かったです」

提督「あぁ、大和。悪ぃ、迷惑かけた」

大和「こちらこそ申し訳ありませんでした。大和が周りを見ていれば」

提督「注意してなかった俺にも非がある」

大和「あの、煮麺作りましたのでよければ召し上がってください」スッ

提督「! あぁ悪ぃ、いただくよ」スッ

ズルルルル・・・・・・

提督「・・・・・・」モグモグ

『煮麺作ってみたの! 櫂ちゃんのお口に合えばいいけど・・・・・・』

『美味しい? ホント!? やったぁ!!』

提督「!」ツーッ

大和「っ!? 提督、どうされました!? まさかお口に・・・・・・」オロオロ

提督「いや美味い、めちゃくちゃ美味い」ポロポロ

提督(あいつの煮麺・・・・・・またそれを味わう事ができるなんてな)グシグシ

提督「ありがとう、大和」ニッ

大和「・・・・・・はい」ニコッ

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110: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:35:33.00 ID:Q1IxI1jM0

一ヵ月後

執務室

大和改「提督」ペタンペタン

提督「ん?」カリカリ

大和「何故提督は休もうとなさらないのですか?」ペタンペタン

提督「休む必要ねぇから」カリカリ

大和「それなのに大和達にはたっぷり休暇くれるじゃないですか」トントン

提督「まぁ、既に全員最高練度だしな。最近は座学ばっかで、トレーニングは自主だし」カリッ

大和「大和が言いたいのは、提督も休んでくださいという事です! 最近目の下の隈が酷いですよ!!」プクーッ

提督「わかったからもうちょい待て、あとこの一山で終わりなんだ」カリカリ

大和「うぅ」ジトー

提督「そんな目で人を見るな、終わったんならもうあがっていいぞ」カリカリ

大和「・・・・・・失礼します」スタスタ

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スタスタスタ・・・・・・

大和(うぅう、何で提督は休んでくれないのでしょうか? そしたら大和が日頃の疲れを癒すために・・・・・・)モンモン

大和「・・・・・・皆さんに相談してみましょうか」

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111: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:36:33.39 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「司令官を休ませる方法・・・・・・ですか?」ペラッ

大和「はい。大和が休んでと言っても『後で』とか『これが終わったら』と聞かないんです」

利根「うーん、あやつは少し仕事を重要視し過ぎな面があるからのぅ」つ煎餅

大鳳「その点私達にはあまり仕事をさせませんし」パリパリ

利根「吾輩からは、休ませる事は困難じゃがその分、休んでおる時にたっぷりリラックスさせるしか思い浮かばんのぅ」パリパリ

吹雪「私もそうかと」つ煎餅

大和「分かりました・・・・・・」スッ

吹雪「頑張ってくださいね」

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北上「提督を休ませる方法?」つ某海賊漫画

大和「北上さんからは何かあります?」

北上「あたしもいい案は思い浮かばないなぁ」

文月「楽しかった~♪」

大和「文月ちゃんはアニメ見てたのですか?」

文月「昼間の録画ー」ピッ

大和「!」

北上「ん? 科学特集? 提督好きそうなのやってるなぁ」

文月「ほわぁ、お髭のおじさん達が芸能人と何か喋ってるよー」

北上「今日は森林浴やアロマテラピーが題材らしいねぇ」

大和(アロマ・・・・・・テラピー・・・・・・)

大和「! これだ!」ダッ

北上「?」

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112: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:37:31.78 ID:Q1IxI1jM0

提督「あ~、やっと終わったぁ」ノビー

バタン

大和「提督!!」

提督「どわぁっ!? 何だ何だ!?」ビクゥ

大和「山に行きましょう、緑に囲まれたら疲れもとれますよ!!」キラキラ

提督「まさか今からじゃねぇよな?」

大和「まさか。明日は休日ですよね?」

提督「休日もここで過ごすさ」

大和「もうっ!! 何で外に出ないんですか!!」プクーッ

提督「逆に何で外に出そうとさせるんだ? 何かあったら困るだろ」

大和「うぅ・・・・・・」ショボン

提督「つーか、何で急にそんな話になった?」

大和「今しがたテレビでアロマテラピーの特集がありまして・・・・・・。だから山に行って森林浴をなされば提督も癒されるかと」

提督「なるほどな、フィトンチッドか」

提督「確かに森林浴はリラクゼーション効果が高いけどな」

提督「全く、俺の事を考えて提案してくれたのは嬉しいし感謝してる。だけど、俺は大丈夫だから」

大和「・・・・・・分かりました」トボトボ

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113: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:38:07.56 ID:Q1IxI1jM0

翌日早朝

寝室

提督「」zzz

モゾモゾ・・・・・・

提督「ん・・・・・・・」ムニャムニャ

提督(何だ? 誰か俺の布団に入ってやがるな)チラ

妖精「うひゃぁ絶品だぁ・・・・・・へへへ」ムニャムニャ

提督(何だ、妖精さんか・・・・・・まぁ妖精さんなら問題ねぇか)ナンノユメミテンダカ

モゾモゾ・・・・・・

提督(何か俺の上に乗ってんなぁ、体が重い)フトンメクリ

文月「すぅー・・・・・・すぅー・・・・・・」zzz

提督「」

文月「ふみぃ・・・・・・」スリスリ

提督「」ホオツネリ

提督(夢じゃねぇな・・・・・・)

提督「おい、起きろ文月」ユサユサ

文月「うー・・・・・・」ムニャムニャ

 

114: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:38:42.85 ID:Q1IxI1jM0

提督「起きろって」ユサユサ

文月「んー」グシグシ

文月「おはよぉ司令官」ニパァ

提督「おぅ、おはよう・・・・・・って、そうじゃねぇだろ」

提督「何で俺の布団に入ってるんだ?」

文月「怖い夢見たのぉ、司令官がいなくなっちゃう夢」ジワァ

提督「そ、そうか・・・・・・で、どうやって俺の部屋に入った? 鍵かけたはずだけど」

妖精「あたしが合鍵作ったんだよ」ムク

提督「アンタかよ!?」オキテタノカ!?

妖精「まぁまぁ、許してあげなよ」フワァァ

提督「ったく、今回だけだぞ」ナデナデ

文月「うんー」

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115: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:39:55.14 ID:Q1IxI1jM0

提督「さて、休日を謳歌するために部屋に入ったはいいけど・・・・・・」チラ

大和「・・・・・・」ツーン

提督「何でお前がいるんだ?」

大和「今日は提督に何としても日頃の疲れをとっていただきます!」

提督(癒されるどころか気が張って余計疲れるわ)

大和「とにかく、早くうつ伏せになってください」ポンポン

提督「はいはい・・・・・・(ま、暫く好きにさせるか・・・・・・)」スッ

コト

提督「ん? 何だそりゃ?」

大和「アロマオイルです、昨夜北上さんがネットで購入してくださいまして。これなら出歩かずとも森林浴ができるかと」

提督「なるほど・・・・・・手数料で200円取られただろ?」

大和「はい。では大和式マッサージ、御堪能ください」スッ

グッグッ グッグッ・・・・・・

提督(これは気持ちいいなぁ・・・・・・)

大和「肩の辺りも解していきますね」グッグッ

グニグニ グニグニ・・・・・・

提督「っ・・・・・・!」ピク

大和「かなり凝ってますよ、よく今まで我慢していましたね」グニグニ

提督「うぅ~・・・・・・」

大和「~♪」グニグニ

 

116: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:40:42.58 ID:Q1IxI1jM0

提督「大和、そういや休日はお前や他の皆は何しているんだ?」

大和「思い思いに過ごしていますよ。今日は皆さん出かけましたけど」グニグニ

大和「吹雪ちゃんと大鳳さんは甘味処巡りに、北上さんは文月ちゃんと一緒にアニフェスに、利根さんは街で開催されている中華料理の展覧会にお出かけです」グッグッ

提督「物の見事に出払ってるなぁ」

大和「皆さん提督を休ませるために出かけたんですよ」

提督「お前も出かけりゃよk・・・・・・」

大和「・・・・・・」グッ

提督「イダァァァァッ!? な、何すんだよ!?」ビクン

大和「・・・・・・サッシテクダサイヨ////」ボソッ

提督「・・・・・・」

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大和「後は足も解しますね」モミモミ

提督「いっ・・・・・・!?」ビクゥ

大和「こうやって、足裏と足の甲を強めに指圧、足首を解して、脹脛を揉みほぐして」

グッグッ グニグニ・・・・・・

モミモミ モミモミ・・・・・・

提督(足の疲れが・・・・・・和らいでく・・・・・・)ホッコリ

大和「提督、少し痛いけど我慢してくださいね?」

提督「へ?」

グゥゥッ!

提督「っ!?!?(ひ、膝裏に親指をゆっくり押し込んできた!?)」ビクゥ

大和「膝裏にはリンパ管が通っている他、腰痛のツボもあります。ここをマッサージしたら、足先の老廃物なども取り除けますよ」グニグニ

提督「い、イギギギギッッッ・・・・・・!!」ナミダメ

 

117: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:41:19.62 ID:Q1IxI1jM0

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大和「終わりですよ提督、どうですか?」

提督「・・・・・・!」グルグル グキグキ

提督「マジか、体が軽い!?」ギョッ

大和「良かった、体の疲れはとれたみたいですね」ニコッ

提督「あぁ、ありがとう」

大和「では、お昼にしましょう。軽く作りますので」スッ

提督「いや、マッサージしてもらったから次は俺が」

大和「提督」

提督「な、何だ?」

大和「言ったはずですよ? 今日は提督には休んでいただきますって」

提督「・・・・・・分かったよ、任せる」

大和「はい」ニコッ

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118: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:41:59.17 ID:Q1IxI1jM0

提督「・・・・・・」モグモグ

大和「お~いひぃ~♪」パクパク

提督「お前の中じゃ軽い食事は山盛りのご飯三杯とオカズの事なのか・・・・・・?」

大和「はい。戦艦大和は凄まじい燃料を必要としますから」ムシャムシャ

提督「まぁ、それは艦娘やってりゃ仕方ねぇか(空母勢が小食に見えてくるぜ・・・・・・)」

大和「・・・・・・ご迷惑でしょうか?」シュン

提督「お前はその消費量に見合う以上の活躍をしているさ、迷惑なんかしてねぇよ」ズズッ

提督「ごちそうさん大和、じゃあ俺はこの辺で・・・・・・」スタスタ

大和「また執務室・・・・・・ですか?」ジトー

提督「っ!?」ギクッ

大和「許しませんよ提督? 午後の部もありますからね」

提督「・・・・・・はい(まだあんのかよ・・・・・・頼むからもう解放してくれ・・・・・・)」ズーン

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119: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:42:34.05 ID:Q1IxI1jM0

提督「・・・・・・で、午後の部って?」

大和「はい、耳かきをさせていただきます」

提督「み、耳かき?」キョトン

大和「はい。最近耳が痒いと言っていましたし」つ耳かき棒

提督(耳かきか・・・・・・小さい頃はよく高雄姉や榛名姉に膝枕してもらいながら耳掃除してもらったなぁ)

提督「分かった、じゃあ頼むよ」スッ

大和「? 膝枕はしませんよ?」キョトン

提督「え?」

大和「提督、膝枕での耳かきは癒しとしてはよろしいですが、衛生的にはあまりよろしくありません」

提督「へぇ、じゃあどうすりゃいいの?」

大和「提督、胡座をかいていただいても?」

提督「? かいたぜ」スッ

大和「では・・・・・・失礼します」スッ

提督「なっ!?////」

大和「・・・・・・////」ドキドキ

提督(な、何が起きた!? 何故大和は俺の胡座の上に対面で座ってんだ!?////)カァァ

 

120: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:43:14.29 ID:Q1IxI1jM0

大和(うぅう、提督の胡座の上に対面で座るだなんて、大和ただの変態じゃないですか! 北上さんはこれが一番効果的って言ってましたけど本当にこれで大丈夫なんですかぁっ・・・・・・!?////)カァッ

大和「お・・・・・・重くないですか?////」

提督「い、いや、そんな事・・・・・・////」

大和「良かった・・・・・・。では、始めますね」スッ

ショリショリ サリサリ カッカッ

カリカリ スーッスーッ チョイチョイ

提督(ま、待て待て、一気に色んな事が起こりすぎだ、キャパ超えちまう!!////)ドキドキ

提督(み、耳には優しく丁寧な快感。しかも大和のいい匂いがしてくる・・・・・・!!////)ドクンドクン

提督(そ、それに・・・・・・////)

大和「かなり溜まってますよ、提督」クイクイ

ムニュゥゥウ

提督(対面だから大和の豊満な柔らかい胸が押しつけられ・・・・・・てか、潰れて形変わってる!!////)バクンバクン

提督(逃げようにも大和が後ろに足を回してしっかり固定してやがるっ!!////)

大和「ふぅぅ~・・・・・・」フーッ

提督「っ!?////」ビクン

 

121: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:43:57.23 ID:Q1IxI1jM0

大和「後は大きいのがここに・・・・・・」スッ

サリサリ コリコリ チョイチョイ

カリカリ コッコッ ショリショリ

大和「つ、次は反対側ですよ////」

提督「お、おう・・・・・・!!////」クルッ

ショリショリ カッカッ

大和「こちらも溜まってますよ」クリクリ

提督「っ・・・・・・////」

大和「ふぅぅ~・・・・・・」フーッ

提督「っ!?////」ビクゥ

大和「提督、お耳が弱いのですか?」

提督「・・・・・・////」フイッ

大和「ふふ・・・・・・////」クスッ

大和「可愛いです・・・・・・////」ヒソッ

『櫂ちゃん、耳かきしてあげる!』

『櫂ちゃんお耳弱いの? 可愛い・・・・・・!』

提督「っ!」

大和「提督?」

提督「もういい大丈夫だ、ありがとう」ググッ

大和「え?」スッ

 

122: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:44:38.10 ID:Q1IxI1jM0

提督「かなり休んだ、もう十分疲れはとれたから」ググッ

大和「執務室は駄目ですよ」

提督「何もしねぇと逆に不安だわ、何かさせてくれよ」

大和「ワーカーホリックじゃないですか!! 尚更息抜きが必要です!」ガビーン

提督「ワーカーホリックで結構だ、お前らを戦場に駆り出して自分が何もしねぇのはしょうに合わねぇ」スッ

大和「あ、ちょっと提督!!」ウデツカミ

提督「は、離せ大和、いい加減にしろ!」ググッ

大和「いい加減にするのは提督です!!」ガバッ

提督「おわっ!?」グラッ

ドシィィィィン・・・・・・

提督「痛たた・・・・・・大丈夫か、大和?」セナカウッタ・・・・・・

大和「・・・・・・何で」

大和「何で提督は、自分をもっと大事にしてくれないのですか!!」キッ

提督「はぁ?」

大和「いつもいつも、貴方は大和達の負担を減らして。その分を自分一人で片付けようとして! 挙句倒れそうになってもまだ休もうとしない!!」ジワァ

提督「・・・・・・」

 

123: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:45:42.35 ID:Q1IxI1jM0

大和「もっと大和達を頼ってください。大和が駄目なら吹雪ちゃんや北上さん、大鳳さんに文月ちゃん、利根さん! 誰かしらに頼ってください!!」ツーッ

大和「大和は提督が倒れるなんて嫌です! 仕事でも私情でも提督がいないと駄目なんです!!」ポロポロ

提督「!? ・・・・・・どういう意味だ?」

大和「・・・・・・!?////」ハッ

提督「私情ってどういう事だ・・・・・・!」

大和「・・・・・・です・・・・・・」

提督「あ?」

大和「・・・・・・好きなんです! 提督の事が!!/////」

提督「なっ!?////」

大和「異性として・・・・・・好きなんです。着任してから心の何処かで提督が気になっていました////」

大和「一緒に暮らすうちに提督に恋心を抱くようになりました・・・・・・////」

提督「・・・・・・」

大和「ぐ、軍属の身である故にといった理由も承知の上です。それを踏まえて大和の想いをお伝えさせていただきます////」

提督「・・・・・・俺は・・・・・・」

ガチャ・・・・・・

提督・大和「!?」ビクゥ

吹雪「ただいま帰りまし・・・・・・」

大鳳「ただい・・・・・・ま・・・・・・」

北上「提督ー、土産買ってき・・・・・・」

文月「ただいまぁ」

利根「ん? お主ら何を・・・・・・」

大和「あ・・・・・・」提督を押し倒し中

提督「」大和に押し倒され中

ポクポクポク・・・・・・チーン

艦娘「・・・・・・ごゆっくりと」ススス

大和「ち、違っ!////」アワアワ

提督「ちょ、おい待てお前らぁ!?」アセアセ

吹雪「大丈夫です、司令官と大和さんが存分に楽しめるように・・・・・・」b

北上「明日の朝まで緊急時以外取りつがないから」b

大鳳「ご武運を」b

文月「がんばぁ」b

利根「ごゆるりと・・・・・・」b

パタン

大和「あ、あぅぅう・・・・・・////」カァァ

提督「あ、あいつらぁ・・・・・・////」アタマグシグシ

 

124: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:46:39.65 ID:Q1IxI1jM0

大和「も、申し訳ございませんでした・・・・・・////」

提督「いや、こっちも悪かった」

提督「・・・・・・大和」

大和「・・・・・・はい」

提督「お前の気持ちは分かった。俺としてはお前みたいな美人に告白されてすげぇ嬉しい。出来るなら俺だってその想いに応えてやりたい・・・・・・」

大和「・・・・・・」

提督「けど、俺は今の時点では誰かを異性として愛する事はできない。許してくれ」

大和「・・・・・・分かりました」

提督「ごめんな」

大和「・・・・・・ですが、思い焦がれる勝手は許してください」ニコッ

提督「それは構わねぇさ」

大和「・・・・・・では、夕食にしましょう」スッ

スタスタ・・・・・・

提督「・・・・・・女々しい野郎だな、俺は」

提督(亡くなった奴に未だ好意を寄せ続けるなんて・・・・・・。区切りをつけて、さっさと前に進むべきなのは俺自身が一番よく理解してる。でも頭が理解しても感情は納得してくれねぇ)ツーッ

提督「教えてくれ・・・・・・俺はどうしたらいいんだ・・・・・・なぁ」ポロポロ

提督「・・・・・・頼むから・・・・・・誰か・・・・・・」ポロポロ

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提督寝室前 廊下

大和「・・・・・・」

大和「提督・・・・・・」

 

125: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:47:19.31 ID:Q1IxI1jM0

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タッタッタッタッ・・・・・・

提督(9歳)「くそ、くそ! くそっ!!」タッタッタッ

提督「何でアイツら! 皆のお陰で生きていられるってのに!!」

提督「父さんや皆もそうだ! あんな事言われて何で平気なんだよ!」

ピタッ

提督「はぁ、はぁ・・・・・・」キョロキョロ

提督(・・・・・・夢中で飛び出して来たけど、ここ何処だ?)

提督「・・・・・・街のこっち側なんて来たの初めてだ」

コノ!

ノロワレタイチゾクメ!

提督「ん? 誰かいんのか?」スタスタ

「っ・・・・・・!」ボロッ

男子1「呪われた一族!」ゲシッ

男子2「化け物女!」バシッ

男子3「俺達が退治してやる!」ドカッ

提督「なっ!?」ギョッ

提督(女の子がいじめられてる・・・・・・!)ダッ

提督「お前ら女相手に何してんだよ!」

男子1「!?」

男子2「やべ!」

男子3「逃げろ!」

タッタッタッタッ・・・・・・

 

126: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:49:00.51 ID:Q1IxI1jM0

提督「何だアイツら、さっさと逃げやがって」

提督「お前、大丈夫だったか?」

「・・・・・・」フイッ

提督「おい、返事しろよ。大丈夫なのか?」グイッ

「っ・・・・・・!?」

提督「!?////」ハッ

「・・・・・・不気味でしょ? こんな光る目・・・・・・」

提督「綺麗だ・・・・・・////」

「へ・・・・・・!?////」カァァ

提督「あ、いや、その目がすげぇ綺麗でさ! 見とれちまってよ////」アセアセ

(この子だって・・・・・・口では何とでも言えるわ)キィィ

提督(この子の目、紫色が混じってんのか。何か宝石みたいで本当に綺麗だなぁ)

(!? ・・・・・・そんな、まさか)

提督(つーかこの子、今は傷だらけだけど、すっげぇ可愛い顔してんなぁ。何でいじめられてたのか不思議なくらいだ)

「っ!?////」

提督「? まぁ、大丈夫そうだから良かったよ。じゃあ、気を付けて帰れよ」スッ

「! 待って!」

提督「?」

「君、名前は?」

提督「・・・・・・櫂。海原 櫂」

「櫂・・・・・・」

提督「で、そういうお前は?」

「・・・・・・耶麻(やま)。眞祓井(まはらい) 耶麻よ」

提督「それで、わざわざ名前聞くために呼び止めたのか?」

ヤマ「ううん。ちょっと遊ぼ?」ニコッ

提督「っ!?////」ドキッ

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127: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:49:51.18 ID:Q1IxI1jM0

近くの公園

提督「耶麻はこの辺の子なのか?」

ヤマ「うん! あそこの丘にあるのが私の家だよ!」スッ

提督「へぇ、あの大きな屋敷は耶麻の家だったのか!」

ヤマ「櫂君って、私と同じ10歳だよね? 何処の学校?」

提督「? 学校なんか行ってねぇよ。そして俺は9歳だ、遅く産まれたからな」

ヤマ「えっ?」ギョッ

イタカ!

イエ、ミツカリマセン!

ヤマ「! あの人達誰?」

提督「ちっ! 憲兵だ」

ヤマ「ケンペー? 何それ?」

提督「軍の警察だよ。そういや逃げてんの忘れてた」

ヤマ「逃げてる? どういう事?」

ヤマ(憲兵(警察)から追われてる→悪い事をした→捕まったら少年院行き→二度と会えないかもしれない)サァァ

提督「じゃあそろそろ逃げるわ。ありがとう、会話できて楽しかったよ」スッ

ヤマ「っ! 駄目!」ガッ

提督「え!? ってうわぁ!?」グラッ

ドサッ

提督「痛た、背中打った・・・・・・大丈夫か?」

ヤマ「悪い事したらちゃんと謝らなきゃ駄目!」提督に馬乗り

提督「? はぁ?」キョトン

ヤマ「私も一緒にごめんなさいするから。逃げちゃ駄目だよ!」

提督「悪ぃ、何言ってんのかさっぱり分かんね・・・・・・」

??「見つけたで、櫂!!」

提督・ヤマ「っ!?」ビクゥ

??「ほんまにお前は迷惑かけおってからに! ガンさんや団長がエラい心配しとったで!」

提督「げっ!? あ、兄ぃ!?」ギョッ

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128: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:50:44.65 ID:Q1IxI1jM0

提督「・・・・・・ん?」

提督(ここは・・・・・・俺の部屋か。そうだ、飯の後帰ってそのまま寝落ちしちまったみてぇだな)

提督(久しぶりにアイツの夢を見た・・・・・・枕元がびしょ濡れだ)グシグシ

ポタッ・・・・・・

提督「ん? 何だ?(水漏れ・・・・・・にしては温かい水だな)」

大和「・・・・・・」ツーッ

提督「おわぁ!?」ビクゥ

大和「きゃあ!?」ビクゥ

提督「な、何だ大和か・・・・・・」

大和「お、おはようございます、提督」

提督「おはよう。・・・・・・とりあえずお前に三つ聞きたい」

大和「はい?」

提督「まず、どうやって中に入った?」

大和「妖精さんに合鍵を・・・・・・」

提督「・・・・・・そして、何で泣いてんだ?」

大和「分かりません・・・・・・提督が寝ながら泣いていらっしゃるのを見たら何故か涙が溢れてきたんです」グシグシ

提督「・・・・・・」

大和「・・・・・・そして三つ目の質問は、『何の用事で、こんな夜這い紛いな行為をしに来たんだ?』で、よろしいでしょうか?」

提督「!? ・・・・・・あぁ(何で分かんだよ、一瞬寒気がしたぜ)」ギョッ

大和「大本営から連絡が来ましたので」

提督「は? 何て?」

大和「『Hey! カイ!今日は私達がカイのteachingのassistantに行きマース!』、『鎧袖一触です』、『胸が熱いな』・・・・・・との事です」

提督「・・・・・・ほぼ把握した(後ろ二つは何が言いてぇのか普通分かんねぇよ)」

提督「大和、『今日は大本営から特別講師がお見えになる』って皆に伝えてくれ」

大和「分かりました」スタスタ

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129: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:51:27.01 ID:Q1IxI1jM0

執務室

大和「お見えになられました」スタスタ

提督「ん、分かった」

ガチャ

金剛「Hey! カイ! 久しぶりデース!」

比叡「久しぶりー!」

榛名「元気にしていましたか?」

霧島「ちゃんと仕事している?」

提督「久しぶり、金剛姉、比叡姉。元気さ、榛名姉。今してんだろ、霧島姉」ニッ

加賀「久しぶりね、櫂。急に押しかけてごめんなさい」

提督「加賀姉、久しぶり。まぁ確かに、出来れば前日に連絡欲しかったな」ニッ

長門「元気そうで何よりだ。少し焼けたな?」

提督「長門姉、そっちこそ少し日焼けしたんじゃねぇか?」ニッ

榛名「金剛お姉様が言ったように、今日は榛名達が、櫂の授業を手伝いますよ」

提督「何言ってんの、手伝うんじゃなくて、授業を開いてもらうからな」

比叡「まっかせて!!」

提督「あ、比叡姉は見学な」

比叡「何で!?」ガビーン

霧島「た、確かに」カチャカチャ

金剛「比叡、大人しくしてるデース」

比叡「ヒェェェ」ガーン

 

130: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:52:10.86 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・」

金剛「! Youが噂の大和デスネ?」

大和「あ、はい! 初めまして!」ペコッ

金剛「今日は私達がビシバシ鍛えマース! 着いてきてくださいネー!!」

長門「大和型とは試合した事が無い、楽しみだ」

大和「は、はい・・・・・・」

提督「じゃあ最初に、金剛姉に英語を教えてもらうな。後は鬼トレに参加してくれ」

加賀「分かったわ」

長門「任せろ」

比叡「気合い! 入れて!! 頑張ります!!」

霧島「腕が鳴るわ」ゴキゴキ

提督「既にやる気満々だなオイ!?」ギョッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

教室

提督「えー、今日の英語は俺じゃなくて別の人に教えてもらう」

吹雪「誰でしょうか?」

文月「分かんな~い」

北上「まぁ、今日はあのチョーク弾が飛んでこないみたいだねぇ」フゥ

大鳳「き、北上さん・・・・・・」アセアセ

利根「とはいえ、お主が教鞭を持たせるからにはさぞかし素晴らしい教師なのじゃな」

提督「あぁ。幼い頃、俺に英語を教えてくれた教師だ」

大和「・・・・・・」

 

131: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:52:51.43 ID:Q1IxI1jM0

金剛「Hello, everyone! My name is Kongou! Nice to meet you!」

吹雪「な、Nice to meet you, too」

北上「な、何だ金剛さんか、びっくりしたぁ」

金剛「・・・・・・」ヒュン

バシィィィィッ!

北上「痛ぁぁっ!?」マタチョーク!?

金剛「Hey! Ms. Kitakami! We don’t speak Japanese in this class.OK?」

北上「お、OK・・・・・・!」ゾワッ

艦娘「っ!!」ゴクッ

提督(懐かしいなぁ、金剛姉の英語講座。授業中は一切英語以外喋らせてくれなかったっけ・・・・・・)シミジミ

比叡(英語を教える時のお姉様は一切容赦ないからなぁ)ウンウン

榛名(よく櫂も怒られていましたね)ニコニコ

霧島(尤も、何故か金剛お姉様の方が精神的ダメージを負っていましたが・・・・・・)カチャカチャ

艦娘(スパルタ過ぎる・・・・・・!!)

 

132: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:53:27.67 ID:Q1IxI1jM0

ーー
ーーーー
ーーーーーー

金剛「フーっ! I’m sorry. 皆に厳しくしすぎでしたネー」

吹雪「い、いえ! どうもありがとうございました!」

北上「あの1時間だけで8発もチョーク弾撃たれたよ」ヒリヒリ

金剛「北上はわざと日本語喋ってたデース!」

大鳳「何やってるんですか、北上さん」

利根「吾輩は一発も食らっておらんぞ」

文月「利根ちゃん英語嫌いなのにねー?」

ワイワイ

比叡「流石はお姉様です!」

榛名「皆さん優秀ですね。榛名感激です!」

提督「まさか俺らまでグループワークの頭数に入ってるとは思わなかったぜ」

霧島「ま、まぁ楽しめたでしょ?」

加賀「やりました」つ85点 キラキラ

長門「英語は苦手だ・・・・・・」つ83点 クッ

提督「で、何で加賀姉と長門姉は二人で競い合ってんの?」アキレ

比叡「気にしたら負けだよ、櫂」

 

133: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:54:10.05 ID:Q1IxI1jM0

提督「お前ら昼休みだ。昼飯食ったら鬼トレやるぞ」

長門「やっとか。胸が熱いな」

榛名「お昼はどうするの?」

提督「当番制。今日は確か吹雪だったな」

吹雪「が、頑張ります!」フンス

ーー
ーーーー
ーーーーーー

吹雪「どうぞ、今日は蕎麦です」

金剛「Oh! Japanese foodデース!」キャッキャッ

比叡「わーい!」

霧島「ごめんなさいね、私達の分まで」

吹雪「いえ。司令官の御家族ですので」ニコッ

榛名「・・・・・・」

吹雪「あ、榛名さんは確か蕎麦アレルギーでしたよね? これは大丈夫ですか?」つ焼きそば

榛名「あ、焼きそばは大丈夫です・・・・・・って、何故榛名のアレルギーを?」

吹雪「司令官が教えてくれたんです!」

大和「『榛名姉は焼きそばが大好きだ』って、いつも焼きそばの時は仰ってましたよ」

榛名「榛名は幸せです・・・・・・。あの子がこんないい子に育ってくれて」ブワッ

金剛「Oh、榛名! 泣いたら折角のpretty faceが台無しネー」

比叡「ほら、ティッシュ」つティッシュ箱

榛名「お姉様! 榛名は、榛名は・・・・・・!」ズビビーッ

 

134: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:54:53.44 ID:Q1IxI1jM0

霧島「良かったわね榛名。貴女の愛情はあの子にちゃんと届いていたみたいよ」

提督「仕事終わらして来てみたら、一体何の騒ぎだ?」

北上「まぁまぁ、今日は身内も来てんだからさ」

文月「楽しいご飯だねぇ」

大鳳「は、はい!」ダラダラ

利根「涎を拭かんか、大鳳」つハンカチ

提督「じゃあ皆、さっさと食って鬼トレするぞ」パン

提督「いただきます」

吹・文・北・大・利「いただきます!」

大和「いただきます」

金剛「イタダキマース!」

比叡「いただきまぁす」

榛名「いただきます」

霧島「いただきます」

長門「いただきます!」

加賀「いただきます・・・・・・」

赤城「いただきます!!」

一同「・・・・・・」

赤城「? 皆さんどうしました?」ムシャムシャ

艦娘「誰だアンタ!?」ギョッ

 

135: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:55:47.63 ID:Q1IxI1jM0

加賀「あ、赤城さん!?」

提督「赤城姉いつの間に!?」

赤城「はい! お久しぶりです櫂。加賀さん、何で私を呼んでくれなかったんですか!」

加賀「え、いや、その・・・・・・」

長門「お前を呼んだら櫂の鎮守府の食糧があっという間に蒸発してしまうだろうが」

提督(アンタらもかなり食ってるけどな)

吹雪「えっと、お知り合いですか?」

提督「赤城姉。大本営の最高戦力の一人だ」

北上「・・・・・・マジ?」ポカーン

大鳳「正規空母の、しかも一航戦のお二人に会えるだなんて」キラキラ

大和「段々面子がすごい事になっていきます・・・・・・」

利根「何を今更・・・・・・」

文月「司令官、もう半だよぉ?」

提督「何っ!? お前らさっさと食え!」ガツガツ

艦娘「は、はい!!」パクパク

赤城「そんな急いで食べたら詰まらせますよ?」ムシャムシャ

金剛「誰の所為だと思っているネー」ハァ

ゲッホゲホッ、ミ、ミズ・・・・・・

ダ、ダイジョウブカ、キタカミ!? つ水

ア、アザッス、ナガトサン ゴクゴクゴク

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

136: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:56:36.01 ID:Q1IxI1jM0

提督「よし、じゃあ組手を始めるけど、今回は大本営の艦娘達がお前らの相手をしてくれる」

長門「待ちくたびれたぞ・・・・・・」ボキッボキッ

霧島「やっとね・・・・・・!」ゴキゴキ

大和「や、やる気満々ですね」ニガワライ

北上「でもさぁ提督、あたし達相当強いと思うんだよねぇ」

提督「まぁな。でも上には上がいるもんだぜ?」

利根「じゃが、正直今の吾輩達ならばいくら大本営の艦娘であろうとそれなりに渡り合えよう」ニヤリ

吹雪「ちょ、北上さん、利根さん!」アセアセ

長門「なかなかに威勢がいいな」

北上「だからさ提督。なーんも心配要らないよ。のほほんと観戦してなよ」

提督「ほー、随分な自信だ。じゃあ俺は一切お前らを心配しねぇからな、後悔するなよ?」ピクピク

大和「・・・・・・」

北上「まぁまぁ、サクッと終わらせるよん」

利根「うむ。吾輩達の力を思い知らせてやるからな」ビシッ

文月「自信満々~」

提督「文月、ああいうのを死亡フラグって言うんだ・・・・・・」

 

137: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:57:08.16 ID:Q1IxI1jM0

提督「先ずは北上。比叡姉が相手だ」

北上「よろしくね~」

比叡「こちらこそ!」

提督「始め!」

比叡「先手必勝!」ダッ

先に仕掛けたのは比叡。高速戦艦の機動力を駆使して北上に突っ込む

北上「甘いよ・・・・・・!」サッ

柔よく剛を制すを体現している北上はその一直線の攻撃を避けようとするが

比叡「気合い! 入れて!!」ダンッ

高速戦艦の脚は予想以上の速さであった

北上(っ!? 速っ!!)ギョッ

比叡「打ちます!!」ブンッ

ズドォォォォォォン!!

北上「あっぶなぁ・・・・・・!」ゾワッ

北上(動きが速い! それにあのパンチ・・・・・・)チラッ

比叡「ヒェェェ! ぬ、抜けないぃぃ!!」ジタバタ

長門「・・・・・・何をやっているんだ、比叡は」

北上(地面にめり込んでる・・・・・・! 冗談キツイよ)ゾッ

 

138: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:57:43.90 ID:Q1IxI1jM0

ただし身動きの取れない今がチャンス。北上は背後に周り、手刀を構える

北上「隙あり!」サッ

ズボッ!!

比叡「あ、抜けた!! えい!」ブンッ

北上「え!?」

正に首に手刀を寸止めしようとした直後、比叡が地面から拳を抜き、そのままの勢いで回転しながらの左ストレートを放つ。突然の事に北上は対応しきれず

バキィッ!!

北上「うわぁっ!?」

ドサッ

提督「そこまで、勝者比叡姉!」

比叡「だ、大丈夫でしたか?」

北上「ジョブジョブ。いつつ・・・・・・、まさかあたしがペースを崩されるなんて」ヨロヨロ

北上「い”っ!?」ガクッ

比叡「おっと!」ガシッ

北上「あ、ありがと(参ったなぁ、たった一撃もらっただけで身体に力が入らないや)」

文月「北上ちゃん大丈夫ぅ?」オロオロ

北上「大丈夫・・・・・・じゃないかも」

提督「フラフラじゃねぇか、休んでろ」

吹雪「北上さんが一撃でああなっちゃうなんて・・・・・・」ゴクッ

 

139: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:58:32.70 ID:Q1IxI1jM0

提督「次、利根と霧島姉だ」

利根「お手並み拝見じゃな」

霧島「ふふふ、こちらこそ」カチャカチャ

提督「始め!」

利根「往くぞ!」ダッ

霧島「・・・・・・」

利根が接近し、得意の蹴りを放つ

利根「はぁっ!」ブンッ

霧島「・・・・・・」スッ

利根「っ!?」ピタッ

下から蹴り上げようとした矢先に霧島が徐ろに出した左手。それを見た利根は動物的直感で攻撃を中断した

霧島「! ・・・・・・あら」

文月「? 何で利根ちゃん蹴らなかったのぉ?」

北上「霧島さんが手を出したでしょ。掴みにくる可能性があるからねぇ」

霧島「次は私ね」スッ

利根「!!」バッ

霧島「ふっ!!」ブンッ

霧島が大振りのパンチを放つ。それを利根は

利根「そこじゃ!」サッ

紙一重でしゃがみこみ躱す。と同時に相手の懐に飛び込み

霧島「!?」

ズドドドドンッッッ!!

吹雪「大振りのパンチを躱して顎と顳?に二発ずつの蹴り!」

大和「流石利根さんです!!」

利根「決まった!」

利根(この場所に攻撃を当てられたら、普通の人間ならば神経が断たれて命の危険すらある! じゃが人間より強靭な艦娘、しかも戦艦ならば大丈夫じゃろう)

利根(とはいえ、流石の戦艦も脳が揺れて気絶は必至・・・・・・)

提督「・・・・・・」

 

140: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:59:15.44 ID:Q1IxI1jM0

霧島「・・・・・・流石は利根ちゃんね」

利根「な!?」ギョッ

霧島「目のつけ所はいいわね。確かに並大抵の戦艦なら危なかったわ」コキコキ

吹雪「脳が揺れて動けないはずなのに・・・・・・何で!?」

提督「無駄だ。霧島姉には小細工は一切通用しねぇ・・・・・・」

北上「・・・・・・怖」ゾワッ

霧島「さぁ、次は私の番ね」

利根「くっ!」ジリッ

霧島「マイク・・・・・・チェック!」

バキキキッ!

霧島が叫んだ直後、その右足の下にある地面に突如ヒビが入る

艦娘「ひっ!?」ビクッ

吹雪「霧島さんの右足の地面が急に砕けた!?」

金剛「Oh! 霧島が本気デース!」

大和「な、何故分かるのですか?」

加賀「周りの地面が砕けるほど、霧島さんが強く踏みしめたんですよ」

長門「あれは霧島が抑えていた筋力を解放した証拠。いわばエンジン点火の合図だ」

霧島「ワン!!」

ビキキキッ!

赤城「左右を交互に砕いた後・・・・・・」

霧島「ツー!!!」

バキィィィィッッッ!!

ビキビキバキバキ!!

轟音と共に霧島の周辺の地面は一気に砕けた。しゃがみこんだり、足踏みをしたわけでもない。ただ足に力を込めただけで辺りにこれだけの衝撃が走るのだ。利根は相手の抑えていた筋力の規模にただ呆然としていた

比叡「両方の足で同時に踏みこんで一気に周辺の地面を割る」

榛名「この威嚇のような現象が霧島の本気の合図なんです」

提督「グラウンドが・・・・・・また直すのに多額の費用が・・・・・・」ズーン

 

141: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 21:59:52.61 ID:Q1IxI1jM0

霧島「」ヒュンッ

利根「なっ!?(は、速い! 一瞬で懐に!?)」ハッ

霧島「ふっ!」ブンッ

利根「はぁっ!」ブンッ

バキィィィィッ!!

霧島「!」

一瞬で懐に入った霧島のパンチと利根の蹴りが激突した直後

ミシッ バキバキバキッッッ

利根「っ!? あぁあっ!?」ズキズキ

長門「・・・・・・足が砕けたか」

ドサッ

霧島「・・・・・・まだやる気?」

利根「無論! と言いたいとこじゃが、足が砕かれてはな・・・・・・降参じゃ」

提督「勝者、霧島姉!」

霧島「ちょっとやり過ぎたわ、ごめんなさい」

利根「構わんよ、吾輩の全力じゃったが・・・・・・」

提督「だから言ったろ、後悔するって」

北上・利根「面目ない」シュン

提督「とりあえず休んでろ。妖精さん後頼んだ」

妖精「任された。ほら二人共傷見せて・・・・・・」イソイソ

提督「さてと、次は・・・・・・」チラッ

大鳳「っ!?」ビクッ

提督「・・・・・・大鳳は個人演習だな。赤城姉、加賀姉、悪ぃけど大鳳に色々教えてあげてくれねぇ?」

加賀「分かったわ」

赤城「空母ですからね」

大鳳「よ、よろしくお願いします!」ペコッ

加賀「とりあえず艦載機について教えた後、体術も指導するわ」

大鳳「はい!」

 

142: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:00:45.01 ID:Q1IxI1jM0

提督「さてと誰かやりたいやついるか?」

吹雪「わ、私が行きます!!」

長門(・・・・・・ほぅ。先程の試合を見て尚挑戦にくるか)ニヤリ

長門「ならば相手は私が引き受けよう」ザッ

提督「先言っとくけど、長門姉はさっきの二人よりずっと強ぇぞ。それでもいいのか?」

吹雪「愚問です! 司令官、私の事も心配しないであくまで審判として行動してください!」キッ

提督「! そうか。なら始め!」

長門「さぁ吹雪、好きに打ってくるがいい」ドン

吹雪「!? (長門さん、腕を組んだまま仁王立ちしてる。でも、本人もああ言ってるし、ここは言う通りに!)」グッ

吹雪「行きます!!」バッ

ダンッ

吹雪「やぁぁっ!!」

バキッッッ!!

長門「・・・・・・」

吹雪の体重を乗せた一撃を長門は防ぐ素振りもせずにただ受ける。吹雪は即座に得意の乱打を打つ

吹雪「はぁぁぁっ!」バババ

バババババババババッッッ!!

長門(ふむ、なかなか重いな。それでいて一発一発を確実に当てにきている)

吹雪(手応えはあるのに全然効いてない!? 長門さん眉一つ動かさないなぁ)クッ

吹雪「やぁぁっ!!」ブンッ

バシィィィィッ

バシバシバシィィィィッ

長門「!」

長門(乱打に蹴りを加えてきたか)

吹雪「利根さん直伝!」グルンッ

その場で長門の頭上まで跳躍した吹雪。空中で一回転し、遠心力を加えた踵落としを脳天に叩き込む

バキィィィィッッッ!!

長門「・・・・・・(空中で一回転して頭に踵落としか。流石は初期艦娘、素晴らしい身のこなしだ)」

吹雪「・・・・・・ダメージゼロですか」スタッ

長門「? どうした、もう終わりか?」

吹雪「・・・・・・さっきのは私の最高の攻撃だったんですけど・・・・・・」

長門「そうか。なかなかの攻撃だったぞ」

吹雪「ありがとうございます・・・・・・ですが、ガードすらしないで無傷だなんて」

長門「一般基準ならば十分、超人クラスだ。さて、私も反撃するとしようか・・・・・・」

スッ・・・・・・

吹雪「? (組んでた腕を解いて下ろs・・・・・・)」

 

143: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:01:27.17 ID:Q1IxI1jM0

ズドドドドドドドドドンッッッ!!

 

144: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:02:40.21 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「ガハッ!?」ヒュン

ドカァァァァァァァァァンッッッ!!

大和「・・・・・・!? なっ!?」ギョッ

文月「・・・・・・え?」

吹雪「な、何・・・・・・?」パラパラ

大和「な、何が起きたんですか!?」

大和(長門さんが組んでいた腕を解いて下ろした瞬間、吹雪ちゃんが一瞬であそこの壁に叩きつけられていた・・・・・・)

文月「み、見えなかったよ・・・・・・何が起きたのぉ?」ガタガタ

提督「早速十八番を出しやがった・・・・・・」ゾクッ

吹雪「うっ・・・・・・」ドサッ

吹雪「ゲホゲホ、ガハッ・・・・・・」ゴパッ

大和「ふ、吹雪ちゃん!!」

文月「血が出てるよぉ」ポロポロ

長門「・・・・・・」スタスタ

ザッザッザッ・・・・・・

吹雪「う・・・・・・うぅ・・・・・・」ググッ

長門「これほどのダメージを負ってなお、その戦意は衰えず・・・・・・か」ザッ

吹雪「と・・・・・・う・・・・・・然・・・・・・です・・・・・・っ!」ボタボタ

長門「見事だ。お前とはもっと楽しみたいものだが、肋の砕けたお前はもうまともに動けん。死んで櫂や他の皆を悲しませるのがお望みか?」

吹雪「(敗けられない! 初期艦の私が強くなきゃいけないんだ・・・・・・!!)まだ・・・・・・まだ・・・・・・!!」キッ

提督「レフェリーストップだ、吹雪」スッ

吹雪「! 司令・・・・・・官・・・・・・」ポロポロ

妖精「ほら吹雪、早く傷を!!」セカセカ

長門「・・・・・・大人げなくしてしまったな。すまない」

吹雪「いえ・・・・・・ありがとうございました」

提督「・・・・・・」チラッ

提督は文月を見る

文月「・・・・・・」ガタガタ

文月は顔面蒼白で震えていた。無理もない、一瞬で吹雪が叩きのめされた場面を見たのだ。これでは試合どころではない

提督「・・・・・・(肉体的もあるけど、皆精神的ダメージが強過ぎるな。潮時か・・・・・・)」

提督「今日の訓練は終わr・・・・・・」

 

145: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:03:16.70 ID:Q1IxI1jM0

大和「提督、次は大和の番です!」

提督「!?」

長門「!?」

大和「長門さん、次は大和とお願いします」

長門「・・・・・・後悔しないな?」

大和「はい!」スッ

長門「・・・・・・分かった」スッ

提督「・・・・・・いいんだな、大和」

提督「始め!」

大和「はぁっ!」ダッ

バシィィィィッ

長門「・・・・・・」

大和「行きます!!」

ドカッバキッゴキッ!!

ガンッゴンッドムッ!!

長門「っ・・・・・・!」

手数では吹雪に劣るものの、それを補って余りあるパワーで大和は殴り続ける。その重さに思わず長門は顔を顰める

大和「まだまだぁ!」グルンッ

バキィィィィッッッ!!

ドカァァァァッッッ!!

長門(くっ・・・・・・何という重さだ! 流石は大和型と言ったところか・・・・・・!)

乱打に回し蹴りを加え、更に激しく攻める大和。そして

大和「はぁぁぁっ!」

ズドォォォォンッッッ!!

ズザザザザッ・・・・・・

霧島「長門さんが・・・・・・」

榛名「動かされた・・・・・・?」

提督「・・・・・・」

 

146: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:04:04.02 ID:Q1IxI1jM0

長門「流石だ、私の仁王立ちする場から動かせる者はそういないぞ」

大和「・・・・・・」

腕を組んだまま長門はゆっくりと大和に歩み寄る

長門「不器用な私の唯一の取り柄が武術だった。それ故に私が後進の艦娘や、櫂に教える事ができたのは闘い方だけだ」ザッザッザッ

提督「長門姉・・・・・・」

長門「私は闘いに於いては一切容赦はしない。覚悟ある相手に本気をもって返す、それが不器用な私なりの礼儀だ」

大和「はい、分かっています」

長門「さぁ、そろそろ私の番だ」スッ

大和「っ!?」バッ

 

147: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:04:44.82 ID:Q1IxI1jM0

ズドドドドンッッッ!!

 

 

148: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:05:19.64 ID:Q1IxI1jM0

長門「! ・・・・・・ほう」

大和「くっ・・・・・・!」ズザザザザッ

吹雪「! 防いだ!」

利根「何と!」

北上「・・・・・・マジ?」アングリ

文月「ほわぁ」キラキラ

金剛「WOW!!」

比叡「ひぇぇ!」

榛名「え・・・・・・!?」

霧島「私の記憶だと、この攻撃を見切ったり防いだ人は三人だけよ」カチャカチャ

大和「はぁっ、はぁっ・・・・・・!!」ゼーッゼーッ

長門「まさか一度目で私のあの技を防ぐとは、大したものだ」

大和(一瞬頭の中に、長門さんが大量のパンチを打ってくるイメージが浮かんだから思わずガードしましたが・・・・・・まさか本当に防げたなんて・・・・・・これは一体・・・・・・)

大和「あの攻撃の正体は、音速以上の速さで放たれた無数のパンチだったんですね」

長門「あぁ、その通りさ」

 

149: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:06:02.50 ID:Q1IxI1jM0

長門「瞬く間に繰り出された20発以上の拳は、その速さ故に目視できず、ほぼガード不能。さしずめ、『瞬撃拳(しゅんげきけん)』とでも名付けようか」

大和「正に瞬きする間の神業です」ズキズキ

大和(両腕が動きませんね・・・・・・。確かに吹雪ちゃんが吹き飛ばされるのも納得です)

長門「投了しても構わんぞ。両腕を折られては力が出せまい」

大和「愚問ですよ、長門さん。私はまだ戦えます!!」ダッ

長門「全く・・・・・・」スッ

大和「次は食らわない!」バッ

長門「む? 横に跳んで躱したか」

大和「はぁぁぁっ!」ブンッ

長門「甘い!!」バッ

ズドォォォォンッッッ!!

大和「ガハッ!?」

利根「無駄のないハイキックじゃ・・・・・・」

ドシャッ・・・・・・

大和「う、うぅ、ま、まだまだ!」ググッ

提督「勝者、長門姉」

大和「な、何故ですか提督!?」

提督「背中が地面に付いたろ。熱くなってるとこ悪ぃけど、あくまでこれは試合であって殺し合いしてるんじゃねぇからな」

大和「!」ハッ

長門「小手先の技を見切ったからとて、油断するなよ」

大和「うぅ、完敗です」

提督「じゃあ今度こそ訓練は終わりだ。全員風呂入ってこい」スタスタ

妖精「ほら大和。傷にかけるからね」つバケツ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

150: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:06:41.54 ID:Q1IxI1jM0

利根「今更ながら、妖精の技術には驚くばかりじゃ。皆ボロボロになりながらも一瞬で傷が完治するとはのぅ」

霧島「足は大丈夫ですか?」

利根「うむ、心配無用じゃ」

北上「文月はちゃっかり無傷だけどね」チラッ

文月「?」

大鳳「・・・・・・」グテーッ

大和「だ、大丈夫ですか大鳳さん!?」

大鳳「い、一航戦のお二方、厳しすぎました」

ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー

赤城「35番目と59番目の艦載機の反応が鈍いですよ大鳳さん!! 0.01秒遅れています!!」

大鳳「で、ですが、艦載機一つ一つに意識を集中させてもいくつかには意識が届きません」

加賀「そこが間違いよ。私達も艦載機一つ一つに意識を向けては直ぐに疲労するわ」

大鳳「へ?」

赤城「艦載機は空母(私達)にとって言わば手の様なもの。貴女は手を動かすのに一々意識をする必要はありませんよね?」

大鳳「!」

加賀「箸のようなものよ。最初は苦労するけど、慣れれば貴女は今の倍以上の艦載機を容易く正確に、長時間稼働させることが可能になります」

大鳳「うわぁ・・・・・・」キラキラ

赤城「艦載機を己の身体が如く操るには経験あるのみ! 正に箸の扱いと同じです!」

大鳳「はい!!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

151: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:07:31.18 ID:Q1IxI1jM0

加賀「いくら空母とはいえ、艦載機ばかりに任せては駄目。だからこそ体術を身につけてもらうわ」

赤城「貴女自身がやられてしまっては元も子もないですからね」

大鳳「体術・・・・・・ですか? ですが空母は肉弾戦は向かないので、後方支援に徹するべきでは?」

加賀「いつ私達(空母)が後方に下がるべき存在と決めつけました?」

大鳳「えっ、あ、いや」アセアセ

加賀「つまり、貴女は私達空母が艦載機の扱いしか秀でていないとでも?」

大鳳「・・・・・・はい、正直」ボソッ

赤城(大鳳さんと同じ立場なら私もそう思いますね・・・・・・)ウンウン

加賀「・・・・・・頭にきました」ピキッ

大鳳「へ?」

加賀「一航戦の体術、見せてあげるわ」ボキボキ

大鳳「ひぃぃッッッ!?」

加賀「構えなさい大鳳さん。間合いを詰められた時の対処法を伝授します」

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー

大鳳「多分大和さんレベルです、あの人達の体術は」

榛名「かなり絞られちゃったみたいですね」

大鳳「はい、もうくたくたになっちゃいましたよ」

金剛「? そう言えば吹雪がいないデース」

比叡「あ、ホントだ」

文月「ちょっと部屋に戻るって言ってたよぉ」

長門「・・・・・・」

赤城「もしかしたら・・・・・・」

加賀「そうね」

提督「? どうしたよ皆、あれ、吹雪は?」スタスタ

 

152: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:08:15.09 ID:Q1IxI1jM0

大和「提督」

提督「ん?」

大和「吹雪ちゃんが部屋から戻らないんです、見てきてもらってもいいでしょうか?」

提督「・・・・・・分かった」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

コンコン

提督「吹雪いるか? 入るぞ」

ガチャ

吹雪「あ、司令官! すみませんつい夢中になってしまって・・・・・・」

提督「何に?」

吹雪「さっきの長門さんとの試合を書いていたんです。様々な事を学べたので」

提督「・・・・・・おい」

吹雪「やっぱり大本営の最高戦力はすごいですよね、私なんかじゃ足元にも及びません」

提督「・・・・・・吹雪!」

吹雪「あれですかね、きっと今とは比べ物にならないほどの死線をくぐり抜けてきたからこその実力ですよね!」

提督「吹雪!!」

吹雪「・・・・・・何ですか?」

提督「大丈夫か?」

吹雪「何がですか、私は至って大丈夫ですよ」

 

153: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:09:10.05 ID:Q1IxI1jM0

提督「じゃあ何で、こっちを見て喋らねぇんだ?」

 

 

154: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:09:52.90 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「・・・・・・」

提督「お前いつも皆に言ってんじゃねぇか、『会話する時は相手の目を見て喋れ』って」スタスタ

吹雪「先に食べていてください、後で向かいますから」

提督「・・・・・・何で一人で我慢するんだ?」スタスタ

吹雪「我慢なんかしてません、いい加減にしてください!」

提督「そうか、なら」ガッ

グイッ

吹雪「っ!?」グルッ

提督「この大粒の涙は何だ?」

吹雪「っ~!!」ポロポロ

提督「全部吐き出しちまえよ。俺と一番長い付き合いじゃねぇか、遠慮すんなよ」

吹雪「司令・・・・・・官・・・・・・!」ポロポロ

ガバッ

提督「おっと」ダキッ

吹雪「悔しい・・・・・・悔しい悔しい悔しい!! 悔しいです・・・・・・!!」ポロポロ ギューッ

提督「悔しい・・・・・・ねぇ」ナデナデ

 

155: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:10:49.05 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「あんなに頑張ってたのに・・・・・・あんなに努力したのに! 必死で自分の身体を、精神を鍛えようと決めてたのに!! 長門さんに全く歯が立たなかった!」

吹雪「長門さんに負けた後、気づきました。私は強くなった自分に酔っていたんです! 初期艦だから、この鎮守府の一番上の先輩だから! 戦艦(大和さん)と対等に戦える程に強いんだ!! そんな驕りがあったんです!」

提督「! (あ、そういう意味での悔しいか・・・・・・)」

吹雪「初心を忘れ、それを長門さんに完膚なきまでに叩きのめされるまで気がつかなかった!! 私はそんな自分に気づけなかった事が悔しいです!!」

吹雪「悔しくて・・・・・・悔しくて・・・・・・! う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッ!!」ポロポロ

着任した当初、吹雪は自身のその格闘技を仲間を守り、己を磨くためのものと心得ていた。しかしその後、鎮守府には自分よりスペックの高い艦娘が着任していった。癖のある仲間に置いていかれないように努力するうち、何時しか吹雪は己の強さに拘るようになった。そして初期艦としてのプライドに裏打ちされたその考えが吹雪の全てだった。そんなプライドに意味なんてない。それを長門に負けるまで気づく事ができなかった。それが真面目な吹雪には我慢ならなかったのだ。

提督「・・・・・・(全く、世話の焼ける奴だな。妹がいるとこんな感じなのかねぇ)」ナデナデ

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ーーーーーー

 

156: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:11:54.87 ID:Q1IxI1jM0

提督「落ち着いたか?」つティッシュ箱

吹雪「はい・・・・・・」ズビビーッ

提督「長門姉達は深海棲艦の本拠地を叩く最終決戦に出撃したんだ、お前らが勝てねぇのは当然だ」

吹雪「流石ですね、やっぱり・・・・・・」

提督「別に初期艦だから一番強くなきゃいけねぇとか、そんな決まりは一切ねぇんだから。そもそも俺個人の考えじゃ、組み手の訓練なんか、軍だからしょうがねぇと諦めてて、皆で楽しく切磋琢磨していければいいと思ってる程度だ。俺としてはお前らには戦い方よりも戦後の生き方を模索してほしいんだ」

吹雪「分かりました、司令官!」ニコッ

提督「ほら、さっさと飯行くぞ」

吹雪「はい!」

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一週間後

提督「何だかんだ言って、結局一週間も滞在してたなぁおい」

長門「仕方ないだろう、つい指導に熱が入ってしまったのだ」

赤城「もう貴女は立派な空母です」

加賀「私達が教えられる基礎の全ては叩き込んだわ」

大鳳「お二方には何とお礼を申し上げればよいか・・・・・・」ウルウル

北上「卒業式みたいだね」

 

157: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:12:37.16 ID:Q1IxI1jM0

榛名「一週間でしたが、とても楽しかったです」

金剛「たまにはコッチに帰って来るネ」

提督「考えとくよ」

霧島「とはいえ、もうそろそろ大本営で会議が行われるかと」

大和「大本営で?」

比叡「確か明日だったっけ」

提督「面倒くせぇなぁ、話ならそっちで片付けりゃあいいじゃねぇかよ」

長門「馬鹿者、お前は強制参加だ」

提督「えぇぇっ!?」ガビーン

榛名「駄目ですよ、ちゃんと会議に出なきゃ」

提督「ちょ、ちょっと世直しの旅に出るわ」フラッ

長門「どこのご老公だ、いいから来い」ガシッ

金剛「大和達も来るネ!」

大和「や、大和もですか!?」ギョッ

吹雪「えぇっ!?」

提督「嫌だぁ、行きたくねぇぇぇっ!!」ジタバタ

長門「暴れるな馬鹿者!」ズルズル

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158: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:13:22.46 ID:Q1IxI1jM0

大本営

提督「長門姉に引き摺られて来たけど、本当に何も変わらねぇな」

大和「広いですね」

吹雪「あわわわ・・・・・・」カチコチ

北上「吹雪リラックス、肩の力抜きなよ」

大鳳「北上さんはもう少し緊張感を持ちましょうよ・・・・・・」

文月「お腹空いたぁ」

利根「少し我慢しておれ」

??「おぉ櫂、久しぶりじゃのう」

提督「! 親父!」

大和「! ではこの方が」

長門「あぁ。海軍の総司令官、元帥の『海原 巌山(がんざん)』殿だ」

元帥「いやはや、お前は何かしらの理由をつけて会議を休むと思ってのぅ。前もって長門達を向かわせておいて正解じゃったわい」

提督「別に会議が嫌なわけじゃねぇんだけどな・・・・・・」ボソッ

元帥「む? 何か言ったかの?」

提督「・・・・・・別に」

元帥「ほぅ、この娘達が?」

提督「あぁ、吹雪は知ってるよな?」

吹雪「お久しぶりです、元帥!」ビシッ

 

159: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:14:04.54 ID:Q1IxI1jM0

元帥「久しぶりじゃのう吹雪ちゃん。うちのバカ息子がいつも迷惑をかけてすまんの」

吹雪「いえ、そんな事は・・・・・・」

提督「お前らも挨拶しろ」

北上「雷巡北上です」ビシッ

大鳳「装甲空母大鳳です!」ビシッ

文月「睦月型駆逐艦の文月っていうのぉ」ニパァ

利根「利根型航空巡洋艦の利根じゃ」ビシッ

大和「大和型戦艦、大和です!」ビシッ

元帥「皆元気が良くて何よりじゃ。儂が元帥の海原じゃ。息子が世話になっておるのぅ」

提督「とりあえず部屋を貸してくれ。どうせ2、3日かかるんだ、皆を泊めたい」

元帥「うむ、お前の部屋を使うがよい」

金剛「私が案内するデース!」

スタスタスタ・・・・・・

長門「元帥、少しお話が」

元帥「む?」

長門「」ヒソヒソ

元帥「!・・・・・・そうか」

提督「・・・・・・」

元帥「櫂、少し良いか?」

提督「ん?」

ーー
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ーーーーーー

 

160: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:14:52.20 ID:Q1IxI1jM0

文月「広いね~」キョロキョロ

利根「うむ、規模が桁違いじゃな」

??「ん? 金剛やないか、こんなとこで何しとんの?」

金剛「Oh、ローグデース!」

吹雪「ローグ?」

北上「憲兵じゃん、知り合いなの?」

??「まぁな、てか、あんまローグてゆーなや金剛」

金剛「だってテートクもダンチョーも櫂も呼んでるデース」

吹雪「! 司令官も?」

??「! 君らもしかして、櫂んとこの艦娘け?」

大和「! 提督をご存知なのですか?」

??「まぁな、あいつがちっさい時からの知り合いなんやわ」

提督「ん? あ、ローグの兄ぃ!」スタスタ

??「! おー、櫂! 久しぶりやなぁ、すっかり立派になってからに」

提督「兄ぃは全然変わらねぇなぁ」

艦娘「兄ぃ?」

提督「あぁ、紹介するよ、この人は憲兵団の副団長の法田 宮彦(ほうだ みやひこ)。俺が小さい頃から世話になってるお兄さんみたいな人だ」

副長「よろしくなぁ皆。法田っていいます」

文月「?」

 

161: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:15:30.11 ID:Q1IxI1jM0

北上「何で日本刀持ってんの?」 フー・・・・・・ン・・・・・・

副長「ん? あぁ、俺がそれなりの達人やからや」ニシシ

北上「それなりって、中途半端だねぇ」フー・・・・・・ン・・・・・・

副長「なはは、こらまた手厳しい指摘やわ」チャキ

艦娘「っ!?」ギョッ

副長「」ヒュッ

北上「ひぃっ!?」ビクッ

副長「あぁ、悪ぃ悪ぃ。北上の頭の2cm上に蚊が飛んどってな」スッ

艦娘「あっ!」

大和(た、確かに蚊が刃に付いてる)

副長「あり? 頭と体の関節狙ったんやけど、ちょいズレとんなぁ」つ布巾

提督「相変わらずの動体視力と剣術だなぁ」

副長「まぁ、これくらいやったらな」フキフキ

チャキ・・・・・・チン

北上「え・・・・・・え? 何、あたしの頭の上を飛んでる蚊の関節を狙って、それが簡単?」ボーゼン

提督「親父と叔父貴が別次元過ぎて目立たないけど、兄ぃも艦娘より強いからな。特に剣術なら艦娘に指導するくらいだ」

金剛「よく伊勢や日向、天龍や龍田がlesson受けてボコボコにされてたネ」

副長「久々に櫂もしごいたろか?」

提督「遠慮しときます」

 

162: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:16:06.78 ID:Q1IxI1jM0

文月「ねぇねぇ」

提督「?」

副長「ん? 何や?」

文月「副長さん何で左手の小指が動かないの?」

艦娘「!?」

提督「文月、それは今聞くべき事じゃ」

副長「まぁまぁ、疑問持つんは、ええ事やでな」

文月「?」

副長「俺の小指はな、昔詰めたんや」

文月「つめるー? なにそれー?」キョトン

大和「文月ちゃん、もっと大きくなったら教えてあげますね」

文月「? 分かった~」

吹雪「・・・・・・」

北上「え、じゃあマジモンなの?」

副長「元な。ふっるいとこやったんやわ」ニシシ

副長「まぁ昔の話やからな」

利根「逞しいのぅ」

副長「ほれ、つまらへん俺の話は終わりや。何か用事あるんちゃうんか?」

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ーーーーーー

 

163: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:16:46.65 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「司令官は何処に行ったのかなぁ?」

大和「提督なら確か元帥殿に話があるって連れて行かれましたけど」

提督「呼んだかお前ら?」ヌッ

北上「あ、帰ってきてたんだ」

提督「えー、俺の必死な説得も虚しく。今から元帥直々の鬼トレをする事になりました」

艦娘「い、今から!?」ギョッ

提督「というわけで、動ける服装に着替えてグラウンドに集合しましょう。因みに俺も強制参加だから」スタスタ

ーー
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ーーーーーー

グラウンド

元帥「諸君、儂の思いつきに付き合ってくれてありがとう。ではこれより、本場の鬼トレを開始するぞい!」E:迷彩軍服・ペレー帽・サングラス・葉巻

艦娘(アンタが元ネタかい!!)

元帥「儂はトレーニングとなれば厳しいぞ。そこのハナタレの青二才とは比べ物にならんくらいにな!」ジロ

提督(息子に対して散々な言いようだなぁおい・・・・・・)イツモノコトダケド

元帥「櫂から内容を聞いたが、儂の場合はもう一捻りあるぞい」

艦娘「?」

提督「はぁ・・・・・・(エンジンかかっちまったなぁ)」

元帥「なに、今までのメニューに制限時間を設けるだけじゃよ」ニヤリ

大和「せ・・・・・・!?」

吹雪「制限時間!?」

 

164: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:17:37.46 ID:Q1IxI1jM0

元帥「左様。時間をかければどれだけ体力の無い者も終わらせる事は可能じゃ。それを如何に素早く行うか、じゃよ」

提督「俺は早くて3時間が限界だった」

元帥「最初という事も考慮してサービスじゃ、制限時間は4時間としよう」

北上「4時間なら、まぁ・・・・・・」

利根「うむ、それ程苦では無いのぅ」

提督「お前ら親父のスパルタさを知らねぇからそんな事言えるんだよ」

元帥「制限時間以内に終わらなかった場合ペナルティじゃからの。では始めぃ!」スッ

ーー
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ーーーーーー

元帥「はっはっはっ!! いやはや、皆の日頃の訓練の成果、よく見せてもらったわい。まさか儂のトレーニングを初めて受けてここまで持ち堪えるとはのぅ」

艦娘「」チーン

提督「だから・・・・・・言ったのに・・・・・・・」ゼーッゼーッ

北上「ま・・・・・・まさか・・・・・・元帥が」ボロッ

大鳳「ランニング中に・・・・・・妨害して来るなんて」ボロッ

吹雪「バ、バスケットボールが凄い勢いで飛んできた・・・・・・」ガタガタ

文月「背中痛いよぅ」シクシク

利根「吾輩も・・・・・・あ、脚が・・・・・・」ズキズキ

大和「も、もう動けません・・・・・・」グッタリ

元帥(ふむ、櫂はともかく、大和だけはボールを全て避けておったな。前や横だけでなく、後ろからのボールさえも)

 

165: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:18:22.61 ID:Q1IxI1jM0

元帥「さて、次は組み手をするわけじゃが。ほれ、儂が全員相手してやるぞい」

北上「い、言ってくれるじゃん」ユラァ

大鳳「先ほどの妨害には面食らいましたが」

利根「流石に7対1では勝てまい!」

提督(あ、俺も入ってんだね)

文月「行くよぉ」

吹雪「覚悟!」バッ

大和「あ、ちょっと皆さん!?」ギョッ

元帥「ふむ」

先陣を切って飛び込んだのは吹雪と大鳳だった。得意の乱打を放つ吹雪と

吹雪「やぁぁっ!」ババババ

持ち前の踏み込みを活かした重い拳を放つ大鳳

大鳳「はぁっ!」ブンッ

ガシッ

吹雪「ふぎゃっ!?」

ズドンッ!!

大鳳「なっ!?」

元帥「なかなかやるのぅ」

しかし、その二人を元帥は苦もなく防いだ。その左手は乱打を放つ娘の顔を正面から掴み、その右手は体重の乗った拳を軽く受け止めていた。

大和(吹雪ちゃんをアイアンクローで、大鳳さんのジョルトブローを片手で止めた!?)

元帥「ほいっ」ブンッ

吹雪「きゃあっ!?」

大鳳「ひゃあっ!?」

ドカァァァァァァァンッッッ

提督「あ~あ・・・・・・」

 

166: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:19:04.12 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「」ピクピク

大鳳「」ピクピク

投げ飛ばされた二人は壁に叩きつけられ、目を回していた

元帥「うーむ、寄る年波は越えれんか。最近身体が鈍ってしまうのぅ」

間髪をいれずに小さな駆逐艦が躍り出る。一瞬で見上げる大男の懐に飛び込み

文月「とぉ~」バッ

元帥「む?」

バシィィッ

元帥「ふむ」

文月「え?」

その小さな拳は文月の顔より大きな左手で難なく受け止められた

元帥「踏み込みが甘いぞい、文月ちゃん」スッ

元帥は右手の人差し指を親指に引っ掛けた状態で突き出す。いわゆるデコピンであった

文月「デコピン!?」バッ

バチィン

文月「あうっ!?」

ヒュー・・・・・・・

提督「おわ、文月!」バッ

ガシッ

提督「大丈夫か!?」

文月「はにゃ~・・・・・・」グルグル

北上「よっと」バッ

元帥の懐に北上が飛び込む

ガガッ グイッ

胸ぐらと右腕の袖を掴み

元帥「ほ?(掴みに来おったか、背負い投げかの?)」

 

167: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:19:46.99 ID:Q1IxI1jM0

北上「よいしょっ!」グッ

グググッ

北上「!? あ、あれ!?」

元帥「? どうしたのかね?」

北上(あ、上がらない!? 何なのさこの爺さん、足の裏に磁石でもくっついてんの!?)

元帥「投げないなら儂の番じゃよ?」スッ

北上「!? ヤバッ!」バッ

利根「はぁっ!」バッ

バシィィッッッ

元帥「む?」

掴みかかろうとした元帥の右手を利根の前蹴りが弾く

北上「あっぶな、助かったよ利根っち」

利根「やはり元帥は桁違いじゃ、試合感覚では勝てんぞ」

北上「だよねぇ」

元帥「そうじゃな、儂を殺す気でかかってくるがよい」

利根・北上「はぁっ!」バッ

元帥「でないと、つまらんからのぅ」バッ

ガシッ、ガシッ

二人を背中側から掴み、持ち上げた後

元帥「ほいっ」

ドゴォォォォォォォンッッッ

北上「」チーン

利根「」チーン

提督「頭から地面に突き刺さった・・・・・・」

大和「瞬殺・・・・・・ですか?」ゾッ

元帥「さて、後はお前達二人じゃよ」

大和「っ!!」

提督「その前にその二人を引っこ抜かせてくれ」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

168: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:20:38.11 ID:Q1IxI1jM0

艦娘「元帥怖い元帥怖い・・・・・・」ガタガタブルブル

大和(五人とも端っこで体育座りしちゃいましたよ)

提督「はぁ・・・・・・」

大和「提督、大和を先に行かせてください」

提督「・・・・・・長門姉の時といい、お前の積極性には脱帽だよ。本当にいいのか?」

大和「はい」

提督「・・・・・・まぁ、お前のそんなとこが好きだけどな」ボソッ

大和「えっ!?////」カァッ

提督「何でもねぇよ」

大和「はぁ・・・・・・」スッ

元帥「・・・・・・」

大和「っ!」ダッ

元帥「!」

ズドドドドドドドッッッ

ラッシュ。戦艦の筋力を遺憾なく発揮し、仁王立ちする巨漢を殴り、

大和「はぁっ!」

ドガガガガガガガッッッ

蹴り、殴り・・・・・・

元帥「・・・・・・ふむ」スッ

バシィィッッッ

大和「なっ!?」

元帥「随分と重い拳じゃのぅ、長門に痛みを感じさせ、その場から動かしただけの事はある」

大和「まさか片手で受け止められるとは」

元帥「なんのこれしき。赤子の拳じゃよ」

大和「でしたら!」ブンッ

左手を掴まれた状態から跳ね上がるように放った右膝の飛び蹴りは

元帥「!」

ズドォォォォォォォォンッッッ

元帥の鳩尾に深く沈んだ。だが・・・・・・

大和「っ!?」ギョッ

元帥「鳩尾に膝蹴りか・・・・・・常人ならばこれでケリはついたかの」

大和(そ、そんな・・・・・・これでも効いてないの!?)

提督(親父と叔父貴は普通の人間よりも数十倍、骨密度と筋肉密度が高い。いわば天然の鎧を纏ってるようなもんだ)

 

169: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:21:26.11 ID:Q1IxI1jM0

元帥「さて」ガシッ

大和「っ!?」

元帥「ほいっ」ブンッ

大和「きゃあっ!?」

ドガァァァァァァァァァンッッッ

提督「っ!」

大和「うぅ・・・・・・」

元帥「ふむ、皆筋は良いし力も十分じゃ(しかし、奴を相手にするにはまだ足りんかのぅ・・・・・・。奴を倒す望みがあるとしたら、やはり大和ちゃんか)」

元帥「で、お前は来ないのか?」ジロ

提督「はいはい、やりますよ(だから会議に行くのは嫌なんだよ)」ハァ

タッタッタッタッ

提督「はっ!」ブンッ

バキィィィィッ

元帥「ぬっ!」

元帥「せいっ!」ブンッ

ドムッ・・・・・・

提督「うぐっ!?」ヨロッ

大和「提督!!」

元帥「ほれどうした、もっと打ってこんか!」

提督「っ!」バッ

ドカッ、バキッ、バシッ、ゴキッ

元帥「何じゃその甘い打ち込みは!」

バキィィィィッ

提督「っ!?」

ドシャッ・・・・・・

元帥「全く、全然変わっておらんではないか。さては暫く組み手をしておらんな?」

提督「ゲホゲホッ、はぁ、はぁ・・・・・・」

元帥「もう一度鍛え直しじゃ。いつも言っておるじゃろうが」

提督「っ! ・・・・・・」

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ーーーーーーーー
ーーーー

 

170: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:22:03.73 ID:Q1IxI1jM0

長門「はぁっ!!」フッ

ズドドドドドドドドドッッッ

元帥「せい!」バッ

バキィィィィッ

長門「がはっ!?」

霧島「ふっ!」ブンッ

ドカァァァァァァァンッッッ

元帥「甘いぞい」パシッ

霧島「なっ!?」グルグル

ブンブンブン・・・・・・

元帥「ほっ!」ブンッ

バコォォォォォォォォンッッッ

霧島「うぁっ!?」

赤城「はっ!」ブンッ

加賀「ふっ!」ブンッ

ガシッ、ガシッ

元帥「はぁっ!」ブンッ

ドカァァァァァァァンッッッ

バコォォォォォォォンッッッ

赤城「きゃっ!?」

加賀「うっ!?」

ドカァァァァァァァン

バゴォォォォォォン

ホレカカッテコイ、ヒヨッコドモ!!

提督(7歳)「・・・・・・」

 

171: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:22:49.92 ID:Q1IxI1jM0

榛名「どうしたのですか、櫂」

提督「何で毎日父さんは長門姉達をボコボコにしてるの?」

榛名「ボコボコにしてるわけでは・・・・・・」ニガワライ

榛名「お父さんは長門さん達を鍛えているんですよ」

提督「何で父さんが? 艦娘(皆)の方が人間より強いんじゃないの?」

榛名「それは本人に聞いてみましょうか」フフッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「父さん」

元帥「む? 何じゃ櫂」

提督「何で父さんは艦娘(皆)より強いの?」

元帥「簡単じゃよ、儂は他人より身体の構造(つくり)が頑丈なんじゃ。じゃから艦娘と殴りあえるのじゃよ」

提督「・・・・・・そっか」

元帥「? どうかしたかの?」

提督「俺は父さんみたいに強くはなれないよね」

元帥「? 何でそう思うのじゃ?」

提督「血が繋がってないから遺伝しないし。だから俺は父さんみたいに艦娘と組み手できないよ」

元帥「櫂、何も身体の頑丈さが力の全てではないぞい」

提督「? どうして?」

元帥「力の強さは何も身体が強いからではない。問題は心の強さじゃよ」

提督「心の強さ?」

元帥「そうじゃよ。儂ら軍人はいわば祖国の為に盾となる存在じゃ。皆を守る為には強くなければならん。そう心得ておくだけでもかなり違うぞい」

提督「・・・・・・」

元帥「儂らが戦っておる深海棲艦は、人間(儂ら)では太刀打ちできん。故に艦娘の皆に代わりに戦ってもらっておるのじゃ」

提督「でも父さんはその皆より強いじゃん」

元帥「陸ではな。奴らが海の上で戦ううちは人間に勝ち目はない。艦娘だけが、海上で戦えるのじゃよ」

 

172: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:23:58.45 ID:Q1IxI1jM0

元帥「しかし、全てを彼女達に任せ、自分だけは安全な場所でのうのうと暮らすのは無責任じゃ。儂ら提督が弱いままでは、もしもの時に彼女達の足でまといになりかねん。故に儂は彼女達と共に己を鍛える事で、足を引っ張る事なく、いつか来る戦争の集結の瞬間を全員で迎えたいと思っておる」

提督「・・・・・・」

元帥「よいか、腕っ節が強くなくともよい。じゃが、軍人となり大切な者達を守りたいならば、強くならねばならん。頭と心、そして身体を鍛える。強くなろうと心に決めれば、それ相応の力はちゃんとついてくれる」ナデナデ

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー

提督「・・・・・・」グッ

元帥「お前が弱いままでは、いつか皆の足を引っ張る。弱い者が誰かを守る事はできんぞ」

提督「分かってる・・・・・・」ダッ

そう、弱いままでは戦場で彼女達の足を引っ張ってしまう。だからこそ父は恵まれた体躯を活かし、艦娘と共に強くなる事を選んだ。そしてその背中に自分は憧れたのだ

大和「提督・・・・・・」

提督「オラァッ!」ブンッ

元帥「ふっ」ブンッ

ドゴォォォォォォォンッッッ

提督「ゲホッ」ゴフッ

ビチャッ

大和「っ!!」

提督「まだだ、まだまだ!」ダッ

重い拳に意識を失いかけるも、必死で立て直す提督、それを見て元帥は

元帥「そうじゃ。気を強くもて!」

血を吐く提督を鼓舞する

提督「分かってる!」バッ

バキィィィィッ

ドカァァァァッ

元帥(櫂、お前は昔から聞き分けのよい子じゃった。多少の反抗期はあれど、基本的には優しい心の持ち主じゃったな。父として、上官として接してきたが、お前は儂の望んだように優しく、そして強い男に育ってくれた。儂は嬉しいぞぃ)

元帥(今のお前達ならば十分力をつけておる。じゃが、今の強さに満足してほしくはない。せめてこの戦いが終わるまでは、もっと高みへ行こうという向上心を持っていてほしい)

 

173: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:24:52.81 ID:Q1IxI1jM0

提督「はっ!」ブンッ

元帥「・・・・・・」ブンッ

ドカァァァァァァァンッッッ

提督「っ!?」ヨロッ

ドシャッ・・・・・・

大和「提督!!」タッタッタッ

吹雪「司令官!!」タッタッタッ

提督「あ~、も、無理だ」

吹雪「またこっぴどくやられましたね」

提督「だから会議行きたくねぇんだよ」

元帥「まあ、昔と比べて強くはなっておるからのぅ」

大和「でもやり過ぎです! 死んでしまったらどうするんですか!?」キッ

元帥「あれしきで死ぬようなヤワな訓練はしとらんよ」ポイッ

提督「大和、いいんだ」パシッ

大和「提督、ですが・・・・・・」

提督「親父、ありがとうな」つ傷薬

元帥「明日までに傷を癒せ。一時間後にご飯じゃ」スタスタ

テイトク、キズヲミセテクダサイ

ダイジョウブダッテ、ジブンデヌレル

ダメデスヨ、シレイカン ガシッ

ホレホレ、フクヌゲー

チョッ、オイコラ、フブキ、キタカミ!?

ガマンシテクダサイネ、テイトク

マ、マテヤマト、チョッ、ギャァァァァァッ!!?

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

174: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:26:06.49 ID:Q1IxI1jM0

翌日

提督「あ~ダルっ、めんどくせぇなぁ」

大和「何で会議中寝てたんですか!」

提督「だってつまんねぇもん」

副長「せやかて寝たらあかんやろ、会議中ガンさん眉間に皺が寄りっぱなしやったで」

提督「! そうだ兄ぃ、久々に稽古つけてくれよ」

副長「何やな藪から棒に? まあ、ええけど」

副長「鋼か竹か、どっちや?」

提督「竹で」即答

大和「鋼か竹ってどういう意味ですか?」

提督「真剣か竹刀かって事」

副長「おし、30分後にグラウンドな」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

バシッ、バシバシッ

竹刀の打ち合う音が響く。提督は手に持つ竹刀を上段、下段と打ち込む

提督「せいっ」ブンッ

しかし対する副長は

副長「お?」

バシッ

左手だけで持った竹刀で容易く受け止め、流していた

大和「さっきから提督が攻めてますね」

文月「いけー、司令かーん!」

吹雪「副長さんは受けてばかりです」

北上「・・・・・・」

大鳳「? どうしました?」

利根「珍しく静かじゃな」

北上「副長さん、全然本気じゃないよ」

艦娘「え?」

北上「普通、剣は提督みたいに両手で持つんだよ。でも副長さんは片手、しかも左手で持ってんじゃん」

吹雪「あっ」

北上「しかも副長さんは左手で剣を握る力は半減してるから、力はそんなに入らないはずなのに、それで提督の剣を易易と防いでるあたり、ねぇ」

バシッ、バシッ

提督「やっ!」ブンッ

ここぞとばかりに上段を決めようとした提督を副長は

 

175: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:28:17.98 ID:Q1IxI1jM0

副長「アホ!!」ブンッ

バシィィッッッ

提督「いだっ!?」

副長「打ち込む時は、衝撃の瞬間に強く握り直せっていつも言うとるやろが!」

提督「うぅ、忘れてた・・・・・・」

副長「まぁええわ、ほな俺もそれなりの力出すか」シュル

バサッ・・・・・・

艦娘「っ!?」

北上「やっぱマジモンだったんだ・・・・・・」

文月「ほわぁ、虎と龍だー」

利根「前の左胸のは桜吹雪かの?」

吹雪「っ・・・・・・」ゴクッ

大鳳「あ、あぁ・・・・・・」

副長「行くで、櫂」スッ

提督「・・・・・・」スッ

副長「」

提督「」

艦娘「っ・・・・・・」ゴクッ

北上(提督は普通の構え、副長さんは居合の構え・・・・・・)

提督「せぇぇぇぇいっ!!」ブンッ

副長「居合・・・・・・」スッ

ガルルル・・・・・・

提督「っ!? やべっ」

艦娘(!? ド、ドラゴンのオーラ!?)

ガォォォォォォッッッ

副長「飛竜一閃(ひりゅういっせん)!!」ブンッ

バシィィィィィィッッッ

提督「ぐぁっ!?」

ゴァァァァッッッ

副長「強襲!!」

バシィィィィィィッッッ

提督「ぐへっ!?」

グォォォォォォッッッ

副長「角竜一突(かくりゅういっとつ)!!」

バシィィィィィィッッッ

提督「う・・・・・・」フラフラ

ドシャッ・・・・・・

提督「ま、参りましたぁ・・・・・・」グルグル

大和「居合の切り上げから即座に袈裟斬り、そして突き・・・・・・」ゾッ

北上「い、一瞬副長さんの周りにドラゴンのオーラが映って見えた・・・・・・」

 

176: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:28:55.36 ID:Q1IxI1jM0

副長「ありゃりゃ、ちとやり過ぎたわ」

提督「流石だよなぁ、兄ぃは」ムクッ

副長「まぁ、お前もそれなりには強なっとんな。これやったら大丈夫やろ」

提督「そっか、良かった。ありがとう」

大和「最初は攻めていたんですけど」

副長「もうそろそろ午後の会議始まんで」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「大和、さっきのを含めて会議を傍らで聞いていてさ」

大和「はい」

提督「提督連中をどう思う?」

大和「はい? どういう事ですか?」

提督「艦隊の編成は完全に着任した艦娘に影響してるけど、大体の傾向は掴めただろ?」

大和「朧気ではありますが」

提督「"初期艦制度"の内容が少し変わったからな。例えばロリコンの少将の鎮守府艦隊は水雷戦隊で編成したものだし、中将は航空機好きだから、艦隊を航空戦力で固めている。そして今日は来てねぇけどドイツ艦のみで構成された艦隊を持つ提督もいるんだぜ」

大和「提督達も好みが影響するんですね」

提督「とりあえず今日は終わりだ。先に部屋に帰ってろ」

大和「分かりました」スタスタ

アラ、フブキチャン

ヤマトサン、カイギオツカレサマデス! ドウデシタ、テイトクレン?

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

177: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:29:34.17 ID:Q1IxI1jM0

元帥「すまんのぅ呼び出して」

提督「呼び出す口実を作るためにわざわざ会議に居眠りさせるなんてな」

提督「で? 話って何だよ」

元帥「今から4年前、儂らが深海棲艦との最終決戦に挑み、そして勝利をした大規模作戦。あの時に奴らの本拠地を叩き、大部分を撃滅した。故に深海棲艦はそれ以降数を増やす事が不可能となり、この戦争に終わりが見えた。その後4年間、お前や皆の活躍により、奴らは既に絶滅寸前。勝利は目前のはずじゃった。じゃが・・・・・・」

提督「? 何だよ」

元帥「儂には一抹の懸念がある。あの時、あの決戦の場から儂らはある一体を逃したのじゃ。そいつはいわば深海棲艦のリーダー。普段戦う奴らや姫級を艦娘とするならそいつはさしずめ提督のようなものじゃ」

提督「っ!?」

元帥「特筆すべきは奴の強さじゃ。この艦隊の最高練度の艦娘達を相手に単体で渡り合い、殆どダメージを負っていなかったのじゃ」

提督「長門姉や赤城姉、金剛姉達と渡り合ってほぼ無傷!?」

元帥「あの決戦から奴の目撃情報が一切ない。それが心配じゃ」

提督「・・・・・・それを俺に言ってどうしろと? 正直そんな奴となんか戦えねぇよ」

元帥「唯一・・・・・・」

提督「?」

元帥「唯一、奴と戦える艦娘がおるとすれば、それは大和ちゃんじゃ」

提督「なっ!? 大和が!?」

元帥「今でこそあの実力じゃが、あの娘を鍛えれば恐らく、いや、必ずや長門達を凌駕するじゃろう」

 

178: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:30:19.17 ID:Q1IxI1jM0

提督「大和をどうしろって言うんだよ。暫く親父が鍛えるってか?」

元帥「そうじゃ。良いかの?」

提督「・・・・・・あいつは、確かにスゲー奴だよ。皆からも慕われてるし、実力も折り紙つきだ。それでも奴とはまだ戦えねぇ・・・・・・か」

提督「分かった。じゃあ親父、暫く大和をこっちで鍛えてくれ。その代わり条件がある」

元帥「? 何じゃ?」

提督「他の奴らも一緒に置いてやってくれねぇか? 吹雪、北上、大鳳、文月、利根。大和を親父が鍛えている間、叔父貴や兄ぃに稽古をつけさせるなりして、この五人を傍に置いてやってほしい」

元帥「無論じゃ。元より長門達を動員してあの五人も鍛えてやりたいと思っていたところじゃ」

提督「どうかよろしくお願いします。・・・・・・"元帥"」土下座

元帥「うむ。上官として、父として、承知した」

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ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー

翌日

吹雪「・・・・・・分かりました」

北上「まぁこのままやられっぱなしもなんか嫌だもんね~」

大鳳「必ずや見違える程強くなって見せます!」

利根「期待しておれよ提督!」

文月「司令官・・・・・・」シュン

提督「そんな顔すんなよ文月、強くなって帰って来い」ナデナデ

文月「うんー」

 

179: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:31:08.12 ID:Q1IxI1jM0

大和「提督」

提督「ん?」

大和「提督の考えは理解しました。この大和、必ずやその名に恥じぬ強さを得て帰投致します」

提督「おう、楽しみにしてるぜ!」ニカッ

大和「っ!!////」カァッ

元帥「任せてくれ、この六人は儂が責任をもって預るぞい」

提督「あぁ。じゃ、俺はこれで」クルッ

大和「提督!!」タッタッタッ

提督「ん?」

大和「んっ・・・・・・!!」

チュッ・・・・・・

提督「っ!?////」

艦娘「なっ!?////」

元帥「おー、これはこれは」ニヤニヤ

大和「ん、んくっ・・・・・・////」

提督「!?!?!?////」

大和「プハッ、ふふ、大和の初めてですよ?」

提督「な、お、おい大和、何を!?////」カァッ

大和「これで大和は暫く頑張れます!」

提督「はぁ!?」

吹雪「い、意外と大胆なんですね、大和さん////」

北上「あたしまで固まっちゃったよ////」

文月「司令官と大和ちゃん顔真っ赤ぁ」ニコニコ

大鳳「い、今の舌入れてましたよね?////」

利根「ガッツリとな////」

元帥「若いとはいいのぅ、儂も新婚の時は母さんと・・・・・・」シミジミ

提督「半世紀以上前の事を思い出してんじゃねぇよ!!////」

 

180: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:31:47.17 ID:Q1IxI1jM0

提督「じゃ、頑張れよ皆!」スタスタ

艦娘「はい!」

吹雪「司令官もしっかり休んでくださいね」

文月「バイバーイ」ノシ

北上「じゃねー」ノシ

大鳳「頑張りまーす!」

利根「身体に気をつけるんじゃぞー!」

大和「」ノシ

吹雪「? 大和さん?」

大和「////」

吹雪「や、大和さんが気絶してる!?」

北上「あー、後でショートした感じか」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

鎮守府

執務室

ガチャ

提督「ふー、帰った帰った」スタスタ

妖精「あ、帰ってたの?」ヒョコ

提督「今着いた、悪ぃな急に留守にして」

妖精「ちゃんと鎮守府は機能させといたよ」

提督「ありがとう、お礼とお詫びを兼ねてほれ、皆で食べてくれ」つビニール袋

妖精「大本営間宮のアイスと駅前の高級プリンじゃん、わざわざありがとね」ウケトリ

妖精「皆ー、お土産だよー!」

ワイワイガヤガヤ

 

181: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:32:28.74 ID:Q1IxI1jM0

提督「・・・・・・」ボーッ

妖精「ん? どひはのへーほく?」モキュモキュ

提督「・・・・・・」ボーッ

妖精「んぐっ、ボーッとして何かあったの?」

提督「え? い、いや、何でもねぇ////」

妖精「何だそういう事か」

提督「あ?」

妖精「大方、大和にディープキスでもされたんでしょ?」

提督「な、何で分かるんだよ////」ギクッ

妖精「おいおい、あたしを誰だと思ってんのさ、妖精さんだぞ?」エリピラッ

提督「何か腹立つな、その仕草とドヤ顔」

妖精「大和、あんたに告白した後もずっと一途に想い焦がれてんだよ。あんたもそろそろケリつけたらどうさ」

提督「・・・・・・」

妖精「このままじゃ大和が可愛そうだし、何よりあの娘が浮かばれないよ」

提督「分かってるさ」

妖精「ごめん、出過ぎた事言って」

提督「いや、アンタは正しい。あの時皆と一緒に励ましてくれた上に、俺が提督に就く際には、わざわざ俺の鎮守府に異動までしてくれた。本当に感謝してるよ」

妖精「今思えば妙な縁だよね、あたしら」

提督「まぁな。よっしゃ、溜まった番組観るぞー!」

妖精「はは、あたし達も同席させてもらうよ、美味しいおやつもあるしね」

ソウトキマレバ、サッソクジュンビダ。 ツイデニバンメシモ、スマシチマオウゼ!

サラトグラスハアタシタチガヨウイスルヨ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

182: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:33:27.29 ID:Q1IxI1jM0

一週間後

提督「・・・・・・って話なんだよ」ニマイチェンジスル

妖精「なるほどね、確かに気になるなぁ、その深海棲艦のリーダーって奴」アタシハサンマイ

提督「だろ、長門姉達でも対してダメージ与えられなかったらしいんだ」セーノ

妖精「あの脳筋軍団が、ねぇ・・・・・・」デーハ

提督「ツーペア」14477

妖精「フルハウス」55888

提督「ありゃ、負けちまった」ホラヨ

妖精「昔はトランプでババ抜きしかできなかった坊やが今やポーカーで遊べるようになるなんてね」アイヨ

話は一時間前、提督は予てから疑問に思っていた事を妖精に質問しようとした。だがそれに対し、妖精は自分に勝ったら何でも答えるが、負ける度に提督からはお菓子を要求するとトランプを持ち出した。そこで2人は真実とお菓子をそれぞれ賭けて、ポーカーを行っているのだ。現在提督の全戦全敗。妖精の側には大量の飴玉やラムネ、チョコが山積みになっていた

提督「話戻すぜ。仮にもしそんな奴がいたらこの鎮守府の艦娘は全滅だ」

妖精「だからあの六人を元帥の元に預けてきたと?」

提督「まあな。これで万一ここにそいつが来たとしても皆がぶつかる必要が無いからな」

妖精「その代わり、あんたは確実に死ぬよ」

提督「だろうな」

妖精「まったく、呑気なもんだよ」

提督「よっしゃ、もう一戦」ニヤ

妖精「次も勝つのはあたしだよ」ニヤ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大本営

吹雪「はぁっ!」ブンッ

文月「やぁっ!」ブンッ

団長「甘い!」バッ

バシバシッ

団長「二人ともまだまだだ、もっと強く踏み込め!」

吹雪「はい!」

文月「難しいよ~」

 

183: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:35:54.09 ID:Q1IxI1jM0

副長「まったく、団長もえらい楽しそうやなぁ。ガンさんといい、何であの兄弟はド突き合いなると高揚するんやろか?」チラッ

利根「はぁっ!」

バキィィィィィッッッ

長門「ふむ、なかなかの蹴りだ。だが」スッ

組んでいた腕を解いて構えようとする長門、だが利根はそれを見逃さず

利根「十八番はもう少しお預け願うかのぅ」バッ

腕が動いた瞬間には既に前蹴りを放っていた

長門「!?」

ズドォォォォォォォォォンッッッ

長門「技を出す前に攻撃する事で防いだか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

北上「そこっ!」ヒュッ

北上の手刀が空を切る。だがそれが相手に当たる事は無かった

??「遅いよ!」ブンッ

北上「っ!?」サッ

一瞬で背後に回った影は北上に蹴りを放つ。それを間一髪で躱す

北上「全く、怖い人だねぇ川内さん」

川内「なかなか筋はいいと思うよ。私の攻撃を初見でここまで躱すなんて。一週間指導してるけど殆ど出しちゃったし、もうそろそろネタ切れかな」

北上の戦闘スタイルを聞いた元帥は、自身の艦隊から同じような戦い方をする艦娘を選出した。それが彼女、軽巡川内であった。自他共に認める夜戦好きの彼女は相手を撹乱させる天才だった。夜の暗闇に紛れ、敵艦が気づいた時には既に背後を取られている、正に忍であった。特段力に秀でたわけでもない川内は、それを補って余りある技術を以てして夜戦のエキスパートとなったのだ。

北上「まさか『夜霧の忍姫(よぎりーにんき)』に指導してもらえるなんてね」

川内「何で私の渾名知ってるの? って、あぁ、櫂か。夜間および視界の悪い場所での戦闘に特化した『夜戦隊』隊長の力、教えてあげるよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

184: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:36:22.98 ID:Q1IxI1jM0

副長「あの二人は飽きへんなぁ、一週間も同じ相手で。俺やったら絶対飽きるわ」

陸奥「長門も何だかんだで楽しいのよ」

神通「姉さんも少しウキウキして見えます・・・・・・。那珂ちゃんはどう思います?」

那珂「那珂ちゃんもそう思うな~。川内ちゃん楽しそう!」セカセカ

副長「ん? 何や那珂、さっきから服整えてばっかやけど」マイクマデモチダシテ

那珂「だって皆ヘトヘトだよ? 艦隊のアイドル、那珂ちゃんが皆の疲れを癒さなきゃ!」つマイク

副長「頼むから止めて、お前の歌聞いとると何でか俺ら外野が恥ずかしなるから」

陸奥「確かにねぇ。あれは私達が恥ずかしいわ」

那珂「ちょっとどういう事!?」ガビーン

神通「あ、あははは・・・・・・」ニガワライ

 

185: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:37:01.04 ID:Q1IxI1jM0

大鳳「・・・・・・」

大鳳は静かに目を閉じて立っていた。その周りには膨大な数の艦載機が飛び回っている。100近い数は、彼女のキャパシティを大きく超え、本来ならその表情には疲労が見えるはずだ。だが大鳳の顔はまるで艦載機など飛ばしていないかのようなリラックスした表情だった。それでいて艦載機は1機たりとも動きにブレは生じていない

ブォォォォォォォォン・・・・・・

キィィィィィィィィン・・・・・・

大鳳「・・・・・・!」カッ

大鳳は閉じた両目を開く。その視界に飛び込んできたのは・・・・・・

赤城「!」

加賀「よく気づいたわ」

赤城と加賀の二人は一気に間合いをつめ、左右からストレートを放つ

大鳳「はっ!」バッ

大鳳は両側から迫る拳を受け止め、即座に反撃のカウンターパンチを繰り出す。それとほぼ同じタイミングで周りを舞う艦載機が一斉に離れた場所にあった的に殺到し、集中砲火を浴びせた。一航戦の二人との訓練で、大鳳は自身が他の事に気を向けている間にも艦載機を正確に且つ大量に操れるようになった。その上、体術も以前より上達していた

赤城「・・・・・・やはり貴女には素質がありましたね」

加賀「えぇ。まさかたった二週間でこれ程上達するなんて」

大鳳「お二人にはとても感謝しています。そして提督にも」

赤城「櫂にですか?」

大鳳「はい。嘗て落ちこぼれの出来損ないと言われていた私を提督は引き取り、大切な仲間、家族だと言ってくださいました。それに以前、提督が言っていました。『お前は磨けば燦然と輝く宝石になる』って。私は宝石ではありませんが、彼のお陰で自分を変える事ができたんです!」

加賀「ふふ、櫂らしいわ」

赤城「全くです」

副長「空母組も良好やな。さて、問題はあの二人やわ」チラッ

陸奥「確かに」チラッ

神通「あの、大丈夫でしょうか・・・・・・?」

 

186: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:37:34.13 ID:Q1IxI1jM0

元帥「もう終わりかの・・・・・・?」

傍観組が見つめた先、そこには元帥が仁王立ちしていた。全身泥や血に塗れ、額からは血が流れていた。だがそれを気にする素振りも見せず、ただただ下を見つめている。その視線の先には

元帥「大和ちゃんや」

大和「う・・・・・・うぐ・・・・・・」ググッ

ボロ雑巾としか言いようのない姿の大和が倒れていた

元帥(全く、恐ろしい娘じゃ。たった二日で儂が出血するとはのぅ。一週間で既に儂に追いつかんという勢いじゃ)

元帥「しかしこの一週間でここまで強くなるとは、なかなかの素質。櫂(あのバカ)には些か勿体ない逸材じゃ」

大和「っ・・・・・・!?」ピクッ

元帥「(ふむ、やはり食いつくか)大和ちゃんや、あやつの鎮守府で燻るより、大本営で長門や赤城と共にこの海軍を引っ張っていかn・・・・・・」

大和「今・・・・・・何て言いました?」ググッ

元帥「む?」

普段からは想像のつかない大和の低い声。まるでダメージが全回復したかのようにゆっくりと、しかし力強く立ち上がる。元帥をしっかりと見据えるその眼は怒りに燃えてすらいた

大和「幾ら元帥とはいえ、幾らお父上とはいえ! 提督を貶める輩を!! 大和は許さない!!」

 

187: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:38:12.38 ID:Q1IxI1jM0

この一週間大和を鍛えてきた元帥は、ある事に気づく。
提督(息子)の鎮守府の艦娘は彼をとても慕っていた。危険な段階にこそ達していないが、彼を批判する声には露骨に不快感を表すのだ。
そしてそれが最も顕著に表れているのが、提督に恋心を抱いている大和であった。
大和は提督が自分達の事を思い、その未来を案じて教育をしてきた事を、自分達に負担を強いる事の無いようにと書類仕事を一手に引き受け、己の時間を削っている事を、戦えない提督自身に代わり深海棲艦と戦う自分達艦娘の苦楽を共にしようと努力している事を熟知していた。
それ故に彼女にとって、提督を批判する声は許し難いものであった。

元帥(無論人当たりも良いあやつを批判する者は殆どおらん。それ故に過剰に反応を示すようじゃな)

元帥(あの娘も確か、櫂の悪口に過剰に反応しておったのぅ)

ヤマ『櫂ちゃんの事をバカにしないでよ、この髭ジジイ!!』

元帥(全くあやつめ、そのうち刺されるんじゃないかのぅ)

大和「覚悟・・・・・・」スッ

元帥はこの事を見事に利用した。提督を非難すると、大和は直ぐに立ち上がり、向かってくる。しかも彼女の身体能力はぐんぐんと上昇していくのだ。そして元帥は確信した

元帥(この娘が覚醒する鍵は櫂が握っておるのぅ)

大和「はぁっ!!」バッ

ーー
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ーーーーーー

 

188: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:39:01.15 ID:Q1IxI1jM0

元帥「いやはや、修行のためとはいえすまなかった。儂も息子を非難していて心が痛かったぞい」

大和「いえ、大和も申し訳ございませんでした」

その後立ち向かった大和は元帥にまたしても叩き伏せられ、そこで本日の修行は終了。艦娘達は全員入渠し、高速修復材も使用し今に至る

副長「にしても大和すごいなぁ。たった一週間でガンさんとド突き合えるなんて」

団長「うむ。流石は大和だな」

吹雪「やっぱり大和さんはすごいです!」

北上「やっぱ、ラブパワーじゃない?」ニヤニヤ

大和「な、何を・・・・・・////」ボンッ

大鳳「いや、目の前であんなキス見せられたら誰でもそう思いますよ」

文月「司令官とラブラブだもんねー」ニコッ

利根「もういっそ押し倒したらどうじゃ?」

大和「や、止めてくださいぃ////」カァッ

・・・・・・

大和「!」ピクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

提督「せーの」

妖精「でーは」

提督「フォアカード」58888

妖精「フォアカード」74777

提督「俺の勝ちだ」

妖精「ありゃりゃ」

提督「約束通り、色々教えてくれ」

妖精「分かった、答えられる範囲なら何でも答えるよ」

 

189: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:39:36.66 ID:Q1IxI1jM0

提督「ありがとう。じゃあ先ず、これについて教えてくれ」つ傷薬

妖精「妖精印の傷薬だね。一週間でどんな外傷も、二週間で複雑骨折すらも完治する優れものだよ」

提督「その効力もスゲェけど、問題はそこじゃねぇ。俺がこれを使った時、傷が一瞬で塞がり、砕けた骨も元通りになった。他の同期達もこの傷薬は使用してるけど、これ程早くは治らない。何故俺だけがこんなに異常な程の回復が可能なんだ?」

妖精「まず、その薬の説明だけどね。その薬は生命体が持つ治癒力を最大限、いや極限まで活性化させるんだよ。本来長い時間をかけてゆっくりと治癒していく傷を短時間で治せるのはそういう理由さ。傷が塞がるっていうのは細胞分裂によって瘡蓋の下に新たな皮膚を造る事。細胞分裂(その力)を極限まで活性化させるから、傷の治癒だけじゃなく、体組織の再生すらも可能なんだ」

提督「『再生の薬』だと? 御伽噺じゃあるまいし、そんな夢みたいな薬あるわけ・・・・・・」

妖精「妖精(あたし)にそんな事言われてもね」

提督「確かに。悪ぃ」

妖精「ううん。それで、その薬は妖精でも安定した製造が難しい。加えて軍事機密でもあるから、病院や薬局じゃ当然扱っちゃいない」

 

190: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:40:25.77 ID:Q1IxI1jM0

妖精「そして何で提督にはこれが異常に効くのかって話だけど、効きやすい身体だからとしか言えないよ」

提督「効きやすい体質って、あっさりし過ぎだろ!?」

妖精「実を言うと、元帥と団長の兄弟はこれが異常な程効くんだよ」

提督「は!? でも俺は親父と血は繋がってないから体質を受け継ぐのはおかしいぞ!」

妖精「確かにあんたは元帥の実の子供じゃない。けど何も遺伝だけが体質を受け継ぐわけじゃないよ」

提督「・・・・・・どういう事?」

妖精「あんた、"あの時"の大量出血で死にそうだったんだよ。その時に同じ血液型だった元帥が迷わずあんたに輸血したんだ。あんたの中には元帥の血が流れているんだよ」

提督「それこそ辻褄が合わねぇ。赤の他人だった俺が親父の血を取り込んで体質が似てきたなら、軍の連中に片っ端から輸血すりゃいいじゃねぇかよ。艦娘以上とはいかなくても、常人より遥かに強くなれる」

妖精「その通り。そう考えた科学班は同じ血液型の軍人達に輸血した。でも誰一人として元帥の体質を受け継がなかったんだ。あんただけを除いてね」

提督「・・・・・・」

妖精「だからね、あたし達はある推測を立てたんだ。すごく突拍子も無い馬鹿げた推測をね」

提督「推測?」

妖精「もしかしたら、元帥と団長の特異体質は、隔世遺伝みたいに発現する妖力や霊力の類では? ってね」

提督「妖力!?」

妖精「もしそうならあんただけが体質を受け継ぐ事ができたのも納得できる。霊力や妖力の類は、使用者と酷似した何かを持っている人の方が発現しやすいんだ」

提督「? ・・・・・・??」

 

191: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:41:06.48 ID:Q1IxI1jM0

妖精「提督は元帥に育てられた。だからあんたは元帥を海軍の誰よりも近くで長く見ているでしょ?」

提督「まさか・・・・・・そんなバカな・・・・・・」

妖精「あくまでこれは推測、仮定の話だ。でも、もしそうなら提督はあの驚異的な治癒力と共にあの身体の頑丈さが発現しているはずだよ」

提督「確かに気になってた。何で親父のパンチとか食らっても死なねぇのか」

妖精「他に質問は?」

提督「・・・・・・いや。特にねぇ、大丈夫だ」

妖精「そう。何かあったら何時でも言いなよ?」

提督「あぁ、分かって・・・・・・」ピクッ

・・・・・・

提督「・・・・・・」

妖精「? どうしたのさ?」

提督「・・・・・・どうも嫌な予感が当たったみたいだ」スッ

妖精「はぁ?」

提督「全妖精に連絡。沿岸部の住民に避難勧告を出し、住民を非難させろ」

妖精「っ!? 分かった!」テテテテ

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192: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:41:46.46 ID:Q1IxI1jM0

大本営

大和「・・・・・・」

元帥「・・・・・・」

団長「・・・・・・」

副長「・・・・・・」

吹雪「ちょ、皆さんどうしたんですか!?」アセアセ

文月「っ!?」ガタガタ

北上「! 文月、どうしたのさ?」ナデナデ

文月「司令官が・・・・・・司令官がいなくなっちゃう・・・・・・!!」ガタガタ ギューッ

利根「? あやつは元々ここにおらんじゃろうが」

大鳳「どうしたのでしょうか・・・・・・」

バタンッッッ

大淀「げげげ、元帥っ! き、緊急事態、緊急事態です!!」

元帥「大淀、何じゃ、何が起きた」

大淀「深海棲艦が三体出現しました!」

北上「三体? たったの?」

副長「その三体、えらい奴やな」

大鳳「え?」

元帥「大淀。その艦種は分かるかの?」

大淀「内、二体は戦艦棲姫と戦艦レ級、どちらも今までの同種とは桁違いの強さを持った個体です・・・・・・!」

艦娘「っ!?」

大淀「しかも・・・・・・残りの一体は・・・・・・あ、あぁ・・・・・・」ガタガタ

大鳳「? 大淀さん?」

大淀「忘れもしない、このソナー越しに伝わってくる圧倒的な存在感・・・・・・! 間違いなく"奴"です!!」

副長「何やて!?」ガタッ

団長「バカな!?」

大淀「し、しかもその三体が向かっているのは・・・・・・」

元帥「っ!? まさか・・・・・・」

 

193: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:42:25.44 ID:Q1IxI1jM0

大淀「櫂の・・・・・・鎮守府です」

 

 

194: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:43:30.20 ID:Q1IxI1jM0

艦娘「っ!?」ギョッ

元帥「何という事じゃ・・・・・・」

団長「兄者、櫂の鎮守府に!」

副長「!? ・・・・・・どうも奴さんらはそうさせる気あらへんみたいですよ」チャキ

艦娘「!?」

大淀「はい。同時刻、大本営に五体の姫級・鬼号に率いられた大規模な艦隊が接近。もし元帥や団長殿、副長殿がここを空けた場合、艦娘だけではやや苦しい展開となります」

副長「一世一代の大勝負、いや大博打に出たみたいやな」

元帥「残る全勢力を以て全面戦争を仕掛けてきおったか」

団長「ここにいる現役の艦娘は何人だ?」

大淀「はい、長門型二人と一航戦、金剛型四人と川内型三人。綾波さんと敷波さん、島風さん。後は櫂の・・・・・・」

大和「元帥」

元帥「む?」

大和「誠に身勝手な行動、申し訳ございませんが、大和達は提督の鎮守府に戻ります」

元帥「・・・・・・そうか」

吹雪「・・・・・・」

北上「・・・・・・」

大鳳「・・・・・・」

文月「・・・・・・」

利根「・・・・・・」

大和「どうか、許可を」

元帥「元よりそのつもりじゃったよ。確か艤装は持って来ておるな、お主達は鎮守府に向かうのじゃ」

艦娘「はっ!!」ビシッ

団長「大淀君、艦娘達に報告を!」

大淀「了解しました」タッタッタッ

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ーーーー
ーーーーーー

 

195: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:44:17.99 ID:Q1IxI1jM0

数分後

大本営の敷地内、海に面した場所に元帥達は立っていた。周りの艦娘は六人を除き、艤装を展開せず、ただただ海を見ていた

元帥「今のうちじゃ。海岸沿いに海上を行け、早く」

艦娘「はっ!!」

元帥「大和ちゃん」

大和「はい」

元帥「息子を頼んだぞい」

大和「・・・・・・はい!」

ザザザザザザザザ・・・・・・

六人が去った後暫くして

長門「・・・・・・お出ましか」

全員が目を向ける先には赤や黄色の光が朧気にユラユラと映る。やがてその光ははっきりと映るようになり、艦隊の先頭には五体の深海棲艦が構えている。やがて大艦隊は湾内まで侵入し、波止場に上陸してきた

元帥「久しぶりじゃのぅ。まさか貴様が殴り込みに来るとは思いもよらんかったわい」

元帥「南方棲戦姫よ」

南方「久シブリネ、巌山。相変ワラズ、ゴリラミタイナ風貌デ、遠クカラデモスグニ分カッタワ」

元帥「それで、今日も殺し合い(デート)のお誘いかの? 生憎儂は約半世紀、ただ一人の女しか愛しておらんよ」

南方「フン、数十年前ナライザ知ラズ、老イボレニナッチャッタ貴方ニハ、モウ興味無イワ」

 

196: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:45:10.08 ID:Q1IxI1jM0

元帥「港湾棲姫に駆逐棲姫、飛行場姫に離島棲鬼を引き連れて来るとは。護衛艦も殆どが戦艦や空母とはのぅ」

南方「サァ? 他ニモ伏兵ガイルカモネ?」ニヤリ

霧島「なら、その伏兵には退場頂きますね」スタスタ

ジャキキキッ ガチャ ジャコン

南方「砲ヲ降ロシナサイ。無駄ヨ」

霧島に砲を構える随伴艦達に一言忠告する南方棲戦姫。敵軍の真っ只中をズカズカと横断し、波止場の端へと着いた霧島は空へ右拳を突き上げ・・・・・・

霧島「はぁっ!!」

海面に叩き付けた

ズッ・・・・・・バッッッシャァァァァァァァァァン

刹那、海面が大きく波打ったかと思いきや湾内、いや近海に凄まじい衝撃が走った。

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大本営から約数十km地点

大和「皆さん大丈夫ですか?」

吹雪「まだまだ!」

北上「もっと飛ばしてもいんじゃない?」

文月「お~!」

ズゥゥゥゥン・・・・・・

利根「ん? 何じゃ?」

ザザザザザザザザ・・・・・・・

大鳳「み、皆さんあれ!!」

艦娘「え!?」クルッ

吹雪「た、高波!?」ギョッ

北上「何で!? あたし達海岸に沿ってるのに、何で後ろから高波が来るの!?」

利根「というより、ある地点から沖に向かって同心円状に波が広がっておるのかのぅ?」

大鳳「そ、そんな現象がどうして・・・・・・」

その瞬間六人は思い当たった。
こんな事をいとも簡単にやってのけそうな人達が何人もいた事を・・・・・・

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197: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:45:50.52 ID:Q1IxI1jM0

霧島「あら、結構潜んでいたみたいですね」

霧島が海面を殴りつけて数秒後、一体、また一体と駆逐艦や潜水艦の亡骸が海面に浮上してくる

南方「アラアラ、アンナ荒業デ伏兵ヲ全員仕留メルナンテ、アノ異名ハ本当ノヨウネ」

南方「『血ニ飢エタ鮫ノ如ク戦場ヲ彷徨イ、敵ヲ探スタメニ海ヲモ震ワス牙』。金剛型四番艦、霧島。マタノ名ヲ、『海震鮫牙(かいしんこうが)』霧島」

霧島「ふふ、久々に楽しめそうね」カチャカチャ

嘗ての深海棲艦との最終決戦より以前、元帥の艦娘はその桁違いの実力と一騎当千の活躍から、渾名や異名、二つ名を持つ者がいた。
・夜戦において右に出る者はいないといわれる『夜霧の忍姫』川内
・その凄まじい闘争心を鮫と例えられた『海震鮫牙』霧島
・瞬く間の神業を放ち、対峙した敵に敗北すら悟らせない『瞬眼映華(しゅんがんえいか)』長門
・航空戦において無類の強さを発揮し、正に制空権を我が物とする『天舞無法(てんぶむほう)』加賀と『青天覇神(せいてんはしん)』赤城
彼女達に代表される元帥の艦娘達は、敵は疎か、味方さえをも震え上がらせるその実力から、尊敬と畏怖の意味を込めて渾名をつけられていたのだ

南方「サテ、伏兵モ潰サレチャッタ事ダシ、ソロソロ始メマショウカ」

元帥「せっかちじゃのぅ、焦らんでもちゃんと叩きのめしてやるわい」

南方「ソウイウワケニモイカナイノヨ。"アノ御方"ノ命令ダカラ」

元帥「貴様とは儂が決着をつけよう。二人きりでな」

南方「アラ嬉シイ、二人デ楽シミマショウ」

南方棲戦姫の言葉を皮切りに、飛行場姫と港湾棲姫、駆逐棲姫と離島棲鬼の二手に別れ、それぞれをまた団長と副長に率いられた艦娘達が迎え撃つ

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ーーーーーー

 

198: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:46:32.96 ID:Q1IxI1jM0

副長「久々に気分が高揚するわ」チャキ

加賀「セリフを盗らないでちょうだい」ギリギリ

赤城「さぁ、発艦始め!」ギリギリ

バシュバシュ

飛行場姫「『天舞無法』ト『青天覇神』カ。艦載機ハ私ガ相手ダ」

飛行場姫は艦載機を発艦させ、一航戦の二人と航空戦を繰り広げる

港湾棲姫「ナラ私ハ『瞬眼映華』ト『尊厳粉砕(プライドクラッシャー)』、『鬼神姉妹(きじんしまい)』ネ」

長門「お前の渾名も懐かしいな」

陸奥「もうちょっと可愛い渾名が良かったわ」

敷波「ちょっと! 何でアタシ達は一括りなのよー!」

綾波「まぁまぁ」

ジャキキキキッ

ドォォォォォォォン

周りの随伴艦達は一斉に砲撃を始める。その砲弾は真っ直ぐに艦娘に向かって降り注ぎ

ズドドドドドドドド・・・・・・

少数の艦載機の集中砲火によって、着弾する前に過半数が爆発した

飛行場姫「! 貴様ラカ!?」

赤城「あれくらいは造作もないです」

加賀「鎧袖一触です」

 

199: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:47:11.78 ID:Q1IxI1jM0

パシッ

陸奥「お返しよ」ブンッ

長門「受けとれ!!」ブンッ

ドカァァァァァンッッッ

砲弾をまるで野球ボールのように次々に受け止め、投げつける長門と陸奥。時速300kmは下らない豪速球は的確に随伴艦達の頭部を撃ち抜き、辺りに爆煙が立ち込める

綾波「敷波ちゃん!」

敷波「任せて!」

爆煙によって視界が悪い中、綾波と敷波は躊躇うことなくその中に飛び込む

ドカッバキッ

「ッ!?」

メキメキ、ゴキンッ

「ギャァァァァッ」

何かが砕け、へし折れる音と共に随伴艦達の悲鳴が響き渡る

港湾棲姫「ッ!? 何、ドウシタノ!?」ギョッ

副長「決まっとるやろ、鬼神姉妹が暴れとるんや」

爆煙を突き抜けて副長が港湾棲姫に突っ込む。既に鯉口を切り、抜刀に移っているが、港湾棲姫を守るように随伴艦達が立ち塞がる

港湾棲姫「鬼神姉妹、アノ二人ネ?」

綾波と敷波は比較的後の方に元帥の元に着任し、どちらかと言えば周りから教わる立場であった。それでいて誰にでも優しく、守る事を第一に考える二人だが、視界が悪い状況でのみ、何故か好戦的になるのだ。まるで野生の勘としか形容できない感覚で相手の位置を割り出し、息の合った連携で狼狽する敵に襲いかかる

綾波「ふぅ、意外と倒しちゃったみたいです」

敷波「ちゃんと鍛えとけよ~」パンパン

港湾棲姫「ッ!?」ギョッ

爆煙が晴れ、そこには地獄絵図が広がっていた。随伴艦達はその殆どが目も当てられない様で事切れていた。首と胴が離れている者、四肢をもがれている者、頭が身体にめり込んでいる者・・・・・・。正に残虐非道、彼女達の突っ込んだ場所はまるで鬼が暴れたかのような光景が広がる事から付けられた渾名が『鬼神姉妹』であった

 

200: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:48:01.40 ID:Q1IxI1jM0

副長「ほな、俺もぼちぼち行こかな」

「ッ!?」

ズバババババババッッッ

副長が走り抜けると同時に随伴艦達を斬撃が襲う。縦に真っ二つにされ、首を刎ね飛ばされ、真横に切断される

副長「手応えのあらへん奴らやな」

陸奥「あらあら、じゃあ私が倒しちゃうわよ?」

副長「あぁ、随伴艦達皆やるわ、好きにせぇ」

「ッ!」ジャキキッ

ドォォォォン

陸奥「あらあら、先ずは力かしら?」ケロッ

「ッ!?」ギョッ

陸奥「ふん」ブンッ

バゴォォォォン

「ッ!」ダッ

陸奥「遅いわよ」サッ

バキィィィッッッ

「ッ!?」

力には力で、速さには速さで対抗してその悉くで相手を凌駕する。基本的にほとんどの事を卒なくこなせる陸奥は、相手の得意とする分野で勝負を挑み、それに勝つ事が可能だ。自分が得意としていた事を軽く凌駕されるという事実は、相手の尊厳を完膚無きまでに叩きのめす。それゆえに敵に屈辱すら与えて勝利する彼女はプライドを砕くもの、『尊厳砕(プライドクラッシャー)』と言われている

長門「お前がその悪趣味を深海棲艦や悪人のみに発揮するからいいが、間違っても私達にするなよ?」

陸奥「分かってるわよ」

 

201: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:48:38.47 ID:Q1IxI1jM0

長門「さてと、私は・・・・・・」スッ

港湾棲姫「ッ!?」サッ

ズドドドドドドドドッッッ

港湾棲姫「パンチ23発。腕ガ痺レチャッタワ」

長門「なかなか硬い腕だな、これは砕くのに時間がかかりそうだ」

港湾棲姫「次ハ私ノ攻撃ネ」スッ

港湾棲姫が腕を長門に振り下ろそうとした直後

ガキィィィィィィィン・・・・・・

港湾棲姫「アラ?」

副長の刀が下から切り上げて腕を弾いた。辺りに鋭い金属音が響く

副長「大振りで隙だらけやったから、その腕落としたろ思ったんやけど、確かに硬いなぁお前の腕」

港湾棲姫「私ノ腕ニ当タッテ刃毀レシナイナンテ、イイ刀ネ」

副長「日本刀(鋼の芸術)を嘗めんなよ? 鍛えられた刀と心、そして本人の技量。それが合わさった剣士に切れへんモンはあらへん」

長門「副長、奴の腕を頼む」スッ

副長「任された。腕の前に先ずはそのデコの角からぶった斬ったるわ」チャキ

港湾棲姫「ヤッテミナサイ」ズズズ

全身から凄まじい闘気を放つ港湾棲姫を前に、長門は両拳を握りしめ、納刀した副長は再び居合の構えに入る

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202: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:49:48.09 ID:Q1IxI1jM0

霧島「榛名、後ろに下がって!!」

榛名「は、榛名だって戦えm・・・・・・」

比叡「いいから早く!」

榛名「は、はいぃ」サッ

離島棲鬼「何故ソノ艦娘ヲ戦ワセナイ?」

金剛型四人は離島棲鬼に対して攻めあぐねていた。というのも、榛名を一切戦わせようとせず、残り三人が戦っている状態だった

金剛(少し決定打に欠けマスネ・・・・・・。But、榛名を戦わせるわけにはいかないデース)

離島棲鬼「ドウシタ、『森羅燼滅(しんらじんめつ)』。得意ノ爆破攻撃ヲ見セテミロ」

金剛「Youにはnormal punchで十分デース!」バッ

バキィィィィィィッッッ

離島棲鬼「グゥッ!?」ズザザザザザッ

ドカァァァァァンッッッ

金剛の重い拳を顔面に喰らい、離島棲鬼は堪らず吹き飛び、壁に激突する

離島棲鬼(クッ、素ノパンチデコレホドカ。更ニハ、コレニ爆発ガ加ワルノカ・・・・・・)

比叡「気合い! 入れて!!」ダンッ

離島棲鬼「ッ!?」

離島棲鬼が顔を上げると、すぐ目の前に比叡が突っ込んで来ていた。それを見て離島棲鬼はすぐさま上体を捻って躱す。その拳はコンマ数秒前に離島棲鬼の顔があった空間を通過し・・・・・・

比叡「打ちます!!!」ブンッ

バゴォォォォォォォォォォォンッッッ

ガラガラガラガラガラ・・・・・・

離島棲鬼「壁ガ砕ケタカ、流石ハ『戦神槍(グングニル)』比叡ノ拳ダ」

離島棲鬼(姉ト妹ハコレホドノ実力者ダガ、何故アイツ(榛名)ハ戦ワナイ? イヤ、寧ロ三人ガ奴ヲ戦ワセナイノカ?)

離島棲鬼「! ソウカ」バッ

離島棲鬼は思い当たるが否や、凄まじい速度で榛名に肉薄し、拳を振り上げる
戦わせようとしない理由は単純。姉妹達から見て、榛名が戦えるほどの戦力に達していないからだ。それが証拠に榛名自身は自らも戦おうとしている。

榛名「!」

離島棲鬼(馬鹿メ、姉妹ノ言ウ通リニ下ガッテイレバ死ナズニ済ンダモノヲ!!)ブンッ

 

203: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:50:35.95 ID:Q1IxI1jM0

金剛「そうはいかないネー!」ブンッ

バキィィィィィィィッ

離島棲鬼「マタカ。素ノパンチデ」

金剛「外れデース」ニヤッ

離島棲鬼「ッ!?(手袋!? マサカ!!)」

ドッガァァァァァァァァァァァァァンッッッ

離島棲鬼「クッ」ドシャッ

凄まじい大爆発を喰らった離島棲鬼は何とか着地するも、身体のあちこちから煙が燻り、一部は装甲が融解している。

離島棲鬼「漸ク出シタカ、爆破攻撃ヲ」

金剛が両手に装着している手袋は彼女が妖精に頼んで造ってもらった特注品であった。
その手の甲には二種類の液体が入っている。それ単体では無害だが、それらが混じった途端、些細な刺激で急激な化学変化を起こし大爆発を起こす爆薬となるのだ。
金剛の手袋にはとても小さな穴が無数に空いており、常時は液体も漏れず、空気も入らないが、金剛が何かを殴りつけた際にのみ、二種類の液体が染みだし、殴った対象に付着する。付着して数秒で混じった液体は時間差を生じて空気摩擦等で反応、大爆発を起こすというわけである。金剛型戦艦の名に恥じぬ一撃の威力に加え、時間差で大爆発を引き起こす。打撃と爆破の二段攻撃であらゆる敵を吹き飛ばす金剛を、人は『森羅燼滅』と呼び、畏れた

金剛「But、こう見えてこのgauntletsの表面に付いたliquidで爆発しないのデース。妖精さんのtechnologyはすごいネー」

比叡「お姉様、一体誰に喋っているのですか?」

金剛「読者サービスというやつデース!」

 

204: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:51:07.75 ID:Q1IxI1jM0

離島棲鬼(クッ、カナリダメージガ大キイナ)

霧島「これで終わりじゃありませんよ!」ダッ

離島棲鬼「ッ!? 調子ニ乗ルナァァッッッ!!」ブンッ

霧島「なっ!?」

バキィィィィィィッッッ

霧島「っ!!」ズザザザザザッ

比叡「霧島!! っこの!!」ブンッ

離島棲鬼「一直線デ避ケヤスイゾ、オ前ノパンチハ」サッ

バキィィィィィィッッッ

比叡「きゃあっ!?」

ドカァァァァァンッッッ

榛名「霧島! 比叡お姉様!!」

金剛「よくも比叡達を!! 覚悟するネ!!」

離島棲鬼「私モ本気デオ前達ヲ叩キ潰ス!」

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205: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:51:45.64 ID:Q1IxI1jM0

川内「てやーっ!」

バシィッ

「ッ!?」

ジャコンッ

ドォォォォォォォン

川内「遅い遅い!」サッ

駆逐棲姫「チィッ、チョコマカト、スバシッコイ奴ダ」バッ

神通「貴女の相手は私です!」ガシッ

駆逐棲姫「ッ!?」グイッ

駆逐棲姫の腕を掴むと同時に神通は、力の限り地面に叩きつける

バコォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

駆逐棲姫「グァッ!?」

神通「まだこの程度では倒れませんか」

駆逐棲姫(何トイウパワーダ、コレガ噂ノ神通カ・・・・・・!)

姉がパワーでなくテクニックを駆使して戦うのに対し、神通はパワーを重視した戦法をとる。だが決して力押しだけではない。ある時はパワーで以て倒し、またある時は柔術で敵をいなし、多彩な戦法を駆使する。神通のその美しくも力強い動きを華として、人は彼女を『戦場に咲く華』と讃えた

那珂「那珂ちゃんのスペシャルライブ、いっきまーす!!」

まるで自身が戦場のど真ん中にいる事を忘れているかのような立ち振る舞いの那珂。当然周りにいるのはファンなどではなく、彼女の命を狙う敵である

那珂「毎日毎日、歌のレッスンで鍛えたお腹と喉。これで編み出した新曲、皆に披露するねー!!」スゥゥ

川内「っ!? 神通、島風、団長! すぐに耳塞いで!!」

島風「おぅっ!?」バッ

 

206: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:52:38.43 ID:Q1IxI1jM0

那珂「ーーーーーーーーーーッッッ!!」

 

207: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:53:26.73 ID:Q1IxI1jM0

那珂の口から発せられたのは、普段の明るい声などではない。まるで怪獣の雄叫びのような凄まじい轟音であった

「ッ!?」ビリビリ

那珂の周りにいた深海棲艦は皆一様に耳から出血し、泡を吹きながら息絶えていく。那珂のすぐ側にいた数体に至っては吹き飛ばされていた

那珂「皆ー、聞いてくれてありがとー!!」

那珂は神通のように肉弾戦に秀でたわけでも、川内のように敵を撹乱させるテクニックがあるわけでもなかった。ともすれば、彼女の行き着いた結論は己の趣味を攻撃に昇華させる事だった。アイドルを自称するだけあって、彼女の腹筋、肺活量は並大抵のものではなく、喉も強靭であった。
彼女が放つ声は普段の会話や歌唱の他に、攻撃用のものがあった。その範囲はかなり狭いものの、その範囲内では耳を塞がないと只ではすまない。彼女を中心に、半径約50mが攻撃用の声の効果範囲であり、その範囲内では耳を塞がないと確実に聴覚や三半規管に異常をきたし、最悪鼓膜が破れる。更に半径30m以内では、那珂の声が衝撃波となるため、吹き飛ばされてしまう。

那珂「ふー、那珂ちゃん今日も絶好調~♪」

ナカァァッ、ヤカマシイヤロガオマエェェ!!

ヒェェェェェッ!!

那珂「あれ、今副長さんと比叡さんの声聞こえた気がしたんだけどな~?」キョトン

神通「後で謝ってね那珂ちゃん」

島風「耳がキンキンするよー」

団長「普段喋ったり歌う分には何ら問題ないのだがな」

川内「使い分けれるあたり、流石私達の妹だよね」

駆逐棲姫「ウグッ、何ト恐ロシイ声ダ。マサカ声ダケデ敵ヲ倒ストハ」ヨロヨロ

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208: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:54:21.09 ID:Q1IxI1jM0

南方「フフ、個性的ネ、貴方ノ艦隊ハ」

元帥「何を今更。それにしても何故貴様らは急に侵攻してきたのじゃ?」

南方「アノ御方ハアル人間ニ会イタガッテイルノ。ケドソコニ行ケバ貴方達モ来チャウデショ?」

元帥「儂らを足止めするためにここに来たのか」

南方「ゴ明察。随伴艦(出来損ナイ)達ハトモカク、私達"原艦"ガ来タラ貴方達ガ迎撃シナキャイケナイモノネ」

原艦。それは深海棲艦の各艦における起源と呼べる存在である。彼女達は自らの姿や能力を模した複製体を大量に生産し、それを海域中に放った。通常、艦隊が戦うのはこの複製体である。原艦は幾度となく複製体を放ち、沈められた個体からはその戦闘データを抜き取り己の物としていた。それを数十年と繰り返した結果、原艦は通常個体とは桁違いの実力を誇るようになったのだ

元帥「生憎、儂も心配症でのぅ。早いとこケリを着けたいものじゃ」

南方「ツマラナイ男。モットユックリ楽シミマショウヨ」

元帥と南方棲戦姫は静かに対峙する

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209: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:55:24.09 ID:Q1IxI1jM0

鎮守府

レ級「」

戦艦棲姫「モウ終ワリカ?」

鎮守府の波止場、レ級と戦艦棲姫が仁王立ちしている。その視線の先には

提督「・・・・・・」

ボロボロになった提督が大の字に倒れていた。衣服は破れ、全身に打撲痕があり、右の脇腹にはまるでバーナーで炙られたかのようなひどい火傷の痕、腹からは赤黒い血が溢れている

提督(参ったな、こいつら今までの個体とは次元が違う。親父の体質で何とか生きてるけど、本当なら軽く10回は死んでるぜ)

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一時間程前

鎮守府の妖精に指示を出した後、提督は一人波止場に陣取って敵を待ち構えていた

提督「・・・・・・」

その手には一振りの日本刀が握られている。鎮守府への着任祝いとして副長に貰った物であった

提督「さて、何が来やがるかな」

先程妖精から聞いた話、あれが本当ならば今の自分は常人より身体が頑丈になっているはずだ。勝てる見込みは無くとも一矢報いるぐらいは可能かもしれない

 

210: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:56:12.98 ID:Q1IxI1jM0

提督「!」

戦艦棲姫「貴様ガ海原 櫂ダナ?」

レ級「・・・・・・」

提督「深海棲艦にまで名前が知られているなんてな。何でわざわざこんな一鎮守府を襲撃しに来たんだ?」

戦艦棲姫「数日前カラ、リーダーノ様子ガオカシクテナ。頻リニアル男ノ名ヲ口ニスルヨウニナッタノダ。ソレガオ前ダ」

提督「ますますわけわかんねぇな、俺はお前らのボスに会った事ねぇよ」

戦艦棲姫「トニカク、オ前ニハ我々ニ着イテ来テモラウ」

提督「嫌だと言ったら?」

戦艦棲姫「半殺シニシテデモ連レテイク」

「ガルルルルル・・・・・・」

戦艦棲姫が声を荒らげた。それに呼応するように彼女の傍らにいた怪物が唸り声をあげ、臨戦態勢に入る

提督「だったら二人と一匹、きっちり叩き出してやる。ほいほい着いていくほど暇じゃねぇんだよ」チャキ

提督は鯉口を切り、相手を睨みつけて威嚇する。だが戦艦棲姫は気にする素振りも見せず

戦艦棲姫「愚カナ男ダ、勝テナイ相手ニ挑ンデ何ニナル」

提督(勝てない相手・・・・・・か)

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ーーーーーーーー
ーーーー

ふぇぇぇん・・・・・・

ヤマ「ふぇぇぇん、櫂ちゃ~ん」シクシク

提督(12歳)「何時まで泣いてんだヤマ! うっせーよ!」

ヤマ「だって、だってぇ・・・・・・」ボロボロ

その日、俺はある事で長門姉から大目玉をくらっていた。俺の傍らには泣きじゃくるヤマが、そして長門姉から少し離れた場所に陸奥姉と赤城姉、榛名姉がいてその様子を見守っていた

長門「何を考えているんだ馬鹿者!!」

ガツンッッッ

提督「痛っ!」

ヤマ「櫂ちゃん!!」

陸奥「ちょっと長門! 櫂は怪我してるのよ!?」

 

211: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:57:24.75 ID:Q1IxI1jM0

提督「何すんだよ長門姉! 俺一応怪我人だぞ!」

長門「中学生がたった一人で高校生の不良グループに立ち向かうなんて! もし陸奥と赤城が見かけなかったらどうなっていたのか分かっているのか!!」

ヤマ「櫂ちゃんは悪くないの! 私が不良に連れてかれそうになったのを助けてくれたの! だから櫂ちゃんを怒らないで、長門お姉ちゃん!!」ビエエエ

長門「そうだとしても! 何故ヤマを素早く奪い返して逃げようとしなかった! 何故お前は相手に片っ端から殴りかかったのだ!!」

提督「あいつら俺が中学生だからって笑ってやがったんだ! 馬鹿にされてたまるか!!」

長門「馬鹿者!!」

ガツンッッッ

提督「いってぇぇ!? だから俺怪我人!!」

長門「勇敢と無謀を履き違えるな! 勝てもしない相手に策もなく戦いを挑むのは、ただの愚か者だ! 最悪殺されていたかもしれんのだぞ!!」

提督「だから何だ! 好きな奴守るためなら命なんか要らねぇ! 例え死んでも俺h・・・・・・」

バキィィィィィィッッッ

ドカァァァァァンッッッ

提督「ぁっ!?」

ヤマ「櫂ちゃん!?」タッタッタッ

何が起きたか分からなかった。一瞬で俺の身体が遥か遠くの壁に叩きつけられていた

榛名「・・・・・・」

赤城「は、榛名さん!?」

陸奥「ちょっ!?」

長門「!?」

提督「っ!」ズキズキ

ヤマが駆け寄ってくると同時に、右の頬に激痛が走る。頬どころか、まるで顔の骨が折れたかのようだった。そこでようやく俺は榛名姉に殴り飛ばされたのだと気づいた

榛名「今、何て言ったんですか・・・・・・? 命が要らないって言いましたか?」

提督「っ!?」

榛名「榛名は命を大事にしない子は、大嫌いです!! 出て行きなさい!!!!」

提督「っ! くそっ!!」ダッ

ヤマ「あ、櫂ちゃん!」タッタッタッ

榛名「・・・・・・」

 

212: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:58:09.16 ID:Q1IxI1jM0

陸奥「榛名・・・・・・」

榛名「・・・・・・痛いです」ズキズキ

赤城「・・・・・・」

榛名「あんなに大好きな櫂を殴ってしまいました・・・・・・! 櫂に大嫌いだと、出て行けと言ってしまいました・・・・・・。榛名は・・・・・・お姉ちゃん失格です・・・・・・」ポロポロ

長門「いや、お前は悪くないさ。加減を間違えただけだ。私だって心が締めつけられている、拳が痛いんだ」ツーッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

公園

提督「あー、いてて・・・・・・傷薬あってよかった」ヌリヌリ

ヤマ「・・・・・・」

提督「ふぅ、だいぶ痛みが引いてったな」

ヤマ「榛名お姉ちゃんの言った事は正しいよ」

提督「・・・・・・」

ヤマ「櫂ちゃん、私も櫂ちゃんが死ぬのは嫌だよ。大好きな人が死ぬなんて」ギュッ

提督「あれは・・・・・・」

ヤマ「私、あの時全然怖くなかったよ? 櫂ちゃんがいてくれたから。櫂ちゃんが死んじゃうかもしれなかったから、だから怖かったの」ポロポロ

提督「ヤマ・・・・・・」

ヤマ「もうあんな無茶しないで。約束して」スリスリ

提督「分かった(やっぱりこいつには一生敵わねぇな)」

 

213: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:58:47.65 ID:Q1IxI1jM0

元帥「櫂、ここにおったのか」スタスタ

提督「! 父さん」

ヤマ「! こんにちは」

元帥「こんにちはヤマちゃん。すまんのぅ家のゴタゴタに巻き込んでしまって」

元帥「びっくりしたぞぃ、急に大きな音がするから行ってみれば、外周壁は砕けておる上、長門と榛名は泣いておるし、赤城と陸奥はオロオロしておるし」

元帥「櫂。今回は長門が正しいぞい、お前がやった事は馬鹿者と言われても仕方ない」

提督「うぐっ」

ヤマ「櫂ちゃんの事をバカにしないでよ、この髭ジジイ!!」

元帥「ひ、髭!?」

提督「アハハハハ、言われてやんの!」

元帥「うーむ、暫く剃っておらんからのぅ」サワサワ

元帥「まぁとにかく。勇敢と無謀を履き違えてはいかんぞい。この二つは紙一重、どちらにも傾くからのぅ」

提督「・・・・・・」

ヤマ「? 長門お姉ちゃんも言ってたけど、どう違うの?」

元帥「あまりハッキリとした線引きがされておらんから詳しくは分からんが、勇敢とは勝算がある時に、それを冷静に判断し、行動できる者の事じゃ。無謀とは勝ち目が無い相手にただ策もなく、後先も考えずに挑む者の事じゃよ」

提督「分かんねぇよ」

元帥「まぁ、そのうち分かるじゃろう。ただのぅ」

提督「?」

元帥「男には決して引いてはならん時がある。例え勝ち目が無くとも、例え自分が死にそうでも、大切なものを守る時は、何としてでも勝たねばならん。自分の弱さを知り、それに打ち勝つのじゃ」ニコリ

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー

提督(その後ヤマを家まで送った後、帰ったら榛名姉が号泣しながら謝ってきてびっくりしたな。こっちが悪かったんだからもういいって言っても離してくれなくて、仕方なく一晩一緒に寝たっけか)

提督(親父が言ってた、男が引いちゃいけねぇ状況っつうのは)

提督「こういう事なんだな」

戦艦棲姫「? 何ヲ言ッテイル?」

 

214: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 22:59:35.22 ID:Q1IxI1jM0

提督(確かに敵は俺より強ぇし、勝算も限りなく低い。だけど俺がここで敗けるわけにはいかねぇ。大和達(あいつら)の為にも、俺は敗けられねぇ!!)

提督「敗けるわけには・・・・・・」

レ級「?」

提督「いかねぇんだよ!!」

戦艦棲姫「何ヲゴチャゴチャト・・・・・・モウイイ、抵抗スルナラ半殺シニスル」

構える三人と一匹。硬直状態が続くと思った直後、足裏に僅かな衝撃を感じる

提督(ん? 何だ?)

そして提督の視界には、一瞬大きく波打つ海が見えた。飛沫が上がってそれがおさまり、静かになった時

レ級「!」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

提督「!」サッ

戦艦棲姫「ホウ、アレヲ避ケルカ」

提督「はぁっ!」ブンッ

レ級「!?」サッ

ガキィィィィィン

レ級の砲撃を躱した提督は、一気に間合いを詰め、レ級の頭上から刀を振り下ろした。それをレ級は尻尾で受け止める

提督「このっ!」ババッ

レ級「ッ!!」ブンッ

ズババッ

バキィィッ

刀の切先がレ級の肩を切り裂き、尻尾の殴打が提督の頬を打ち抜く。だが両者は大した事もなかったように構える

戦艦棲姫「レ級ノ攻撃ガアマリ効イテナイ。カナリ頑丈ナ身体ダナ」バッ

提督「!?」

ドカァァァァァンッッッ

レ級と向かい合う提督の背後から戦艦棲姫がミドルキックを放つ。鋭い蹴りは左の脇腹に深く沈み、提督は数歩よろめいた

提督「っ!!」

 

215: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:00:14.69 ID:Q1IxI1jM0

戦艦棲姫「フフ、挨拶トハイエ、アレヲ食ラッテソノ程度カ。コレハ久々ニ手応エノアル人間ダ」ニヤリ

「ガルルルルル・・・・・・」ニタァ

戦艦棲姫「イイダロウ、本気デ行クゾ」バッ

提督「!?(速い!)」

バキィィィィィィッッッ

提督「ぐぁっ!?」

戦艦棲姫が提督に飛び蹴りを放つ。提督は後方へ吹き飛ばされ、その先で

「ガァァァ!」ブンッ

ドゴォォォォォン

提督「がっ!?」

巨大な両腕が振り降ろされ、提督を殴る。提督の身体は地面に叩きつけられ、地面に亀裂が走った

レ級「!」ドスン

バキッバキッゴキッグシャ

倒れた提督に馬乗りになり、レ級が殴りまくる。辺りの地面に血飛沫が舞うが

提督「ふんっ!」

バキッ

レ級「ッ!?」ヨロッ

提督は膝蹴りをレ級の背中に入れる。痛みに一瞬レ級が力を抜いたすきに素早く脱出し、一息ついた

提督「ふぅ、死ぬかと思った」

 

216: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:00:55.83 ID:Q1IxI1jM0

戦艦棲姫「何故オ前ハコノ鎮守府ニ固執スル? 何故"提督"デアル事ニ拘ル?」

戦艦棲姫「抵抗シナケレバ痛イ目ニ合ワズニスムノダゾ!」バッ

提督「うっせーよ!」ブンッ

ガンッ

戦艦棲姫「ウッ!?」

近づく戦艦棲姫を拳で殴り飛ばすが、入れ違いにレ級が突っ込み、貫手を繰り出す

レ級「!」バッ

ザシュッ

間一髪で躱すも、胸に浅くはない裂傷を負い、一歩下がった

提督「ぐっ」

ガシッ

提督「!?」グイッ

「ガオオッ」

不意に頭を鷲掴みにされ、身体が宙に浮く。見ると巨大な左手が自分を持ち上げている

提督「放せバケモン!」ブンッ

ガツンッッッ

提督は右の肘で怪物の顔面を打ち抜くが

「グッ!?」ジャキン

少しの呻き声しかあげず、右肩に付いた砲塔から集中砲火を食らわせる

ドガガガガガガガガッッッ

提督の右脇腹に、まるで焼き鏝で滅多刺しにされたような激痛が走る

提督「ぐぁぁぁぁっ!?」

手を離した怪物の身体にもたれかかるも、すぐに突き飛ばして振り返った提督に、レ級が尻尾を振り上げる

レ級「!」ブンッ

ガキィィィィィン

レ級の尻尾に弾かれた刀が提督の手から離れ、宙を舞う

 

217: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:01:51.49 ID:Q1IxI1jM0

提督「っ!?」

ザシュッ

提督「この!」ガシッ

再び手刀で切りつけるレ級の肩を掴み

レ級「!?」

バキィィィィィィッッッ

力いっぱいに蹴り飛ばす

戦艦棲姫「フンッ」ガシッ

提督「っ!?」グイッ

戦艦棲姫が後ろから提督の頭を鷲掴みにし、またしても身体が宙に浮く。だが、先程のように見上げるような怪物に持ち上げられて宙吊りになるわけではない。自身より身長の低い相手に身体を持ち上げられたのだ。天地が逆転したかのように提督の身体は縦に回転した後

ドカァァァァァンッッッ

ガァァァァァァァァンッッッ

提督「ぐぁっ!?」ゲホッ

近くに立っていた鉄骨に腹から叩きつけられた。衝撃を吸収しきれず、鉄骨はへし折れ、地面に落ちて鈍い金属音が響く。提督も耐えきれず遂に吐血する

提督「う、ぐ・・・・・・」ヨロヨロ

すぐさま立ち上がるも、かなりのダメージに意識は朦朧としている。やっと視界がハッキリした時には目の前の戦艦棲姫が既に右のハイキックを繰り出した後だった

バキィィィィィィィィィィィィィッッッ

提督「ガハッ!?」ゴパッ

重い蹴りが提督の左顔面に直撃した。口からは血塊を吐き、顔と首に激痛が走る

レ級「!」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

提督「っ!」フラッ

レ級の砲撃が直撃し、ふらつく提督に戦艦棲姫が止めの一撃を放つ

 

218: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:02:39.80 ID:Q1IxI1jM0

戦艦棲姫「ハッ!」グルン

バキィィィィィィッッッ

ドスッ

後ろ回し蹴りが提督の腹に沈む。同時に彼女の履いているヒールの踵が突き刺さる

提督「がっ!」ゴフッ

あまりの威力に提督の身体は後方に吹き飛び、やがて地面に大きくバウンドし、倒れ伏す

提督「ぐ、はぁ、はぁ・・・・・・」

ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー

戦艦棲姫「マサカ本当ニ半殺シニスルハメニナルトハナ」

提督「これが・・・・・・半殺しに、見える、かよ・・・・・・。どっから・・・・・・ど・・・・・・見ても、瀕死・・・・・・・だろ」ググッ

戦艦棲姫「マダ減ラズ口ヲタタケルカ。本当ニオ前ハ、殺シテモ喋リソウダナ」

ズシン、ズシン、ズシン・・・・・・

ガシッ

提督「うぐっ・・・・・・!」グイッ

再度頭を鷲掴みにされ、提督の身体が宙に浮く

戦艦棲姫「頭ヲ砕ケバ、ソノ口ハ閉ジルダロウ。ヤレ」

「ガルルルルル・・・・・・」ググッ

ミシ、ミシミシミシ・・・・・・

怪物がその右手に力を込める度、提督の頭から音が鳴る

提督「ぐぅ、あ、あぁぁぁあぁあっ!?」

 

219: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:03:14.46 ID:Q1IxI1jM0

ガシッ

「ガ!?」

提督「はぁ、はぁ、へへ」ニヤリ

戦艦棲姫「ア?」

レ級「!?」

戦艦棲姫は自分の目が信じられなかった。たった今まで、自分達に一方的に叩きのめされ、息も絶え絶えだったこの男は、一体何をしている?
自分の頭を鷲掴みにする怪物の手を、まるで真剣白刃取りのように掌で挟み、強かに笑っているのだ

提督「俺の頭か・・・・・・てめぇの腕か・・・・・・はぁ、はぁ、うぐっ・・・・・・先に潰れるのは、どっちだろうな・・・・・・!!」

戦艦棲姫「死ノ直前デ錯乱カ!? 何処マデ愚カナ男ダ!」

提督「ぐ、うぐぅぅぅ・・・・・・!!」ググッ

ミシ、ミシミシ・・・・・・

「ッ!? ガルルルルル・・・・・・」ググッ

ミシミシ、ミシ・・・・・・

互いに力を込めるも両者の間には歴然たる力の差があった。自分の掌よりも小さな頭と、自分の胴よりも太くがっしりとした腕。誰がどう見ても怪物のほうが圧倒的に有利である。加えて提督は全身に致命傷を負い、今現在もその身体から血がボタボタと滴り落ちているのだ。提督に勝ち目は無かった

提督「こ、の・・・・・・!!」ググッ

戦艦棲姫「無駄ナ足掻キダ、諦メロ」

提督「う、うおおおおおおおおッッッ!!」

 

220: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:04:24.23 ID:Q1IxI1jM0

バキバキバキバキ!! グシャッ!!

 

221: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:04:57.54 ID:Q1IxI1jM0

「ッギャァァァァァァァァァァッッッ!?」

戦艦棲姫「ッ!? 何ダト!?」ギョッ

怪物の右腕が手首を中心にグシャリと潰れ、辺りに青黒い体液が飛び散る

提督「へ、へへ、人間様・・・・・・嘗めんじゃねぇよ・・・・・・!!」ニヤリ

戦艦棲姫「ッ! 貴様、化ケ物カ!?」

提督「てめぇらに言われたくねぇよ」

戦艦棲姫「オ、オノレェェェッッッ!!」ダッ

ガシッ

ドスゥゥゥン・・・・・・

提督「ぐぁっ!」

完全に冷静さを欠いた戦艦棲姫は提督を押し倒し、両手で首を絞める

提督(う、やべぇな。もう全然力が入らねぇや)

戦艦棲姫「モウイイ、死ネェッッッ!!」ググッ

提督「う・・・・・・あ・・・・・・・が・・・・・・」

提督(くそ、ここまでか・・・・・・!! すまねぇ皆・・・・・・)

 

222: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:05:47.01 ID:Q1IxI1jM0

ドォォォォォォォンッッッ

 

 

223: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:06:24.93 ID:Q1IxI1jM0

戦艦棲姫「ガッ!?」

ドシャッ

提督「っ! ゲホゲホ、オェッ!!」

突如砲撃音が轟いたと思いきや、戦艦棲姫に砲弾が直撃、すぐ側に崩れ落ちた。

コツ・・・・・・・コツ・・・・・・コツ・・・・・・コツ・・・・・・

レ級「!?」ゾクッ

「ッ!?」ゾクッ

提督「うぇ、ゲホッ・・・・・・はぁ、はぁ、何だ?」

??「何ヲシテイルノ、戦艦棲姫」

戦艦棲姫「ッ!? リーダー・・・・・・!」ガタガタ

??「連レテ来イッテ命令ナノニ、何デ彼ヲ殺ソウトシテイルノ?」

提督(っ、何だこの底冷えするような冷たい声は!?)

提督「っ!!」

戦艦棲姫の方を見ると、上体を起こしたまま固まり、その表情は恐怖に怯え、見開いた目が斜め上を凝視していた。その視線の先には戦艦棲姫より頭一つ長身の女が立っている。右腕が蟹の鋏のような形の巨大な砲となっており、白い長髪がまるで蛸の足のように不気味に蠢いている。顔ははっきり見えないが、青白く光る双眸はまるで氷のようだ

戦艦棲姫「モ、申シワケアリマセンデシタ・・・・・・!」ガタガタ

 

224: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:07:13.42 ID:Q1IxI1jM0

深海棲艦リーダー(以降リーダー)「モウイイワ、謝ラナクテモ」スッ

そう言うが早いか、謎の深海棲艦はゆっくりと右足をあげ、戦艦棲姫の顔に乗せ、地面に押し付ける

戦艦棲姫「ヒィッ、オ、オ許シヲ・・・・・・ドウカゴ慈悲ヲ・・・・・・!!」ガタガタ ボロボロ

恐怖に唇を震わせ、大粒の涙を流しながら戦艦棲姫が許しを乞う。だが冷たい瞳は一切聞き入れない

リーダー「ジャアネ」グッ

戦艦棲姫「イ、嫌ダッ! 死ニタk・・・・・・」

ドゴォォォォォンッッッ

グシャッッッ

躊躇う事なくリーダーは戦艦棲姫の頭を踏み抜いた。辺りに青黒い体液が飛び散り、地面には亀裂が走る

提督「っ!?」

提督の身体に体液が付着する。すぐ側を踏み抜いたため、全身に衝撃の余波が伝わり、激痛が走る

リーダー「・・・・・・」

提督「仲間を躊躇なく殺したのか」

リーダー「・・・・・・」

提督「何で俺を狙う? 目的は何だ!」

リーダー「・・・・・・」

提督「何とか言え!」

 

225: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:08:10.62 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「・・・・・・ヤット」ツーッ

提督「っ!?」

リーダー「ヤット・・・・・・会エタ・・・・・・!!」ポロポロ

提督「泣いて・・・・・る・・・・・・?」

リーダー「5年間・・・・・・ズット会イタカッタヨ、"櫂チャン"」

提督「っ!? お前・・・・・・まさか・・・・・・」

リーダー「ソウダヨ。私ノ名前ハ、眞祓井 耶麻。ヤマダヨ」

ハッとなり、顔を見つめる。その顔には朧気ながらも確かに彼女の面影がある

提督「・・・・・・俺が理系に進もうとした理由は?」

リーダー「妖精サンガ科学ノイロハニツイテ力説シテタカラデショ?」

提督「お前が俺にくれた最初のバレンタインデーのチョコは?」

リーダー「ミルクチョコニホワイトチョコヲコーティングサセタ奴。何回モ失敗シチャッタ」

提督「(・・・・・・まさか)俺がお前と・・・・・・よく出かけてた場所は?」

リーダー「公園ヨ。アソコノベンチガ二人ノ特等席ダッタネ」

提督(能力は使ってねぇ。なのに俺とヤマしか知らねぇ事を・・・・・・)

提督は確信した。こいつには確かにヤマの記憶がある。しかし提督には疑問が残る

提督「お前・・・・・・何で・・・・・・深海棲艦に?」

彼女は艦娘ではなく、純粋な人間だった。何故死んだ人間が深海棲艦となったのか

リーダー「ドウデモイイワ」スッ

チュッ・・・・・・

提督「んぐっ!?」

リーダーが上体を起こしている提督の上に跨った。そして疑問を投げかけるその口に自らの唇を重ねる

提督(冷たい・・・・・・まるで氷みたいな唇。体温を奪われそうだ)ヒヤリ

あまりの冷たさに鳥肌を立てるが、構わずに提督の唇を貪るリーダー。両目を閉じ、ただひたすらに彼を求める。彼女とのキスを経験した唯一の人物である提督だからこそ確信する

提督(何十回、何百回としたから分かる。このキスの仕方、間違いなくヤマだ)

 

226: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:08:56.06 ID:Q1IxI1jM0

提督「んぐっ!?」

突如口の中に違和感を感じる。リーダーが口の中に舌を捩じ込んできたのだ。舌は口内を蹂躙しながら喉の奥に入っていく。

提督「!!」

リーダー「ン、ンゥ・・・・・・ンクッ」

本来、人間は喉に違和感を感じると吐き気を催す。だが、違和感や不気味さは感じるが不思議な事に吐き気はしない。

提督(息苦しくねぇ!? 一体どうなってやがる!?)

長い舌は気管を器用に避けて食道へ侵入し、遂に胃へと到達した

提督「んぐっ!?(は、腹の中がゾワゾワする・・・・・・!!)」ゾクッ

舌は胃の内側の壁を拭い、胃をコーティングしている粘液を纏う。そしてゆっくりと胃液に浸っていく。胃液の成分は濃塩酸という強酸だ。その酸の強さたるや胃の中に送られた食べ物は疎か、容れ物である胃そのものすら溶かすほどである。それを防ぐのが胃をコーティングしている粘液である

提督(き、気持ち悪ぃ・・・・・・! 一体腹の中で何がおきてるんだ!?)ゾクッ

胃の中で、舌は胃液をピチャピチャと舐め取り、かき混ぜ、胃を内側から愛撫する。胃の中だけではない。今現在、傍から見れば誰もがその場で一瞬思考を停止させるだろう。不気味に蠢く白い長髪が提督の頭を包み込み、両腕を背中に回してしっかりと固定し、背中から伸びる無数の青白い触手が提督の四肢の一つ一つに丁寧に絡みつき、身体に巻きついている。正にリーダーは提督を全身に感じながらキスをしているのだ

提督(もう、意識が持たねぇ・・・・・・)フッ

提督はというと、度重なる衝撃に脳の処理が追い付かず、意識を失ったところである

リーダー(モウ二度ト離サナイワ、ズット一緒ニイルカラネ)ドロォ

意識を失った提督の口内から喉、胃までを通過している長い舌をドロドロと伝う赤黒い液体。謎の液体は胃の中に溜まり、やがて全身を巡る

 

227: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:10:23.29 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「ン、ングッ・・・・・・プハ」

リーダー「フフ、久々ニ興奮シチャッタ」ペロリ

レ級「」ビクビク

「クルルルル・・・・・・」ビクビク

リーダー「コンナニナッチャッテ・・・・・・」ズズズ

無数の触手を収納しながらリーダーは提督をしげしげと見つめる。そして振り返り

リーダー「彼ヲ連レテ帰ルワヨ」

レ級「!」ビシッ

リーダーが提督を抱えようと再びしゃがもうとした瞬間だった

 

228: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:11:16.42 ID:Q1IxI1jM0

ドガァァァァァァァァァァァァンッッッ!!

 

229: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:12:05.67 ID:Q1IxI1jM0

レ級「!?」

「!?」

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

リーダー「ンァッ!?」

リーダーの身体が突如吹き飛び、近くにあった工廠の壁に叩きつけられた

ガラガラガラガラ・・・・・・

ズズゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・・・・

あまりの衝撃に工廠は倒壊し、辺りに土煙が漂う

「何を・・・・・・しているの?」

レ級「!」

静かに、だが力強く響く声。レ級と怪物が声のした方向を見ると、提督の傍に影が立っている。次第に影は増え、最終的には六つの影が提督を守るように立ち塞がる

「よくも司令官を・・・・・・!!」

「許さないんだから!」

「生きて帰さないからね」

「まともに死ねると思わないでくださいね」

「原型を留められると思わんことじゃ」

ガラガラガラガラ・・・・・・

リーダー「クッ、邪魔ガ入ッタワネ」ペッ

土煙が晴れると、そこには六人の艦娘が立っていた

吹雪「まったく、司令官は何考えているんですか・・・・・・」

大鳳「命があるだけで丸儲けですよ」

北上「まさかこんなにボロボロにされてるなんてねー」

利根「出血が酷い、妖精さんはおらんのか?」

文月「妖精さん、早く早く~」

妖精「まったく、この馬鹿提督め!」テテテテ

吹雪「大丈夫ですよね?」

妖精「うん、気絶してるだけだよ。傷を塞いで安静にさせるね」ヌリヌリ

文月「よかったぁ」

妖精「ったく、たった一人で無茶した挙句、皆に迷惑かけて! この馬鹿には後でボーナス請求してやる!」ヌリヌリ

艦娘「あ、あははは・・・・・・」

大和「・・・・・・」

 

230: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:12:46.04 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「貴女達ガ櫂チャンノ艦娘?」

大和「だと言ったら?」

リーダー「櫂チャンハ渡サナイワ、貴女達ニハ消エテモラウ」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

北上「! 撃ってきた!」

リーダーは大和に向かって砲撃する

大和「・・・・・・」スッ

パシッ

吹雪「受け止めた!?」

大和「・・・・・・」ググッ

バキバキ、グシャッ

ドカァァァァァンッッッ

文月「ひぃっ!?」

大鳳「大和さん!」

リーダー(私ノ砲撃ヲ片手デ受ケ止メタダケデナク、砲弾ヲ握リ潰シタ・・・・・・!?)

パラパラ・・・・・・

大和「・・・・・・」

利根「全くの無傷・・・・・・じゃと!?」

大和「・・・・・・」ガチャ

ガシャン・・・・・・

リーダー「? 艤装ヲ外スナンテ、何ノツモリ?」

大和「妖精さん、どうか提督をよろしくお願いします」

妖精「っ!? わ、分かった」ゾクッ

大和「皆は周りの敵をお願いします。あの女は・・・・・・"私"が倒します・・・・・・!」キッ

リーダー「私ヲ・・・・・・倒ス・・・・・・ダト?」ギロリ

 

231: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:13:47.28 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「分かりました」スッ

吹雪は左手を前に出し、右手を後ろに引き、自然体の構えをとる

大鳳「ご武運を」ジャキン

大鳳はマガジンを装填したクロスボウを構える

吹雪「はぁっ!!」ブンッ

ボンッ

「ガッ!?」

吹雪が右ストレートで素早く前の空間を殴った瞬間、離れていた怪物の身体に衝撃が走る

リーダー「! 空気砲ネ、光速デ大気ニ圧力ヲカケル事デ衝撃波ヲ放ツナンテ」

レ級「!」

大鳳「余所見厳禁ですよ!」ダッ

レ級「!?」

思わず見蕩れていたレ級の懐に大鳳が入る。レ級が気づいた時には既に遅く

大鳳「はぁっ!」ブンッ

ドムッ

ドシュシュッッッ

レ級「ッ!?」ガフッ

大鳳の重い拳がレ級の腹に沈むと同時に、ガントレットから発射された棘が打ち込まれる

レ級「?・・・・・・?」ヨロヨロ

キィィィィィィィィィィン

レ級「ッ!?」

ドガガガガガガガガッッッ

リーダー「イツノ間ニ艦載機ヲ飛バシテイタノカシラ」

大鳳「何時でしょうね?」ニッ

既に他の艦娘も艤装を外し、最低限の身軽になった状態で臨戦態勢に入る

 

232: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:14:27.69 ID:Q1IxI1jM0

「ガァァァァァッッッ!!」

ダンッ

「ッ!?」

吹雪に向き直る怪物だが、既にその懐に小さな影が入り込む

文月「とぉぉ~っ」ブンッ

バキィィィィッ

その小さな拳からは想像できないほどの衝撃を腹に食らい、思わず後ずさる怪物の後ろに北上が迫る。その手には酸素魚雷が逆手に握られている

北上「よいしょっと」つ魚雷

ブンッ

ドスッ

「ガッ!?」

鉄杭のような形の魚雷が背中に突き刺さると同時に炸裂した

ドカァァァァァンッッッ

「ギャォォォォォォォッッッ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レ級「!」ブンッ

利根「ほっ」ピョン

レ級が尻尾で下段を攻める。だが利根は軽く跳んで容易く躱した

レ級「」ニヤリ

バカめ。と言いたげにニヤリと笑うレ級。空中では無防備となる上に、着地の瞬間を狙えば大ダメージを叩き込める。尻尾の重みを利用して一回転し、レ級は再び尻尾で下段を、さらには手刀で上段を攻めた

ブンッ

レ級「ッ!?」

尻尾と手刀は相手を捉える事なく空を切る。あいつは何処だ? 利根が消えた!?

レ級「? ・・・・・・?」キョロキョロ

 

233: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:15:12.34 ID:Q1IxI1jM0

利根「何処を見ておる、吾輩はここじゃ!」

レ級「ッ!?」

声のした方を、上空を見上げたレ級は仰天した。利根が空中で腕を組み、仁王立ちしていたのだ。よく見ると両足の下に艦載機が着いている

利根「意外とここは安定しておるのぅ」

何と利根はあの跳躍で、低空飛行していた艦載機の上に立ち、上昇していたのだ。驚異的な脚力とバランス能力をもってしてもほぼ不可能な神業である

利根「吾輩の航空戦、とくと見よ!」ジャラッ

旋回しながら腰に巻いたベルトの巾着からBB弾のような鉛玉を少量掴み、投合する構えに入る

レ級「!」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

利根「せいっ!」ブンッ

ドカァァァァァンッッッ

レ級の放った砲弾を鉛玉の雨が迎え撃つ。数発は砲弾に当たり、砲弾を爆発させる。残りはレ級に降り注ぐ

レ級「ッ!」バッ

横に跳んで避けたレ級の背後から大鳳が迫る

大鳳「はぁっ!」

バキィィィィッ

レ級の脇腹に飛び蹴りを放ち、レ級がよろめく

利根「はぁっ!!」

よろめいたレ級に追い打ちをかける。艦載機から飛び降りた利根の、重力による自由落下の力を乗せた重い踵落としがレ級の脳天に直撃する

ガコォォォォォォォォォンッッッ

レ級「ッッッ!?」ガフッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

234: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:16:00.18 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「まだまだ!!」ババババ

よろめく怪物に吹雪が乱打を放つ

ズドドドドドドドドッッッ

吹雪の放つ拳が怪物の顔を、肩を、腕を、胸を、腹を打ちつける。一週間の特訓で、一撃一撃が大幅強化された吹雪の猛攻を前になす術はない

北上「それそれそーれ、まだまだ終わんないよぉ~」ブンッブンッブンッブンッ

その背面からは北上が酸素魚雷を投げ続けていた。背中や腰、脚に突き立てられた魚雷は爆発し、それによってできた傷をさらに魚雷で深く抉っていく。前からの乱打と後ろの魚雷に挟まれた、一方的な攻撃であった

「ガ、ガガガ・・・・・・」フラフラ

ふらつく怪物の懐に文月が入り、勢いよくジャンプする

文月「とぉぉ~っ」ピョン

ズドォォォォォォォォォンッッッ

ミシミシミシッッッ

「グッ!?」

顎にジャンピングアッパーを食らった怪物が顔を上にあげ、仰け反る

文月「吹雪ちゃん、今だよぉ~」

吹雪「任せて」ダッ

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

衝撃で上を向いている怪物の顔に吹雪が加速をつけて飛びかかる。加速のついたジャンピングパンチが右顔面に直撃し

バキバキバキバキ、ブチィィィィッ

ドシャッ・・・・・・

怪物の頭が身体から離れ、地面に落ちた

北上「倒れる前のトドメだよー」ダッ

頭が離れた直後、まだ立っていた身体に北上が飛びかかる。その手には酸素魚雷が握られ

北上「せいっ!」ブンッ

ドシュッッッ

それを頭があった位置に突き立てる

ドカァァァァァンッッッ

ズズゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッ

吹雪「よしっ!」グッ

文月「やったぁ~」ピョンピョン

北上「一丁あがり~」ニッ

文月「利根ちゃんと大鳳ちゃんの手助け行くー?」

北上「いや、要らないっしょ。大和さんもそうだけど、あたし達が行ったら邪魔だと思うよ」

吹雪「一先ず様子を見ましょう!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

235: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:16:40.25 ID:Q1IxI1jM0

レ級「!」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

利根「はぁっ!」ブンッ

ドカァァァァァンッッッ

レ級「ッ!!」ギリッ

砲弾を撃てば鉛玉で相殺。艦載機を放てば航空戦で撃墜。魚雷を投げても艦載機と鉛玉で爆破される。遠距離では何をしても相手に落とされ、レ級は肉弾戦に持ち込むしかなかった

レ級「ッ!」バッ

利根に肉薄し、両手で貫手を放つ。だが

利根「」パシパシッ

レ級「ッ!?」

利根は躊躇う事なく両手首を掴んで止め、軽く跳び上がる

利根「せいっ!」ブンッ

バキィィィィッ

跳躍して勢いをつけた膝蹴りが顎先を捉え、レ級の身体が大きく仰け反る。利根はそのまま空中で、レ級の両手首を掴んだまま身体を丸め、両足の裏をレ級の胸につけ

利根「はぁっ!!」

曲げていた両足、そして丸めていた身体を一気に伸ばした

ブチブチブチィィィィッッッ

レ級「ッッッ!?」

反動でレ級の身体が後方に吹き飛ぶが、しっかり掴んでいた両腕は肩から引きちぎれた

ドシャッ・・・・・・・

利根「まるで手刀が本物の刃物みたいじゃな。危なっかしい貫手じゃのぉ」ポイッ

片方を放り投げ、倒れたレ級を睨みつける

 

236: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:17:25.42 ID:Q1IxI1jM0

利根「そろそろ終いじゃ。覚悟するがよい」ダッ

レ級「ッ!」ギロリ

助走をつけて再び跳躍した利根を睨みつけ、迎え撃とうとするが、背後から大鳳が迫る

大鳳「こちらを忘れないでください!!」ダッ

レ級「ッッッ!!」ブンッ

後ろの大鳳を尻尾で振り払おうとしたが、その瞬間

ザクッ

レ級「ッッッ!?」

ドシャッ・・・・・・

利根「刃物は危ないと身に染みたかの?」

上空から利根が投合した自身の左手の貫手で、レ級の尻尾は切断された。これにより、レ級は攻め手を失った

大鳳「流石です、利根さん!!」ブンッ

利根「うむ、一気に決めるぞ!」ブンッ

着地した利根と、大鳳が一気に間合いを詰める

大鳳「はぁっ!!」ブンッ

利根「せいっ!!」ブンッ

ズドォォォォォォォォォンッッッ

ドシュシュッッッ

バキィィィィィィィィッッッ

利根の回し蹴りが喉に、大鳳のパンチが背中に直撃、その直後に撃ち込まれた棘が楔となり

バキバキバキバキ、グチィィィィィッッッ

レ級の身体は上下真っ二つに裂けた

利根「大鳳、吾輩の蹴り、当たっとらんか? 大丈夫だったかの?」

大鳳「はい、身体の真後ろじゃなかったので」

 

237: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:18:08.23 ID:Q1IxI1jM0

吹雪「大鳳さん、利根さん!!」タッタッタッ

利根「吹雪達か、そっちはどうじゃ?」

北上「楽勝楽勝」ニヒヒ

大鳳「どうします、大和さんの加勢に行った方がいいでしょうか?」

文月「行かない方がいいよぉ~」

利根「うむ、吾輩達では足手まといじゃからのぅ」

吹雪「一旦、司令官の様子を見に行きましょう」

艦娘「了解」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

吹雪「妖精さーん」タッタッタッ

妖精「! 吹雪、皆も」

大鳳「提督の様子は!?」

妖精「傷は塞がったけど失血が酷い、輸血しないと・・・・・・!」

利根「何じゃと!?」

北上「輸血パックは?」

妖精「分かった、何人かついてきて!」テテテテ

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

提督「・・・・・・」ピクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

238: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:18:54.27 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「櫂チャンハ誰ニモ渡サナイ!!」

リーダー「渡シテタマルカァァッッッ!!」

ズァァァァァァァッッッ

大和「っ!?」

無数の青白い触手がリーダーの背中から生える。それらが幾重にも絡まり、やがては四本の太い触手となった

大和(得体の知れない力ですね・・・・・・早く倒した方がよさそうです)ダッ

リーダー「アアアアアッッッ!!」グイッ

大和「触手を足がわりに!?」

四本の触手は伸縮自在のアームとなり、リーダーの身体を宙に持ち上げる。一瞬にして大和の攻撃の射程外へと回避したリーダーは高所から砲撃する

リーダー「・・・・・・」ジャキン

ドォォォォォォォンッッッ

大和「くっ、だけどアームを倒せば!!」ダッ

グニャァァァッ

大和「へ!?」

リーダー「バカメ!!」ブンッ

バチィィィィッ

大和「うっ!!(なんて弾力、打撃でのダメージは期待できそうにありません・・・・・・)」

リーダー「マダダァァッッッ!!」ジャキン

ドォォォォォォォン、ドォォォォォォォン

大和(まずはあの触手をどうにかしないと・・・・・・)

リーダー「考エ事ナンテ余裕ジャナイノ」ブンッ

ギュルルルルルル・・・・・・

大和「っ!?」

触手が大和の首に巻き付き、締め上げる。大和は触手をちぎろうとするが、その弾力によって伸びるだけであった

大和「う、うぅう・・・・・・(く、苦しい・・・・・・い、息が・・・・・・)」

リーダー「ハァッ!!」ブンッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

239: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:19:31.61 ID:Q1IxI1jM0

妖精「何考えてんだい、あんた達は!!」

艦娘「す、すみません・・・・・・」シュン

医務室では、吹雪達が妖精から大目玉をくらっているところだった。輸血パックを取りに医務室に来た妖精は振り返って仰天した。何で五人とも着いてきているのかと。怪我人を一人放ったらかしにして何を考えているのだ

妖精「あたし言ったよね!? "何人か"って!! 全員着いてこいなんて言ってないよ!!」

吹雪「うぅ・・・・・・」

文月「ひっ・・・・・・ひっ・・・・・・」グスグス

妖精「とにかく、今は怒鳴っていても仕方ない。利根と北上は輸血パックを、吹雪と大鳳は点滴具を持って。文月は提督の様子を見てきて!」

ドカァァァァァァァァァァァァァンッッッ

妖精「なっ!?」

艦娘「っ!?」ビクッ

大和「うぅ・・・・・・」コキコキ

妖精・艦娘「大和(さん)(ちゃん)!!」

グオオオオッッッ

吹雪「な、何か来たぁ!?」ビクッ

北上「何あれ、触手!?」

大和「皆避けて!!」

妖精「・・・・・・よくも」プルプル

文月「妖精さん?」

 

240: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:20:10.83 ID:Q1IxI1jM0

妖精「よくもあたしの医務室(プライベートスペース)をぉぉぉっ!!」クワッ

艦娘「ひぃっ!?」ビクッ

妖精「あんの触手め~!!」テテテテ

そう叫んだ妖精は近くの棚に飛び込んだ。そこには医薬品だけでなく、様々な化学物質が置いてある

妖精「医務室で暴れたら・・・・・・」ガサゴソ

大和「妖精さん、危ないですから戻ってください!!」

グオオオオッッッ

妖精「危ないだろうがぁぁぁぁぁっ!!」ブンッ

妖精は怒りを込めて、手にした大きさの異なる二つの瓶を触手に投げつけた。その瓶のラベルを大和は見逃さなかった

大和(大きな瓶には"濃塩酸"、小瓶には"濃硝酸"・・・・・・。っ!? 比率3:1、まさか・・・・・・!!)ゾクッ

パリパリィィィィン・・・・・・

投げた瓶は触手に命中し、二つの液体が混ざる。触手に橙赤色の液体が付着し、残りの触手がそれを拭おうとするが、それが間違いだった

ッ!? ギャァァァァァァァァッッッ!? イ、イタイッ、ヤケルゥゥゥッ!!!

利根「な、何じゃ!? 急に触手が爛れ始めたぞ!?」

文月「何あの液体~?」

 

241: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:21:04.69 ID:Q1IxI1jM0

妖精「濃塩酸と濃硝酸をぶっかけてやったんだ」

吹雪「え、じゃあまさか、あの橙赤色の液体って・・・・・・!!」ゾワッ

大和「えぇ・・・・・・王水・・・・・・・ですよね?」

妖精「当たり」

大鳳「えぇ!? あの金や白金も溶かしちゃうぐらい酸化力の強いっていう!?」

北上「うん。でも確か銀は表面に膜ができるせいで溶けないんだよね?」

吹雪「はい、王水と反応してできる塩化銀のせいで反応が遅くなるんです」

文月「王水の比率は3:1だよねー?」

利根「うむ、濃塩酸が3、濃硝酸が1の割合じゃ」

ワイワイガヤガヤ

大和「すぐさま、こんな事が出てくるようになるなんて・・・・・・! 提督、貴方の教育は皆の中でちゃんと生きています・・・・・・」ウルウル

妖精「うん、すごいね。確かにすごいけどさぁ・・・・・・」チラ

リーダー「ウゥ、痛イジャナイ、触手ガ焼ケルカト思ッタワ!!」キッ

妖精「今戦闘中だよね?」

艦娘「あ、そういえば」ハッ

 

242: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:21:41.92 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「コノッ!!」ブンッ

妖精「でも、まだ触手使うんだね」アキレ

妖精「追撃だ、それ!」ブンッ

赤く爛れた四本の触手が再び迫ってくるが、呆れた様子の妖精が更に小瓶を投げつける。かなり厳重に密閉された小瓶に大和は不安を覚えた

大和「ちょ、今度は一体何を投げたんですか!?」

妖精「狭心症の薬の原料。つまり」

ドカァァァァァァァァァァンッッッ

リーダー「ッ、キャァァァァァァァッ!?」

妖精「ニトロの原液さ」

リーダー「ウ、ウゥウ・・・・・・二度モ触手ヲ攻撃サレタァ・・・・・・」

妖精「いや、触手引っ込めりゃ済んだ話じゃん」

リーダー「ウルサイッッッ!!」ブンッ

ほぼ逆ギレ状態のリーダーはボロボロになった触手を大和に伸ばす

大和「っ!?」

リーダー「逃ガサナイ!」バッ

グルルルルルルル、ギュルルルルルル

大和「っ!? しまっ・・・・・・!」

四本の触手に両手足を拘束され、大和の身体が持ち上げられる

リーダー「イイ的ダワ」ニチィ

ドォォォォォォォンッッッ

ドォォォォォォォンッッッ

ドォォォォォォォンッッッ

大和「ぐ、うぁっ!?」ガフッ

 

243: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:22:16.30 ID:Q1IxI1jM0

大和「このっ・・・・・・」グググッ

大和(! あまり伸びない? 酸と爆破で触手が傷んだから弾力が失われているんだ、これなら!!)グググッ

大和「うぁぁっ!!」グイッ

ブチブチブチブチィィィィッ

リーダー「ッ!? 触手ヲチギッタ!?」

大和「ふぅ、これでだいぶ楽になります」ダッ

リーダー「ッ!?」ジャキン

大和「はぁっ!!」ブンッ

バギャァァァァァァァァァァンッッッ

リーダー「ウッ、右手ガ無クナッタ・・・・・・」

大和「とりあえず外に出なさい!」ブンッ

バキィィィィッ

リーダー「ッ!!」

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

大和「皆さん、提督をお願いします!」ダッ

妖精「わ、分かった」

吹雪「気をつけてください」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

244: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:23:03.03 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「マ、マタ・・・・・・離レチャウ・・・・・・」

リーダー「櫂チャンガ奪ワレル・・・・・・」

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

大和「逃がしません!」

リーダー「嫌ダ・・・・・・・嫌ダ・・・・・・!」ズズズ

大和「はぁっ!!」ブンッ

リーダー「嫌ァァァァァァァッッッ!!」

ゴォォォォォォォォォッッッ

大和「っ!?」ビリビリ

突如、辺りに衝撃が走り、風圧で大和の動きが止まる

大和「何て衝撃・・・・・・身体が引きちぎれそう・・・・・・・!」

リーダー「ァァァァァァァァッッッ」ズズズ

大和(っ!? 何かが飛んできた? あの深海棲艦に向かって飛んでいく・・・・・・)

グチャグチャ、グチッ、ドチュッ・・・・・・

何かが身体に撃ち込まれる生々しい音が響く。それが止むと同時に衝撃も治まった

大和「っ!!(何、この悪寒は!?)」ゾクッ

リーダー「レ級ヤ戦艦棲姫ノパワーヲ吸収サセテモラッタワ。ソロソロ本気デ行クワヨ」スタスタ

土煙の中から歩いてきたリーダー。砕けた右腕は再生し、右腕と両脚が黒く染まり、その双眸からはまるで炎のように黄色い光がユラユラと立ち上っている。その凄まじい闘気によって辺りの景色も陽炎のように歪んでいる

リーダー「ソウネ・・・・・・二撃、イエ、三撃目デ貴女ハ、ソコノ壁ニ叩キツケラレルワ」クスッ

大和「やれるものならやってみなさい!」ブンッ

 

245: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:23:54.94 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「・・・・・・踏ミ込ンデ体重ヲ乗セタ右ストレート・・・・・・」サッ

大和「っ!?」ギョッ

リーダー「遅イワヨ」

大和「(いつの間に後ろに!?)はぁっ!!」ブンッ

リーダー「右ノ後ロ回シ蹴リ」スッ

ビタァァァァァァ・・・・・・・

大和(!? 指一本で止めた!?)

リーダー「マズハ一撃目」ヒュン

大和「っ!?」サッ

ゴォォォォォォォォォッッッ

大和「っ!? 何て風圧・・・・・・!」ビリビリ

大和「このっ!!」ブンッ

リーダー「右ストレートカラ左ノ後ロ回シ蹴リ」サッ

大和「っ!?」

ブンッブンッ

リーダー「ソノ勢イデ右ノハイキック、左ノ裏拳」サッ

ブンッブンッ

リーダー「次ハ私。二撃目」ブンッ

大和「っ!?」サッ

リーダー「シャガンデ躱シテ前ニ飛ビコミ前転」ブンッ

大和(尽く、こっちの動きが二、三手先まで読まれている!?)ゾワッ

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

大和「っがはっ!?(何この威力、元帥の攻撃の比じゃない・・・・・・・!!)」ドパッ

ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

ガラガラガラ・・・・・・・

ズズゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・・・・・

リーダー「アラ、叩キツケラレハシタケド貫通シチャッタワ」

 

246: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:24:35.68 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・・」

リーダー「何デ動キガ読マレテイルノカ、テ言イタソウネ」スタスタ

リーダー「私ハ周辺ニアル物質ヤ生命ト同調スル事デ、相手ノ動キガ手ニ取ルヨウニ分カル。人ノ考エヤ心ノ声モ聞コエルシ、数分ナラ未来モ予知デキル」

大和「っ!? そんな・・・・・・バカみたいな話・・・・・・」

リーダー「マァ、サッキノハ貴女ノ動キヲ読ンデ、ソウナルヨウニ誘導シタンダケド」

リーダー「コノ地面カラモ様々ナ情報ガ伝ワルノ。近クヲ歩ク人ノ気配、ソノ目的地」

大和「っ!?」

リーダー「マタ新シク予知スルナラ、ソウネ・・・・・・貴女ノ前ニ人ガ立チ塞ガルワ」

大和「人?」

大和「バカな事言わないでください、ここには私と貴女の二人だけです!!」ダッ

リーダー「人ノ話ハ聞カナキャ駄目ヨ?」クスッ

その時、距離の縮まる両者の間に影が割り込んだ

大和「っ!? そんな・・・・・・何故・・・・・・!?」

割り込んだ影はリーダーを庇うように大和と対峙する。その手には刀が握られていた

リーダー「フフ、私ヲ守ッテクレルヨネ?」

「あぁ・・・・・・もちろんだ・・・・・・。・・・・・・今度こそ・・・・・・」

大和「何故・・・・・・ですか・・・・・・?」

 

247: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:25:18.96 ID:Q1IxI1jM0

大和「提督・・・・・・!!」

 

248: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:26:25.72 ID:Q1IxI1jM0

提督「ヤマは俺が守る・・・・・・!!」チャキッ

大和「何が・・・・・・起きて・・・・・・いるの?」

大和の前に立つ提督は異常だった。以前の優しい目はまるで炎のように真っ赤に染まり、爛々と輝いていた。そしてその焦点の定まらない目や鼻、口や身体の傷口から赤黒い液体がドクドクと流れ、それが気化して全身を覆うオーラとなっているのだ。その禍々しい容姿に大和は言葉を失った

大和「あ、あぁあ・・・・・・」ガタガタ

提督「俺・・・・・・は・・・・・・」チャキッ

大和「っ!?(意識がまだハッキリしていない!? まるで催眠にでもかかったみたい)」

大和「・・・・・・貴女・・・・・・一体、提督に何をしたの・・・・・・?」

リーダー「サァ?」クスッ

大和「おのれ!!」ダッ

ヒュッ・・・・・・

大和「っ!?」サッ

提督「ヤマを・・・・・・守る・・・・・・」

大和「提督、目を覚ましてください! 貴方は操られているんです!!」

提督「黙れ・・・・・・貴様に・・・・・・俺ノ・・・・・・何ガ分かるんだァァ・・・・・・!!」ダッ

大和「っ!?」

突進してきた提督の剣を素早く躱し、大和は捕まえようと試みるが・・・・・・

大和「提督っ!!」ガシッ

ジュゥゥゥゥゥゥゥッッッ

大和「っ!!」バッ

リーダー「アラアラ、触ラナイ方ガイイワ。ソノオーラハ櫂チャンノ怒リ。櫂チャンノ負ノ感情。ソレラシク言ウナラ"憤怒ノ炎"ッテトコヨ」

大和「う、うぅう・・・・・・」

左腕を押さえ、大和はリーダーを睨みつける

リーダー「貴女ヤ皆ヘノ怒リガ具現化シタ炎ノ味ハドウ?」

大和「私達・・・・・・への」

リーダー「櫂チャンハ私ヲ守ル。私ノ敵ナンダカラ、貴女達ニ怒リヲ向ケルノハ当然ノ事ヨネ?」

提督「俺は・・・・・・俺は・・・・・・」チャキッ

大和「提督・・・・・・」スッ

リーダー「ッ!?」

大和は提督をゆっくりと抱きしめた。当然そのオーラで身体が焼かれるが気にする素振りも見せない

提督「何・・・・・・ヲ・・・・・・」

大和「・・・・・・」ジュゥゥゥゥゥ

 

249: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:27:02.82 ID:Q1IxI1jM0

・・・・・・俺のせいだ

俺のせいでヤマが死んだ・・・・・・・

俺がヤマを殺したんだ・・・・・・

何故俺は!! 愛する女を!!

守れなかった・・・・・・守ってあげる事ができなかった・・・・・・!!

俺が弱いから・・・・・・

弱い俺のせいでヤマを死なせた・・・・・・

・・・・・・憎い

俺は俺自身を許さねぇ・・・・・・

・・・・・・ジャア、次ハ守ッテクレルヨネ?

もちろんだ・・・・・・今度こそ・・・・・・俺はお前を守るからな、ヤマ!!

 

250: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:27:46.11 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・」ジュゥゥゥゥゥ

大和(提督は・・・・・・亡くなった恋人を守れなかったと言っています・・・・・・。普段のあの振る舞いの中、人知れず彼は泣いていた。これは提督自身への怒り・・・・・・)

大和(だから提督は守ろうとしているんですね。大和ができることは、提督を縛るこの自責と後悔を断ち切る事。ヤマさんだって本当はこんな事望んではいないはずです!)

大和「提督・・・・・・大和は提督に守られるだけは駄目だと思います」ジュゥゥゥゥゥ

提督「!?」

大和「大和は・・・・・・提督とお互いに守りあい、支え合いながら生きていきたいです」ジュゥゥゥゥゥ

ヤマ『櫂ちゃん、私は櫂ちゃんに守られてばかりは嫌だよ。私だって、櫂ちゃんを守るんだから!!』

提督「っ!?」ハッ

大和「もう十分、提督は苦しんだと思います。どうか、ご自分をお許しください」ジュゥゥゥゥゥ

提督「・・・・・・俺は・・・・・・」

 

251: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:28:24.03 ID:Q1IxI1jM0

「そうだよ提督!」

 

252: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:29:08.87 ID:Q1IxI1jM0

提督「!」

妖精「あんたはこの5年間、十分に苦しみ抜いた。もういい加減、自分を許してあげなよ・・・・・・」ポロポロ

提督「俺は・・・・・・」フッ

シュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・

リーダー「ッ!? 櫂チャンノオーラガ消エテイク・・・・・・何デ・・・・・・!?」

提督「大和・・・・・・ごめん」

大和「提督は悪くありません。どうか、あとはこの大和にお任せを」ニコッ

提督「」ガクッ

大和「妖精さん、皆、提督を」ギュッ

気を失った提督を優しく抱きしめた後、ゆっくりと妖精と吹雪達に委ねる

妖精「分かった・・・・・・」

吹雪「大和さん」

大和「決着をつけます」キッ

リーダー「何デ・・・・・・私ヲ・・・・・・守ッテクレルンジャナカッタノ?」ワナワナ

大和「貴女は提督を傷つけた・・・・・・その報いを受けてもらいます」キラリ

パァァァ・・・・・・

リーダー「ッ!?」

艦娘「!?」

妖精「!?」

突如大和の身体が黄金色に輝き始める。身体中の傷が消えると共に、提督の纏っていたオーラを吸収し、虹色の光を発する

バツン・・・・・・・

大和の結んでいた髪が解け、長く美しい髪がバサバサと靡く。虹色の光が治まり、そこには髪を下に下ろした大和が立っていた。その目は淡い紫色を帯び、優しく光り輝いている

大和「さぁ、ケリをつけましょう」

 

253: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:29:49.59 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「フフフ・・・・・・ソノ根拠ノ無イ自信ヲ打チ砕イテアゲルワ」ダッ

大和「左のストレート」スッ

リーダー「ナッ!?」ブンッ

大和「・・・・・・」ニコッ

リーダー「バ、バカナ!!」ブンッ

大和「右ミドルキックから左フック」サッ

ブンッパシッ

リーダー「ッ!!」サッ

大和「はぁっ!!」ブンッ

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

リーダー「ガハッ!?」ドパッ

ドカァァァァァァァァァァンッッッ

大和「これで同じ土俵ですね」

ガラガラガラガラ・・・・・・

リーダー「・・・・・・マサカ、私ト同ジ能力ヲ持ッテイルナンテ」ペッ

 

254: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:30:27.33 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「偶然・・・・・・ジャナイワヨネ? 貴女、私ト何カ関係アルノ?」ギロリ

大和「共通点ならありますね。提督を愛しているという」

リーダー「ッッッ!!」ギリッ

リーダー「貴女ガ、私ノ櫂チャンヲ奪ッタノネ・・・・・・?」ポロポロ

大和「貴女は彼を縛り、独占しようとしている。それが私との違いです」

リーダー「黙レ!! 櫂チャンハ私ノ"モノ"ヨ!! 返シテ!!」ダッ

大和「最後の勝負です!!」ダッ

リーダー「櫂チャンヲ!! 返シテヨォォォォォォォォッッッ!!!!」ブンッ

大和「提督は!! 貴女だけの道具ではありません!!!!」ブンッ

リーダー「アァァァァァァァァァァァァッッッ!!」

大和「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」

ドガガガガッッッ

バギャッッッ、バキィィィィッ

バゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

ドカァァァァァァァァァァァァァァンッッッ

ガコォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

リーダー「ハァッ!!」

大和「はぁっ!!」

まるで鏡に映ったかのように同じ攻撃を出し合う大和とリーダー。攻撃を受け止め、弾き、相殺する。攻撃を一切ヒットさせる事なく二人は正に互角の戦いを披露する。拳や脚から発せられた凄まじい衝撃の余波が辺りに走り、突風が吹き荒れる

 

255: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:31:11.79 ID:Q1IxI1jM0

リーダー「貴女ガ! 私カラ櫂チャンヲ奪ッタンダ!!」ポロポロ

大和「奪ってなんかいません! 提督は! 今でも一人の女性を! ヤマさんを愛しているんです!!」

リーダー「ッ!?」

大和「私が立ち入る隙なんてありませんよ」

リーダー「・・・・・・」

大和「それだけ貴女を愛しているんですよ、ヤマさん」

リーダー「ッ、私ノ心ヲ覗イタワネ・・・・・・」

大和「・・・・・・」

リーダー「・・・・・・ソレデモ、私ハ貴女ガ許セナイ・・・・・・櫂チャンノ傍デ生キテイル貴女達ガ・・・・・・!!」

大和「っ!?」

リーダー「モシ、私ノコノ憎悪ガ消エルトシタラ・・・・・・私ガ死ヌカ貴女達ガ死ヌカノドチラカヨ・・・・・・」

大和「・・・・・・」

リーダー「ダカラ死ンデ。ソウシタラ私ハマタ櫂チャント一緒ニナレルカラ」ニチィ

大和「・・・・・・分かりました」

吹雪「大和さん!?」ギョッ

大和「大丈夫です、そういう意味ではありません。今、私は覚悟を決めましたので」

リーダー「覚悟?」

 

256: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:33:22.44 ID:Q1IxI1jM0

大和「できれば貴女を殺さずにいたかったのですが、貴女を解放する手立てがそれしかない以上、そうするしかありません。私は貴女を殺す覚悟を決めました」

リーダー「殺セルトイイワネ。ソノ前ニ貴女ガ死ヌカモシレナイケド」

提督「・・・・・・」ピクッ

吹雪「!」

北上「提督!」

妖精「気がついた? 意識は? 大丈夫かい?」

提督「や・・・・・・ま・・・・・・」

リーダー「!!」

大和「!!」

提督「・・・・・・た・・・・・・く・・・・・・れ・・・・・・」

リーダー「何、聞コエナイヨ! モウ一度オ願イ!」

大和「提督・・・・・・」

提督「・・・・・・大和・・・・・・」

リーダー「ッッッ!?」

大和「っ! はいっ!」

提督「大和、そいつを・・・・・・ヤマを・・・・・・助けて・・・・・・くれ・・・・・・憎しみ・・・・・・から、解放してくれ」

リーダー「ナ・・・・・・ンデ・・・・・・」ガタガタ

ドシャッ・・・・・・

大和「・・・・・・了解」

提督からの指示を受けた大和は静かに目を見開く。リーダーはあまりの衝撃に呆然とし、その場にヘナヘナと崩れ落ちた

リーダー「何デ・・・・・・櫂チャン・・・・・・」ワナワナ

大和「提督からのお願いです。どうか、貴女を苦しめるその憎しみから解放されてください」スタスタ

リーダー「・・・・・・分カッタワ。櫂チャンニ伝言頼ンデイイ?」

大和「何なりと」

リーダー「アリガとう」スゥ・・・・・・

大和(! 負の感情が薄れていく・・・・・・)

リーダー「私は何時でも櫂ちゃんを見守っている。大好き。でも、私の事は大丈夫だから、櫂ちゃんにはもう一度、好きな人をつくって恋をして欲しい。・・・・・・皆と幸せに過ごして・・・・・・って伝えて」ポロポロ

大和「・・・・・・必ず」ツーッ

 

257: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:34:17.27 ID:Q1IxI1jM0

妖精「一つ、質問してもいいかい?」

リーダー「何? 妖精さん」グシグシ

妖精「あんた、ヤマなんでしょ? 何でこんな事を・・・・・・何で深海棲艦なんかになっちゃったのさ・・・・・・?」ポロポロ

当然、提督の家に遊びに来ていたヤマは妖精とも仲が良く、時々話の相談をしたりと懐いており、また妖精も二人の保護者役を買って出たりと、二人をとても可愛がっていた。

リーダー「私の家の"呪い"・・・・・・『呪われた一族』、知ってるでしょ?」

妖精「っ!? あれか・・・・・・」

大和「?」

リーダー「私の魂が分裂して漂い、うち一つがリーダー(この肉体)に憑依した、それが今から数日前。あれから5年経ったから、櫂ちゃんがどうなっているか、大丈夫か知りたかったのかな・・・・・・その結果こんな事になっちゃって、本当にごめんなさい」

妖精「大丈夫、あの馬鹿ならきっと立ち直れるさ」

リーダー「うん。いい人もいるみたいだし」チラ

大和「!」

リーダー「大和さん、櫂ちゃんをよろしくね」

大和「・・・・・・分かりました」

妖精「成仏・・・・・・するのかい?」

リーダー「うん。憑依している肉体が修復不可能なくらい損壊したら、きっと昇天できる。お願いしてもいいかな?」

大和「」コクッ

頷いた大和はゆっくりと拳を振り上げる。それを見たリーダーはすっかり負の感情の消えた優しい顔つきで微笑む

大和「ヤマさん。どうか、安らかに」ブンッ

リーダー「うん・・・・・・ありがとう」

 

258: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:35:06.52 ID:Q1IxI1jM0

ドッッッガァァァァァァァァァァァァァァンッッッ

 

259: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:35:44.21 ID:Q1IxI1jM0

大和「・・・・・・」

地面に深くめり込んだ右手をゆっくりと引き抜き、大和は前を見る。リーダーの身体は跡形もなく消し飛び、地面には今までで一番大きな亀裂が走っており、湾内の水が流れ込んできている

妖精「あの娘、昇天できたかな」

大和「そうだといいですね」

提督「大和・・・・・・」

大和「! 提督」クルッ

振り向くと、完全に意識が戻った提督がこちらに歩いてきていた。とはいえ、完全にはダメージ回復してないため、覚束無い足どりである

提督「ありがとう。あいつを助けてくれて」

大和「はい」

提督「俺がいつまでもウジウジしてるからヤマが説教に来たのかもしれねぇな」ヘラヘラ

大和「もう! 笑い事じゃありませんよ!」

提督「悪ぃ悪ぃ」

大和「提督、ヤマさんからの伝言です」

そう言って大和はヤマからの伝言を提督に伝える。一言一句漏らさずに

妖精「よく間違えなかったね」

大和「大切な伝言ですから」

提督「・・・・・・」

 

260: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:36:26.64 ID:Q1IxI1jM0

妖精「・・・・・・吹っ切れたかい?」

提督「あぁ」

シレイカーン、ヤマトサーン、ヨウセイサーン

テイトクーダイジョウブー?

妖精「あぁ、皆呼んでるね」テテテテ

ホラ、アンタラハスグサマニュウキョ!

エェェエェェエッッッ!? ガビーン

大和「提督も休んでくださいね?」

提督「あぁ」

大和「早く行きましょう」スタスタ

提督「・・・・・・大和」

大和「! はい?」クルッ

提督「・・・・・・」

大和「? 提督?」

提督「・・・・・・俺は5年前、最愛の恋人を失った」

大和「・・・・・・」

提督「俺にとって彼女の存在が大きかった事もあるけど、その死んだ原因が俺だった。だから俺は、ヤマ以外の誰かに恋をしなかったんだ。今思えば贖罪の意志だったのかもしれねぇ」

大和「提督・・・・・・」

 

261: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:37:25.61 ID:Q1IxI1jM0

提督「だけど今回の件で漸く気持ちにケジメがついた。俺はもう一度、前に進みてぇ」

大和「それは素晴らしいお考えです! 大和もそのお手伝い、尽力させていただきます!」

提督「というわけでだ。・・・・・・大和」

大和「? はい?」

提督「俺と結婚を前提に付き合ってくれないか?」

大和「・・・・・・え?」

提督「お前がこの前、俺に告白してくれた時、素直に嬉しかった。あの時はくだらねぇ理由で断ってしまって、お前には本当に辛い思いをさせてしまった」

大和「い、いえ! そんな事はありません!」

提督「あんな酷い事言った上、今更こんな事を言うなんて虫のいい話だって事は重々承知してる」

大和「提督・・・・・・そんな事ありません」ジワァ

提督「あの時は怖かったんだ。誰かを愛したら、またそいつを失ってしまうかもしれねぇって。俺のせいでまた愛する女を失うかもしれねぇ、それが怖かったんだ」ツーッ

提督「だから俺は"守る"事に異常に固執してたんだな・・・・・・」

大和「・・・・・・仕方ありませんよ。大和も同じ立場ならそう考えます」ポロポロ

提督「だけどお前は守られるだけじゃなく、お互いに守りあいながら生きていきたいって言ってくれた。本当に嬉しかった」

提督「改めてお願いします。大和、俺と結婚を前提に付き合ってください」

大和「はい! 喜んで・・・・・・!!」ポロポロ

大和「提督、どうか一人で抱え込まず、大和や皆を頼ってください。大和は提督と支え合いながら生きていきたいです!」

大和「提督! 心より愛しております!!」ニコッ

 

262: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:38:09.41 ID:Q1IxI1jM0

提督「ありがとう、やまt・・・・・・」

チュッ・・・・・・

大和「ん・・・・・・////」

提督「大和・・・・・////」

大和「これで二回目ですね。大和が提督の唇を奪ったのは////」ニコッ

提督「確かに。このままやられっぱなしも嫌だしな////」スッ

大和「あ・・・・・・////」クイッ

提督は大和の顎をあげ、その唇に優しく接吻する。大和はすぐに両手を提督の頬にあて、ゆっくりと引き寄せる。やがて大和はその両腕を提督の首に回し、提督はそれぞれ大和の後頭部と腰を抱き寄せ、互いに密着しながら唇を求め合い、舌を絡ませる

大和(提督・・・・・・提督・・・・・・! 好き・・・・・・好き・・・・・・大好き・・・・・・!!)

 

263: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:38:48.04 ID:Q1IxI1jM0

「・・・・・・あの~」

 

264: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:39:20.75 ID:Q1IxI1jM0

提督・大和「っ!?」ビクッ

吹雪「大変申し訳ないんですけど////」

北上「そーゆーのは二人っきりの時にベッドでやってほしいんだけどー////」

大鳳「み、見てるこっちが恥ずかしいですよぉ////」

文月「ほわぁ、ラブラブー!」ニコニコ

利根「青春するのは構わんが、時と場合を弁えてもらわねばな////」

妖精「ちょっとは周り見なよバカップルが」

提督「わ、悪ぃ////」

大和「す、すみません////」パッ

 

265: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:39:57.38 ID:Q1IxI1jM0

提督「いや、とにかく。皆ありがとう。皆のお陰でこの鎮守府、延いては街を守る事ができた」

北上「波止場に面した建物以外は・・・・・・ね」

吹雪「それは言っちゃダメです」

提督「とりあえず皆は入渠してきてくれ。俺は今から飯を作r・・・・・・」

妖精「させないよ!?」ギロリ

提督「嘘です冗談です」

妖精「当たり前!! あんたが一番の重傷患者なんだからね!!」

提督「じゃ、じゃあ俺は部屋にいるから入渠して飯食って早く寝ろ。以上、解散」

艦娘「はっ!」ビシッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督寝室

提督「使えなくなった施設は何処だ?」

妖精「工廠は全壊、あと艤装や装備の倉庫とあたしの医務室が半壊。波止場は壊滅的だし、出撃は無理だね」

提督「するつもりもねぇよ。どうせ暫くこの鎮守府は機能しねぇさ」

妖精「とはいえ、直すに越した事は無いね」

提督「確かに。お願いしてもいいか?」

 

266: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:40:36.87 ID:Q1IxI1jM0

妖精「任された。てか元々あたし達の仕事だしね」

提督「明日は俺も手伝うさ」

妖精「ふふ、あんたが吹っ切れたみたいで安心したよ。元帥達も喜ぶだろうね」

提督「はは、そうかもな。あんたにも迷惑かけたな」

妖精「うぅん。本当に良かったよ。じゃ、安静にしてなよ」テテテテ

提督「はいはい」

ガチャ・・・・・・パタン

提督「・・・・・・」

提督(今までごめんな、ヤマ。俺はもう一度前に進む。皆と、大和と一緒にな)

提督(だから皆を見守ってやってくれ)

提督「大和(あいつ)をお前の分も含めて、愛したい」

提督「今度こそ、もう何も失わねぇように・・・・・・」

続く

 

267: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:43:17.27 ID:Q1IxI1jM0
これで前編は完結です。色々詰め込み過ぎた気がしますが、それでも気に入ってくれる方がいると幸いです。
では、後編の投稿を暫くお待ちください。

 

268: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:54:38.16 ID:Q1IxI1jM0
続編
大和「もし許されるなら」2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492267924/

 

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 11:19:02.14 ID:DOopKAd5o
乙、続編もこれから読んでくるぞ
2: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:53:28.96 ID:Q1IxI1jM0

最終決戦の翌日

提督「ふぅ、まあこんなとこで一先ずかな」

妖精「まぁ、ホントに応急処置みたいなもんだね」

大和「しばらく鎮守府は機能しそうにありませんね」

吹雪「そもそも私達って出撃する意味ありますかね?」

北上「もう深海棲艦いないしねー」

文月「暇だねー」

大鳳「終わってみると少し喪失感があります」

利根「うむ、今か今かと待ち侘びたものじゃが、いざ終わったら呆気ないものじゃな」

提督「とりあえず、親父に呼び出されてるんだ。お前ら今から大本営に戻るぜ」

艦娘「はっ!」ビシッ

妖精「んじゃ留守番してるね」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」ポカーン

艦娘「・・・・・・」ポカーン

提督「なぁ、親父」

元帥「何じゃ?」

提督「どうしたらこんな風になるの? それにそこいらにある敵の亡骸だけどさぁ」

北上「所々融解した黒焦げの塊に、蜂の巣状態の敵」

吹雪「四肢が千切れた上に首から上が破裂したような敵もいますよ・・・・・・」

利根「あれは滅多打ちにされて最早原型を留めておらんのぅ」

元帥「うむ、全面衝突した結果じゃよ」

提督「敷地内に無傷な建物見当たらないんだけど!?」

 

3: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:55:27.31 ID:Q1IxI1jM0

長門「そう言うな。何はともあれ勝利したのだ」

金剛「カイも無事で良かったデース」

大和(つい昨日まで重傷者だったんですけど・・・・・・)

提督「皆も無事で良かったよ」

元帥「時に大和ちゃんや」

大和「はい」

元帥「息子を守ってくれて本当にありがとう」

大和「! はい!」

陸奥「そういえば櫂、副長さんの事なんだけど・・・・・・」

提督「え!? まさか兄ぃが!?」ギョッ

陸奥「えぇ・・・・・・港湾棲姫との戦いで・・・・・・壮絶な死闘の末・・・・・・」ツーッ

艦娘「っ!?」

提督「う、嘘だろ・・・・・・あ、兄ぃ・・・・・・」ヘナヘナ

大和「提督・・・・・・」

提督「あ、兄ぃぃぃぃぃぃッッッ!!」

 

4: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:56:09.65 ID:Q1IxI1jM0

副長「やかましいなぁ、何やな」ヒョコ

提督「っ!?」ギョッ

艦娘「っ!?」ギョッ

提督「え? え!? 兄ぃ!? 何で!? まさか幽霊!?」

副長「勝手に人殺すなボケ!!」ゲシッ

提督「痛てぇ!?」

副長「陸奥! 何紛らわしい事言うとんねん、櫂が可愛そうやろが!!」

陸奥「ごめんなさーい」テヘッ

北上「し、心臓に悪いよ、びっくりしたじゃん」

吹雪「本当ですよ、死んじゃったのかと思ったじゃないですか!」

提督「ん? でも陸奥姉、じゃあ兄ぃに何があったんだ?」

陸奥「それは・・・・・・ねぇ?」チラッ

副長「まぁ、実際見てもろた方がええやろな。おい、こっち来ぃや」コイコイ

「・・・・・・」スタスタ

提督「!?」

大和「な!?」

吹雪「えぇ!?」

北上「へ!?」

大鳳「え!?」

文月「ほわぁ」

利根「何と!?」

 

5: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:56:51.59 ID:Q1IxI1jM0

港湾棲姫「ア、アノ・・・・・・コ、港湾棲姫デス。ヨロシクオ願イシマス・・・・・・」スッ

提督「これは一体どういう事だ?」

大和「な、何で深海棲艦が」

提督「ん? 腕組んでる?」

北上「え? まさか・・・・・・」

副長「うん。何か知らんけど、惚れられた」

提督・艦娘「はぁ!?」ギョッ

港湾棲姫「アナタ、襟ガ曲ガッテルワ」テキパキ

副長「ん? あぁマジか、おおきに」

港湾棲姫「・・・・・・////」スリスリ

北上「ま、まあ愛は人それぞれだしね」

吹雪「あれもう新婚夫婦じゃないですか」

大鳳「提督と大和さんに加えて」

利根「こっちまでこんな事になっておるとは」

文月「港湾ちゃん、よろしくー」ニパァ

港湾棲姫「ヨ、ヨロシク」ニコッ

提督「おめでとう兄ぃ、やっと彼女いない歴=年齢に終止符打てたな」ホロリ

副長「やかましいわ」

元帥「まぁとにかく。大本営は全壊したが、儂らにはまだやるべき事がある。とりあえずはこの壊れた建物を直したいんじゃが、如何せん人手が足りんのでな」

提督「じゃあ俺ら帰りますんで」クルッ

団長「逃がさんぞ櫂」ガシッ

提督「げっ、叔父貴!?」

団長「お前達も手伝え。憲兵師団長命令だ」ニヤリ

提督「しょ、職権乱用だぁぁ!!」ジタバタ

団長「いいから手伝え」ズルズル

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

6: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:57:33.60 ID:Q1IxI1jM0

元帥「ふむ、まぁこんなところじゃな」

提督「や、やっと終わった・・・・・・」

榛名「お疲れ様です」

大和「榛名さん達も。ずっと働き詰めじゃないですか」

榛名「榛名達は大丈夫です。これしきの事は慣れっこですから」

提督「そういや親父」

元帥「何じゃ?」

提督「深海棲艦が壊滅したから、大和達は解体なのか?」

元帥「まぁそうなるな。じゃが、その前に幾つか任務をこなしてもらうぞい。しばらく期間をやるから、皆の進路を決めさせてやる事じゃ」

提督「ありがとう。で、任務って?」

元帥「うむ、明日になれば遠方に出向いておったあやつが帰って来るからのぅ。明日詳細を話そう」

提督「何だ、あいつ帰ってくるのか」

元帥「かれこれ半年は会っておらんじゃろう」

提督「まぁな。じゃ、俺らは休ませてもらうぜ」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

7: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:58:39.50 ID:Q1IxI1jM0

翌日

提督「さてと、久しぶりだなぁあいつに会うのも」

吹雪「? 誰か来るんですか?」

北上「こんな朝早くに誰が来んのさ」

提督「大和以外は面識ある奴だ」

大和「お知り合いですか?」

提督「同期にして俺の数少ない友人だ。腐れ縁みたいなもんだよ」

??「腐れ縁とは酷いな櫂」

提督「! 帰ったかこの野郎!」

??「今しがたの到着だ」

バシッ

提督「久しぶりの本土の土はどうだ、親友」握手

??「いいもんだ、やっぱり生まれ故郷の土地は安心するぜ」握手

吹雪「! 霊峰さん」

北上「あ、クソマゾ提督」

??「再会早々酷くね!?」ガビーン

大和「?」

友提督「初めての人もいるしな。自己紹介させてくれ。俺は『霊峰 学(れいほう まなぶ)』。櫂とはガキの頃からの付き合いだ」

提督「こいつがこの前言った「ドイツ艦の艦隊」提督だ」

大和「! あぁ、なるほど」

友提督「! アンタが大和だな? 櫂から話は聞いてる(なるほど、確かにヤマと瓜二つだ)」

大和「初めまして。大和です」

友提督「あいつは知っての通りいい奴だ。どうか一緒にいてやってくれ」

大和「はい。分かっています」

 

8: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:59:20.72 ID:Q1IxI1jM0

??「ちょっと、Admiral! 私達を置いていくなんていい度胸ね!」スタスタ

友提督「あ、悪い」

提督「お、ビスマルクか。皆も久しぶり」

ビスマルク「久しぶりね、櫂さん」

プリンツ「櫂さーん、Guten Morgen!」ノシ

グラーフ「本土の土も久々だ・・・・・・」スタスタ

レーベ「遠方への出撃は疲れたよ」

マックス「これでしばらく休みがとれる」

ロー「やっとのんびりできるよー」

提督「レーベ達には悪ぃけど、これから俺達また任務だぜ」

レーベ「・・・・・・え?」

マックス「」

ロー「う・・・・・・嘘だ」

友提督「まぁな。悪いが休みはお預けだ」

プリンツ「えぇえ!?」ガビーン

レーベ「Admiral、まさか知ってて僕達に教えなかったの!?」

友提督「だって教えたらお前ら嫌がって仕事しなくなるじゃん」

マックス「この世界には・・・・・・神はいないのか・・・・・・」

グラーフ「神は・・・・・・死んだ・・・・・・」

提督「ニーチェを入れるなニーチェを」

 

9: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/15(土) 23:59:59.85 ID:Q1IxI1jM0

ビスマルク「Admiral! 帰ったらデートしてくれるって言ったじゃない! あれは嘘なの!? 」

友提督「いやすまん、仕事中暇見つけて行こうか、な?」

ビスマルク「Ich wei? nicht mehr wie G?lle, Sie L?gner ist!(あなたのような嘘つきは、もう知らないわ!)」

友提督「Nun sage ich, dass Stimmung wieder.(まぁそう言うなって、機嫌直してくれよ)」ダキッ スリスリ

ビスマルク「!? Gefesselt! Wissen dieser gro?en L?gner Idiot Admiral, Schande!(離せ! この大嘘つきのバカ提督、恥を知りなさい!)////」カァァ

提督「何で帰還早々、痴話喧嘩見せつけられてんだ俺達」

吹雪「何言っているのかさっぱり分かんないです」

提督「うん、まぁ・・・・・・」

北上「提督ドイツ語分かるの?」

提督「寧ろこれを聞くためにプリンツに教わった。Prinz, vielen Dank. Bismarck und er ist auch ein g?nstiger(プリンツ、ありがとう。あいつとビスマルクは、相も変わらずだな)」

プリンツ「Ja! Sie sind perfekte Paar!(はい! 二人はお似合い夫婦です!)」

提督「おいマナブ、親父に報告して来いよ」

友提督「あ、すっかり忘れてた」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元帥「さて。お主達二人には海外諸国の様子を調査してきてほしいのじゃ」

友提督「つまり、威力偵察って事ですか?」

提督「何で喧嘩売りに行くんだよ、様子見てくるだけだ」

元帥「うむ。深海棲艦が完全にいなくなったのか、それの確認も兼ねて遠方に出向いてほしい。そして向こうの国の軍が今後どのように動くかを確認してきてほしいのじゃ」

友提督「深海棲艦という共通の敵がいなくなった以上、外国が攻めてくる可能性も否定しきれませんしね」

 

11: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:01:29.46 ID:6enVUVL30

提督「あー、ったく! あの後延々とあいつのビスマルク愛と惚気話聞かされて砂糖吐きそうだったぜ」

大和「ふふふ、大変でしたね」ナデナデ

提督「なぁ大和?」

大和「はい?」ナデナデ

提督「何で俺、お前に膝枕されてんだ?」

大和「大和がしたかったからです////」

提督「あっそう////」

大和「どうですか、大和の膝枕」

提督「・・・・・・デス////」ボソッ

大和「聞こえませんよ~?」ナデナデ

提督「柔らかくてスベスベしてて・・・・・・気持ちいい・・・・・・です・・・・・・////」

大和「ふふ、ありがとうございます」ニコニコ

提督「何にせよ明日は朝早くにアメリカに向かうんだ。もう休んでおけ」

大和「海外は初めてで緊張しますね」

提督「吹雪達はもう寝たか?」

大和「はい。もう五人とも寝ています。明日のアメリカが楽しみなのでしょうね」

提督「お前もだ、早く寝ろ」

大和「提督はどうなさるおつもりですか?」

提督「マナブと一緒にこの後会議だ。視察中の予定を組まなきゃいけねぇからな」スッ

 

12: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:02:06.11 ID:6enVUVL30

大和「分かりました」

提督「おやすみ」

大和「おやすみなさい。! あ、そうだ提督」

提督「ん?」クルッ

大和「ん・・・・・・」チュッ

提督「っ!?////」

大和「おやすみのキスです////」スタスタ

提督「・・・・・・////」ボーッ

提督「・・・・・・何か積極的になったな、あいつ」

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ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

吹雪「あーっ、気持ちい~!!」ノビー

北上「やっぱり海の上はいいねー」

大鳳「艦娘ですもんね!」

文月「あー、イルカさんだ~」キャッキャッ

利根「おお、たくさんいるのぅ」

大和「あっちにはクジラもいます!」

ザザザザザザザザザ・・・・・・

提督「ったく、何も太平洋艤装で横断する事ねぇのに。俺だけこんなでっかい船乗って申しわけねぇ気持ちになるじゃん」

大本営妖精「皆最後に艤装で海を走りたいんですよ」

提督「アンタ達もごめんな、この船の操縦とか」

大本営妖精「いえ。皆さんの仕事をサポートするのが私達妖精の役目です」

提督「・・・・・・」ボーッ

大本営妖精「・・・・・・あの、櫂さん」

提督「ん?」

大本営妖精「先輩はお元気ですか?」

提督「元気だよ。今頃鎮守府の医務室で薬品棚の整理でもしてんじゃね?」

大本営妖精「そうですか。なら良かったです」

 

13: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:02:40.58 ID:6enVUVL30

・・・・・・ズキッ

 

14: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:03:24.43 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・っ!?」フラッ

大本営妖精「っ!? 櫂さん!?」

提督「あぁ悪ぃ、船酔いしちまったみてぇだ・・・・・・」

大本営妖精「それならいいんですが。水平線の方を眺めてください、楽になりますよ」

提督「ありがとう」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

数日後

提督「お、見えてきた。北アメリカ大陸」

大本営妖精「道中、深海棲艦は一体も遭遇しませんでしたね。もうこれは確定事項でいいかと」

提督「にしても。飛行機なら一日ぐらいで着くってのに数日かかるとは、ここが船の限界かぁ」

大本営妖精「これでも一般の船よりはずっと速いですよ」

提督「結局皆バテて船に乗るしよ」チラッ

北上「いやぁ、もうたっぷり艤装は堪能したから」

吹雪「もう何時でも艦娘辞められます」

提督「シャキッとしろよ、今からアメリカ海軍に謁見するんだからな」

大和「はい」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

スタッ

提督「ん~っ、遂に上陸したぜ!!」

北上「ユー!!」

大鳳「エス!!」

文月「エー!!」

吹雪「何だかんだ司令官もはしゃいでるじゃないですか」アキレ

大和「まぁまぁ」

利根「ふむ。ここがアメリカか・・・・・・」キョロキョロ

 

15: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:04:21.93 ID:6enVUVL30

??「I waited for you, Admiral Unabara」ビシッ

提督「! I thank for a meeting, Colonel」ビシッ

アメリカ大佐「Please come here, the general commander will wait for you」

提督「I understand. Thank you guidance. おいお前達、アメリカ軍総司令官がお待ちしてるそうだ、行くぞ」

艦娘「はっ!」ビシッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

コンコン・・・・・・

アメリカ大佐「General commander, I took people of the Japanese Navy.」

ガチャ・・・・・・

提督「Nice to meet you, General commander. I’m Unabara of the Japanese Navy.」ビシッ

艦娘「」ビシッ

??「I was waiting, Admiral Unabara. Welcome to the USA.」ビシッ

アメリカ総司令官「Anyway, hang it to the chair. Shall I serve even any drink?」

提督「Then, with your words. お前達も座らしてもらえ」ドサッ

大和「いえ、大丈夫ですから」

提督「分かった」

アメリカ総司令官「I heard everything from the Marshal of the Japanese Navy.」

提督「ーーーー」ベラベラ

アメリカ総司令官「ーーーー」ベラベラ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・というわけで、向こうにその気は無く寧ろこれまで以上の友好関係を築きたいとのこと、と」カタカタカタカタ

提督「深海棲艦は航行中確認せず、北太平洋においては完全消滅の方向で問題無し・・・・・・と」カタカタカタカタ

提督「送信っと」カチッ

 

16: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:05:00.53 ID:6enVUVL30

提督「報告は終わったな。結構気さくな人で良かった」ノビー

大和「日本との対立など言語道断、日米の絆はより強固なものにすべきだ、とも仰っていましたね」

提督「あぁ、内容分かっていたのか?」

大和「朧気ではありますが」

提督「総司令官がいいレストランを紹介してくれたし、今夜は二人で飯でも行くか?」

大和「はい。喜んで」ニコッ

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吹雪「司令官と大和さんは二人っきりでお食事ですし、私達はどうしましょうか?」

北上「あたし達も尾行する?」

大鳳「探偵みたいでワクワクします!」

利根「辞めておいた方がいいと思うがの」

文月「あたしもそう思うな~」

吹雪「確かに、見知らぬ国で何かあったら司令官にも迷惑ですし」

北上「まぁ・・・・・・言われてみれば」

??「それでしたら、一緒にお食事などどうでしょうか?」

吹雪「! 貴女は?」

??「申し遅れました。航空母艦サラトガです」

大鳳「航空母艦? 私と同じね」

サラトガ「お話は総司令官から聞いております。海原さんの艦隊の皆様、滞在中はサラ達に何なりと」

吹雪「随分と流暢な日本語ですね、びっくりしました」

サラトガ「いずれはサラ達も日本に派遣され建造される予定でしたので、日本語の修得は必須でした」

サラトガ「しばしお待ちを。もう一人、同僚が同じ艦娘どうしの会議に行っておりますので」

 

17: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:05:48.96 ID:6enVUVL30

バタンッッッ!!

??「ハーイ、アイオワ級戦艦アイオワよ!!」

艦娘「っ!?」ビクッ

サラトガ「もう、アイオワ。急に入ってきたらびっくりするでしょ?」

アイオワ「Oh,I’m sorry. 改めて! Meがアイオワよ!」

吹雪「よ、よろしくお願いします」

北上「パ、パツキンメリケンガール・・・・・・だ・・・・・・」ボーゼン

吹雪「北上さんが壊れた!?」

利根「何故じゃ!?」

文月「ほわぁ、大っきい~」

アイオワ「Oh! 何てpretty girl!」ダキッ

大鳳「ふ、文月ちゃん!?」

アイオワ「So cute!」ムギュー

文月「く、くるひぃよぉ・・・・・・」

大鳳「がはっ!?」ゴパッ

ドシャッ・・・・・・

吹雪「ちょっ、大鳳さん!?」ギョッ

北上「あぁ、精神的ダメージを・・・・・・」

サラトガ「ふふ、本当に賑やかで楽しい艦隊」ニコニコ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

18: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:06:33.11 ID:6enVUVL30

数日後

提督「We were taken care of for a few days」握手

アメリカ総司令官「Please send the best regards to Marshal」握手

提督「アメリカ軍に敬礼!」ビシッ

艦娘「はっ!」ビシッ

アメリカ総司令官「Salute the Japanese Navy!」ビシッ

「「「Yes,Sir!!」」」ビシッ

アイオワ「See you again!」ノシ

サラトガ「Goodbye everyone」ノシ

提督「・・・・・・」

大和「提督?」

提督「いや、ずっとここに来てから思ってたんだけどな」

吹雪「司令官?」

大鳳「何をですか?」

利根「お主が思い悩むとは、余程の事なのじゃな」

文月「何何~?」

提督「実はな・・・・・・」

艦娘「っ・・・・・・」ゴクッ

提督「アメリカの艦娘が皆同じ顔ばっかに・・・・・・アイオワとサラトガ以外同じ顔に見えるんだ」

吹雪「そんな事!?」ズッコケ

提督「うん、これでずっと悩んでた」

北上「何とまぁどうでもいい・・・・・・」

吹雪「もう! 私達の心配を返してくださいよぉ!!」グルグル

ポカポカポカポカ・・・・・・

文月「やっちゃえ~」コチョコチョ

コチョコチョ、コチョコチョ・・・・・・・

提督「痛っ、痛い痛い殴んなよ吹雪、文月もくすぐるなよ、や、止め! 大和助けて」

大和「ふふふ」ニコニコ

大鳳「行け行け~二人とも~」

北上「何この締まらない終わり方・・・・・・」

利根「言ったら負けじゃよ」トホホ

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19: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:07:17.04 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・って事だ。報告書にもあるように、アメリカも友好関係を続けるってよ」

元帥「うむ、不安も杞憂じゃったか。いや、本当に良かった」

提督「他のエリアはどうなんだ?」

元帥「大部分のエリアで、発見されてはおらん。確定で良かろう」

提督「良かった。じゃあ俺達は鎮守府に戻るから」クルッ

元帥「うむ。近い内に新たな任務を送るからのぅ」

スタスタスタ・・・・・・

ーー
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ーーーーーー

鎮守府

提督「帰ったぜー」

大和「お疲れ様でした、提督」

提督「いや、皆もお疲れさん。部屋でゆっくり休みな」

艦娘「はっ!」ビシッ

ヨーシ、サッソクオミヤゲアケヨウ!

オーッ!

提督「ふぅ。約二週間ぶりの執務室だ」スタスタ

ギシッ・・・・・・

提督「あ~、この椅子の感触・・・・・・やっぱり慣れた椅子が一番だ」ノビー

大和「少し年寄りくさいですよ、提督」モミモミ

提督「ん? あぁ、サンキュー大和」コキコキ

大和「凄く張ってますよ、酷い肩凝りです」モミモミ

提督「まぁな。デスクワークの宿命だよ」

大和「首の方も失礼しますね」モミモミ

提督「あぁあ、そこそこ・・・・・・」

大和「ふふふ、やっぱりお年寄りみたいです」モミモミ

 

20: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:07:51.02 ID:6enVUVL30

大和「提督、上を向いてください。首が前に傾いてますよ」

提督「ん? 分かった」クイッ

ギュッ・・・・・・

提督「ん!?」ムニュ・・・・・・

大和「ふふふ、捕まえました////」ギュゥゥ

提督「お、おい大和・・・・・・!?////」ムニュムニュ

大和「どうですか、大和の胸部装甲は?」

提督「(こ、後頭部に・・・・・・)柔らかくて気持ちいい・・・・・・って何言わせんだよ!!////」

大和「ありがとうございます////」スッ

提督「!////」

チュッ・・・・・・

大和「提督の唇、甘くて大好きです////」

提督「日に日に積極的になっていくなぁ、お前////」

大和「大和をここまで虜にする提督が悪いんです////」チュッ

ハムハム・・・・・・アムアム・・・・・・

提督(っ、この! 甘噛みしてきやがって!////)

 

21: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:08:28.02 ID:6enVUVL30

妖精「・・・・・・あのさぁ」

 

22: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:09:33.16 ID:6enVUVL30

提督「どわぁっ!?」ビクッ

大和「きゃあっ!?」ビクッ

妖精「二人っきりでお熱いのは結構なんだけど、せめて時と場所を弁えなよ。変態社長とエロ秘書か」ヤレヤレ

提督「わ、悪ぃ・・・・・・////」

大和「あぅあぅ・・・・・・////」

妖精「大和も、提督が愛おしいのは分かるけどすぐに発情しない!」

大和「は、はつっ!?////」ボンッ

提督「いや、本当にごめんって。ほら、土産やるから」ガサゴソ

妖精「土産? そういやアンタらアメリカ行ってたんだってね」

提督「ほれ、ブランデーチョコ」スッ

妖精「おぉ、これがテレビに取り上げられたセレブ御用達の高級ブランデーチョコ!」キラキラ

提督「皆も食べるかと思って、三箱買ってきたぜ」

妖精「皆ー、お土産だよ~!」

ワイワイガヤガヤ・・・・・・

大和「はむっ・・・・・・ん~、おいひぃ~」モキュモキュ

提督「結構いけるな、アルコールいくつだ?」モグモグ

妖精「お菓子に入ってるアルコール度数なんてたかが知れてるよ」パクッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

数時間後

提督「・・・・・・」zzz

妖精「むにゃむにゃ・・・・・・」zzz

大和「皆さん寝ちゃいましたね。風邪ひいちゃいますよ」つ毛布

バサッ・・・・・・

提督「う・・・・・・ん・・・・・・」zzz

 

23: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:10:46.37 ID:6enVUVL30

大和「大和も眠くなっちゃいました」フワァァ

大和「提督、失礼致します」バサッ

モゾモゾ・・・・・

大和(提督の腕枕・・・・・・大和は幸せです////)

提督「ん・・・・・・」モゾモゾ

大和(っ!? 提督の寝顔、やっぱりいつ見ても可愛いです////)キュン

ツーッ・・・・・・

大和「っ!?」ハッ

提督「・・・・・・」ツーッ

大和「・・・・・・涙・・・・・・」

大和(提督・・・・・・泣いているのですか?)

大和「提督・・・・・・」スッ

ペロッ・・・・・・

大和「っ、しょっぱい・・・・・・っ!?」

許して・・・・・・くれ・・・・・・

大和(これはあの時の・・・・・・リーダーの力で提督が纏っていた赤黒いオーラ・・・・・・)

大和(『憤怒の炎』の時と同じ・・・・・・まるで提督の思いが直接脳内に響くような感覚。これは一体・・・・・・)

提督「・・・・・・」ポロポロ

大和「提督・・・・・・大和はここに。お側におります」ギュッ

大和(詳しくは分かりませんが、今すべき事。それは提督の苦しみを和らげる事です)

大和「大丈夫・・・・・・大丈夫ですよ」ナデナデ

ーー
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ーーーーーー

 

24: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:11:16.83 ID:6enVUVL30

さぁ、選べ! どちらかを切り捨てれば片方が助かる!

い、嫌だ!! 俺にはできねぇ!

ならばどちらも失うだけだ

ドォォォォォンッッッ

うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!

ーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー

 

25: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:11:53.18 ID:6enVUVL30

提督「っ!?」ガバッ

提督「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」ガタガタ

提督「・・・・・・夢・・・・・・か」チラッ

大和「・・・・・・」zzz

妖精「んにゃ・・・・・・」zzz

提督「・・・・・・うっ!?」

フラフラ

妖精「・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「おぇえっ!!」

ビチャビチャ・・・・・・

提督「はぁ、はぁ、うぅ・・・・・・」ガクガク

提督「久しぶりに吐いたな、くそっ・・・・・・」
グイッ

提督「にしても、吐瀉物に血みてぇのが混じってんな。まだ傷は完治してねぇのか?」

提督「トイレ掃除は後でするとして、口だけ漱いでおくか」フラフラ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ガチャ・・・・・・

提督「うぅ、俺一人のトイレとはいえ時間かけすぎたか・・・・・・」スタスタ

大和「提督・・・・・・」

提督「! 大和か、どうした?」

大和「顔色が優れませんが、如何がなさいました?」オロオロ

提督「いや、何でもねぇよ」

大和「・・・・・・そうですか」キィィ

提督「まだ早いし、もう一眠りして来い」

大和「分かりました」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

26: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:12:30.42 ID:6enVUVL30

数日後

大和「元帥から新たな任務が通達されました」スッ

提督「ん? 何させるのかねぇ」ウケトリ

吹雪「数日間暇でしたからね」

大鳳「吹雪さんずっと自主練してたじゃないですか」

利根「吾輩は結構充実しておったぞ」

北上「あたしも大満足だよー」

文月「あたしも~」

提督「利根はともかく北上と文月はどうせアニメばっか見てたんだろ」

北上「失敬な、ちゃんと漫画読んでゲームしてたよー!」

文月「映画二つ観たよー」

提督「大して変わんねぇよ! にしても」チラッ

提督「そんなインドア派を外に叩き出すのにぴったりな任務だな」

大和「任務の内容は何でしょうか?」

提督「兄ぃの仕事手伝うんだってよ。まぁ、艦娘(お前達)が解体された後の進路の参考になるし」

吹雪「副長さんって何をしてるんですか?」

提督「艦娘が社会で真面目に生活できているか調べてるのさ。お前達は私服で大丈夫だから、明日は好きな服着て仕事だ」

北上「えー、ジャージでいいー?」

提督「もうちょっとさぁ、年頃の女の子なんだからお洒落に気を使おうとか思わねぇのか?」

北上「お洒落に金を使うくらいなら漫画に使った方がいーじゃんかー」ブーッ

吹雪「もう、北上さんの服は私が決めますからね!」

文月「あたしもいーい~?」

吹雪「もちろん!」ニコッ

提督「まぁ明後日だし、今日明日で服買ってきてもいいんじゃねぇか? お前達皆で行ってこいよ」

利根「では、お言葉に甘えさせてもらうかの」

大鳳「じゃあ行ってきますね!」

提督「大和、お前も行ってこい」

大和「よろしいのですか?」

提督「あぁ」コクッ

吹雪「じゃあ司令官、留守番よろしくお願いしますね!」

提督「行ってら~」ノシ

ガチャ・・・・・・パタン

 

27: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:13:08.46 ID:6enVUVL30

妖精「何で皆追い出したのさ」

提督「・・・・・・少し一人になりたかった」

妖精「あんたがそうしたがるのは大体何か嫌な事があった時だ」

提督「・・・・・・なぁ妖精さん」

妖精「ん?」

提督「あいつらにとって、俺は本当に必要なのか?」

妖精「藪から棒に何言い出すんだか。あんたが提督である以上、あの娘達には必要だと思うけどね」

提督「"提督である間は"・・・・・・だろ?」

提督「あいつらが解体された後社会に出て暮らす上で、提督(俺)の存在はあいつらにとっての枷でしかねぇよ」

戦争が終わり、解体されて普通の人間に戻った彼女達は社会で生活する。当然そこで気になる異性や尊敬する人と出会い、その人達と生きていくものだ。そうなった時、自分という存在が足を引っ張るのではないか

妖精「あー、言い方が悪かった。そういう意味じゃなくて」アタマグシグシ

提督「あ?」

妖精「あの六人にとってあんたはただの"提督"かい?」

妖精「吹雪と大鳳にとってはお兄ちゃん。北上と利根にとっては親友。文月にとってはお父さん。そして大和にとっては愛する人なんだよ?」

提督「は?」

妖精「"提督"なんてのは軍属中の肩書きでしかないよ。少なくともあの娘達にとって必要なのは"提督"じゃなくて、その本質である"海原 櫂"そのものなんだとあたしは思う」

提督「俺そのもの?」

妖精「あの娘達は多分あんたから離れようとなんてしないよ。元帥と違って少数な分皆とあんたとの繋がりや絆が強いから」

提督「自立させねぇとな」ニガワライ

妖精「まぁ無理だね、諦めな」ニヤ

妖精「難しい事言ったかもしれないけど、あたしは例え皆が解体されても提督から離れはしないと思うよ。例え自分達がいかず後家になっちゃうとしても」

提督「・・・・・・分かった。ありがとう」

妖精「気にしない気にしない」

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ーーーーーー

 

28: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:13:47.37 ID:6enVUVL30

任務当日

提督「さぁお前達、待ちに待った社会見学の日だ」

北上「何で提督は軍服なのさー?」

提督「俺は仕事だからだ」

ガチャ

副長「おー、皆揃っとるな」

提督「兄ぃ、久しぶりって、何かゲッソリしてね?」

副長「うん、まぁ・・・・・・あの娘に毎晩搾られた結果これよ」

提督「マジかよ」ゾッ

北上「おー、早速惚気けてますねー」ニヤニヤ

吹雪「港湾さん、もう同居してるんですか?」

副長「まぁな、俺が監視すんのも兼ねるっちゅうたら皆同意してくれたし」

大鳳「監視という名義ですよね」

副長「まぁそういうこっちゃ」

大和「それで、仕事の方は?」

副長「あぁせや、ほんなら目的地だけ伝えるわ、ほれ」つ紙

提督「えーっと、『ショッピングモール』と、『動物園』と、『孤児院』?」

副長「何処も車で一時間かからへんし、ちょっとよるぐらいやから一日で終わるで」

文月「車で行くのー?」

副長「せやけどなぁ、一つ問題あんねん」

提督「問題?」

 

29: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:14:30.21 ID:6enVUVL30

副長「俺の車六人乗りやから、二人余んねや。どないしたらえぇやろか」

提督「あぁ、じゃあ俺がバイク出すよ。後ろに大和乗せてくから」

大和「え!?////」

提督「ん? 嫌か?」

大和「い、いえとんでもない! 是非////」

副長「決まりやな。ほな早速出発しよか」

副長「後なぁ仕事やけど軍服はあかんで櫂。私服で行くで」

提督「え、私服でいいのかよ?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

副長「おし、着いたで。最初の目的地、ショッピングモール」

吹雪「鎮守府(うち)の近所のショッピングモールよりずっと大きいですね」

提督「ん? 確かここって・・・・・・」

副長「せやで。ここは元大本営の艦娘、つまり櫂の姉貴達で営業しとるんや」

提督「やっぱりか」

吹雪「えぇ!? じゃあたった一つのショッピングモールじゃないですか!!」ギョッ

大和「元艦娘が営業している・・・・・・」

副長「とりあえずカフェで昼食とるか。えぇ店あんねや」ニヤニヤ

提督「メイドカフェか? 港湾の姉貴にチクるぜ?」

副長「ちゃうわ、アホ!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

30: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:15:08.39 ID:6enVUVL30

北上「何ここ?」キョトン

吹雪「"カフェ Thunderbolt"!?」

利根「何とも威厳の感じる名前じゃな」

大和「カフェらしさが微塵も感じられないのですが」

提督「お前達見た目で物を判断するもんじゃねぇぜ。見ろ大鳳を」チラッ

大鳳「あぁ、ランチコースもいいけどパンケーキもいいなぁ。あ、でもサンドイッチも捨て難いし・・・・・・どれにしようかなぁ」ギラギラ ダラダラ

提督「目を爛々と輝かせて口からは滝のように涎垂らしてやがる。ほら涎拭けよ」つハンカチ

副長「まだ入るゆーとらへんのに」アキレ

艦娘(一ヶ月くらい何も食べてない肉食獣みたい)ゾッ

副長「まぁ目的地ここやし。入ろか」スタスタ

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

副長「八人や、禁煙席で頼むわ。後職場調査も兼ねとるけどな、電」

元電「副長さん、お久しぶりです。あ、櫂も久しぶり。大きくなったわね」

提督「久しぶり、電姉。何か落ち着いたなぁ、艦娘の時は『はわわ』とか『なのです』って言ってたのに」

元電「もう、言わないでよ恥ずかしいわ。では席にご案内しますね」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元電「ご注文はお決まりですか?」

副長「あぁ、ちょっと多いけどえぇか?」ウィンク

提督「! あぁ、確かに多いな」ニヤ

元電「大丈夫です、ご注文をどうぞ」

副長「ほな、いくで・・・・・・」

 

31: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:15:52.22 ID:6enVUVL30

副長「先ずは"季節の野菜たっぷりサラダ"を大盛りで一つでもトマトとキュウリは抜いてな俺嫌いやから代わりにニンジンとキャベツ多めにお願い次は"ふわとろタマゴのサンドイッチ"を三つと"ジューシーハムベーコンサンド"三つ胡椒多めに振ってな後ハムとベーコンはちょい焦げ目がつくぐらいしっかり火ぃ通して次に"メチャ甘シロップパンケーキ"を二つバターは要らへんからどっちも抜いて後はシロップちょっと多めにお願いドリンクは"これぞレディの味! ブラックコーヒー"一つ砂糖とミルクは要らへんで次に"一番搾り果汁百%オレンジジュース"を氷抜きで二つ後パルプも抜いてな次に"カルピスソーダ"と"ジンジャーエール"を二つ"コーラ"一つ後は・・・・・・」

元電「はわわっ!? ちょ、ちょっと待ってくださいなのです!」ビクッ

提督「あ、口調戻った」

元電「えっと、サラダが三つでサンドイッチが五つ、じゃなくて、六つで・・・・・・」ハワハワ

「落ち着いて電、私がきちんと聞いていたわ」スタスタ

元電「雷ちゃん!」

元雷「もう副長さん、毎度電をからかうのやめてよね!」プンスカ

副長「ははは、堪忍堪忍。電からかうのおもろいからな。せやけど、『当店ではそのようなサービスは行っておりません』って感じで上手く流さなあかへんよ」

元電「お客様のご要望にはちゃんと答えたいのです」

元雷「! 櫂なのね!? 久しぶり、大きくなったわね!!」

提督「久しぶり、雷姉。電姉といい、何か身長伸びてねぇか?」

元雷「解体されたから私達も歳をとるようになったのよ!」

元電「と、とりあえずご注文を聞き返すのです」

艦娘(完全に口調戻ってる)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元電「では、しばらくお待ちくださいなのです」スタスタ

副長「はいよ~」ノシ

副長「いやぁ、おもろかった」ケラケラ

北上「いい趣味してるねぇ副長さんも」

提督「まさか毎度こんな事してんのか?」

副長「まぁな。このカフェ来たら大体しとる」

吹雪「電ちゃん可哀想ですよ」

文月「だよねー」

利根「とはいえ、このメニューかなり安いが
これで成り立っておるのか?」

副長「とある業界で人気なんやわ、こんな感じの店は」

 

32: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:16:28.93 ID:6enVUVL30

「お待たせしました」スタスタ

「хорошо」スタスタ

提督「お、暁姉にヴェル姉」

元響「ヴェールヌイは呼びづらいだろう? 響でいいって言ってるじゃないか」

元暁「あっ!」カクッ

副長「おわ、危なっ!」パシッ

提督「うわ、暁姉大丈夫か!」ガシッ

元暁「これくらい大丈夫よ、暁はもう一人前のレディなんだから!」

元響「躊躇なく暁を見捨ててお盆を取ったね副長さん」コトッ

副長「あはは、つい・・・・・・」

元響「そういえば、ちゃんとロシア語は勉強してるかい?」チラッ

提督「う、最近ご無沙汰です・・・・・・」ギクッ

元響「Как это происходит?(調子はどうだい?)」

提督「っ!? Да, это сильно.(はい、好調です)」ビクッ

元響「・・・・・・うん、問題なさそうだ」ニコッ

提督「す、спасибо(ありがとうございます)」

元響「とりあえず客足も落ち着いたし雑談しても大丈夫だね。それで、櫂と一緒の皆は?」

元暁「櫂の鎮守府の艦娘よね? 今日は非番なの?」

大和「解体後の進路の参考にと思いまして」

元響「なるほど、確かに解体後どうするかは大変だからね。暁は最後まで迷っていたし」

元暁「も、もう! 恥ずかしいから言わないでよ!」

副長「まぁ、皆ちゃんと暮らせとるし問題あらへんな」

元響「うん、ただ一つ問題があってね」

提督「ん? 問題って何d・・・・・・」

 

33: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:17:13.15 ID:6enVUVL30

「おいおい、電ちゃん俺らと遊ぼうよぉ!!」

提督「ん?」チラッ

元響「あぁ、また来ていたのか」

副長「何や騒がしいなぁ」チラッ

見ると電に言い寄る三人の男がいた。誰もが自己主張の激しい服を着てタバコを咥え、似合わない色に髪を染めている

元暁「電に言い寄ってくる迷惑な客よ」

「ほらほら誰も迷惑してねぇんだしさぁ」ニヤニヤ

元電「嫌なのです、辞めてください!」

「またまたぁ、そんな事言って恥ずかしがらなくてもいいんだよ?」

北上「あの三人かっこつけてんのかねぇ」

元雷「貴方達! 毎度毎度電に嫌がらせするの辞めてちょうだい、迷惑なのよ!!」

元電「雷ちゃん・・・・・・」ウルウル

「あぁ!? 客の言う事が聞けねぇのか!?」

「お客様は神様ですって言葉知らねぇのか!?」

「常識だぜ姉ちゃん!?」

吹雪「うわぁ、めんどくさいお客ですね」

副長「・・・・・・ブフッ」

副長「あははははははははははッッッ」

提督「あはははははははははは、ひーっ、ひーっ!!」バンバン

艦娘「」

「「「」」」

副長「ちょ、おま、聞いたか櫂!? 『お客様は神様』やってさ!!」ゲラゲラ

提督「『常識だぜ!?』だってさ、もう笑っちまうよ!!」ゲラゲラ

 

34: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:17:53.69 ID:6enVUVL30

文月「? 司令官何で笑ってるの?」

吹雪「『お客様は神様』って、合ってるんじゃないですか?」

副長「あんなぁ、『お客様は神様』っちゅうんは、ある演歌歌手が言った"ものの例え"なんやわ」

提督「歌を唄う時にな、あたかも神前で祈る時のように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできない。だから、お客様を神様とみて、歌を唄う。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件だから、お客様は絶対者、神様なのですっていう、いわばその人の心得なんだ」

吹雪「そうなんですか!?」

副長「まぁ、それ以前に『お客様は神様』っちゅうんは店員側がそうやって心得るだけであって、客が言うべきもんやないでな。そもそもその人の言う"お客様"は聴衆やオーディエンスの事で、飲食店や商店の客やないで」

「「「っ!?」」」

提督「それを恥ずかしげもなく『常識』だなんて豪語しやがって・・・・・・」プルプル

副長「あかん、あかんてマジで・・・・・・」ハラカカエ

「おい、てめぇらさっきからうるせぇんだよ」

「関係ないやつは引っ込んでろ」

「ぶっ殺されてぇのか!?」

副長「おぉ、神様がえらい荒れとんなぁ。お供えもんが足らへんかったか?」ニヤニヤ

提督「兄ぃやめてやれよ、信仰が足らねぇから神様も怒ってんだって」ケラケラ

「っ!? てめぇぶっ殺す!!」ブンッ

提督「おぉおぉ鎮まりたまえ、神様よ」

副長「からかい過ぎたんは堪忍な、せやけどなぁ」チャキッ

ヒュヒュン

スパパパパパ・・・・・・

「「「・・・・・・え?」」」

ポトポトポト・・・・・・

副長「ここ禁煙席なんやわ、タバコは他所で吸ってくれるか?」ギロッ

「「「ひぃぃっ!?」」」ビクッ

北上「タバコの火の部分だけ器用に切り落としたねー」

「な、何で刀持ってんだよ!?」ガタガタ

「じゅ、銃刀法違反だぜ、犯罪者が!」

提督「まぁ、拳銃とか刀携帯しててもいい身分だし」ギロッ

副長「それに自分ら『ぶっ殺す』とか、脅迫罪やで? 警察呼ばれて危ないんはそっちなんちゃうか?」ギロッ

 

35: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:18:29.23 ID:6enVUVL30

「くっ、くそぉ、二度と来るかこんな店!!」

提督「とか言いつつ、一週間後にはケロッと忘れてヒョコヒョコ足を運ぶ疫病神であった」

>アハハハハ
>ゲラゲラ

「っ!? ////」カァァッ

「くっ、くそっ!! ////」カァァッ

「覚えてやがれ!! ////」カァァッ

タッタッタッ・・・・・・

提督「悪ぃ、5分で忘れるわ」ケラケラ

副長「二度と面見せんなよぉ」ケラケラ

パチパチパチ・・・・・・

元電「副長さん、櫂、ありがとうなのです!」

元雷「これでしばらくは平和になるわ、本当にありがとう!」

大和「でも、あの人達お代払っていませんね」

提督「あ、確かに」

元響「大丈夫だよ、これくらいなら」

副長「あぁ、俺が払っとくわ。どうせ大したもん頼んどらへんやろし」

元暁「ありがとう副長さん」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

副長「いやぁ食った食った。おし、早めに食ったし仕事再開やな」

文月「? 司令官はぁ?」

吹雪「さっき響さん達に呼ばれてましたよ」

北上「まぁ姉弟として話がしたかったんじゃない?」

 

36: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:19:10.24 ID:6enVUVL30

大鳳「うぅ、食べ過ぎたぁ・・・・・・」ウップ

利根「あの後更にお替わりしておったのぅ」

副長「食べ過ぎやわ大鳳」

大和「・・・・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

元暁「皆の進路の役に立ったかしら?」

提督「あぁ、きっと参考になったよ」

元電「良かったのです。安心したのです」

元雷「それにしても櫂。あの大和って人、本当にいい人ね!」

提督「自慢の彼女だ」

元響「乗り越えたみたいだね。安心したよ」

提督「今のところはな」

元雷「辛くなったら何時でも私達を頼ってね!」

元響「君は私達にとって大事な弟なんだ」

元暁「一人前のレディ、暁に頼ってね!」エッヘン

元電「なのです!」

提督「ありがとう皆」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元電「ありがとうございましたなのです」ペコ

提督(あれ以降口調戻っちまったよ)

北上「次は何処行くのさ?」

大鳳「まさか全店舗廻るつもりですか?」

副長「まさか、そんなん今日中は無理やって。とりあえず今日は食料品店とペットショップやな」

利根「食料品店とは、そこかの?」

大和「ですね」

 

37: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:20:11.05 ID:6enVUVL30

「いらっしゃいませって、あぁ副長さん」

「いらっしゃい・・・・・・ませ・・・・・・」

副長「おぉ白雪に弥生か」

元白雪「櫂! お久しぶりです!」

元弥生「久しぶり・・・・・・櫂」

提督「白雪姉、弥生姉久しぶり。ここは吹雪型と睦月型の皆がいるのか?」

元弥生「そう・・・・・・」

「どうしたの白雪ちゃん?」スタスタ

「弥生ちゃんも」スタスタ

元白雪「あ、吹雪ちゃんに睦月ちゃん」

元吹雪「あ、副長さん。! 櫂も、久しぶり!」

吹雪「私!?」

元睦月「あ、櫂のところの艦娘だね! 吹雪ちゃんが二人いる!」

元吹雪「ホントだぁ、よろしくね」スッ

吹雪「は、はい!」スッ

「どうしたのぉ?」スタスタ

元弥生「あ、文月ちゃん・・・・・・」

元文月「ほわぁ、あたしがいる~」

文月「あたしだぁ~」キャッキャッ

北上「何かややこしい絵面だね」

副長「言うな、しゃあないやろ。とりあえず時間も押しとるし、軽く確認だけするで」

 

38: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:20:50.70 ID:6enVUVL30

吹雪「あの、吹雪さん!」

元吹雪「何?」

吹雪「私、成長するでしょうか!?」クワッ

元吹雪「うーん、私はあまり成長してないかなぁ。諦めちゃダメだよ! きっと大きくなるから」

吹雪「はい!」キラキラ

元睦月「あ、如月ちゃん! 副長さんや櫂が来てくれたよ!」

元如月「あらぁ、久しぶり~」

副長「おぉ、無沙汰やな」

元文月「そのヘアゴム可愛い~」

文月「司令官に買ってもらったのぉ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「結構働いてたな。全員だから軽く十人は越してるぜ」

副長「睦月型や陽炎型は艦娘屈指の大人数やからな」

大和「あの、何で元艦娘の皆さんは提督の事を呼び捨てにしているのですか?」

提督「ん? 年上の姉貴達なんだから別に違和感ねぇじゃん」

北上「でも、何かキャラ的にちゃん付けしそうな人いたじゃん」

文月「あたしも呼び捨てしてたよー」

副長「んー、まぁ事情があんねや。お、ペットショップ着いたで」

 

39: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:21:28.42 ID:6enVUVL30

「ぽいっ!」

副長「あ?」

提督「ん?」

艦娘「ぽい?」

提督「あ、夕立姉久しぶり」

元夕立「櫂、久しぶりっぽい!」

副長「おわ、えらいこっちゃ!」ガシッ

グイッ

元夕立「きゃあっ!?」

副長「おぉい店員さーん、犬が逃げ出しとんで~!」つ元夕立

元夕立「夕立は犬じゃないっぽい~!!」ジタバタ

「はいはい何でしょうか? って何だ、副長さんか。あ、櫂も久しぶり」スタスタ

副長「お、時雨! ちょうどえぇとこに、この犬ケージから逃げとんで」

元夕立「時雨ー、助けてっぽい~!!」ジタバタ

元時雨「毎度毎度夕立で遊ぶのは辞めてくれるかな、僕としても反応に困るんだ」

提督「何か、職務中の兄ぃの厳格さが失われつつあるな」

元時雨「これでも本当に集中してる時は鬼みたいだけどね」

提督「ここは白露型が経営してるのか?」

元時雨「そうさ、姉さんが店長、僕はその補佐。後が従業員で、村雨や夕立が主に接客してるんだ」

提督「接客・・・・・・ねぇ」チラッ

副長「さて、こいつ容れるケージ何処や?」キョロキョロ

元夕立「もー! いつまで夕立吊るされてるっぽ~い!!」ジタバタ

アッタマキタッポイ! ガブッ

イタッ、カムナアホ!

提督「あれが?」

元時雨「ノーコメントで」

ーー
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ーーーーーー

 

40: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:22:08.02 ID:6enVUVL30

元夕立「吹雪ちゃんや睦月ちゃんには会ったっぽい?」

提督「あぁ、元気だったよ」

元時雨「このショッピングモールの皆は元気さ。そういえば提督はどうだい? あのお歳だから色々心配なんだ」

副長「ぴんぴんしとるが」

大和「ここには元駆逐艦の皆さんが勤めているのですか?」

元時雨「そうだよ。大本営の駆逐艦はほとんどここに勤めているんだ」

北上「でも不思議だね、何で一から店建てたのさ?」

吹雪「確かに、わざわざ店つくらなくても就職すればいいですよね」

元時雨「なかなか難しいんだ、元艦娘の就職は。僕達や吹雪型、睦月型みたいに姉妹揃って働きたいけど、大所帯だから全員が雇ってもらえないなんてザラだからね」

元夕立「だから、いっそ自分達で店をつくればいいって思ったっぽい!」

提督「さらっとものすごい事考えたんだな、皆」

大鳳「よく皆さんだけで経営していけますよね、店の経営なんて大変ですよ」

元時雨「まぁね。何人かはその為に大学に行って経営の分野とか、経済学を学んだって話さ。そう言う僕もその一人だよ」

利根「それまでの間はどうしておったんじゃ?」

 

41: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:22:52.38 ID:6enVUVL30

元時雨「色々したさ、パートを探して短期で雇ってもらったり、深夜のバイトを姉妹交代で行ったり。そうこうして準備ができた時に駆逐艦の皆で集めたお金でこのショッピングモールを建てたんだ」

大和「夢のような話ですね。大変でしたでしょう?」

元時雨「もちろん、提督や他の皆にも支援はしてもらったさ。お陰でこのショッピングモールはどの店も好調、今じゃ連日大賑わいなんだ。今日もさっきまでお客が殺到してたんだよ」

副長「お、そろそろ混みそうやな。別の所も廻らなあかへんし、そろそろ行こか?」

提督「分かった。じゃあ時雨姉、夕立姉、ありがとうな。皆によろしく」

艦娘「ありがとうございました」ペコ

元時雨「応援してるよ、皆の進路」

元夕立「また来てっぽ~い!!」ノシ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督達が去った数分後、事務員達の控え室で数名の元艦娘が集まっていた。話題はもちろん、自分達の弟の事である

元吹雪「ねぇ皆、櫂の事どう思う?」

元夕立「大和さんと付き合っているし、もう乗り越えたっぽい?」

元睦月「それだといいんだけど・・・・・・」

元吹雪「暁ちゃん達はどう思う?」

元暁「暁は問題ないと思うわ」

元響「そうかな? 私は完全には乗り越えてないと思うな」

元時雨「僕もさ。まだ心の片隅にあのトラウマがへばりついてると思う」

元白雪「とりあえず、他の皆にも伝えますね」

元雷「そうね。何かあったら」

元電「電達が励ますのです!」

元吹雪「でもそれは櫂が頼ってきた時だね。あの子の傍にいるのはもう私達じゃない。櫂には仲間がいる。私達は櫂や皆を見守るべきだと思う!」

元駆逐艦達「うん!」

ーー
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ーーーーーー

 

42: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:23:43.09 ID:6enVUVL30

副長「さぁ着いたで。第二の目的地、動物園」

文月「ほわぁ、動物園楽しみ~」キャッキャッ

提督「遊びに来たんじゃねぇぞ?」

北上「ここは誰が働いてるのさ?」

副長「自分や」

北上「へ?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「まさか憲兵の身分証で通してもらえるなんてな」

副長「元艦娘が働いとる所限定やでな。ちょい園長に顔出してくるわ、待っとってな」スタスタ

??「あ、櫂じゃねぇか!」

提督「! 木曾姉、久しぶり」

元木曾「久しぶりだなぁ、元気してたか?」

北上「あ、木曾じゃん」

元木曾「うぉっ、北上姉さん・・・・・・別人だけど」

北上「え、ここあたしもいるの?」

元木曾「おう、ここは球磨型の皆が働いてるんだぜ」

提督「上の二人は飼われてる側じゃね?」

元木曾「それは言っちゃいけねぇ」

吹雪「因みに木曾さんは何の担当何ですか?」

元木曾「俺は両生類と爬虫類、あと鳥類の担当なんだ。二時間後に猛禽類のショーをやるんだ、観てってくれよ!」

副長「お待たせ~って、おお木曾か久しぶりやな」

元木曾「し、師匠!?」

副長「まぁな、今日は定期の調査なんやわ」

 

43: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:25:00.57 ID:6enVUVL30

元木曾「師匠、俺二時間後にショーやるんだ、観てってくれよ!」

副長「二時間後か・・・・・・まぁ大丈夫やな、それまで他の四人の所行っとるわ」

元木曾「ありがとう! 皆も絶対来てくれよな!」タッタッタッ

北上「師匠?」

副長「木曾や他の奴らに剣を教えとった事があるんやわ」

大和「あぁ、そのような事言ってましたね」

副長「よし、二時間までたっぷりあるし、廻ってこか。最初は猛獣の所やな」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

吹雪「大きな熊ですね~」

提督「エゾヒグマか、かなり大きいなぁ」

文月「このクマさん寝てるね~」

??「今お腹いっぱいで寝てるんだクマ」

提督「あ、球磨姉」

元球磨「やっぱり櫂だったクマ、久しぶりだクマ」

副長「檻から出て大丈夫なんか自分?」

元球磨「球磨は熊じゃないクマ、夕立とかもそうだけどこのネタいつまで続くクマ!?」

副長「俺がくたばるまでや」

吹雪「ですよね・・・・・・」ニガワライ

提督「球磨姉は確かイヌ科とクマを担当してるんだっけ?」

元球磨「そうクマ。ネコ科は多磨がしてるクマ」

 

44: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:25:42.02 ID:6enVUVL30

文月「あ、クマさん起きた~」

提督「何か機嫌悪そうだな」

元球磨「あいつ最近機嫌悪いクマ。残しておいた餌をカラスに食べられたんだクマ」

ヴゥゥゥゥ・・・・・・ ノッシ、ノッシ

大和「! 隣のケージの方に向かいましたよ?」

北上「ツキノワグマのケージじゃん」

グォォォォォォォッッッ!!

提督「な、何かイチャモンつけてねぇか?」

元球磨「またケンカ売りにいったクマ」スゥゥ

副長「ん?」

元球磨「ヴォーーーーッッッ!!!!」

ビクッ

元球磨「ケンカ吹っかけてんじゃねークマ、大人しくするクマ!!」

北上「まさかの吠えて大人しくさせる」

提督「流石球磨姉、えげつねぇ」

 

45: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:26:32.28 ID:6enVUVL30

??「何ニャ、うるさいニャー。またゴローが暴れたのかニャ?」スタスタ

元球磨「あ、多磨だクマ」

元多磨「副長さん、櫂、久しぶりだニャ」ゴトン

提督「久しぶりって、多磨姉そのバケツは?」

元多磨「今からシバ達とキキに餌あげるんだニャ」

文月「餌やりしたーい!」

元多磨「止めといたほうがいいニャ、ほら」グイッ

多磨と球磨はそれぞれ右足のズボンと左袖をたくし上げた。そこには

文月「っ!?」

吹雪「!?」

提督「・・・・・・爪や牙の痕・・・・・・か」

元多磨「あいつらにとって遊んでるつもりでもこっちはこのザマだニャ」

元球磨「ここに来た頃にそこのゴローにやられたクマ。あの時はすごい怪我だったクマ」

副長「文月のトラウマになるやろ、やめぇや」

元多磨「動物園では飼育員の言う事は聞いておいた方がいいニャ」

文月「うん」

元多磨「とりあえず、多磨がいれば大丈夫だし、特別に体験させてやるニャ」スタスタ

文月「やったー!」

北上「・・・・・・」

大和「どうしました?」

北上「あたしの姉達がワイルド過ぎて驚きなんだけど」

提督「まぁそんなもんだろ、あの二人は」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

46: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:27:23.90 ID:6enVUVL30

元多磨「まずはシバ達の餌ニャ」

吹雪「シバ?」

元多磨「この動物園の人気者、ホワイトライオンだニャ」

北上「シバって誰がつけたのさ」

元球磨「名前は球磨達がここに就職した時に既についてたクマ。名付け親も名前の意味も知らんクマ」

文月「ほわぁ、ライオンだぁ」

提督「へぇ、見事なホワイトライオンだ」

大和「美しい色ですね」

吹雪「でも、何で白なんですかね?」

利根「アルビノとやらではないのか?」

提督「ホワイトライオンの場合は大昔、氷河期の祖先の遺伝子が隔世的に発現したものらしいぜ」

元多磨「氷の世界では隠れられてもサバンナでは目立ちすぎだニャ。そのせいでなかなか獲物が捕れずに餓死するから数が少ないニャ」

副長「詳しいやないか」

元球磨「職業柄、この手の質問が多いから知らないわけにいかないクマ」

元多磨「とりあえずシバ達に餌やりするニャ」ゴトン

バケツの音に反応してライオン達が集まってきた。七頭のライオンが大口を開けて餌を催促する

北上「因みに本日の献立は?」

元多磨「鶏丸々一羽を全員分だから、鶏七羽だニャ」

そう言って多磨は次々とバケツから肉を掴み取り、投げ入れた。果たして七つの肉塊は見事にそれぞれの口に一個ずつ納まり、ライオン達はその場に座り込み肉にかぶりつく

副長「えらいがっついとんなぁ、断食でもしとったんか?」

元多磨「動物園では肉食獣には毎日餌はあげないニャ。シバ達も二日に一回あげるだけニャ」

吹雪「えぇ!? ちゃんとご飯あげないと可哀想ですよ!」

提督「これが普通だ。あいつらは野生ではいつでも餌にありつけるわけじゃねぇからな」

大和「逆に毎日あげたらいけないって事ですね」

元多磨「次はキキだニャ」スタスタ

大和「キキ?」

元多磨「若いシベリアトラの雌だニャ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

47: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:28:26.31 ID:6enVUVL30

元多磨「次は文月ちゃんに手伝ってもらうニャ」

文月「ほんと~? やったぁ~」

元球磨「キキの餌やりは見ていても楽しいクマ」

手伝いのため多磨についていく文月と別れ、提督達はシベリアトラのキキの飼育場に向かう。しばらくすると

提督「おぉ、これが」

北上「でっか・・・・・・」

吹雪「シベリアトラのキキちゃん」

利根「すごい迫力じゃな」

大和「大きいですね」

副長「ウロウロしとんなぁ」

元球磨「あ、多磨が来たクマ」

強化ガラスで覆われたトラの檻の上に多磨と文月が立つ。檻の端から文月が肉を提督達の近くに投げ込んだその瞬間

ガォォォォッ

2mはあろうその巨体を宙に浮かし、トラが肉を空中でキャッチする。それを間近で見た皆は

吹雪「うひゃあ!?」ビクッ

副長「ナイスキャッチ!」

利根「天晴れじゃ!」

北上「すごいジャンプ力」

提督「お見事!」

大和「すごいです!」

元球磨「いつ見ても大迫力だクマ」

>オイ、キキノエサヤリシテルゾ!
>ミタイミタイ!

提督「お、客来るから退こうか」

その後数分間トラの餌やりは続き、絶えず歓声が響いた

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

48: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:31:28.19 ID:6enVUVL30

提督「文月お疲れ様、すごかったぞ」ナデナデ

文月「えへへ~、楽しかったよ~」

元多磨「木曾には会ったみたいだし、後は北上と大井だニャ」

北上「お、ついにあたしに会う時かー」

元球磨「二人は草食動物の担当だクマ。北上が大型動物で、大井が中型や小型の担当クマ」

副長「おおきに。ほな俺ら行くわ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

文月「ゾウさんだ~」キャッキャッ

提督「アフリカゾウか、しかも雄だ」

吹雪「何で性別判るんですか!?」

??「アフリカゾウは額の形で雌雄が判断できるんだ」スタスタ

提督「あ、北上姉」

北上「おー、あたしだ」

元北上「元気してたー?」

提督「まぁな。何か様になってんなぁ北上姉」

元北上「褒めても何も出ないよん」

副長「北上、大井はどうしたんや?」

元北上「大井っちはあと少ししたら来るんじゃない?」

 

49: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:32:04.96 ID:6enVUVL30

??「北上さぁん!」タッタッタッ

提督「大井姉、久しぶり」

元大井「あら久しぶりね、櫂」

北上「あぁ大井っちだ」

元大井「っ!? き、北上さんが二人も!? あぁ」フラッ

提督「うわ、大井姉!?」

大和「だ、大丈夫ですか!?」ガシッ

元大井「す、すみません。あぁ、北上さんが二人もいるだなんて・・・・・・」ウットリ

元北上「大井っち、もう仕事終わったの?」

元大井「はい、今は少し休憩時間です」

北上「流石大井っち、仕事が早いねぇ」

元大井「ありがとうございます、北上さん!!」

副長「二人の北上を相手に会話する大井・・・・・・ややこしいなぁ」

提督「大井姉にとっては"北上"は同じ存在なのか?」

 

50: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:32:44.04 ID:6enVUVL30

『御来場のお客様にご連絡致します。まもなく"第三広場"にて、『猛禽類ショー』を開催致します。奮って御観覧ください。繰り返します、まもなく・・・・・・』

提督「ん? これ確か木曾姉が言ってたやつだ」

副長「よし、行くか」

元北上「お~、木曾の晴れ舞台観てきてあげてねー」

元大井「ではまた後で」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

北上「さーて、どんなショーなのかね~」

吹雪「猛禽類ってどんな鳥でしたっけ?」

利根「確か鷲や鷹の事じゃったと思うぞ」

副長「あと梟や木兎も猛禽類やで」

文月「かっこいい鳥さんなのぉ」

大鳳「ワクワクします!」

大和「確かに、木曾さんがどんな鳥のショーを見せてくださるのか楽しみです」

提督「お、木曾姉が出てきた」

 

51: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:34:36.69 ID:6enVUVL30

元木曾「それでは皆さん、今から猛禽類のショーを行いたいと思います! まず最初に芸を見せてくれるのは、このチャコ君です!!」

現れた木曾は艦娘の時に愛用していたマントを羽織り、その右腕には一羽の黒褐色の鳥を乗せていた。その様は驚く程に似合っており、周囲の観客を沸かせる

副長「ほぇぇ、よぉ似おてるが」

北上「あの鳥は、ハリスホークかな?」

吹雪「ハリスホーク?」

文月「なぁに~それー?」

提督「ハリスホークはモモアカノスリって鳥の別名だ。社会性を持つ特異性質から比較的訓練しやすいんだ」

利根「相変わらずすごい知識じゃなぁ」

提督「俺の数少ない取り柄だよ」

大和「すごい取り柄だと思いますよ」

大鳳(唐揚げ食べたくなりました)

元木曾「今からチャコに芸を見せてもらうけど、そのためにはもう一人に手伝ってほしいんです! どなたかやってみたい方はいませんか?」

吹雪「はい!」サッ

元木曾「(お、吹雪ちゃんか)ではそこのお嬢さん、前に出てきてください」

吹雪「司令官、行ってきます!」

提督「おう!」

大和「頑張ってきてくださいね!」

タッタッタッ

元木曾「よし、じゃあお嬢さん。左手にこの手袋を着けて」つ手袋

吹雪「よいしょっと、できました」

すると木曾は腰の袋から肉の塊を出して吹雪の左手の親指と人差し指で摘むようにと指示した

元木曾「いいか、絶対に肩より腕を下に下げるなよ。もし下げたら鳥が登ってくるかもしれねぇからな」

吹雪「っ! はい!」

言われた通りに吹雪は左手を斜め上に伸ばす。これにより、ちょうど木の枝の様な形となった。それを確認した木曾は、吹雪から10m程離れた場所に移動した。

 

52: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:35:37.36 ID:6enVUVL30

元木曾「それではチャコを放ちます。チャコはちゃんとお嬢さんの腕に止まるでしょうか」スッ

吹雪「っ・・・・・・!」ゴクッ

提督「さて・・・・・・」

副長「どうなるやろか」

元木曾「・・・・・・行けっ!」グッ

ハリスホークを乗せた左手を前に突き出す木曾。勢いよく吹雪に向かって飛び立つハリスホーク。そのまま低空飛行から見事に吹雪の左手に止まった。観客席からは拍手喝采が起こる

吹雪「うわぁ・・・・・・」キラキラ

吹雪は自分の正面から飛んできた鳥の迫力とその優雅さに感嘆の声を洩らす。当のハリスホークはというと吹雪の持っていた肉を鉤状の嘴と爪を使って一心不乱に貪っていた

元木曾「ありがとう吹雪ちゃん、かっこよかったぜ。ほら、手伝いのお礼の飴玉やるよ」

吹雪「ありがとうございます!」ウケトリ

元木曾「さぁ皆さん! ショーを手伝ってくれたこのお嬢さんに今一度大きな拍手を!」

元木曾「さぁまだまだいきますよ! 続いて芸を見せてくれるのは・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

副長「いやぁ、すごかったなぁ木曾!」

北上「さっすが、あたしの妹だよ」

元木曾「へへ、皆も見てくれてありがとうな!」

提督「にしてもあれだな、木曾姉がまさかあんな敬語使うパフォーマーになってたなんて」

元木曾「俺だって敬語ぐらい使えるぞ!」

吹雪「私も文月ちゃんもいい思い出ができましたよ、ありがとうございました!」

元多磨「ああいうのはやっとかないと損だニャ~」

元北上「その結果身体に傷がつくとかたまったもんじゃないね」

元大井「私達も人の事言えませんよ北上さん」

大和「・・・・・・皆さんは」

元多磨「!」

元球磨「何だクマ?」

大和「皆さんは何故動物園の飼育係をしようと思われたのですか?」

元大井「私は北上さんについていっただけです」

元木曾「俺も姉さん達をほっとけねぇって思ったから」

元北上「あたしは成り行き任せ」

副長「理由軽っ!」

 

53: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:36:51.45 ID:6enVUVL30

元球磨「球磨は元々自分が獣っていじられてたのもあるし、何より動物が好きだったからだクマ」

元多磨「結果やりたかった仕事をできたし、怪我もまるで勲章みたいで誇らしいもんだニャ」

元木曾「やっぱ、やり甲斐のある仕事ができりゃ最高だよなぁ」

艦娘「やり甲斐のある・・・・・・」

元球磨「皆は何か無いクマ?」

吹雪「私はまだ見つかってません・・・・・・」

文月「あたしも~」

北上「あたしもさっぱり。今一ピンと来ないんだー」

元北上「おぉ、流石あたしだ」

大鳳「私は食べる事が好きだし、食べる仕事で稼げたらいいなぁって思ってます」

利根「吾輩は料理人を目指しておる。提督と約束もしてあるしのぅ」

大和「大和は・・・・・・」チラッ

提督「ん?」

元多磨「まぁ、元から決まってるならそれに向かって努力すればよし、決まってない人の参考になれば嬉しいニャ」

提督「ありがとうな球磨姉、多磨姉」

 

54: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:37:31.82 ID:6enVUVL30

副長「そろそろ最後の所行こか」

提督「じゃあ、今日はありがとう」ノシ

艦娘「ありがとうございました」ペコ

元球磨「またいつでも来るクマー」ノシ

元多磨「待ってるニャ~」ノシ

元北上「じゃあねー」ノシ

元大井「身体に気をつけてくださいね!」ノシ

元木曾「あばよ~!!」ノシ

ブロロロロロロロ・・・・・・

元球磨「・・・・・・皆、櫂の事どう思うクマ?」

元北上「まさか恋人つくるなんてねぇ」

元大井「もうあの娘の事は乗り越えたのかしら?」

元多磨「だといいんだけどニャァ」

元木曾「何かありゃ俺達が助けてやりゃいいさ。あの七人を見守ろうぜ」

元球磨型「(クマ)(ニャ)(だね)(そうね)」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

55: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:38:30.60 ID:6enVUVL30

提督「で、ここが最後の『孤児院』か」

副長「櫂、ちょいえぇか?」ゴニョゴニョ

提督「んぁ?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「お邪魔しまーす」スタスタ

艦娘「しまーす」スタスタ

??「ん? もしかして櫂か!?」

??「あらぁ、久しぶりね~」

提督「久しぶりだなぁ天龍姉、龍田姉」

元天龍「何だよ、ここに俺達がいるって何で分かったんだ?」

提督「親父からの任務でね」

元龍田「司令からの~? 司令はお元気~?」

提督「あぁ。まだまだ元気さ」

提督「ここは天龍姉達以外の先生はいねぇのか?」

元天龍「まさか。俺はこの孤児院の院長様だぜ!」

元龍田「天龍ちゃん支えるのに私だけじゃ大変なのよ~?」

??「っ!? もしかして櫂!?」

タッタッタッ

提督「あ、高雄姉! って事は」

 

56: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:39:41.43 ID:6enVUVL30

??「ぱんぱかぱ~ん!!」ダキッ

ムギューッ

大和「なっ!?」ギョッ

提督「おわっ、愛宕姉!?」ビクッ

元愛宕「なぁにぃ、こんなイケメンに育っちゃって。お姉ちゃん一目惚れしちゃったわよぉ?」クリクリ

提督「うわ、ちょ、止め・・・・・・」

ガシッ

提督「おわっ!?」グイッ

大和「大和の提督に何するんですか!」ギューッ

元愛宕「あらぁ残念」ペロリ

元高雄「もう、何をしてるんですか愛宕!」

元高雄「ごめんなさいね櫂・・・・・・っ!?」ハッ

大和「あ、あの、先程はついカッとなってしまい申し訳ございませんでした」ペコ

元愛宕「いいのよぉ、私も久々に可愛い弟をついからかいたくなっちゃったの」

元高雄「もう。改めて、高雄です」ニコッ

元愛宕「愛宕で~す!」

大鳳「ぐはぁっ!?」ゴパッ

提督「大鳳!?」ギョッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「にしても高雄型の四人もいたなんて」

元鳥海「少し興味があったんです、こういうの」

元摩耶「あたしは結構楽しいぜ、皆とこう賑わいながら過ごすの」

キャッキャッ

文月「あははは、待て待て~」キャッキャッ

ワイワイ、ガヤガヤ

吹雪「あ、ここはこう折ればっと。ほら、鶴さん折れたよ」

一段落した後、提督達は天龍達に案内されテーブルへとついていた。すぐ側のスペースでは、年少の子供達に混ざって文月が鬼ごっこを、少し離れた場所では吹雪が少し年長や低学年と折り紙をしている

元天龍「なぁ櫂、お前ちっとは剣の練習してるのか?」

提督「いや全然。ただ筋トレしてるぐらい」

元天龍「そうか。うっしゃ、俺がいっちょ鍛えてやるよ」

提督「え、今から!?」

元龍田「うふふ~、私も久々に血が騒いじゃう~」ニコニコ

提督「えぇ!? 二対一!?」ギョッ

ーー
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ーーーーーー

 

57: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:40:43.29 ID:6enVUVL30

提督「何で竹刀や竹の薙刀があるのさ」つ竹刀

元龍田「天龍ちゃんが男の子を鍛えてるのよ~」つ薙刀

元天龍「俺様の剣技、見せてやるぜ!」つ竹刀

天龍達に連れられ、提督は中庭に立っていた。天龍と龍田はそれぞれ竹刀と薙刀を持っている

元天龍「行くぜ!」ダッ

提督「おわっ!?」バッ

バシィッッッ

元天龍「オラオラァ、その程度かよ!!」ブン

元龍田「行くわよ~」ダッ

天龍の猛攻を防ぐ提督の背後から龍田が薙刀を一閃させる

提督「っ!?」サッ

ヒュッ

元龍田「あらあらぁ、避けられちゃったぁ」グルグル

天龍に代わり龍田が攻めた。力任せの姉と違い、巧みに薙刀を操って追い詰める。
打ち込めば薙刀を前で回転させていなし、しゃがめば斬り下ろし、後ろに下がれば突きがくる。流れるような動作で相手を確実に追い詰める龍田に提督は終始圧倒された

提督「くっ!」

元龍田「足元注意♪」ブン

バシィッッッ

提督「うわっ!?」フラッ

大和「提督!」

ドシャッ

倒れた提督に薙刀を突きつける龍田。勝負ありだ

元天龍「あ~あ、また龍田がいいとこ持ってきやがって」

北上「にしても強いねー」

元天龍「おう、俺が一番だ!」

元龍田「もう、天龍ちゃんったら~」ニコニコ

提督「でも兄ぃがいたらなぁ。色々指導してもらえるんだけど」

元天龍「へっ、師匠なんてもう目じゃねぇな! 俺達は既にあの人を超えてるぜ!」

元龍田「確かにねぇ~」

北上「あぁあ、知~らない」

提督(・・・・・・かかったな)

 

58: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:42:39.06 ID:6enVUVL30

副長「ほぅぉ、言うてくれるやないか」スタスタ

元天龍・元龍田「っ!?!?」ビクッ

副長「いつの間にか、えらい調子乗るようなったなぁ自分ら」ビキビキ

元天龍「あ、あわわわ・・・・・・」ガタガタ

元龍田「ひぃぃッッッ!?」ガタガタ

副長「櫂、竹刀貸せ。このバカ弟子どもしばいとるから、皆は飯作っとりや」

提督「程々にな」スッ

元高雄「じゃ、じゃあお夕飯の支度をしましょう」スタスタ

艦娘「はーい」スタスタ

「天龍先生と龍田先生は?」

元愛宕「ちょっと遊んでくるらしいわ~」スタスタ

元鳥海「流石に擁護しきれません・・・・・・」スタスタ

元摩耶「二人の骨は、何とかして拾っといてやるよ・・・・・・」スタスタ

提督「ごゆっくり~」スタスタ

副長「さぁて、楽しもや。・・・・・・じっっっっくりと」ボキボキ

元天龍・元龍田「ひっ・・・・・・」ガタガタ

ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!?

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大和「・・・・・・」ザクザク

元高雄「お上手ですね」ザクザク

大和「いえ、利根さんに比べれば大和なんて」

元高雄「・・・・・・」

大和「? どうかされました?」

元高雄「いいえ。何でもありません」

大和「?」

ーー
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ーーーーーー

 

59: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:43:15.03 ID:6enVUVL30

副長「いやぁ運動した後の飯は美味いなぁ」

元天龍「ふ、ふふふ、怖いか?」ボッコボコ

吹雪「す、すごい顔になってる」

文月「風船みたーい」キャッキャッ

提督「ある意味怖いな」

元龍田「あぅぅ」ボッコボコ

大鳳「唇がタラコみたいですよ!?」

利根「たん瘤が五つも・・・・・・」

北上「女だろうが容赦なくボコる副長さん流石っすわ」

副長「刀握っとる奴に男も女もあるか」

元鳥海「もう、お二人とも無茶し過ぎですよ」

元摩耶「死ななかっただけ奇跡だぜ」

大和「でもやり過ぎですよ副長さん」

副長「まぁそら堪忍」

提督「・・・・・・使うか?」つ傷薬

元天龍「おぉ、妖精薬! サンキュー」ヌリヌリ

元龍田「ありがと~」ヌリヌリ

元龍田「あ~痛みが和らいでく~」

 

60: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:43:54.25 ID:6enVUVL30

提督「なぁ天龍姉、龍田姉」

元天龍「あん?」

元龍田「なぁにぃ?」

提督「二人は、何で孤児院やろうと思ったんだ?」

元天龍「俺達は現役の時に、何度も遠征に行ってた。その度にずっと考えてたんだ」

元龍田「深海棲艦の侵攻で親を亡くしたりした子供達、戦争に限った話じゃなく親がいない子供達を救えないかしらって」

提督「それで孤児院を?」

元天龍「何でか俺はちびっ子に好かれやすい質だったし、お前を育てるのも楽しかったんだ。だからできる限り多くの子供を幸せにしたかった」

元高雄「私達も同じ思いでした。なのでこの孤児院の職員として働いています」

艦娘「・・・・・・」

元天龍「俺達が戦っている裏ではその影響で苦しんでいる人達がいる。だからそんな目に合わしちまった償いも兼ねての行いだ。二度と皆に辛い思いをさせねぇためにな」

提督「・・・・・・」

副長「えぇこっちゃ。お前らの想いはよぉ分かった!」ナデナデ

元天龍「師匠・・・・・・!」

北上「そうだよ。立派な考えだよ」

大鳳「すごく立派です!」

提督「・・・・・・」

元高雄「櫂、少しいい?」

提督「! あぁ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

元高雄「私、安心しました」

提督「?」

元高雄「貴方があの事を乗り越えてくれたみたいで」ツーッ

提督「・・・・・・今のとこは、だけど」

元高雄「大和さんは本当にいい人です」ポロポロ

元高雄「本当に・・・・・・心配していたんですよ」スッ

提督「高雄姉・・・・・・」グイッ

涙を流す高雄は提督をゆっくり抱き寄せ、その胸に自らの顔を押し付ける。提督はそんな姉を静かに抱きしめた

元高雄「良かった・・・・・・貴方が大和さんのような人に会えて。・・・・・・・本当に、本当に良かった・・・・・・!」ギューッ ポロポロ

提督「・・・・・・」ギュッ

提督「高雄姉・・・・・・ありがとう」ナデナデ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

61: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:44:29.86 ID:6enVUVL30

副長「そろそろ帰るか、もうそろそろ23時やが」

元摩耶「泊まってきゃいいじゃんかよ」

元龍田「部屋なら空いてるわ~」

北上「ダメだよ、副長さんには奥さんがいるんだから」

元天龍「えっ、師匠結婚したのか!?」

副長「何やその意外そうな顔は」

元高雄「驚きですよ、あの副長さんが結婚だなんて」

元愛宕「あの副長さんがねぇ」

副長「・・・・・・お前らの中の俺は一体どんな評価されとんねや」ガックリ

元摩耶「剣に生きる男」キッパリ

元龍田「剣が恋人~」ニコニコ

元天龍「剣じゃなきゃ満足できねぇ男!」

副長「しばいたろか天龍?!」クワッ

提督「俺達はどうする?」

大和「大和はどちらでも」

文月「あたしは帰る~」

吹雪「私もです」

利根「吾輩は泊まっても構わんぞ」

大鳳「私もう眠いですよ~」フワァァ

北上「あたしはどっちでもいいよ~」

提督(よくよく考えりゃ、バイクじゃ一人しか乗せられねぇし、兄ぃに乗せてってもらうしかねぇか)

 

62: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:45:29.21 ID:6enVUVL30

副長「櫂達はどうする?」

提督「帰るよ。兄ぃ、皆を車で頼むわ」

副長「分かった。ほら車組はこっちや」スタスタ

スタスタスタスタ・・・・・・

提督「さて、バイク出してくるか」スタスタ

元高雄「・・・・・・大和さん」

大和「はい?」

元高雄「櫂の事、どうかよろしくお願いします」ペコ

大和「! ・・・・・・もちろんです」

元天龍「とりあえず見送りに行ってくる」スタスタ

元摩耶「あたしと鳥海は皆寝ちまったし残るよ」

元愛宕「お願いねー」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元龍田「うぅ、かなり冷えるわ」フルフル

副長「見送りせんでもえぇのに」

提督「まぁまぁ。んじゃ、またな」ノシ

艦娘「ありがとうございました」ペコ

元天龍「おう、また来いよ!」ノシ

元龍田「待ってるわ~」ノシ

元愛宕「バイバ~イ」ノシ

元高雄「さようなら~」ノシ

ブロロロロロロロ・・・・・・

元天龍「行っちまったか・・・・・・」

元龍田「久々に賑やかだったわね~」

元愛宕「・・・・・・一安心。よね、高雄ちゃん?」

元高雄「えぇ。本当に・・・・・・」ニコッ

 

63: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:46:14.40 ID:6enVUVL30

元天龍「榛名さんと高雄さんは特にあいつの事可愛がってたもんな」

元龍田「天龍ちゃんもいいお姉ちゃんしてたわよ~」ニコニコ

元天龍「っ!? お、俺ぁただあいつがいつも泣きべそかいてやがったから発破かけてやってただけだ!!////」

元愛宕「お陰で逞しい子に育ったわね」

元天龍「へっ。あのガキンチョが今となっちゃ立派な提督様か」ニッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

鎮守府

提督「今日はこのまま解散でいい。ゆっくり休め」スタスタ

艦娘「はっ!!」ビシッ

提督「それと、もうそろそろその堅苦しい敬礼を止めろ。お前達は直に軍人じゃなくなるんだから、社会人らしい挨拶にしねぇとな」

北上「お疲れッス先輩!」

大鳳「今日も大活躍でマジ尊敬ッス!」

提督「お前達は学生か・・・・・・。でもまぁ、今はそんなもんか。じゃ、お疲れさん」スタスタ

大和「あ・・・・・・」トコトコ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「何も秘書艦仕事しなくても」カリカリ

大和「なら提督も休んでください」プクーッ

提督「報告書作るだけだ。さっさと寝ろ、もう天辺越えてるぞ」カリカリ

大和「そっくりそのままお返しします。早く寝てください、もう1時前ですよ」

提督「まぁ待て、後は判子押してっと」ペタン

 

64: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:47:19.73 ID:6enVUVL30

提督「提出は明日・・・・・・じゃねぇや、今日の朝にしときゃいいか」

大和「さぁ終わりましたよ。早くお休みください」

提督「分かったから。つうかお前は何で部屋に戻って寝ねぇんだ?」

大和「? 何故恋人と寝たいと思ってはいけないのですか?」キョトン

提督「っ!? か、勝手にしろ! ////」

大和「はい♪」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

一週間後

提督「とうとう明日か」

吹雪「この艦娘としての身体も今日が最後ですね」

文月「あたし達解体されるの~?」

北上「そうだよ、丸鋸やレーザーのある実験室に連れてかれて・・・・・・」

吹雪・文月「ひぃっ!?」ビクッ

提督「んなわけねぇだろ」バコッ

北上「痛っ!?」

大鳳「空母や戦艦の食事量も常人並になるそうです」

利根「なら今日は最後の晩餐じゃな。艦娘として心ゆくまで食べてほしいのぅ」

大和「・・・・・・」

提督「? どうした大和?」

大和「!? な、何でもありません////」フイッ

提督「?」

北上「提督~、女の子にこれ以上言わせるのは失礼じゃないの~?」ウリウリ

提督「?? どういう事だ?」

北上「大和さんはねぇ、『艦娘である大和を抱いてください』って思ってんのさ」ニヤニヤ

提督「はぁ!?////」

大和「ちょっ!?////」

 

65: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:48:18.90 ID:6enVUVL30

北上「あれ~? 違うの?」ニヤニヤ

大和「き、北上さん何を・・・・・・大和にだって心の準備が・・・・・・////」ボソボソ

北上「あれだけ露骨にイチャついて、寧ろ何で今までやらなかったのさ?」

大和「うぅ・・・・・・////」

提督「と、とにかくだ。今日はお前達にとって艦娘としての最後の日だ。艦娘としてやり残した事がないように行動しろ」

大鳳「では利根さん、お願いしてもいいですか?」

利根「うむ! たんと食べるがよい!」

北上「あたしもちょっと頂こうかな~」

文月「あたしも~」ノシ

吹雪「じゃ、じゃあ私もお願いします!」

提督「明日の分は残しとけよ利根」

利根「その辺りはちゃんと考慮しておる」

大和「大和もよろしいでしょうか?」

提督「構わねぇさ、楽しんでこい」

提督「とりあえず・・・・・・その気なら夜にここに来な」ヒソッ

大和「! はい!」パァァ

ワイワイガヤガヤ

ガチャ・・・・・・パタン

提督(さてと。流石にあの人数が心ゆくまで食ったら食料がやばいな。今週末にでも買い出し行くか。俺はあいつらの晩餐に出る必要もねぇし・・・・・・)

提督「・・・・・・鰻重の出前でも取るか」

 

66: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:49:04.41 ID:6enVUVL30

ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ・・・・・・

突如鳴り響く着信のバイブ音。提督は棚の上にある携帯端末を手に取る。普段職務の連絡など仕事関連の場合は、部屋の固定電話からかかってくる。第一彼に携帯(私用)で連絡しようとする人物は家族を除けば数人しかいない

提督「マナブか、何だ?」

友提督『あぁ悪い、今大丈夫か?』

提督「特に用事はねぇな。大丈夫だ」

友提督『今からビスマルクとそっちに行くから。一緒に昼飯食ってもいいか?』

提督「はぁ!? 今から!? そして他人の鎮守府で飯!?」

友提督『大丈夫さ、こっちでちゃんと持ってくから。じゃ、また後で』

提督「ちょ、おい!! ・・・・・・切りやがった」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

友提督「よぉ、久しぶり」

提督「・・・・・・本当に来やがった」

ビスマルク「すみません櫂さん。Admiralが急に」

提督「いや、こっちも飯食う前だったし」

友提督「ほれ、寿司大量に買ってきたぜ!」

提督「寿司か、最近食ってねぇな」ソワソワ

友提督「ん? 誰か待ってるのか?」

提督「お前から連絡来る前に出前取ったんだよ。あぁ来たな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

67: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:49:55.35 ID:6enVUVL30

友提督「鰻重頼むとかどんだけ金持ってんだよ」パクッ

提督「俺一人分なんだ、そんなにいかねぇだろって思ってな」モグモグ

友提督「まぁまぁ、寿司も食えよ。白身好きだろ?」

提督「あぁ。鯛と?と鰤と鱸を頼む」

友提督「あいよ」

ビスマルク「っ!? ッッッーーーー!!」ジタバタ

友提督「どうしたの?」

ビスマルク「か、かりゃい、かりゃいよぉ~」ウルウル

提督「あ~ほら水」つコップ

ビスマルク「だ、danke」ゴクゴク

ビスマルク「何あの緑色の小さなやつ、めちゃくちゃ辛いじゃない!!」

提督「何だ本ワサそのまま食ったのか」

友提督「そりゃ辛いに決まってる」

ビスマルク「うぅ、あんな辛いもの、日本人はよく食べられるわね」

提督「大丈夫だ、日本人だけど俺ワサビ食えねぇから」

友提督「そのまま食べるんじゃなくて、味のアクセントとしてちょっと刺身とかにつけて食べるんだよ」

ビスマルク「うーっ、まだ舌がヒリヒリするわ・・・・・・」

友提督「しょうがねぇな」グイッ

ビスマルク「っ!?」

チュッ・・・・・・

ビスマルク「ング!?!?!?!?////」カァァッ

友提督「ぷはっ。・・・・・・どうだ、辛くなくなったか?」ナデナデ

ビスマルク「・・・・・・Ja////」ポーッ

提督「何急にイチャつきだしてんだ、こっちまで口ん中が甘ったるくなっちまったじゃねぇか」

 

68: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:50:37.81 ID:6enVUVL30

友提督「はは、悪い悪い。けどお前と大和もなかなかのもんだぜ?」

提督「・・・・・・否定はしねぇ////」つ鯛

友提督「ん? そういやお前んとこの艦娘達は?」

提督「艦娘としての最後の晩餐を楽しみたいんだと。今頃利根の料理を心ゆくまで楽しんでるさ」ヒョイ パクッ

友提督「それでお前は六人だけで楽しませてぼっち飯か。バカだろ」

提督「うっせーよ!」ムシャムシャ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ビスマルク「・・・・・・」zzz

友提督「寝顔がまるで女神みてぇだ」ナデナデ

提督「とんだバカップルだな、お前達も」

提督「それで? わざわざイチャラブ見せつけるために寿司持って来たわけじゃねぇだろ。一体何の用事だ?」

友提督「お前んとこの艦娘然りうちの艦娘然り、皆は解体された後社会人として生きていく。そうなった後俺達はどうしようかと思ってな」

提督「それで俺がどうするかを聞きに来た。そういう事か?」

友提督「当たり~。何か参考にならねぇかと思って」

 

69: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:51:13.94 ID:6enVUVL30

提督「俺も正直悩んでいる・・・・・・。このまま軍(超安定職)に残るべきか、別の仕事を探すべきか」

友提督「このご時世、就職は難しいぜ?」

提督「その代わり命の危険からは多少遠ざかるだろ? まぁ、元から俺はそんなもの気にしねぇけど」

友提督「お前そんな事言いやがって・・・・・・まだ乗り越えられねぇのか?」

提督「俺は乗り越えたつもりだ。ただ心の奥底には今でもあの地獄がこびりついている」

友提督「・・・・・・」

提督「俺は・・・・・・怖い。大和を失う事が、それが俺の所為でそうなる事が怖いんだ。あの時みてぇに」

友提督「あれはお前の所為じゃねぇ!! 俺や皆、何よりヤマ自身がそう思ってる!!」

提督「・・・・・・」

友提督「何があっても俺はお前の味方だ、辛かったら俺達を頼ってくれ」

提督「・・・・・・ありがとうな」

ビスマルク「ん・・・・・・」モゾモゾ

友提督「あぁ悪い、起こしちまったか」ナデナデ

友提督「じゃあ俺達はそろそろ帰るよ」

提督「あぁ。寿司ごちそうさん」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」ペラッ

提督「・・・・・・」ペラッ

ガチャ

大和「提督失礼します」

提督「よぉ、楽しめたか?」パタン

大和「はい。大和も皆も大満足でした」

提督「そうか。良かった」

大和「それで・・・・・・その・・・・・・////」モジモジ

提督「・・・・・・本当にいいのか?」

大和「・・・・・・はい////」

提督「・・・・・・分かった。俺も男だ、お前の気持ちにきちんと応えよう。俺の寝室でいいか?」スッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

70: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:51:58.10 ID:6enVUVL30

翌日

提督「・・・・・・」

妖精「昨夜はどうだった?」ニヤニヤ

提督「まぁ・・・・・・イチャラブだったわ」

妖精「かなり搾り取られたみたいだね」

提督「・・・・・・少なくとも5回は果てた////」

妖精「まぁアンタならそれくらいか。ついでにいい事教えといてあげるよ」

提督「あ?」

妖精「艦娘が解体されるというのは艤装を展開できなくなるだけじゃなく、他にも様々なものを失うんだ。まず筋力や骨密度も常人レベルまで下がるし、空母や戦艦であっても食事量が並の人間程度に下がる。まぁそうするために妖精(あたし達)が体内を弄るんだ。その副作用で幾つかの臓器などがリセットされるんだ」

提督「いい事じゃねぇか、食事量が抑えられたら食費浮くし」

妖精「そのリセットされるものの中に"アレ"も含まれてるんだ」ヒソヒソ

提督「へ~・・・・・・・って、はぁ!? 何でそんなもんまで!?////」ギョッ

妖精「乙女には色々あるもんさ、その辺も理解しな。とりあえずこの事は皆知ってるし、今夜はもう一度あの娘を抱いてあげな」テテテテ

提督「お、おい!////」

提督「・・・・・・マジかよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

工廠

提督「時間だ。これから解体されるお前達を除名するための式を行う。これは勝手に俺がやってる事だけど最後くらい軍らしく堅苦しく終わろうじゃねぇか」

吹雪「」ビシッ

北上「」ビシッ

大鳳「」ビシッ

文月「」ビシッ

利根「」ビシッ

大和「」ビシッ

提督「諸君達のお陰でこの海を、人類の制海権を再び取り戻す事ができた。軍に生きた諸君達に今度は自らの夢・目標を追いかけてほしい」

 

71: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:52:55.67 ID:6enVUVL30

提督「吹雪型駆逐艦一番艦、吹雪!」

吹雪「はっ!」ビシッ

提督「吹雪の真面目さと元気な姿にいつも支えられてきた。お前が俺の初期艦で本当に良かった、本当にありがとう」ナデナデ

吹雪「こちらこそ、ありがとうございました!」

提督「球磨型軽巡三番艦改め球磨型重雷装巡洋艦三番艦、北上!」

北上「はっ!」ビシッ

提督「北上の何事にも動じない精神にはいつも助けられた。この艦隊が笑顔を絶やさなかったのもまた、お前の力が大きいだろう。本当にありがとう」ナデナデ

北上「こっちこそ、提督にはお世話になりっぱなしだったよー、ありがとね」

提督「大鳳型装甲空母一番艦、大鳳!」

大鳳「はっ!」ビシッ

提督「大鳳もまた、真面目な姿勢でよく俺についてきてくれた。お前が自分に自信と誇りを持てたかどうかは分からねぇけどな」

大鳳「覚えていますか、提督? 私が宝石の原石であると言ってくれた事を」

提督「もちろんだ」

大鳳「私は貴方について行き皆さんと過ごし、自分自身に誇りを持つ事ができました。私は貴方の言う通り、磨かれた宝石になれました!」

提督「そうか、良かった。お前の航空戦、肉弾戦はこの艦隊の勝利に大きく貢献してくれた。本当にありがとう」ナデナデ

大鳳「礼を言うべきなのはこちらです! 本当にありがとうございました!」

提督「睦月型駆逐艦七番艦、文月!」

文月「はい!」ビシッ

提督「文月の無邪気な笑顔と元気な姿にいつも元気づけられた。よくぞ俺の指揮に文句の一つも言わずついてきてくれた、本当にありがとう」ナデナデ

文月「えへへ、あたしも司令官と一緒で楽しかったよぉ、ありがとぉ~」ニパァ

提督「利根型重巡洋艦一番艦改め利根型航空巡洋艦一番艦、利根!」

利根「はっ!」ビシッ

提督「利根の冷静な判断と行動には何度も助けられた。また、料理でこの艦隊に幸福を与えてくれて本当にありがとう」ナデナデ

利根「吾輩もお主には助けられてばかりじゃった。吾輩の方こそ礼を言わせてくれ、本当にありがとう」

 

72: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:53:37.80 ID:6enVUVL30

提督「大和型戦艦一番艦、大和!」

大和「はっ!」ビシッ

提督「大和には仕事でもプライベートでも本当に助けられた。皆のまとめ役になったり、秘書艦仕事を手伝ってくれたりと世話になりっぱなしだった。本当にありがとう」

大和「いいえ。本当にお礼を言うのは大和の方です。提督と共に過ごした時間が大和にとっての全てです」

一人一人に感謝の言葉を述べた後、六人はそれぞれ解体スペースへと移動する。そして横一列に並んだ後、再び提督に向かって敬礼した

提督「本日、現時刻を持って!! 吹雪、北上、大鳳、文月、利根、大和。以上六名の艦娘としての任を解く!!」

提督「・・・・・・皆、本当にありがとう。お前達は俺にとっての家族だ、愛してるぜ」ビシッ

艦娘「っ!! はっ!!」ビシッ

ゆっくりと解体室の扉が閉まる。残された提督は肩の荷が降りたように大きく息をついた

妖精「とりあえず、一時間もすれば全員終わるよ。それまで待ってるかい?」

提督「そうさせてもらうよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「! 終わったのか」

一時間後ゆっくりと扉が開き、中から六人の少女が歩いてきた

文月「司令か~ん」タッタッタッ

ダキッ

提督「文月・・・・・・」

吹雪「私達皆、普通の少女になりました!」

北上「特に今までと変わんないけどねー」

 

73: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:54:49.45 ID:6enVUVL30

利根「しかし、何だか喪失感があるのぅ」

大鳳「もう艤装が展開できませんからね」

大和「提督? どうしました?」

提督「もう俺はお前達の提督じゃねぇんだ、提督とか司令官って呼ぶのは止めろ」

北上「いやぁ、だからって急に変えるのは抵抗あるよ」

大鳳「でも大和さんは困らないですよね?」

大和「え?」

北上「いやだからさ、こうやって呼べばいいんだよ」スッ

北上「ーーーー」ゴニョゴニョ

大和「っ!?!?!?!?////」ボンッ

北上「ほら早く、早速呼んであげなよ」

大和「じゃ、じゃあ・・・・・・////」

提督「ん?」

大和「・・・・・・ダーリン////」カァァッ

提督「」

 

74: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:55:41.10 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・」

大和「・・・・・・////」

提督「」ダキッ

大和「きゃあっ!?////」

北上「おぉ、これが伝説のお姫様抱っこ」

吹雪(そういえば着任初日にしてもらったっけ、もう一年以上前かぁ)シミジミ

提督「・・・・・・」ギューッ

大和「あ、あわわわ・・・・・・////」カァァッ

提督「いいかお前達、明日の朝まで緊急連絡以外俺に取り次ぐなよ」

大和「っ!?」

一同「了解」

提督「今日は自由行動だ、以降の連絡は明日伝える」

大和「え、ちょっ、あの、提督・・・・・・?////」

提督「悪ぃけど加減はできねぇぞ? 大和」ニッ

大和「はうっ////」キュンキュン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

75: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:56:39.93 ID:6enVUVL30

大和(大和達が解体されて一ヶ月が経ちました)

大和(皆が今後について悩んでいる間、大和は何度か提督をデートにお誘いしました。ですが・・・・・・)

ーーーー
ーー

大和「提督、週末買い物に行きませんか?」

提督「週末? 週末は・・・・・・あぁ悪ぃ、週末は三日間大本営に行かなきゃいけないんだ」

大和「そう・・・・・・ですか・・・・・・」シュン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大和「提督、明日は予定空いてますか?」

提督「明日は・・・・・・無理だ、マナブに頼まれて買い物に付き合う事になってる。ごめん」

大和「い、いえ・・・・・・楽しんできてください」

ーー
ーーーー

大和(といった感じで断られてばかりです)

大和「それどころか、提督が大和を避けているような気がします・・・・・・」ショボン

大和(っ!? まさか浮気!?)

大和(ま、まさかそんなわけ・・・・・・提督のような方が浮気だなんてするはずがないです)

 

76: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:57:20.62 ID:6enVUVL30

提督「大和? ぼーっとしてどうした?」

大和「ふぇっ!? い、いえ、何でもありません」

提督「そうか、ならいいけど」

大和「あ、あの、提督・・・・・・」

提督「ん?」

大和「よ、よろしければ次の土曜日に何処かお出かけしませんか?」

提督「次の土曜日・・・・・・」ウーン

大和「はい・・・・・・(また、先に予定が入っているのでしょうか)」

提督「特に何もねぇな、いいぜ」

大和「!! ほ、本当ですか!? 大和、楽しみにしております!!」パァァ

提督「最近色々と忙しくて一緒にいられなかったしな」ナデナデ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

77: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:58:07.87 ID:6enVUVL30

大和「~~♪」ルンルン

吹雪「大和さん何だか楽しそうですね、どうしたんですか?」

大和「次の土曜日に提督とお出かけするので、衣服を選んでいるんです!」

北上「おー、やっと誘えたんだ」

利根「ここ最近あやつは用事ばかりじゃったしのぅ」

文月「皆の携帯買いに連れてってくれたのが最後だよぉ」

大鳳「あれももう二週間前ですよ」

大和「仕方ありませんよ。提督は未だ軍属の身、忙しくて当然です」

北上「それでも夫婦の時間は取るべきでしょうが」

大和「ふ、夫婦だなんて、そんな////」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

そして前日

提督「さてと、プランとしてはこんなとこかな」

妖精「うん、問題ないと思う」

提督「後はこれを渡すタイミングだよなぁ」つ小箱

妖精「やっぱり、ベタだけど綺麗な夜景を見ながらじゃない?」

提督「やっぱそうなるか」コトッ

 

78: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:58:56.94 ID:6enVUVL30

ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ・・・・・・

提督「ん?」スッ

提督「もしもし。・・・・・・はい。はいそうですが・・・・・・」

妖精「?」

提督「・・・・・・! あぁ、ご無沙汰です。どうしたんで・・・・・・え・・・・・・!?」

提督「・・・・・・はい、はい分かりました。それで、日時は・・・・・・? ・・・・・・明日!?」

提督「・・・・・・分かりました」

コトッ

妖精「? 誰からだい?」

提督「・・・・・・義姉さんだ」

妖精「!?」

提督「明日は大和と出かける日なのに・・・・・・いきなり過ぎだぜ」

妖精「で、何て言ってたの?」

提督「ーーーー」ゴニョゴニョ

妖精「!? そんな・・・・・・」

提督「どっちも無下にできない。俺はどうしたら・・・・・・」

妖精「大和を連れてってあげたら?」

提督「それはだめだ。義姉さん達は大和を知らない、混乱させるだけだ」

妖精「! 確かに・・・・・・万策尽きたか」

提督「あぁ、クソッ! また大和を・・・・・・」

 

79: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 00:59:35.81 ID:6enVUVL30

妖精「行きなよ、世話になった人だろ?」

提督「!?」

妖精「アンタは行くべきだ。皆にはあたしから説明しておく、アンタは大和に謝ってすぐに行きな!」

提督「・・・・・・分かった」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「大和、少しいいか?」

大和「はい?」

提督「実は明日、急用が入ってどうしても俺はそっちに顔を出さなきゃいけない。だから明日のお出かけは・・・・・・」

大和「っ!? ・・・・・・そう、ですか・・・・・・」

提督「本当にすまない」

大和「いえ、仕方ありませんよ。行ってらっしゃいませ」

提督「この埋め合わせは必ずする。本当にごめん」ダキッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

大和「・・・・・・」ショボン

妖精「大丈夫かい?」

大和「はい・・・・・・」

妖精「また今度誘ってみなよ。きっと上手くいくさ」

大和「・・・・・・」

妖精「? 大和?」

 

80: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:00:15.93 ID:6enVUVL30

大和「今度って・・・・・・何時ですか?」

妖精「・・・・・・」

大和「きっと提督は・・・・・・大和に愛想が尽きたんです・・・・・・」

妖精「何バカな事を! そんな事あるわけが・・・・・・」

大和「無いって・・・・・・言い切れますか?」

妖精「・・・・・・少なくとも提督はアンタを見捨てたりはしない。これは確信を持って言えるよ」

大和「どうだか・・・・・・」

妖精「・・・・・・」

妖精(提督、早く帰ってきてよ。このままじゃ大和がどんどん・・・・・・)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

大和「・・・・・・提督」

妖精(一日経った・・・・・・あれから大和は不気味なくらい静かにソファーに座って食事も摂っていない)

大和(大和だって、提督を信じています。ですが提督が一日帰らなかっただけで、不安で押し潰されそうです。提督が浮気をしたために帰らなかったという最悪の事態が頭から離れません)

妖精「とりあえず、昼食持ってくるからね」テテテテ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ガチャ

大和「!」

提督「すまない、遅くなって」

部屋に入って来た提督は普段の純白の軍服や私服ではなく、真っ黒なスーツを着ていた。その黒いスーツの上着を脱ぎながら提督は謝罪の言葉を口にする

提督「本当にごめん大和、この埋め合わせは必ずするからな」

大和「・・・・・・」上着受け取り

 

81: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:01:07.74 ID:6enVUVL30

フワッ・・・・・・

 

82: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:02:15.24 ID:6enVUVL30

大和「っ!?」クン

スーツから仄かに香る香水の匂い。提督は香水をつけないし、この鎮守府の皆の匂いとも違う。つまりは・・・・・・

大和(他の・・・・・・女性の・・・・・・)

私の中で何かが音を立てて崩れる音がした。今まで考えまいとしていた事態が現実となった・・・・・・。やはり提督は浮気をしていた、だからこの一ヶ月私との時間を作れなかったのだ

提督「来週の日曜日は空いてるか? 俺もその日なら予定がないから・・・・・・」

大和「・・・・・・もういいです」

提督「そんな事言わないでくれ、今まで時間が取れなかった分・・・・・・」

大和「私よりも・・・・・・一緒にいるべき女性がいるでしょう?」

提督「え・・・・・・?」

大和「私が嫌いになったなら、はっきりと仰ってください」

提督「何を馬鹿な、俺がお前を嫌いになるわけ」

大和「それは私がヤマさんの代わりだからですか?」

提督「っ、確かにお前はヤマと似ている。だけどお前はお前だ、大和」

大和「女の代わりだったらいくらでもいます、目処も立っているんでしょ!?」

提督「代わりなんかいない!」

大和「ならこの香水の女は誰ですか!!」

提督「っ!! ・・・・・・それは・・・・・・」

大和「この人との時間を取ってたから私との時間が取れなかったんですよね!?」

提督「違う!」

大和「嘘だ!! 」

大和「そもそも提督はヤマさんの事を乗り越えられてなんかいない!! 私に惚れたのも大和がヤマさんに似ていたからで、私はヤマさんの代わりでしかないんです!!」

提督「・・・・・・」

大和「その上知らない所で浮気まで・・・・・・。亡くなった人の後釜だった挙句浮気までされるなんて」

大和「こんな事なら、私は貴方に建造されたくなかった! 貴方と出会いたくなかった!!貴方の艦隊になんて入りたくなかった!! 」

 

83: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:02:55.07 ID:6enVUVL30

大和「貴方なんかと・・・・・・愛し合わなければよかった!!!」

 

84: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:03:35.53 ID:6enVUVL30

提督「っ!?」

大和「・・・・・・っ!?」ハッ

一通り感情をぶちまけた後、はっと我に還る。私は何て事を言ってしまったのだ。提督に対して取り返しのつかない事を言ってしまった

大和「ち、ちが、違うんです提督、大和はそんな事・・・・・・」ポロポロ

提督「分かってるよ大和・・・・・・俺が全部悪いんだ」

大和「ご、ごめんなさい、大和はこんな事言うつもりは・・・・・・」ポロポロ

提督「いいんだ、お前は何も悪くない」ツーッ

一筋の涙を流し、ゆっくりと執務室の扉に歩いていく提督。私は止める事ができない、身体が動かない。と、その瞬間

提督「っ!? がはっ!!」ゴパッ

ドシャッ・・・・・・

突如提督が吐血し、その場に崩れ落ちた。口から赤黒い血がドクドクと流れ出す

 

85: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:05:03.82 ID:6enVUVL30

ガチャ

妖精「大和、提督は・・・・・・ってどうしたのさ!?」

吹雪「ひいっ!?」

文月「司令官!?」

北上「ちょっ、何があったのさ!?」

大鳳「提督!!」

利根「しっかりするのじゃ!!」

大和「わ、わた、私は・・・・・・」ポロポロ

妖精「っ!? これはここの設備じゃ手に負えない! 救急車を呼んで!! 元帥にも連絡を!! 急いで!!」

吹雪「は、はい!!」ダッ

利根「分かった!」ダッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

大和(その後駆けつけた救急隊員によって、提督は病院へと緊急搬送された。今は症状が治まりましたが、提督は昏睡状態になってしまいました。今は皆に鎮守府を任せ、病室(個室)にいるのは大和と妖精さんだけです)

妖精「まさかこんな時に限って病院が人手不足だなんて・・・・・・」

大和「・・・・・・」

妖精「それで、何があったの?」

大和「っ!?」ジワァ

妖精「大和?」

大和「大和は、大和は提督に酷い事を言ってしまいました・・・・・・」ポロポロ

妖精「・・・・・・」

大和は泣きながら妖精に事の顛末を話した

妖精「仕方ないよ、誰だってそうなるさ。でもね、その言葉が提督にとってどれほどのものか、分かっているんだよね?」

大和「ひっ、ひぐっ・・・・・・」コクコク

 

86: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:05:43.35 ID:6enVUVL30

妖精「反省してるならいいさ、提督も許してくれるよ」

大和「許してもらう資格なんて、大和にはありません」

ガチャ

元帥「櫂の様子は?」

妖精「今は眠っているよ」

団長「そうか・・・・・・」

副長「昏睡状態・・・・・・か」

友提督「辛いよな、大和」

大和「っ!?」ジワァ

妖精「マナブ!」

友提督「っ!? あ、すまない」

妖精「マナブ、アンタこの前櫂の事買い物に誘った?」

友提督「あぁ、レーベとマックスの誕生日プレゼントを買うのに、ビスマルクと行ったんだが、もう一人男の意見が欲しくてな」

大和「!」

妖精「元帥も、この前三日間大本営に櫂を呼んでたよね?」

元帥「うむ、決戦後に引退した者達が多くての。書類仕事を櫂と霊峰君に手伝ってもらっていたのじゃ」

大和「!」

妖精「ね?」

大和「・・・・・・」コクッ

大和「その件については分かりました。ですが、昨日今日と提督は何処に・・・・・・?」

 

87: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:06:20.86 ID:6enVUVL30

??「私達の所だよ」

 

88: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:06:57.63 ID:6enVUVL30

大和「!」

元帥「! おぉミラさん」

病室の入口にいたのは元帥よりも高齢に見える一人の女性だった。初めて見る方なのに大和は何処か懐かしさを感じた

??「もうおばあちゃん! 先に行かないでよ」タッタッタッ

??「義兄さんは! 義兄さんはどうなんですか!?」タッタッタッ

遅れて提督と同じくらいの年代の男女が入って来た。そのうちの一人、女性を見て大和は一瞬硬直した

大和「え!? (大和そっくりの方です)」

??「! 貴女が大和ちゃんね? 櫂君から話は聞いたわ。本当にヤマそっくり!」

大和「ヤマ!? え?」

??「姉さん、自己紹介まだだろ? 困惑しちゃうよ」

??「あ~そうだ、ごめんなさい。私は眞祓井 想羅(まはらい そら)。ソラって呼んで」

??「俺は眞祓井 凜玖(まはらい りく)。リクって呼んでください。さっき初めて見た時は驚きましたよ、ヤマ姉さんそっくりなもんで」

大和「眞祓井・・・・・・。っ!? それって確か!」

ソラ「ええ。ヤマは私の妹、リクのお姉ちゃんなのよ」

リク「そしてこっちが眞祓井 鏡水(まはらい きょうすい)。俺達の祖母で眞祓井家当主なんだ」

??「当主といってもつい昨日なったばかりだけどねぇ。それに鏡水だなんて呼びづらいだろう、ミラでいいよ」

大和「は、はぁ・・・・・・」

ミラ「順を追って話すとね。つい先日私の夫、つまり前当主が亡くなったんだ。それで昨日今日と葬式を行っていたんだ」

大和「え・・・・・・?」

 

89: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:07:38.45 ID:6enVUVL30

リク「おじいちゃんはヤマと義兄さんを可愛がってたから、一昨日呼んだんだ」

ソラ「式中は大丈夫だったんだけど、その後で涙が止まらなくなっちゃって。それで私、櫂君の胸で泣いちゃったの」

リク「姉さんがそのまま泣き寝入りしちゃったから、義兄さん帰れなくてそのまま一泊してったんだ」

大和「っ!?」

頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。確かにソラさんの匂いはスーツに残っていたあの香水の匂いと一致する。提督は浮気なんかしていなかった、それを自分は一方的に決めつけあんな酷い事を・・・・・・

大和「っ・・・・・・」フラッ

ミラ「! 大丈夫かい?」ガシッ

大和「!? す、すみません」

ミラ「いいんだよ。ふふ。その目、確かにヤマそっくりだ」

大和「え・・・・・・?」

ミラ「巌山、ここは私達だけにしておくれ。彼女には話すべきだ、櫂とヤマの事を」

元帥「分かりました。では頼みますぞ」

団長「私達も帰るとしよう」

副長「あいよ~」

友提督「じゃ、後頼みますわ」

スタスタスタ・・・・・・

ミラ「さて、どこから話したものか。まずは我が一族の事について話すとしよう」

大和「はい・・・・・・」

 

90: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:08:29.64 ID:6enVUVL30

ミラ「古来、私達"眞祓井"家はその名の通り"悪魔祓い"として悪霊や妖魔の類を成仏させる一族だった。古くは平安時代から続いていたとも言われておる旧家さ」

妖精「悪魔祓いとはまた・・・・・・」

ミラ「無論今ではそんな非科学的なと批判されるが、まだ科学が発展していなかったその当時は悪霊や妖怪が信じられていたものさ。人が床に伏せるのは全て悪霊の仕業。そんな時代さね」

大和「なるほど・・・・・・納得です」

ミラ「そして眞祓井家は人外のものを祓うために、妖怪の力を得たと言い伝えられているんだ」

大和「妖怪の・・・・・・力・・・・・・?」

ミラ「そうさね・・・・・・例えば」チラッ

リク「?」

ミラ「リク。あんたこの間の期末試験、結果はどうだったんだい?」

妖精「はぇ!?」

リク「え、あれ? まだ返ってきてないよ?」

ミラ「おや、本当にかい?」キィィ

大和「っ!? その目は・・・・・・!」

リク「っ!?」

ミラ「・・・・・・まったく、返ってきてるじゃないか。酷い点数だ」

妖精「!?」ギョッ

ミラ「嘘ついた罰だ。ソラ、部屋の本棚、上から二段目の裏と机の引き出しの二重床の中のやつ処分しておしまい」

ソラ「はぁい」

リク「ちょっ、おばあちゃんそりゃないよ!!」

ミラ「お黙り。悪い点をとった事は私は怒っちゃいない。隠そうとした事に怒ってるんだ、慈悲はないよ」

リク「そんなぁ・・・・・・」ズーン

ミラ「ふふ、大和ちゃん、身内の恥を晒してしまって申し訳ないね」

大和「は、はぁ・・・・・・」

妖精「寧ろアンタの所為だと思うけど」

 

91: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:10:27.65 ID:6enVUVL30

ミラ「それもそうだねぇ。今のが眞祓井家が稀に発現する事がある妖力、『共鳴(きょうめい)』だよ。周りにある森羅万象と同調する力。これによって相手の考えを聞いたり、記憶を覗いたりするのさ。より精錬された力は生物だけじゃなく、無機物と同調する事もできる」

大和「!! この能力って」

ミラ「そう。ヤマもこの能力を発現していた。それもかなりの精度だったよ」

妖精「妖力なんだ、あれって。他にもそれらしきものあるんだけどさ」

ミラ「巌山と堅山の身体かい?」キィィ

妖精「ご明察。あの強靭な肉体についての仮説を妖精達で立てたんだ」

ミラ「・・・・・・その仮説は当たりだ。あの兄弟もまた、妖力を得た一族の末裔なのさ。妖力の名は『鎧鬼(がいおう)』。まるで鎧を纏っているような強靭な肉体を鬼に喩えた力さ」

妖精「やっぱりか。因みに海原家って何の一族だったの?」

ミラ「そこまでは何とも。ただ強靭な肉体を必要としていた一族なのだろうね。他にも自然を味方につける妖力の使い手や獣を操る妖力の使い手なんかもいたそうだ」

 

92: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:11:04.53 ID:6enVUVL30

ミラ「にしても妖精さんや、あんた達の仮説には驚いたよ。ほぼほぼ正解だと思っていい。能力の発現の過程や受け継ぐ条件、よくそこまで辿り着いたものだ」

妖精「何分、考える事が好きな質なんでね」

ミラ「なるほど、確かにそんな顔だ。さて、私達が古来よりそういった悪魔祓いを行っていたんだが、ある事件が起きたんだ」

大和「ある事件?」

ミラ「祓う対象だった悪霊に呪いをかけられたのさ。末代まで続く強力な呪いを」

妖精「呪い?」

ミラ「それ以降、一族の者が恋に落ちた相手が皆一様に不慮の死を迎えるようになった。ある者は事故に逢い、またある者は急病に倒れ、またある者は殺された。それも全員が目の前で死んだと言われている。現に私の夫も目の前で息を引き取った」

大和「っ!?」

ソラ「私達のお母さんもリクを産んですぐに病気で・・・・・・」

リク「それだけならまだ何とでもなったんだ。でも呪いはまだ続く」

ミラ「死んだ相手の魂は二つに分割され、正の魂は職場の同僚、学校の同級生など比較的近い存在に転生する。そして生まれ変わりとなったその者と惹かれ合うのさ。だが、そこに負の魂が転生した存在が近づき、互いに殺し合う。目の前で恋に落ちた相手が二度も死ぬところを見ては・・・・・・。そして残された者は皆、自らその命を絶ったと聞く」

大和「そんな・・・・・・」

ミラ「愛する者を二度も目の前で失い、最後には己の命をも絶つ呪いをかけられた。これが私達が『呪われた一族』と言われる所以だよ」

妖精「それであのリーダーは・・・・・・」

大和「っ!?」ハッ

 

93: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:11:53.23 ID:6enVUVL30

ミラ「私達の話は以上だ。この事を踏まえて大和ちゃん、あんたに櫂とヤマの過去を話したいんだけど・・・・・・聞く覚悟はあるかい?」

大和「・・・・・・お願いします」

妖精「いいの? 多分辛いと思うよ」

大和「構いません。どうか」

ミラ「分かった、話そう。先ずは櫂の過去から話すべきだね」

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10年前

提督(9歳)「・・・・・・よし、できたよ霧島姉」

霧島「では見せてちょうだい」スッ

霧島「・・・・・・」つ赤ボールペン

キュキュッ、ピッ、キュキュッ、ピッ、ピッ

提督「・・・・・・」ドキドキ

霧島「昨日やったところは大丈夫よ。ただしまだここの計算が苦手ね」

提督「マジで!? うわ、やっちゃったぁ・・・・・・凡ミスじゃん!」ガーン

霧島「集中が足りてないわね。少し頭を捻れば解けるはずよ」

提督「この歳で微積分解けるだけでもすげぇと思うんだけど」ボソッ

霧島「何か言ったかしら?」

提督「何も」

フ~ン・・・・・・

提督「! (蚊だ、もう夏か・・・・・・)」

 

94: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:12:34.08 ID:6enVUVL30

霧島「っ!? もう何!?」サッサッ

提督「蚊は女性ホルモンに釣られるっていうし、霧島姉女なんだから仕方ねぇよ」

霧島「よく知ってるわね。妖精さんに教えてもらったの?」フ~ン・・・・・・

提督「読んだ本に載ってた」

霧島「女性ホルモンにねぇ。私艦娘よ?」フ~ン・・・・・・

提督「でも女じゃん」

霧島「まぁ確かにそうだけど・・・・・・」フ~ン・・・・・・

・・・・・・ブツッ

霧島「ッ!!」ジャキン

提督「えぇっ!? ちょっ、何でここで艤装展開してんの!?」ギョッ

霧島「目標(蚊)捕捉! 全門斉射!!」バッ

ドガァァァァァァァァァァァンッッッ

提督「ぎゃぁぁぁぁぁッッッ!?」

霧島「・・・・・・目標殲滅。ふぅ・・・・・・」艤装解除

提督「」ガタガタ

霧島「? 櫂、どうしたの?」

提督「いや、別に・・・・・・」ガタガタ

霧島「?」キョトン

提督(オーバーキル過ぎる・・・・・・てか、蚊一匹にここまでするとか、どこまで沸点低いの霧島姉は!?)ゾッ

 

95: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:13:10.51 ID:6enVUVL30

ドタドタドタ・・・・・・

バタンッ!!

榛名「霧島、櫂! 何の音ですか!?」

霧島「あら榛名、いきなりどうしたの?」

提督「アンタの所為だ、アンタの」ハァ

元帥「何じゃ、騒がしいのぅ」

霧島「あぁ元帥、蚊がいましたので」

元帥「霧島、毎度の事じゃが蝿や蚊如きに主砲をぶっぱなさんでくれ、被害が大き過ぎるんじゃ。見ろ、壁に大穴が空いておるではないか」ヤレヤレ

霧島「申し訳ありません」ペコ

提督「毎年夏の風物詩だな」

元帥「こんな費用のかかる風物詩なぞ誰が喜ぶんじゃ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「ゼェ・・・・・・ゼェ・・・・・・も、もう無理だって島風姉」フラフラ

島風「おっそーい!! これでもまだ本気じゃないんだよ?」

提督「いや、既に目にも留まらぬ速さじゃん」

島風「何言ってるの! スピードっていうのはね、目にも留まらぬ速さじゃ二流! 目にも映らぬ速さじゃないと一流じゃないんだよ?」

提督「いや、そんな領域に到達してるの島風姉だけだから」

川内「あ、櫂に島風。何やってるの? 駆けっこ?」

提督「あ、川内姉。綾波姉に敷波姉も、『夜戦隊』の訓練してたの?」

川内「そうだよ~」

綾波「駆けっこですか。楽しそうですね」

島風「三人もしようよ駆けっこ!」

敷波「えー、アタシも?」

 

96: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:13:55.45 ID:6enVUVL30

提督「敷波姉は本気出したらすげぇもんな~!」

敷波「持ち上げすぎじゃない? ・・・・・・まぁ、嫌じゃないけどさ////」プイッ

綾波「もう、素直じゃないなぁ」ニコニコ

川内「あはは、じゃあ私も久々に走ろうかな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

比叡「むむ、次の櫂の一手は・・・・・・」ウーン

提督「・・・・・・よし」スッ

パチッ

提督「王手」

比叡「ヒェェェ!?」

比叡「ならここはこの駒を取って・・・・・・」スッ

パチッ

提督「なら・・・・・・」スッ

パチッ

提督「王手」

 

97: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:14:36.14 ID:6enVUVL30

比叡「むむ、ここは王を逃がすのが・・・・・・」

パチッ

提督「・・・・・・」スッ

パチッ

提督「王手」

比叡「ならば! 歩をここに置いて」スッ

パチッ

提督「はい終わり」スッ

パチッ

比叡「あぁっ!?」ギョッ

提督「比叡姉引っかかり過ぎだよ」

比叡「ヒェェェ、また負けたぁ・・・・・・」

ガチャ

金剛「Hey! Tea timeネー!」

提督「やった、今日の茶菓子何?」

金剛「霧島手作りのクッキーデース!」

比叡「やったー!」

ーー
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ーーーーーー

榛名「櫂、午後の勉強は何でしたっけ?」コポコポ

提督「神通姉の国語と、加賀姉の地理だけど」シャクシャク

金剛「Wow,神通はvery harshからネ」サクサク

提督「いや、金剛姉の方がスパルタじゃん」

比叡「あれ(チョーク弾)はお姉様の愛の鞭ですよ」ズズッ

霧島「ともあれ、皆さんの教え方は本当に分かりやすいですよ」サクサク

提督「そう言う霧島姉もな」ズズッ

 

98: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:15:41.26 ID:6enVUVL30

加賀「櫂、ここにいたの?」スタスタ

提督「! 加賀姉」

加賀「ちょうど良かったわ、午後の勉強だけど、私達に演習の予定が入ってしまって・・・・・・」

提督「ありゃ、中止?」ショボン

加賀「えぇ、ごめんなさい。この埋め合わせは必ずするわ」

提督「まぁ仕方ねぇか、最高戦力だし。あ、ちょっとしゃがんで」スタスタ

加賀「?」スッ

提督「演習頑張ってな、天舞無法の加賀姉」ナデナデ

加賀「っ!? 分かってるわ」キラキラ

金剛(加賀がめちゃくちゃsparklingしてマース)

加賀(流石に気分が高揚します)キラキラ

加賀「ではこれで」スタスタ

ウワッ! ナニヒカリカガヤイテンノヨ、コノイッコウセン!
フッ、ゴコウセンニハアジワエナイシフクヨ
ナンデスッテ!? キーッ
オチツキナサイ、ズイカク
カガサンモオチツイテ・・・・・・

ーー
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ーーーーーー

 

99: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:16:22.33 ID:6enVUVL30

神通「ではこの文の要点をまとめてみてください」

提督「・・・・・・」カリカリ

神通「・・・・・・」ニコニコ

提督「これで大丈夫かな?」スッ

神通「では・・・・・・」

神通「・・・・・・9割正解ですね。よくできました」ナデナデ

提督「残り1割を教えてほしいんだけど」

神通「そうですね、強いて言うならこの部分でしょう。ここは・・・・・・」

提督「・・・・・・」

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大和(本当に艦娘に育てられていたんですね、提督は)

ミラ「さて、いつまでそこにいるつもりだい?」チラッ

ソラ「え?」クルッ

リク「?」クルッ

吹雪「あ、あはは、すみません」

大和「吹雪ちゃん!? 皆も、何時からいたんですか?」

文月「司令官の昔話から聞いてたのぉ」

北上「いやぁ、入るタイミングが見つからなくて」

利根「やはり吾輩達も心配でのぅ」

大鳳「あ、鎮守府ならビスマルクさん達がいますので大丈夫ですよ」

ミラ「おやおや、櫂の仲間だね。何とも上司想いのいい娘達じゃないか」

吹雪「失礼ですが、お名前をお伺いしてもいいですか?」

ミラ「私は眞祓井 鏡水。ミラって呼んでおくれ」

北上「ミラさんさぁ、何で提督の過去が分かるの?」

ミラ「まぁ記憶を覗いてるからねぇ。それ以前に小さい頃からの知り合いで私にとっては孫も同然なんだよ」

ミラ「さて、話を戻すとしようか」

 

100: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:17:11.90 ID:6enVUVL30

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提督「あ~小腹空いたな、間宮姉ん所に何かねぇかな」

元帥「! おぉ櫂、ちょうど良い所に」

提督「? 父さんどうしたの?」

元帥「金剛達と買い物に行ってきてくれんか、備蓄がそろそろ危なくてのぅ」

提督「赤城姉達か。二人ともあんなに食って太らねぇのかな?」

元帥「お前も犬や猫より多く食べても太らんじゃろう? そういう事じゃよ」

提督「分かった、行ってくる」スタスタ

元帥「頼んだぞい」

ーー
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ーーーーーー

金剛「後は何が必要デース?」

霧島「紅茶の茶葉とカレールーは買いましたし、後は・・・・・・」つメモ

比叡「お酒も買ってきてって言われてるよ」

榛名「じゃあお酒を買えば全部ですね」

提督「身分証あるの?」

金剛「Don’t worryデース!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

比叡「お、重い~」

提督「この荷物で家まで帰んのきつくね?」

金剛「こんなもん艤装に比べたら屁でもないネー」

榛名「榛名は大丈夫です」

提督「俺が早く車の免許取ったらいいんだ、そしたら皆を乗せて買い物に行ける!」

榛名「櫂・・・・・・」ウルウル

霧島「ふふ、楽しみにしてるわね」

 

101: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:17:45.02 ID:6enVUVL30

ヒソヒソ・・・・・・

提督「?」

「見ろよあれ、艦娘だぜ」

「知ってるか、あいつら風呂入るだけで怪我が治るんだぜ」

「マジかよ、化け物じゃねぇか」

提督「っ!!」ピクッ

「化け物の癖して戦争ずっと続けやがって」

「正義の味方ヅラする前にさっさと海を取り返せっての」

「でも見た目はすげぇ美少女だぜ、いいよなぁ軍人は」

「やっぱり夜は何人も侍らせてんじゃね?」

「自分だけの性欲処理係とか最高じゃんか!」

提督「っ!!」ブツッ

提督「このっ・・・・・・!!」キッ

 

102: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:18:40.54 ID:6enVUVL30

ガシッ

提督「っ!?」

榛名「・・・・・・」ギューッ

金剛「・・・・・・」フルフル

あまりに自分勝手な偏見を押し付ける周りの人間に食ってかかろうとする提督を榛名は優しく抱きしめ、金剛は静かに首を横に振る。微笑みかける二人は、まるで「手を出してはいけない」、「私達なら大丈夫だ」と言っているようだった

比叡「ぅぅ・・・・・・」アタマグシグシ

霧島「・・・・・・」メガネカチャカチャ

提督「・・・・・・」

榛名「帰りましょうか」

提督「・・・・・・分かった」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「くそっ、あいつら何なんだよ!!」

金剛「カイ・・・・・・」

霧島「一般人からしたら深海棲艦も艦娘も同じ化け物だという事でしょう」

元帥「うーむ、民衆との軋轢は未だ消えず・・・・・・か」

提督「自分達が誰に生かされてると思ってんだ! 皆がいなかったらとっくに殺されてたかもしれねぇのに!!」

榛名「櫂落ち着いてください」

提督「大体、榛名姉達は悔しくねぇのかよ!? あんなに好き勝手言われて!!」

榛名「仕方ないですよ、榛名達は人の形をした兵器なんですから」

提督「皆は兵器じゃねぇ!! 兵器なら俺を大切にしてくれるわけがねぇだろ!!」

元帥「榛名、今の発言はお前が悪い。お前達は立派な人間じゃ」

榛名「すみません・・・・・・」

 

103: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:19:51.86 ID:6enVUVL30

元帥「とはいえ、あんな事に一々腹を立てていては身が持たんぞ、櫂」

提督「何でだよ、こっちは家族バカにされたんだぞ!!」

元帥「人間というのは本来とても弱い生き物なんじゃよ。一人一人はひ弱故に心優しい。しかし人数が増え群衆となると次第に強大な力を持つようになる」

提督「・・・・・・」

元帥「そうなった時の彼らの意思、つまり民意は正に化け物じゃ。いくら正しくとも彼らの大多数が悪と言えば悪とされる。しかし、その様な理不尽にも歯を食いしばって耐え、儂らは彼らを守らねばならん」

提督「守る必要が何処にあるんだよ、あいつらは自分を守ってくれてる皆を化け物だの何だのって言ってんだぞ!? そんな奴ら守る価値ねぇよ!」

元帥「いくら理不尽でも彼らは守るべき民じゃ。儂ら海軍は国を守っておるのじゃから」

提督「はぁ!?」

元帥「儂らが守っておるのは国土だけではない。いくら土地があろうと、そこを開拓して住み、動かす人がいなければ意味がない。国とは、人間がいて初めて成り立つのじゃ」

提督「っ!? それでも俺は認めねぇ! 守ってもらってる立場で、その恩を仇で返すような奴らなんか!!」ダッ

比叡「あっ!?」

榛名「櫂!!」

ア、カイ! カケッコスルノ? マケナイヨ!
ツイテクンナ! シマカゼネエ!

元帥「・・・・・・やはり理解はしてくれんか」

霧島「仕方ありません、いくら賢くとも感情はまだ歳相応でしょう」

比叡「私達の事を思っての発言なんだけどね」

榛名「て、提督どうしましょう、櫂が、櫂が!!」オロオロ

金剛「は、早く連れ戻すネ! Hurry!!」オロオロ

元帥「まぁ慌てるでない。櫂にも考える時間が必要じゃよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

104: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:20:39.53 ID:6enVUVL30

比叡「あれから一時間は経つよ」オロオロ

霧島「何処まで行ったのかしら」オロオロ

金剛「は、榛名?」

榛名「きっと迷子になって泣いてるに違いありません、もしかしたら人攫いに誘拐されたり・・・・・・」ガタガタ

金剛「お、落ち着くネ榛名、カイの事デスそんな事にはならないネー」

比叡「長門さんに扱かれてるもんね」

元帥「む、ローグか。・・・・・・そうか、見つかったか」

艦娘「!!」

元帥「ローグが保護したそうじゃ。どうも女の子と一緒にいたらしい」

金剛「What’s!?」

榛名「お友達ができたのでしょうか?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・ただいま」

元帥「お帰り。頭の中はすっきりしたかね?」

提督「何かどうでもよくなった。皆も当たり散らしてごめん」

榛名「いいんですよ、榛名達を思って怒ってくれてたんですから」

長門「まったく、要らん心配をかけるな」

金剛「? その娘は誰デスカ?」

ヤマ「っ!?」ビクッ

提督「街で会った。俺の友達だ」

ヤマ「ま、眞祓井 耶麻です。初めまして」

榛名「ヤマちゃんですね? 初めまして、榛名です」ニコッ

 

105: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:21:49.41 ID:6enVUVL30

提督「うちの姉さん達は皆すげぇんだぜ! 皆に勉強も教えてもらってるしな」

ヤマ「へ~、いいなぁ。私も教えてほしいなぁ」

元帥「いやはや、今日は息子が迷惑をかけたようですまなかったのぅ」

ヤマ「! 櫂君のお父さんですか?」

元帥「初めまして、海原 巌山じゃ」

提督「まぁ、実の父親じゃねぇけどな」

ヤマ「え?」

提督「俺は孤児だったのを父さんに拾われたから、血は繋がってねぇんだ」

ヤマ「それでもお父さんでしょ?」

提督「あぁ。血の繋がりなんてどうでもいいしな」

元帥「なかなかしっかりしたお嬢さんじゃ。これからも櫂をよろしくな、ヤマちゃん」

ヤマ「うん! そうだ、櫂君も学校行こうよ!」

提督「は? 学校?」

 

106: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:22:25.95 ID:6enVUVL30

ヤマ「やっぱりちゃんと義務教育は受けないと!」

提督「でもなぁ、今更小学校行っても何も学ぶ事ねぇし」

長門「行くべきだ。何も学校では授業だけが全てではない」

元帥「長門の言う通りじゃ。何時かはお前を学校に入れようと思っていたのじゃが、少し遅れてしまってのぅ。櫂、お前は同じ年代の友達を作るべきじゃ」

提督「いや、行ってもつまんねぇって」

ヤマ「・・・・・・櫂君は私と学校行くの、嫌?」ウルウル

提督「っ!? 分かったよ、行きゃいいんだろ、行けば!! だからそんな目で見るな!」

ヤマ「えへへ、やったぁ」ニコニコ

提督「っ・・・・・・////」

元帥(ほぅ、なかなかの策士じゃな)ニヤニヤ

榛名(青春ですねぇ)ニコニコ

長門(そういう事か、まったく・・・・・・)ニヤリ

元帥「決まりじゃな。明日にでも話に行くとしよう」

提督「分かった」

元帥「ではヤマちゃん、櫂が送っていくからのぅ。今日はありがとう」

ヤマ「はい、ではさようなら!」ペコ

ーー
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ーーーーーー

 

107: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:23:11.83 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・なぁ?」

ヤマ「何?」

提督「お前、学校楽しいのか?」

ヤマ「・・・・・・」

提督「あの様子だと、学校でもいじめられてんだろ?」

ヤマ「・・・・・・」コクッ

提督「で、仲良い奴を増やすために俺を誘ったのか?」

ヤマ「っ!? ・・・・・・」ウルウル コクッ

提督「・・・・・・まぁ何にせよ俺はお前の味方でいるつもりだし」

ヤマ「っ!? 本当に!?」パァァ

提督「(ち、近い・・・・・・////)お、おう」タジッ

ヤマ「よかったぁ・・・・・・」

提督「あ、でも俺めんどくさい奴だぜ? 自分が気に入らないとすぐ感情的になるし、ちょいサディストだし」

ヤマ「大丈夫だよ、櫂君可愛いもん!」

提督「っ!? 答えになってねぇよ////」

ヤマ「じゃあ、学校で会えるの楽しみにしてるね!」ノシ

提督「あぁ、じゃあな」ノシ

ーー
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ーーーーーー

 

108: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:23:51.41 ID:6enVUVL30

ミラ「お帰りヤマ」

ヤマ「ただいま、おばあちゃん!」

ソラ「あら? ヤマ何だか楽しそうね?」

リク「お姉ちゃん学校でいい事あった?」

ヤマ「えへへ・・・・・・////」ニマニマ

ミラ「ふむ・・・・・・」キィィ

ミラ「・・・・・・なるほど、いい子に出会えたみたいだね」

「何、ヤマに男か!? こりゃめでたい! 酒じゃ婆さん、今夜は祝い酒じゃ!!」

ヤマ「お、男だなんて、おじいちゃん・・・・・・////」カァァ

ミラ「まったく、あんたは毎晩飲んでるじゃないか、この酔いどれ爺」ハァ

ーー
ーーーー
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109: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:26:43.37 ID:6enVUVL30

一週間後

提督「何かさっさと話が進んだなぁ」スタスタ

先生「う、海原さん・・・・・・教室はこっちです」スタスタ

提督「先生、教師が生徒に敬語使ってどうするんですか。普通の生徒みたいに扱ってくださいよ」

先生「し、しかしあの元帥殿のご子息を」

提督「俺はあの人じゃありません。何の権力もありませんし、父の威を借るつもりもありません。どうかお願いします」

先生「は、はぁ・・・・・・分かったよ」

提督「では改めてお願いします。俺が海軍元帥の息子だって事は伏せといてください」

先生「それもそうか、なら海外から帰ってきた事にしよう。幸いお前は外国語が上手いしな」

提督「はい。ですが聞かれた時ですよ? こっちからは言わないでくださいね」

先生「分かった」

スタスタスタスタ・・・・・・

先生「ここが教室だよ。もう皆待っている」

ガラガラッ

先生「おーい皆、席に着け」

ワイワイガヤガヤ

先生「今日は転校生を紹介する。さ、入って」

 

110: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:27:30.02 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・」スタスタ

ザワザワ

ネェ、チョットカッコヨクナイ?
ドウシヨウ、チョータイプナンダケド

ヤマ「!」パァァ

提督「! (お、ヤマだ。! あいつまた何かされたのか?)」

先生「自己紹介してくれるかな?」

提督「」コクッ

提督「海原 櫂です。今日からよろしくお願いします」

先生「じゃあ皆、席順に自己紹介をして」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

先生「じゃあ海原、お前の席は・・・・・・あそこだ」

提督「はい」スタスタ

先生「では授業を始めるぞ。皆教科書を開いて」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」

提督(初見だし一応真面目に授業は聞いてたけど、やっぱりつまんねぇなぁ)

提督(おまけに・・・・・・)チラッ

ワイワイガヤガヤ

「ねぇ海原君、質問いい?」ワクワク
「あ、私も!」
「僕もいいかい?」

提督の周りには大勢の生徒が集まっていた。転校生に質問攻め、当然の組み合わせである

「おい、新入り!」

提督「あ?」

「俺は霊峰 学様だ! このクラスでは俺に従え!」

これが提督と友提督の初の会合であった。自分達が後に唯一無二の親友となる事を、今の二人は知る由もない

提督「ふーん、よろしく」

「ちょ、ちょっと海原君、霊峰君は・・・・・・」

 

111: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:28:27.33 ID:6enVUVL30

友提督「俺の親父は国会議員! つまり政治家だ!! そして俺は政治家の息子だ、分かったら俺には逆らうなよ?」

提督「・・・・・・どーでもいい」

友提督「な!?」

「「「「っ!?」」」」ギョッ

友提督「お、俺の親父は政治家だぞ!? 俺にそんな態度とって」

提督「どうなるってんだ?」ギロ

友提督「っ!?」

提督「偉いのはお前の親父さんであって、お前自身じゃねぇだろ」スッ

スタスタスタスタ・・・・・・

ヤマ「!」

提督「よぉヤマ。約束通り来たぜ」ニッ

ヤマ「うん、ありがとう」

チョット、ナンデウナバラクントナカヨクシテルノ!?

提督「ったく、またいじめられてたのか? 頬に痣ができてる」ナデナデ

ヤマ「あ・・・・・・」

「おい海原、そいつに関わるな」

「そいつは『呪われた一族』だぞ」

提督「・・・・・・お前達のその話、何処から仕入れた情報だ?」ナデナデ

「何処って・・・・・・」

「お父さんとお母さんが・・・・・・」

提督「じゃあ聞くけど、お前達自身はその『呪われた』場面を見た事があるのか?」

「「「・・・・・・」」」

提督「・・・・・・やっぱり、周りや親の言う事を鵜呑みにしてるだけか」

「じゃあ海原はどうだってんだよ!」

「まるで自分が私達と違うみたいな言い方してさ!!」

提督「少なくとも俺は自分の目で確かめてから肯定や否定をするさ、周りの意見は参考程度にしか見ねぇよ」

「「「・・・・・・」」」

提督「さっさと席戻れ、次の授業始まるぜ」

ーー
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ーーーーーー

 

112: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:29:09.77 ID:6enVUVL30

提督「やっぱり学校行っても何も得るもんねぇな」スタスタ

ヤマ「櫂君よかったの? 私を庇って皆の反感買っちゃって」スタスタ

提督「あんな奴ら、こっちから願い下げだ。どうせ今の同級生も高校生になっちまえばほとんど散り散りだしな」

ヤマ「それに霊峰君にもあんな態度とって・・・・・・霊峰君のお父さんに知られたら」

提督「普通の親はそんな態度とる子供に説教するに決まってる。それにもし本当に政治家なら『そんな下らない事で一々多忙な私の手を煩わせるな』とでも言って聞き流すし、こんな事に反応するならそいつはただの親バカか政治家としての器の小さい小者だ」

ヤマ「・・・・・・きっぱり言い切るなぁ、怖くないの?」

提督「そんなもん、長門姉の鉄拳に比べたら他のもんなんて可愛いもんさ」

ヤマ「・・・・・・あのさ」

提督「ん?」

ヤマ「ありがとう。今日、休み時間の間ずっと傍にいてくれて。お陰で今日は誰も嫌がらせに来なかった」ニコッ

提督「そうか。明日以降もいるさ、お前が嫌がらせを受けなくなるまで」

ヤマ「うん!」

ソウダ、ドヨウビウチニキテ! カゾクニアワセルカラ
ワカッタ、タノシミニシテルゼ!

ーー
ーーーー
ーーーーーー

友提督「ちっ、何だあの野郎、この俺様に嘗めた口ききやがって!」ズカズカ

ガチャ

友提督「お父様、ただいま帰りました!」

「・・・・・・」カリカリ

友提督「今日来た転校生が俺に口答えしてきたのです、何とか言ってやってください!」

「私は今忙しいんだ、部屋から出て行きなさい」

友提督「っ!」

ガチャ バタン

プルルルルル・・・・・・

「私だ・・・・・・何!?」

「バカな!? 何故だ!! ・・・・・・この大事な時にしくじりおって!」ガタッ

「・・・・・・っ!? 何!? 私はそんな事まで望んではいない、何とかしろ! もしもし? もしもし!? っ・・・・・・くそっ!!」ガチャン

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

113: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:30:29.01 ID:6enVUVL30

土曜日

提督「近くで見ると更に大きいなぁ」

ヤマ「皆心待ちにしてたんだよ」

スタスタ・・・・・・

提督「お邪魔します」

ミラ「いらっしゃい。あんたが海原 櫂君だね?」

提督「はい」

ミラ「私は眞祓井 鏡水。ふふふ、何とも女らしくない名前だろう?」

提督「は、はぁ・・・・・・」

ヤマ「もう、おばあちゃん! 何時もそんな事言って!」

ミラ「ふふふ・・・・・・確かにねぇ」

提督「失礼ですが、それなら渾名のようなものを考えたらどうですか?」

ヤマ「渾名?」

提督「そうそう。例えば、鏡水の"鏡"からミラ・・・・・・とか」

ミラ「おや、なかなか可愛らしいじゃないか」

ミラ「ふふふ。ヤマの言う通り、なかなかいい子じゃないか」

ソラ「あら、その子がヤマの彼氏?」

提督「へ?」

ヤマ「お、おおおお姉ちゃん、何言ってるの!?////」

リク「おぉ、あなたが俺のお兄ちゃんだな!」

提督「え、あ、あぁ、よろしく」

ヤマ「リク!? 櫂君まで何言ってるの!?////」

提督「え? 何が?」

ヤマ「な、何でもないけど・・・・・・////」ゴニョゴニョ

 

114: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:31:10.16 ID:6enVUVL30

ミラ「ヤマ、櫂を案内しておやり。爺さんにもちゃんと紹介するんだよ」

ヤマ「うん! 櫂君行こ!」タッタッタッ

提督「分かった。では失礼します」スタスタ

ミラ「ゆっくりしといで」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「このトウモロコシ美味ぇ!」ムシャムシャ

「当たり前じゃ、この俺が精魂込めて育ててんだからな! たんと食え!」

提督「爺さんすげぇなぁ。あんなでっかい畑一人で耕すなんて」

「いやぁ、櫂と言ったなお前。手伝ってくれた時のあの手際の良さに全然へこたれねぇ体力。最近のガキにしてはなかなか見所がある、流石はヤマが選んだ男じゃ」

リク「確かに全然疲れたとか言わないもん、びっくりしたよ」シャクシャク

提督「家族が運動好きで姉達に鍛えてもらってるんだ、あれくらいなら」

「これからも助けてもらえるとありがたいわい、はっはっはっはっ!!」

ソラ「すっかりおじいちゃんに気に入られちゃった」モグモグ

ヤマ「知り合い以外には本当に無口なのに」モキュモキュ

ミラ「打ち解けてもらえてよかったよ」

「いい食いっぷりじゃ、ほれもっと食え!」

提督「はい!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「今日はありがとうございました、わざわざ野菜まで頂いてしまって」

「また何時でも来いよ!」

ミラ「親御さん達によろしくね」

ヤマ「またね~!」ノシ

提督「さよなら~」ノシ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

115: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:31:53.24 ID:6enVUVL30

提督「ただいま」

元帥「お帰り。どうじゃった、ヤマちゃんの家は」

提督「楽しかったよ。ほら、野菜もらっちゃった」

元帥「おぉ、これは何とも見事な夏野菜じゃ」

加賀「茄子やトマト、トウモロコシやキュウリがこんなにも・・・・・・流石に気分が高揚します」

金剛「Wow、明日からのdinnerが豪華デスネー」

高雄「こんなにたくさんの野菜を・・・・・・」

榛名「どれも美味しそうですね」

元帥「今度儂もお礼に行かねばな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督(それからというもの、俺とヤマは毎日一緒に行動した。土曜日はヤマの家に、日曜日は俺の家で遊ぶ。そのうち、俺の家族と眞祓井家は家族ぐるみの付き合いとなった。そんなある日だった)

提督「・・・・・・」

ヤマ「? どうしたの?」

提督「なぁ、最近友提督(あいつ)が来てねぇよな?」

ヤマ「! 言われてみたら、最近霊峰君が来てない・・・・・・」

先生「ほら皆席に着けー」

先生「今日は皆に話がある。霊峰君が、家の事情でしばらく学校を休むそうだ」

提督(家の事情・・・・・・。そういえばあいつ、親が政治家だからどうこうって言ってたな。もしかしてそれが関係しているのか?)

先生「では授業を始めるぞ、移動教室だから遅れないように」スタスタ

提督「これは少し調べる必要があるな」

 

116: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:32:39.20 ID:6enVUVL30

ヤマ「どうしたの?」

提督「普通なら人ん家の事情には首を突っ込む必要はねぇんだけど、あいつの場合はちょっと特殊だ」

ヤマ「?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「夕張姉、パソコン貸してほしいんだけど」

夕張「パソコン? いいよ」

提督「ありがとう」スッ

明石「櫂どうしたの? 調べ事?」

提督「まぁね。明石姉、夕張姉、最近何か政界のニュースってあった?」カタカタ

夕張「政治の世界ねぇ・・・・・・最近ずっと引き籠ってて分からないなぁ」

明石「! そういえば確か何とかって政治家が失脚したって話があったような・・・・・・」

提督「! その話何処に載ってたの!?」カタカタ

明石「少し貸して。ページが消されてなかったら・・・・・・」スッ

カタカタカタカタ・・・・・・

提督「!!」

明石「! あった!」カチッ

提督「・・・・・・なるほど、大体把握できた。ありがとう明石姉」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

117: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:33:57.94 ID:6enVUVL30

翌日

キーンコーンカーンコーン

先生「ではまた月曜日に」

「あ~、一週間終わったぁ!」

「明日買い物行こうよ!」

提督(さて、何とかしてあいつに会うにはどうしたら・・・・・・)イソイソ

ヤマ「櫂君どうしたの?」

提督「ヤマ、あいつの家に行ってみようかと思っているんだけど」

ヤマ「何で?」

提督「事実を確かめに行く」スッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

先生「霊峰君の家の住所を教えてほしい?」

提督「はい。一クラスメイトとして気になりまして。もし彼が家族関係で困っているなら、似たような身内を持つ者同士として俺が力になれるかと」

先生「やめておいた方がいいと思うがなぁ。とはいえ、欠席の理由も詳しくは教えてもらっていないし、学校(こちら)としてはきちんと把握しておきたい」

先生「じゃあ頼んでもいいか?」

提督「はい」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「行けねぇ距離じゃねぇけど、近くはないなぁ」

ヤマ「確かに・・・・・・どうするの?」

提督「ヤマ、今日は俺ん家に来てくれ。そこから姉さんにヤマん家まで送ってもらう」

ヤマ「え? 私も一緒に行くよ!」

提督「今回は俺一人で事に当たる。悪ぃな」

ヤマ「・・・・・・分かった」

提督「ありがとう」

 

118: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:34:55.32 ID:6enVUVL30

ヤマ「でも何で? 一人で行って大丈夫なの?」

提督「あいつだって男だ、俺一人なら胸の中ぶちまけるかもと思ったんだ」

ヤマ「あ~、男同士ならってやつね」

提督「そうそう」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・って理由なんだ。長門姉、ヤマを家まで送ってくれないかな?」

長門「そういう理由なら致し方あるまい、任せてくれ」

陸奥「念のため私も一緒に行くわ」

ヤマ「長門お姉ちゃん、陸奥お姉ちゃん、よろしくね」

提督「じゃ、行ってくる」

元帥「気をつけてな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」スタスタ

提督「・・・・・・ここか・・・・・・」

ピンポーン・・・・・・

提督「すみませーん」

ガ、ガガ・・・・・・

「はい? どちら様でしょうか?」

提督「学君の同級生です、学君いらっしゃいますか?」

「学は熱を出して休んでいます、お引き取りください」

提督「一週間も下がらない熱がそうそうありますか? それ程なら普通病院に連れて行きますし熱ならちゃんと教師に伝えますよね?」

「・・・・・・帰ってください」

提督「・・・・・・事情は大体把握しています、それを踏まえて何かお力になれないかと伺った次第です」

「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

 

119: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:35:55.67 ID:6enVUVL30

・・・・・・ガチャ

提督「! (ひとりでに門が開いた・・・・・・)」

ガ、ガガ・・・・・・

「入ってください」

提督「お邪魔します」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

「初めまして。学の母です」

提督「初めまして。海原 櫂です」

「それで、大体把握しているというのは?」

提督「私も権力者の父がおりますので。だから学君の悩みを多少なり解決できるかと思いまして」

「・・・・・・分かりました、学の部屋はこちらです」

提督「ありがとうございます」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

コンコン・・・・・・

「学ちゃん、お友達ですよ・・・・・・」

提督「・・・・・・」

「・・・・・・ごめんなさい、学ちゃん今は機嫌が悪いみたいで・・・・・・」

提督「普段も返事しない時は放っておくんですか?」

「はい。下手に刺激したらますます機嫌が悪くなるので・・・・・・」

提督「母親が子供に嘗められてどうするんですか・・・・・・」アキレ

「は、はぁ・・・・・・?」

提督「もういいです。こっからは俺一人でしますので」スッ

「え?」

提督「ふっ!!」ブンッ

バギャァァァァァァンッッッ

「っ!?」ギョッ

 

120: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:36:56.83 ID:6enVUVL30

提督「親に返事ぐらいしろよ、お前」ズカズカ

友提督「人の部屋のドア勝手に蹴破って入ってくるなんて、どんな教育受けてんだよ」

提督「お前が返事してドアを開ければ済んだ話だ」

友提督「ちっ、何の用だよ」

提督「引き篭もりのクラスメイトを引き摺り出しに来たんだ。来週からはちゃんと学校来やがれ」

友提督「学校なんて行くだけ無駄だ」

提督「俺が言える義理じゃねぇけど、お前は学校に行く必要があるさ」

友提督「・・・・・・どういう意味だ?」ギロ

提督「"今の"お前が学校を休んだところで、さらに自分の将来をめちゃくちゃにするだけだね」

友提督「お前に俺の何が分かる!! こっちの事情も知らねぇくせに!!」ブンッ

提督「知ってるさ。じゃなきゃここに来ねぇよ」サッ

提督「親父さん、蒸発したんだろ?」

友提督「っ!?」

提督「世間にはまだ公にされてねぇ情報だけど、そんな裏情報に精通している姉がいるんだ」

提督「お前の親父さん、裏で政治資金使ってヤバイ事に手をつけてたって話だ。その情報が何処からか漏れて失脚させられた」

友提督「・・・・・・」

提督「そしてそいつはお前達を置いて自分一人で行方を眩ませたんだな。お前は親父を盾にやりたい放題していたから学校に居辛いから仮病で休んでる。だろ?」

友提督「・・・・・・まったく、鋭い野郎だ」

提督「だから俺はお前にあの時言ったんだ、『偉いのはお前の親父さんであってお前じゃねぇ』って」

友提督「反論できねぇな」

 

121: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:37:55.81 ID:6enVUVL30

提督「とはいえ、俺はお前を助けたいと思っているんだ。お前は寧ろ親父さんの被害者だしな」

友提督「何でだ?」

提督「・・・・・・実を言うと、俺も父さんが権力者なんだ。だからお前の力になれるかと思ってな」

友提督「・・・・・・悪いけど俺はお前に助けてもらうつもりはない。さっさと帰れ」

提督「なら来週から学校に顔を出せ。それを約束するなら帰る」

友提督「っ!! さっきから聞いてりゃ、お前一体何様のつもりだ!!」ガッ

提督「クラスメイト様だ」

友提督「ふざけんじゃねぇ!!」ブンッ

バキィィィッッッ

提督「・・・・・・」

友提督「親父がいなくなった俺の気持ちがお前なんかに分かるものか!!」

提督「俺からしたらお前達家族をあっさり捨てる時点でそんな奴は父親だなんて認めねぇよ」

友提督「っ!?」

提督「そんな奴の事考えるだけ無駄だ、お袋さんと二人でさっさと自立しちまえ」

友提督「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

友提督「・・・・・・ふ」

友提督「あははははははははははッッッ」

提督「・・・・・・」

友提督「ったく、お前の所為だぞ」

友提督「今までの悩みが無くなっちまったよ」

提督「いや、そんな事言った覚えないけど」

友提督「一つ、借りができたな」

提督「そうか、なら来週学校に返しに来い」クルッ

提督「じゃあな」スタスタ

ア、コレデカエルンデ。オジャマシマシタ。
ド、ドウモ

友提督「・・・・・・ありがとう」ボソッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

122: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:39:07.06 ID:6enVUVL30

月曜日

提督「さてと・・・・・・」

ヤマ「霊峰君、来ると思う?」

提督「こればっかりはあいつが最終的に決める事だからな」

提督「!」

ヤマ「あ・・・・・・」

友提督「・・・・・・」

ガヤガヤ

「おい、霊峰の奴が来たぜ」

「今まで散々やりたい放題してたんだし」

提督(さて、とりあえずあいつの傍に行くか)スッ

ガラガラ

先生「ほら皆席に着け~」スタスタ

提督「! (ちっ、何て間の悪ぃ・・・・・・)」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ヤマ「櫂君放課後だよ~、どうするの?」

提督「移動教室に先生からの呼び出しがくるなんて・・・・・・まさかここまでタイミング悪ぃとは・・・・・・」

ヤマ「休み時間の間は何もなかったけど」チラッ

提督「・・・・・・」ジーッ

「おい霊峰、ちょっと来いよ」グイッ

友提督「・・・・・・」

ヤマ「! 櫂君!」

提督「あ~、放課後にか。てか、今時校舎裏に引っ張ってくパターンって・・・・・・」スッ

ヤマ「あの三人、前まで私の事いじめてた子達だ」

提督(あれ以降俺がヤマの傍にいるからその内手を出さなくなってたし、次の標的を探してたって所か)

提督「とりあえず、尾行するから先生呼んできてくれ」

ヤマ「! 分かった!」

ーー
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ーーーーーー

 

123: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:40:05.10 ID:6enVUVL30

「今まで散々やりたい放題してたよな?」

「父親の名前出してよぉ!」

「でももうお前を守ってくれるお父さんはいないなぁ」ニヤニヤ

友提督「・・・・・・好きにしろ、こうなる事は分かってたさ」

「おぉ、ならやられても文句ないよな?」ブンッ

友提督「っ!!」バキッ

「えい!」

バシッ

「この!」

バシッ

友提督「っ・・・・・・っ!!」ズキッ

「何だよこいつ、つまんね!」

「やり返さないならもっと殴ろうよ!」

「最近あの呪われ女に手が出せないしな!」

友提督(そうか、そういえばこいつら前まで眞祓井をいじめてた奴らか。なるほど、次の標的は俺か・・・・・・)

提督「だったら俺も殴らせてもらおうかなぁ?」

「「「っ!?」」」

友提督「!」

提督「もちろん標的はお前達三人だけどね」

「う、海原!」

「待てよ、今までは避けてたけどここは先生いないし」

「今までの分殴れるな!」

提督「来いよ、三人がかりで丁度いいくらいだ」

「おらっ!」ブンッ

「この!」ブンッ

「食らえ!」ブンッ

バシッバキッドムッ

提督「・・・・・・」ドシャッ

 

124: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:40:49.65 ID:6enVUVL30

「何だよ、あれだけ強がっておきながら」

「手応えないなぁ」

「いいじゃん、もっと殴ろうよ!」

提督「へっ、バーカ」ニヤリ

ヤマ「先生こっち、こっちです!」

先生「! 何をしているんだお前達は!!」

「「「っ!?」」」

提督「あ~先生、今一発ずつもらったんですよ」

「や、やべ、逃げようぜ」

「く、くそ!」

「汚ぇぞ!」

提督「おやおや、わざわざ校舎裏(見えない所)まで引っ張ってって三人がかりで寄ってたかって袋叩きにしてる奴らが何言ってんだか」

先生「と、とりあえず五人とも職員室に来なさい!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「これであいつらも懲りただろ、いや~楽しかった」

友提督「何で俺達があまり怒られなかったんだ?」

ヤマ「先生達もあの三人には注意しなきゃって思ってたらしいんだけど、問い詰めてもしらを切るばっかりだったらしいよ」

提督「お前を助けるにも、正面切って殴りに行ったら同罪だからな。だから俺達で策を弄したって訳だ」

友提督「お前本当に小学生か? 年の割に随分大人びてるな」

提督「そうか? 冷静に考えてるだけだ、喧嘩はどっちが悪くても先に手をあげた方が負けなんだから」

ヤマ「でも櫂君殴られてたけど大丈夫なの?」

提督「普段から鍛えられてるからな」

 

125: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:41:43.96 ID:6enVUVL30

提督「さ、帰ろうぜ。あ、そうだ"マナブ"」

友提督「?」

提督「俺達と友達になってくれねぇか?」

友提督「え?」

ヤマ「あ、私も! 霊峰君とお友達になりたい!」

友提督「し、仕方ねぇな! 友達になってやるよ!」

提督「おう、これからよろしくな!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督(それから俺とヤマ、そしてマナブは掛け替えのない親友となった。その後すぐにマナブは周囲に打ち解け、今ではクラスの中心的存在となっていた)

先生「よし、この前のテストを返すぞ」

「「「え~!?」」」

ヤマ「いや、何で皆嫌がるの?」

提督「今からテストするならまだしも・・・・・・」

友提督「いや、今回難しかったぞ。あ、俺だ、はい!」ガタッ

友提督「お、やったぜ!」つ99点

友提督「あいつらに見せてやろっと!」チラッ

 

126: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:42:40.51 ID:6enVUVL30

提督「ま、変わんねぇな」つ100点

ヤマ「えへへ、私も!」つ100点

友提督「」

提督「ん? ヤマ、お前その問題理解してなかったよな?」

ヤマ「えへへ」キィィ

提督「な!? お前先生の頭ん中覗いたのか?」

ヤマ「この能力便利だよ~」ニコニコ

提督「うぐ、証拠の残らない完璧なカンニングだな・・・・・・」

ヤマ「だって櫂君ズルいよ、小4なのにもう高校生レベルの教育受けてるんだもん!」

提督「ズルくねぇよ! それに俺より賢い同年代なんて山のようにいるわ!!」

友提督「・・・・・・」

友提督(あぁ、99点って0点なんだな・・・・・・)トオイメ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ヤマ「じゃあねー、櫂君、霊峰君!」ノシ

提督「また明日な」ノシ

友提督「・・・・・・」ノシ

タッタッタッタッ

友提督「・・・・・・なぁ、櫂」

提督「ん?」

友提督「夏のこの時期・・・・・・そろそろ、あの季節だよな?」

提督「? 蝉取りか?」

友提督「ちげーよ! 体育の授業でプールやるだろ?」

提督「確かにプール開きだな」

 

127: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:43:36.35 ID:6enVUVL30

友提督「それでだ。俺も多少身体を鍛えてさ・・・・・・」

提督「あ~、大体言いたい事は分かった」

提督「俺ん所で鍛えたいと?」

友提督「そういう事だ、お前ん所の姉ちゃん達強いんだろ?」

提督「まぁな。下手したら殺されるぞ?」

友提督「大丈夫だ、多少は頑丈だからな!」

提督「まぁ、聞いてみるか」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・って事なんだ。マナブも一緒に訓練させてくれねぇか?」

長門「なるほどな・・・・・・しかし、私達のトレーニングは厳しい、段階は踏んでもらうぞ」

友提督「ありがとうございます!」

提督「無理言ってごめんな、長門姉」

長門「今日は見学だ、櫂のトレーニングの様子を見ておくんだな」

友提督「はい!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

副長「素振り一万、始め!」

艦娘「1・・・・・・2・・・・・・3・・・・・・」ブンッブンッブンッ

友提督「あれは?」

長門「剣を帯刀している艦娘は皆このトレーニングを受けている。天龍に龍田、伊勢に日向、木曾といったメンバーの他に強さを極めようとする者達もトレーニングに入っている」

友提督「! 櫂は何やってるんですか?」

長門「あいつは別に鍛えてもらっている。見ろ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

128: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:45:10.89 ID:6enVUVL30

提督「やぁっ!」ブンッ

副長「・・・・・・」スッ

バシッ

提督「はっ!」ブンッ

バシバシバシッ

副長「多少は動き良うなったやんか」

提督「やぁっ!」

副長「せやけど・・・・・・」スッ

サッ・・・・・・

提督「っ!?(空振った!?)」

副長「せいっ!」

バシィィィンッッッ

提督「ふぎゃっ!?」

副長「直線的な攻撃ばっかやとすぐ読まれるで」

提督「痛ってぇ・・・・・・」

提督「まだ兄ぃに技出させられねぇのか」

副長「まだまだやな」

妖精「あんなのただの目の錯覚じゃん、剣気が龍の形してるように見えるだけさ」

副長「まぁせやけどな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

129: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:46:06.60 ID:6enVUVL30

友提督「・・・・・・」

長門「あのレベルに今から放り込むわけにはいかん。最初は数名の艦娘の相手をしてもらう、試しに一週間通ってくれ」

友提督「はい・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

友提督「最初は誰だ?」

夕立「夕立っぽい!」

提督「えっ!? いきなり夕立姉か!?」

夕立「ちゃんと手加減はするっぽい!」

友提督「よっしゃ、準備運動もしたし何時でもいいぜ!」

提督「あ、ちょい待てマナブ!」

 

130: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:46:43.56 ID:6enVUVL30

夕立「っぽい!!」ヒュッ

ガシガシッ

友提督「へ?」

夕立「ぽいぽいぽ~い!!」ブンブンブンッ

友提督「うわぁぁぁっ!?」グルグルグル

夕立「えい!」ブンッ

友提督「ふぎゃぁ!?」ドサッ

夕立「あ、やり過ぎたっぽい?」

提督「夕立姉、ちょっとは加減してあげてよ」

友提督「え? 何が起きたの?」

提督「夕立姉の攻撃は速かっただろ?」

友提督「おう、一瞬だった。何があったんだ?」

夕立「君の両肩を掴んで振り回して投げ飛ばしたっぽい!」

友提督「ま、まるで獣みたいだったな」

提督「あの荒々しい攻撃から夕立姉は『魔犬(ケルベロス)』って言われてるんだ」

 

131: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:48:42.18 ID:6enVUVL30

友提督「こ、これが最初かよ」プルプル

提督「あぁ。どうする、続けるか?」

友提督「望むところだ!」

夕立「じゃあ続けるっぽい!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

一週間後

提督「どうだったよ、この一週間」

友提督「これを何年も続けてたのか、お前」

提督「まぁな。もっと辛いけど」

長門「どうだ、このトレーニング今後も続けるか?」

友提督「・・・・・・考えときます」ガタガタ

提督「だろうな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」

友提督「さぁお待ちかねのプールの時間だ」

提督「テンション高いなぁ、お前」

先生「プールでの授業は知っているな? プールサイドではふざけないように。あとプールに飛び込むのはダメだ。きちんと準備運動してからプールに入るんだぞ!」

ハーイ

提督「プールねぇ・・・・・・」

「おーい! 霊峰、海原、遊ぼうぜ!」

友提督「おーう! おい、早く遊ぼうぜ」

提督「興味ねぇよ」

友提督「いいから来いって、いい加減お前も俺ら以外の友達作れよ」

提督「分かったよ」

ソッチイッタゾ、ウナバラ!
ウワッ、ヤルナァオマエ
レイホウイケェ!

ヤマ「・・・・・・」

 

132: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:49:23.50 ID:6enVUVL30

「ねぇ、霊峰君てかっこよくない?」

「分かる、クラスの中心で頑張ってるもんね!」

「えー、私は海原君がいいなぁ」

ヤマ「!」

「海原君かっこいいもんね~、大人っぽいし、賢いし」

「海原君運動もできるもんね、見てあの腹筋」

ヤマ「・・・・・・」プクーッ

「ねぇ海原君!」

提督「ん?」

「海原君すごい腹筋だよね、かっこいいなぁ」

提督「そうか? 運動してりゃ腹筋ぐらいつくだろ?」

友提督「それはお前だけだろ! 俺なんか今の身体造るのに苦労したぜ」

「やっぱり二人とも鍛えてるの?」

友提督「おう!」

提督「・・・・・・」

「ねぇねぇ、私泳げないんだー。海原君、泳ぎ方教えて!」

ヤマ「!?」

提督「いいけど」

「やったぁ! よろしくお願いします!」

ヤマ(あれ? 何だろう・・・・・・櫂君が他の女の子と話してると、胸が苦しい・・・・・・何で?)

ヤマ(櫂君にはすごく感謝してる。櫂君のお陰で私はいじめられなくなったし、いつも一緒にいてくれるもん)

ヤマ(櫂君が他の女の子と仲良くするのは別に悪い事じゃないのに。寧ろ櫂君は私と霊峰君以外とは全然話そうとしないし、友達を増やすべきなんだから喜ぶべきなのに)

ヤマ(それなのに、何で櫂君が他の女の子と話してるとこんなに嫌な気分なんだろう?)

ヤマ(考えても分かんないや。泳ごっと)

 

133: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:50:08.26 ID:6enVUVL30

・・・・・・・ビキッ

ヤマ「っ!?」ズキッ

提督「!」

ヤマ(あ、足が攣った・・・・・・? い、息が・・・・・・)ブクブク

提督「おいマナブ、バトンタッチ」バッ

友提督「お、おう。というわけで、これからのコーチは俺だから」

「え~、霊峰君なの?」

ヤマ「・・・・・・」ゴボゴボ

ガシッ

提督「おい、しっかりしろヤマ!」グイッ

ザバッ

提督(! 水を飲んでる、まずいな)バシャッ

提督「おいヤマ! 返事しろ!!」

ヤマ「・・・・・・」

先生「どうしたんだ、海原!」

提督「先生、タオル持ってきてください! 早く!!」

先生「わ、分かった!」

提督「(・・・・・・やるしかねぇな)緊急事態だ、許してくれよヤマ」スゥッ

チュッ・・・・・・

「「「「「「っ!?」」」」」」

提督「・・・・・・」フゥゥゥ・・・・・・

提督「しっかりしろヤマ!」グッグッグッ

ヤマ「ゲホッ、ゴホゴホッ!!」ゴパッ

 

134: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:50:53.36 ID:6enVUVL30

提督「!! 気がついたか!」

ヤマ「! ・・・・・・櫂・・・・・・君?」

提督「はぁ~、良かった。大丈夫か?」ダキッ

ヤマ「う、うん・・・・・・大丈夫」

先生「タオル持ってきたぞ」つタオル

提督「ありがとうございます。ヤマ、何があったんだ?」

ヤマ「うん、足が攣っちゃって」

提督「あ~こむら返りか。とりあえず今日はもうプールから上がれ。後で念のため保健室に連れてくから」ホラ、タオル

ヤマ「痛っ、足が・・・・・・」ズキッ

提督「軽く解すからな。後はタオル巻いてゆっくり揉んどけ」モミモミ グッグッ

ヤマ「う、うん・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

保健室

「応急処置が良かったね。もう治りかけてるよ」

ヤマ「そうですか」

提督「どうする? 休んどくか?」

「大事をとって休んどく?」

ヤマ「・・・・・・うん」コクッ

「分かったよ、担任には私から言っとく」

提督「じゃ、次の休み時間に来るから」ガタッ

ヤマ「! 待って!」ガシッ

提督「え?」

ヤマ「一緒に・・・・・・いて・・・・・・」

「! じゃあ二人休みか。そう伝えとくよ」ニヤニヤ

提督「は、はぁ・・・・・・」

「いやぁ、青春だねぇ。まだ小4なのに。じゃ、職員室にいるから何かあったら呼びに来て」スタスタ

ガラガラ・・・・・・

提督「・・・・・・どうしたんだ?」

 

135: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:51:48.15 ID:6enVUVL30

ヤマ「さっき、嫌な気分だった」

提督「?」

ヤマ「櫂君が他の女の子と楽しそうに話してるのを見てると胸が苦しくてたまらない。何でだろうって思ってたら・・・・・・分かったの」

提督「・・・・・・」

ヤマ「私、嫉妬してたんだ・・・・・・だって私、櫂君の事・・・・・・好きだから////」

提督「っ!? ////」

ヤマ「初めて会った時からずっとボンヤリと思ってたけど、今はっきりした。私、櫂君の事が好き////」

提督「・・・・・・////」

提督「・・・・・・俺も、お前の事が気になってた。初めて会った時から・・・・・・一目惚れだったんだよ」

ヤマ「! じゃあ・・・・・・」

提督「ズルいと思われるかもしれねぇけど、俺から告らせてくれ。俺はヤマが好きだ、俺と付き合ってくれ」

ヤマ「うん! こっちこそ!!」ニコッ

提督「さぁ、少し寝ろ。ここにいるからさ」

ヤマ「一緒に寝る?」

提督「寝ません」

ヤマ「むぅ、即答しなくても」

ヤマ「あ、そうだ」

提督「ん?」

ヤマ「せっかく付き合ったんだから、何か特別な呼び方したいな・・・・・・」

提督「? 俺はこのままヤマって呼ぶぞ?」

ヤマ「うーん、じゃあ私は・・・・・・あ!」

 

136: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:52:42.13 ID:6enVUVL30

提督「お、何かいいやつ思い浮かんだか?」

ヤマ「えへへ、"櫂ちゃん"」ニコッ

提督「っ!?////」ドキッ

提督「ちゃ、ちゃん付けすんじゃねぇ!////」

ヤマ「え~何で? 可愛いのに~」ニコニコ

提督「可愛さを求めるな!」

ヤマ「ねー、やっぱり一緒に寝ようよ~」グイッ

提督「おわっ!?」グイッ

ドサッ

ヤマ「えへへ、捕まえた~」ニヤニヤ

提督「お、おいヤマ、悪ふざけはやめろよ。早く降りろ////」ドキドキ

ヤマ「おやすみ、櫂ちゃん・・・・・・」ギューッ

提督「お、おいこら、俺は女の子の部屋によくある大きめのクマのぬいぐるみか!」

ヤマ「・・・・・・」zzz

提督「早っ!?」ガビーン

提督(く、くそっ! 一体どんな状況だよ、胸の上で好きな娘が寝てるって!)

ヤマ「んにゃ・・・・・・」ギューッ

提督(ヤマの奴、さっきは気にも留めてなかったけど年の割に発育いいな。そしていい匂いする・・・・・・////)モンモン

提督(って!? 俺は一体何考えてんだ!? 高校生レベルの教育受けてるから思考回路まで高校生になったのか!?////)

提督「・・・・・・考えるの疲れた、寝よ」

ーー
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137: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:53:43.82 ID:6enVUVL30

「おーい、そろそろ授業終わるぞーって、何やってんの?」

ヤマ「・・・・・・」zzz

提督「・・・・・・」zzz

「まったく、保健室で一緒に寝るなんて、中学生や高校生かっての」ヤレヤレ

ヤマ「ん・・・・・・」ムクッ

「あ、起きた?」

ヤマ「おはようございます・・・・・・っ!?////」

「とりあえずそいつ起こしな。もう授業終わるよ」

ヤマ「起きて、起きて櫂ちゃん」ユサユサ

「ん? アンタらそういう仲だったの?」

ヤマ「は、はい・・・・・・さっき告白されました////」

「そりゃおめでとう。同じ女としてアドバイスしておくけど、その恋が冷めないように気をつけるんだよ」

ヤマ「うん!」

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数ヶ月後

友提督「そういやよヤマ。櫂の誕生日っていつだ?」

ヤマ「うーん、私も分からないんだ。遅く産まれたって聞いてるだけだし」

友提督「何か祝ってあげたいんだけどなぁ」

ヤマ「・・・・・・」

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榛名「櫂の誕生日ですか?」

ヤマ「はい。いつなんですか?」

金剛「カイのbirthdayは次の土曜日デスヨ」

長門「なんだ、ヤマも祝ってくれるのか?」

ヤマ「はい! 彼女だもん!」

 

138: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:54:31.15 ID:6enVUVL30

北上「おー、だったらピッタリの誕生日プレゼントがあるよ」ニヤニヤ

大井「流石北上さんです!」

ヤマ「え? どんなのですか?」

長門「あー、これは・・・・・・」アタマカカエ

榛名「あ、あはは・・・・・・」ニガワライ

北上「それはね・・・・・・」ゴニョゴニョ

ヤマ「・・・・・・っ!?////」ボンッ

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当日

提督「あぁ、疲れた・・・・・・」

友提督「いやぁ、やっとお前も10歳か」

提督「姉さん達皆して祝ってくれたんだ。そりゃもちろんありがたいけど、ちょっと疲れるぜ」

ヤマ「あ、あのさ櫂ちゃん。私達からもプレゼントがあるんだけど」

提督「ん? 何?」

友提督「まぁ櫂。とりあえず俺からはこれだ、誕生日おめでとう」スッ

提督「おぉっ、新しい恐竜図鑑! 嬉しいよありがとう!」

ヤマ「わ、私のプレゼントは・・・・・・////」

提督「?」

ヤマ「み、耳かきサービス・・・・・・してあげる!」つ耳かき棒

提督「はぇ!?////」

ポン・・・・・・

友提督「まぁそういう事だ。後は二人で楽しめ!」b

提督「お、おう・・・・・・////」

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榛名「櫂とヤマちゃん、上手くやってるでしょうか?」

比叡「大丈夫だよきっと」

長門「だが、この歳で耳かきの癒しというのはどうだろうか?」

北上「分かってないなぁ長門さんは。片方が成人で片方が幼少だったら犯罪っぽいけど、どっちも幼少なら大丈夫だって」

大井「北上さんの言う通りです!」

陸奥「そうそう」

赤城「そんなものでしょうか?」

高雄「多分違うと思いますが・・・・・・」

 

139: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:55:39.80 ID:6enVUVL30

吹雪「ていうか、北上さんそんな事考えてたんですか?」

北上「失敬な、あたしだけじゃないよ。例えば秋雲とかさぁ」

睦月「秋雲ちゃん達を基準にするのはどうかと思うのです」

天龍「とはいえ俺薄ら考えてたんだけどよ。櫂の奴、まだ10歳なのにイヤに大人びてるよな」

川内「しょうがないよ、私達が総出で教育してるんだし」

金剛「賢くなるのはNo problemデスガ・・・・・・」

霧島「お陰で思考回路もそれなりのものになってしまいましたし」

愛宕「て事は、性欲も?」

加賀「どうでしょう・・・・・・」

長門「否定しきれんな」

天龍「あの歳で性欲持つもんか?」

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140: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:56:16.52 ID:6enVUVL30

あっという間に月日が流れ・・・・・・

提督(12歳)(あっという間に卒業して、この春から俺も中学生か)

ヤマ「櫂ちゃん、制服見に行こうよ!」

提督「おう、じゃあ行ってくるよ」

元帥「気をつけてな」

榛名「行ってらっしゃい」

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提督「俺達の通う中学の制服は・・・・・・あれか」

提督(・・・・・・見たところ普通の学ランだな)

ヤマ「ねぇねぇ見て櫂ちゃん!」

提督「ん?」

ヤマ「このセーラー服可愛い~!!」

提督「それ別の中学だぞ、お前のはこっちだ」

ヤマ「えぇっ!?」ガビーン

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141: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:56:57.45 ID:6enVUVL30

ヤマ「・・・・・・ねぇ櫂ちゃん」

提督「ん?」

ヤマ「櫂ちゃんって、将来の夢考えてる?」

提督「そうだなぁ・・・・・・俺は理系に進んで研究職に就きたいな。妖精さんから色々聞いてるうちにワクワクしてきたんだ」

ヤマ「・・・・・・私ね、海軍に入ろうかと思ってるの」

提督「な、何で!?」

ヤマ「櫂ちゃんのお姉さん達を見ててかっこいいって感じてたから」

提督「入っても成れるのは指揮官、提督だけだぜ。戦闘は皆艦娘がしてるし」

ヤマ「それでも・・・・・・私は皆を守りたいよ」

提督「・・・・・・だったら先ずは自分が強くならないとな」

ヤマ「! うん!」パァァ

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提督(そして俺達は中学校に進学した。授業は俺とヤマは元より、俺達に張り合おうとするマナブも何の問題もなく着いてこれた)

提督(因みに俺達三人は揃って帰宅部だ。とはいえマナブの計らいで時々部活の備品を借りて身体を動かす事もあったな)

友提督「なぁ、ここの問題教えてくれよ」

提督「ん? あぁ、ここはな・・・・・・」

友提督「おぉ、サンキュー!」サラサラ

提督「あ~、何か刺激が欲しいなぁ」

友提督「これ読むか? R-18の如何わしい本」スッ

提督「っ!? 学校に何持って来てるんだ、バカ!」

 

142: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:57:36.19 ID:6enVUVL30

友提督「健全なる男子中学生はカバンの中にエロ本の1冊や2冊、入れとくもんだぜ?」ニヤニヤ

提督「まったく・・・・・・それに俺彼女いるし、要らなくね?」アタマカカエ

友提督「バカだなぁ、彼女持ちもこういうのはするもんだ」ニヤニヤ

提督「うーん・・・・・・」

友提督「な? 1回だけ、1回だけなら大丈b・・・・・・」

スパーンッッッ

友提督「痛っ!?」

ヤマ「もうマナブ! 櫂ちゃんに何吹き込んでるの!?」プクーッ

提督「上履きで頭は痛てぇ・・・・・・」

友提督「ヤマも読んどくか? 女としての魅力も上がるかm・・・・・・」

ヤマ「死ねッッッ!!////」ブンッ

ズパパパパァァァァァンッッッ

提督「ま、マナブぅぅぅッッッ!?」

友提督「」チーン

ヤマ「もう! 櫂ちゃん帰ろ!」ガシッ

提督「お、おう」グイッ

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ヤマ「・・・・・・ねぇ櫂ちゃん、やっぱり・・・・・・興味あるの?////」

提督「・・・・・・まぁ、な(寧ろよく今まで性欲が湧かなかったと褒めたいくらいだ)」

 

143: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:58:15.18 ID:6enVUVL30

ヤマ「・・・・・・あの本の女の人と私と・・・・・・どっちが可愛い?」

提督「お前に決まってんだろ」

ヤマ「! 本当に!?」パァァ

提督「あ、あぁ////」

提督(実際ヤマの奴、初めて会った時よりずっと魅力的になったなぁ・・・・・・////)ポーッ

ヤマ「ねぇ本当? 嘘じゃないよね!?」ズズイ

提督「本当だって////」

ヤマ「本当かなぁ・・・・・・」キィィ

提督(っ!? 疑り深い奴め、こうなったら!)

グイッ

ヤマ「!」

チュッ・・・・・・

ヤマ「っ!?!?!?////」ボンッ

提督「これでもまだ疑うか?」

ヤマ「・・・・・・////」フルフル

提督「俺はお前にベタ惚れのガチ惚れなんだから・・・・・・な?」ナデナデ

ヤマ「わ、私だって! 櫂ちゃんの事大大大好きだもん!!」ギューッ

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数週間後

提督「」ズーン

友提督「お、おい・・・・・・いい加減機嫌直せよ」

提督「・・・・・・ヤマがいなくて寂しい」シクシク

友提督「しょうがねぇだろ、夏風邪なんだから」

提督「お陰で今日の期末テスト全然やる気出なかった・・・・・・」

友提督「とか言って結局全教科満点じゃねぇか、分かってんだぞ?」

提督「まぁな」

 

144: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:59:00.07 ID:6enVUVL30

友提督「とりあえず、部活してくか?」

提督「・・・・・・ヤマの見舞いに行くから遠慮しとく」スッ

友提督「そっか。分かった、じゃあまた来週」

提督「おう」スタスタ

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提督「とりあえず連絡入れといたし、早く向かうか」スタスタ

提督「人通り少ないけど近道だし、こっち行こっと」スタスタ

ヤマ『海軍に入ろうかと思ってるの』

提督「進路・・・・・・か」スタスタ

提督(俺も軍には興味がある。けど俺は皆みたいにはなれねぇ。未だにあの時の光景が頭から離れねぇ・・・・・・艦娘に対して偏見を抱いている人達が憎い)

提督(それだけじゃねぇ。俺は自分から見てクズだと思った相手に強く当たりすぎだ。俺は人と関わる仕事には向かねぇのかもしれねぇな)

提督「やっぱり研究職かなぁ。一人っきりで研究室に籠って、研究に没頭するのが性に合ってる」スタスタ

提督「ん?」ピクッ

提督(そこの曲がり角から声がする・・・・・・男の声だ)ソッ

 

145: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 01:59:59.09 ID:6enVUVL30

「まさか真面目な君が学校にこんなの持って来てたなんてね」

「っ・・・・・・!?」カタカタ

提督(あの二人の高校生、この辺じゃ有名な進学校の生徒か。彼氏彼女って感じじゃなさそうだ)

「こんな事が学校の皆に知れたらどうなるだろうなぁ?」

女子高生(以降女子)「っ!?」

「君達カップルは学校中で話題になるだろうな~、つーかもし先公どもに知られたら君達二人共・・・・・・」ニヤニヤ

提督(あ~、大体事情は察した。他人事だけど俺には"そういうの"の趣味はねぇし、それが目の前で未遂なら尚更胸糞悪ぃ)

提督「姉ちゃん間違っても『私はどうなっても構わないから彼氏を助けて』だなんて言うなよ」スッ

「あぁ!?」ギロッ

女子「え?」

提督「まったく、彼持ちの女に手を出そうだなんて節操無さ過ぎだろ、サルかてめぇは」

「なっ・・・・・・!? くっ、くそっ!!」ダッ

女子「あ・・・・・・」

提督「あぁ、ちょい待った」スゥッ

提督「そんなに性欲有り余ってるなら金出してそういう店に通いやがれぇぇッッッ!!」

「なっ!? くそぉぉ!!////」カァァッ

タッタッタッタッ・・・・・・

提督「あ~すっきりした。いいストレス発散だ」ケラケラ

 

146: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:01:27.33 ID:6enVUVL30

女子「あ・・・・・・」

提督「あぁ姉ちゃん、災難でしたね。早く彼氏の元に行ってあげてください。それと今後はできる限り彼と一緒に行動してくださいね? では・・・・・・」クルッ

女子「あの・・・・・・できれば、そこまで一緒に来てください」ウルウル

提督「いや、俺も人を待たせ・・・・・・っ!?」

振り返って見たその女子高生は、涙目になっていて身体をブルブルと震わせていた。それを見て提督は断るわけにいかなくなった

提督「・・・・・・分かりました」

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提督(移動中、女子高生の姉ちゃんはポツポツと事の成り行きを教えてくれた。彼氏との馴れ初め、デートをした事、初めて結ばれた事・・・・・・砂糖吐きそう)

女子「あの、本当に助けてくれてありがとうございました・・・・・・。あの人、学校でも女性絡みで噂の絶えない人だったんです」

提督「なるほど、何人犠牲になったんだか・・・・・・」

「!」

女子「あっ・・・・・・」タッタッタッ

不意に女子高生が走り出した。見れば一人の男子高生がベンチに腰掛けていた

提督(! あのサルと同じ制服・・・・・・って事はこの人が例の彼氏か)

男子高生が走り寄ってくる彼女に微笑みかける。とりわけイケメンというわけではなく、正に普通といった顔つきだがその目は優しさに溢れていた

提督(父さんや叔父さん、兄ぃや姉さん達と同じだ。優しく包み込むような雰囲気・・・・・・なるほど、姉ちゃんが惚れたのも納得だ)

提督が一人納得していると、その男子高生が近づいてきた。どうやら事の顛末を聞いたようだ

男子高生(以降男子)「あの、話は聞きました。僕の彼女を助けてくれてありがとうございます」

提督「いえ、個人的にそういう趣味が無かったので首を突っ込んだだけです。ただの気まぐれですよ」

男子「そ・・・・・・そうですか・・・・・・」

 

147: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:02:00.23 ID:6enVUVL30

提督「では人を待たせてるんで」ペコッ

男子「ま、待って・・・・・・」

提督「?」

男子「あ、あの・・・・・・何かお礼がしたいんだけど・・・・・・」

提督「お礼なんて要りません」

女子「で、でも・・・・・・」

提督「それに、俺はアンタ達が思うような人じゃない。自分がクズだと思った相手の尊厳やプライドを完膚無きまでに叩き潰したくなるようなサディストだ!!」ギロッ

男子「・・・・・・」

女子「・・・・・・」

提督(ここまで言ったんだ、ヤマみたいなお人好しでもない限り誰だってドン引きするだろ。俺みたいな異常者の事は忘れてくれ)クルッ

 

148: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:02:42.54 ID:6enVUVL30

男子「それでも・・・・・・君が僕達の恩人である事に変わりはないよ」

提督「っ!?」

女子「私は・・・・・・きっと君の言った通りの事を言ってたと思います。君が私にあの時注意してくれなかったら、間違った判断をして一生後悔してた・・・・・・」ポロポロ

男子「僕も、大好きな人が知らない間に取られてたかもしれなかった。それを防いでくれた君には感謝してもしきれない・・・・・・!」

提督「・・・・・・」ポカーン

男子「だから・・・・・・その・・・・・・僕達と、友達になってくれないかな?」モジモジ

はにかみながら男子高生が予想外の言葉を口にする。女子高生も賛成の様だ

提督「は・・・・・・はぁ・・・・・・構いませんが」

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その後二人はこれといって用事が無いため、提督に着いてくる事になった。提督も話すうちに心優しい二人と打ち解けたようで、許可を得てそれぞれ『兄ちゃん』『姉ちゃん』と親しみを込めて呼ぶようになっていた

提督「だからさぁ姉ちゃん、そこはもっと強気に出ないと。だからあんなサルにつけ込まれるんだよ」

女子「わ、私にできるかな・・・・・・私、引っ込み思案だから」

提督「引っ込み思案だからって逃げたらダメだよ、最低限の反撃する術は持たないと」

女子「は、はい・・・・・・」シュン

提督「兄ちゃんもだ、本当に取られたくない女とはなるべく一緒に行動しないと」

男子「櫂君ってしっかりしてるね、本当に中学生?」

提督「昔から歳の割に大人びてるって言われるんだ、周りに歳上が多いから」

ーー
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149: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:03:26.15 ID:6enVUVL30

提督「着いたよ」

男子「す、すごい大きな屋敷・・・・・・」

女子「こ、ここが櫂君のお家なの?」

提督「違ぇよ、彼女の家」

ミラ「おや、櫂じゃないか」

提督「あ、ミラさん。爺さんにリクも」

「おぉ櫂か、ヤマの見舞いか!」

リク「櫂さん、こんにちは」

提督「こんにちは。はい、学校が終わったから」

ミラ「おや、後ろの二人は?」

提督「さっき知り合った人達だよ。大丈夫、いい人達だから」

ミラ「ふむ・・・・・・」キィィ

男子「あ、あの・・・・・・初めまして、櫂君には先程助けていただいて・・・・・・」

女子「は、初めまして・・・・・・」

ミラ「・・・・・・ふふ、確かにねぇ」ニコニコ

提督「ね? いい人達でしょ?」ニカッ

「にしても、よく来てくれたなぁ」

プルルルル・・・・・・

「お、電話か。櫂達、上がっていてくれ」

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ヤマ「うー・・・・・・」ゴホゴホ

提督「よぉヤマ、熱はどうだ?」

ヤマ「まだ熱いよぉ・・・・・・」

 

150: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:03:59.49 ID:6enVUVL30

「婆さん、どうも俺達が出なきゃならんみたいだ」

ミラ「うーん、困ったねぇ」

提督「どうしたの?」

ミラ「急用ができて私と爺さんは出かけなきゃならないんだが、ヤマを置いていくわけにもいかないし」

提督「なら俺が留守番も兼ねてヤマを看病するよ」

ミラ「でも・・・・・・」

女子「私達も残ります、明日は休日なので」

ミラ「・・・・・・じゃあお願いしようかね」

提督「もちろん! 任せてくれ」

ミラ「ごめんね、じゃあお願いするよ」

「夜には帰ると思うから、頼むぞ!」

ミラ「バカだねアンタ。私達は今日は帰れないよ。一晩泊まってくるから、若い者同士仲良くするんだよ」

リク「じゃ、じゃあ俺も」

提督「分かった」

ーー
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ヤマ「・・・・・・櫂ちゃん、その人達は?」

提督「さっき帰りに知り合った人達。大丈夫、いい人達だ」

女子「よろしくね」

男子「よろしく」

 

151: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:04:42.49 ID:6enVUVL30

ヤマ「ヤマです。よろしくゲホッ、ゴホゴホッ」ゴホゴホ

提督「うーん、まだ熱があるなぁ。姉ちゃん、タオル渡すからヤマの汗拭いてやってくれ。替えの服も場所教えてもらって」

女子「分かった」

男子「じゃあ何か消化のいいご飯作るよ」

提督「ありがとう、じゃあ兄ちゃんは飯作るの手伝って」

男子「うん」

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女子「何処か痒いところとかない?」ゴシゴシ

ヤマ「大丈夫・・・・・・」

女子「ヤマちゃんって、肌綺麗だね」ゴシゴシ

ヤマ「そうかな?」

女子「中学生なのに、顔も可愛いし胸も大きいし・・・・・・」ハイフク

ヤマ「お姉さんも負けてないよ」ウケトリ

女子「そう? ありがとう」ニコッ

ヤマ「ふー、だいぶさっぱりしたぁ。ありがとう」

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男子「何を作ろうか?」

提督「お粥やうどんかな」

男子「じゃあお粥かな?」

提督「米がありゃいいんだけど」チラッ

男子「もうほとんど残ってないね」

 

152: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:05:28.88 ID:6enVUVL30

提督「うどんは?」

男子「無いよ」

提督「はぁ・・・・・・仕方ねぇ、素麺はあるし煮麺でも作るか。兄ちゃんネギ刻んで」

男子「分かった」

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ヤマ「ごちそうさまでした~」

女子「どう? 気分よくなった?」

ヤマ「うん!」

男子「よかった」

提督「ほら、さっさと寝ろ。歯磨きはしろよ」

ヤマ「はーい。じゃあおやすみ~」スタスタ

提督「・・・・・・」

男子「おやすみ」

女子「ゆっくり休んでね」

ーー
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提督「・・・・・・それで、今日の問題となったブツは?」

女子「これだよ」スッ

提督「・・・・・・」ウケトリ

提督(なるほど、交際しているから避妊具を持ち歩く事は何らおかしい事でもない。でもこの二人は真面目な性格だから、これすらも脅しの材料になるってわけだ)

 

153: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:06:04.50 ID:6enVUVL30

男子「こ、これ・・・・・・初デートの時とこの前のプリクラ」

女子「////」

提督「まぁプリクラの写真を入れとくのは大丈夫だろ」

提督「姉ちゃん、帰りも言ったけど冷静に対処しなきゃ。普通、人の持ち物勝手に見てる時点で相手が悪いだろ?」

女子「で、でも生徒指導の先生にばれたら・・・・・・」

提督「先生がその現場を目撃したならともかく、直接見てないなら知らぬ存ぜぬで通せばいいんだよ」

女子「で、でも・・・・・・」

提督「とにかく。証拠隠滅も兼ねてこれは俺が貰っとくから、明日以降は誰かに聞かれても知らぬ存ぜぬで押し通しなよ?」

女子「うん。ありがとう、櫂君」

男子「ごめんね、僕がもっとしっかりしていたら」

女子「ううん、そんな事ない。私が落し物しなければ」

提督「タラレバいってもしょうがねぇだろ。とにかく、二人は人前でもっとイチャつけ。そしたらそれが周囲への牽制になる」

男子「う、うん////」

女子「善処します////」

 

154: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:06:40.14 ID:6enVUVL30

提督「そういえば二人は高三でしょ? もう進路決めてるの?」

男子「い、医大に行きたいって思ってるんだ」

提督「医大? 医者が夢なのか?」

男子「うん。小さい頃からの夢なんだ」

提督「推薦?」

男子「ううん。基準は満たしてるけど、僕は最後まで頑張りたいんだ」

女子「私も、足を引っ張らないようにしてるの」

提督「姉ちゃんの志望は?」

女子「・・・・・・」チラッ

男子「?」

女子「////」

提督「あぁ、なるほど」

男子「櫂君は将来の夢って決まってるの?」

提督「理系の研究職に就きたいって思ってるんだ」

女子「ヤマちゃんからご家族の話聞いたよ」

提督「!」

提督「あぁ。俺の父は海軍元帥・・・・・・艦娘の提督をしているんだ」

男子「!」

女子「・・・・・・櫂君の口から、聞かせてもらってもいいかな?」

普通ならば、父親が海軍に所属していれば子供は同じ道を歩もうとする。しかし何故彼は海軍に入ろうとしないのか? 女子校生はその理由を聞いた

提督「俺には100人を超える、いや下手したらその倍以上の姉がいる。艦娘の姉だ」

提督「皆は本当に優しくて俺を実弟のように育ててくれた。勉強を教えてもらい、身体を鍛えてもらい、遊んでもくれた。俺は姉達が大好きだ」

提督「でも世間一般の奴らは、艦娘を兵器だの化け物だの、深海棲艦と同類だと陰口をたたく。それが俺には我慢ならないんだ」

男子「・・・・・・」

 

155: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:07:25.72 ID:6enVUVL30

提督「二人は艦娘についてどう思ってるんだ?」

女子「・・・・・・」

提督「別にどうこうするわけじゃねぇ。正直に答えて」

男子「僕は彼女達のお陰で僕達が生かされていると思う。確かに戦いは続いているけど、僕達は自由に学校に行ったりできてる。それは艦娘の皆が頑張ってくれてるからだよ」

女子「私も同じ。艦娘の皆がいなかったら私達はとっくに全滅させられていたと思う」

提督「!」

男子「僕達は艦娘に感謝してるよ」

女子「今日櫂君に会う前からずっとね」

提督「・・・・・・よかった」ニコッ

ーー
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翌日

ミラ「本当にありがとうね」

ヤマ「ばいばい、また明日遊びに行くね!」

提督「風邪が治ったらな」

男子「お世話になりました」

女子「ありがとうございました」

提督「じゃあ兄ちゃん姉ちゃん、またいつか。いい報告期待してるよ」

男子「うん。ありがとう」

女子「またね」

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明石「あ、櫂どうしたの?」

提督「明石姉、ちょっと聞きたい事があるんだ」

明石「何?」

提督「・・・・・・」

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156: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:08:05.89 ID:6enVUVL30

二週間後

提督(あれから暫くして兄ちゃん達から連絡が来た。どうやらあのサルは誰にも話していなかったらしく、先生達にも知られていなかったそうだ。そして今や学校内では付き合ってると認知されており、あの手の出来事は無いらしい)

ヤマ「何考えてるの?」

提督「さぁな?」ニヤリ

ヤマ「もー、教えてよ~!」プクーッ

提督(ついでに、後日俺達はデートの後晴れて(?)結ばれた。因みに姉ちゃんから預かったやつは使うより前にヤマに一つ残らずポイされました・・・・・・)モンモン

ヤマ(櫂ちゃんが何だかエッチな事考えてる気がする)

提督「とりあえず。早く帰るか」

ヤマ「うん」

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ヤマ「あのお兄ちゃん、医者を目指してたの?」

提督「あぁ。きっとすげぇ努力してきたんだろうなぁ」

ヤマ「それを追いかけて必死に頑張る彼女って何だかほのぼのするなぁ」

提督「そうか?」

ガッ・・・・・・

ヤマ「あっ、すみません!」ペコッ

「痛てぇじゃんかよ、何するんだ!」

提督「!? お前は!」

「!? てめぇはあの時のガキ!!」ガッ

サル改めチャラ男は提督の胸ぐらを掴んでグイと引き寄せた。その顔は激しい憎悪に歪んでいる

 

157: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:09:00.04 ID:6enVUVL30

提督「こんなとこで会うなんてな。発情期は乗り越えられたか、サル」

チャラ男「てめぇの所為で俺がどれだけ恥をかいたと思ってんだ、今日こそは落とし前つけてもらうぞ!」

バキッ

ヤマ「櫂ちゃん!」

胸ぐらを掴んだ状態からチャラ男の拳が提督の顔面に直撃し、提督は地面に倒れた。しかしすぐにはね起きて睨み返す。その口からは一筋の血が流れていた

提督「何が恥だ、人の女を寝取ろうと脅してる時点でてめぇは男の恥晒し、人の風上にも置けねぇ獣畜生以下の存在だ!」

チャラ男「な・・・・・・このぉ」プルプル

ヤマ「櫂ちゃんもうやめようよ!」グイッ

チャラ男「! ちょうどいい、その娘の身体で払ってもらおうかなぁ」ニヤリ

「おう、何やってんだ?」

チャラ男「おう、今からこの女やるぞ、お前らも手伝え」

「うひょ、上玉じゃん!」

「楽しませてもらうぜ!」

提督(ちっ、まさかの援軍かよ。合わせて四人か)

提督「そういうのは俺を殺してからにするんだな」

チャラ男「いい度胸だ」

「かっこいいぜ、彼氏」ニヤニヤ

 

158: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:10:01.56 ID:6enVUVL30

ガシッ

ヤマ「きゃあ!?」グイッ

提督「!? ヤマ!!」

「がら空きだぜ、バーカ」ニヤニヤ

ヤマ「離してよ!」

「近くでみたらますます可愛いじゃん、よく見りゃスタイルもいいし」ニヤニヤ

チャラ男「あっけないな。所詮は威勢だけのガキ、ただの中学生だな」

提督「あ"?」ギロッ

チャラ男「? 何だよ、何か間違った事言ったか?」

提督「その中坊にムキになってんのは何処の誰だ、クソザルがぁっ!!」ダッ

バキィィィッッッ

チャラ男「ぐぁ!?」

突如顔面を殴られたチャラ男はそのあまりの拳の重さに倒れる。間髪入れずにヤマを捕まえてる相手に提督は飛び蹴りを放つ

提督「いつまで汚ぇ手で触ってんだクソッタレ!!」ダッ

ドガッッッ

ヤマを掴んでいる手に飛び蹴りが入り、手を離した隙に提督はヤマを掴み、包囲網から出た

ヤマ「櫂ちゃんありがとう、すぐ逃げ・・・・・・」

提督「先逃げろ、俺はこの害虫どもを駆除する!!」ギロッ

その双眸は普段の提督からは想像出来ないものだった。まるで汚物を見るかのように冷たい眼差しからは、荒れ狂う烈火の如き闘争心と憎しみが剥き出しにされている

チャラ男「やってくれるじゃん、ますます燃えてきたぜ」スッ

提督「」ダッ

バキィィィッッッ

チャラ男「うぐっ、捕まえたぞ」ガッ

提督「っ!?」

チャラ男「石で殴られた事あるか?」つ石

ヤマ「!?」

チャラ男「俺もこんな人間じゃなかったのに。お前があの時人の恋路を邪魔しなかったら俺も荒れなかったのにねぇ」ニヤニヤ

提督「はっ、何が恋だ。お前が欲しかったのはただの肉欲だろ。恋人じゃなくてもただ自分の性を発散させるだけの女が欲しかっただけだろうが。だからてめぇは人の女にあんな事ができるんだ」

チャラ男「何が悪いのさ? あんな童貞よりも俺の方が見た目もテクも上だ。あの娘も俺の方が良いに決まってる」ニヤリ

提督「それがお前の尊厳か?」

チャラ男「あぁ、俺とやった女子は皆俺のテクで堕ちちゃうぜ」

 

159: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:10:48.04 ID:6enVUVL30

陸奥「あらあら、そんな無骨なプライドなんて砕き甲斐がないわ」

チャラ男「なっ!?」

「「「っ!?」」」

赤城「陸奥さん何を?」スタスタ

提督「陸奥姉!? 赤城姉まで、何で此処に!?」

陸奥「赤城の食べ歩きに付き合ってたのよ、そしたら櫂の声が聞こえて」

提督「・・・・・・」

赤城「とにかく、ヤマちゃんこっちに!」

ヤマ「う、うん!」

陸奥「それで? いつまで弟を組み伏せてるの?」チラッ

チャラ男「何だかよく分からねぇけど、これまたいい女が来たねぇ」ニヤニヤ

「ちょうどいいや、こいつもやっちまおうぜ!」

陸奥「あらあら、会ってすぐのお姉さんにヤラシイ視線向けるなんて、本当に節操ないわね」スッ

ガシッ

チャラ男「!?」グイッ

陸奥「えい」ブンッ

ドシャッ

チャラ男「ぐぁっ!?」

「うぎゃっ!?」

「ふぎゃ!?」

「ぐはっ!?」

投げ飛ばされたチャラ男は仲間を巻き込んで地面に倒れ、四人は目を回している

陸奥「大丈夫?」

提督「あぁ。ありがとう、陸奥姉」

 

160: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:11:21.42 ID:6enVUVL30

陸奥「もう、こんなにボロボロになって。帰ったら長門にお説教してもらうわよ」ナデナデ

提督「えぇっ!?」ガビーン

陸奥「赤城、櫂とヤマちゃんを連れて先に帰ってて。すぐに追いつくから」

赤城「はい」

提督「陸奥姉は?」

陸奥「盛りのついた獣を去勢するのよ」ペロリ

ヤマ「っ!?」ゾクッ

陸奥「大丈夫よ、こんな子達の性欲処理なんかしないから」

提督「そういう問題じゃないけどね」

スタスタスタスタ・・・・・・

陸奥「さて、ちょっと試したかったのよねぇこれ」スッ

悪戯っぽく笑う陸奥は何処からか注射器を取り出した

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー

三年前

提督「なぁ明石姉」

明石「どうしたの?」

提督「性欲を抑える薬って無い?」

明石「はぇ!?」

 

161: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:12:08.18 ID:6enVUVL30

提督「俺まだ小4じゃん? まだ性欲出すには早いと思うんだけど、皆の英才教育で高校生の思考回路だからさ。このままじゃ面倒じゃん、頼む」

明石「は、はぁ、あるにはあるけど・・・・・・。ちょっと待ってて」スタスタ

提督「にしても、色んな物があるなぁ」キョロキョロ

提督(ん? 何だこれ? 『身体に染み付いた技術を忘れさせる薬』?)

提督("料理"に"球技"、"水泳"に"筋力"、"道術"まで・・・・・・無駄に品揃えいいな。つーか、これ必要な場面あるか?)

提督「ん!?」ギョッ

提督("性"? 何だこりゃ!?)

陸奥「あらあら? 何見てるのかな?」ニヤニヤ

提督「うぉっ!? 陸奥姉脅かすなよ」ビクッ

陸奥「櫂が見ていたのはね、服用者の体に染み付いた性技が綺麗さっぱり取れるのよ」

提督「それに限らずこのシリーズ需要ある?」

陸奥「使いようによっては必要かもね」ニコニコ

 

162: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:12:41.70 ID:6enVUVL30

明石「櫂、これならあるけど」スタスタ

提督「それで大丈夫だよ、ありがとう」

明石「但し!!」ガッ

グイッ

提督「(か、顔近い・・・・・・)何?」ビクビク

明石「本っ当に強力な薬だから絶対に服用方法を守ってね?」

提督「え? 何d・・・・・・」

明石「分かった!?」

提督「お、おう」

スタスタスタスタ・・・・・・

陸奥「随分念を押したわね」

明石「本当にキツい薬なんですよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

二週間前

明石「聞きたい事って?」

提督「明石姉がくれたあの薬、三年間言われた通りの服用法をしてきたけど、ありゃ一体どんな薬なんだ」

明石「あれはね。中和剤で100倍に薄めたものを更に砂糖や小麦粉で固めた錠剤。原液はあまりに危険だから」

提督「危険ってどれくらい?」

明石「少量の摂取で性欲が無になって二度と湧かなくなる」

提督「・・・・・・は?」

 

163: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:13:18.27 ID:6enVUVL30

明石「つまり原液を少量でも体内に取り込んだら、その男性は今後一切勃起も射精もできなくなるほどの劇薬。生命活動には何ら支障は無いけど、その人は一生交尾ができなくなるの」

提督「」ゾクッ

明石「元は野良猫やペットを傷つける事なく去勢させるための薬だからね。だから人体にも何も影響ないんだよ」

提督「もうそろそろ止めたくなってきた」

明石「! よかったぁ、もし万が一があったらって心配してたのよ?」

提督「もう今日限りであの危険薬とはおさらばしようと思う」

明石「うんうん、明日からちゃんと性欲は出るからね! 安心して!」ニコニコ

ーー
ーーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーー

陸奥「明石から貰ってきちゃった。でも正に使い時よね」

つまり彼女が持っているのは、例の劇薬の原液と性技を忘れさせる薬である

チャラ男「くっそ、何するんだよ!」

陸奥「もうちょっと大人しくしててね」ズン

倒れているチャラ男に馬乗りになる陸奥。その顔は妖艶な笑みを浮かべている

「「「ひいっ!?」」」ゾクッ

チャラ男「だ、大体何なんだよ、俺達お前に会ったの初めてだぞ!」

陸奥「私だってそうよ。それにいくら私でも一般人に手を出すはずないじゃない」

チャラ男「はぁ? 何言ってるんだよ?」

 

164: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:14:18.45 ID:6enVUVL30

陸奥「私は軍人、貴方が傷つけたのは軍人の家族よ。例え軍人(そう)じゃなかったとしても、弟を傷つけた貴方達を私達は絶対に許さない」

チャラ男「っ!?」

陸奥「それじゃあ貴方の尊厳、つまり無尽蔵の性欲と自慢のテクニック。砕かせてもらうわよ」つ注射器×2

チャラ男「ひ、い、嫌だ、や、止めてくれ・・・・・・」ガタガタ ポロポロ

陸奥「きっと貴方が寝取ろうとした同級生も、櫂が助けなかったらそんな顔してたのよ。貴方達が真っ当に恋愛していたらこんな事にはならなかったのに」

チャラ男「っ!?」

陸奥「大丈夫、死にはしないわ。但し一生エッチできなくなるだけ」ニッコリ

プスッ・・・・・・プスッ・・・・・・

「「「っ!?」」」ガタガタ

陸奥「貴方達も同罪よ。同じ罰で償ってちょうだい」チラッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ヤマ「ふぇぇぇん・・・・・・」

提督「・・・・・・」

長門「それで喧嘩していたところをお前達が通りかかったと?」

陸奥「えぇ」

赤城「そういう事です」

長門「なるほど」ギロッ

提督「っ・・・・・・」

ーー
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ーーーーーー

 

165: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:14:59.34 ID:6enVUVL30

ヤマ「櫂ちゃん、約束!」

提督「ん?」

ヤマ「今度からは絶対に自分の命を軽く見ないで。私のためにも生きてよ・・・・・・」

ヤマ「櫂ちゃんに守られてばかりは嫌だよ。私だって櫂ちゃんを守るんだから!!」

提督「・・・・・・分かった」

ミラ「ヤマ、大丈夫だったかい?」

ヤマ「うん」

ミラ「櫂、孫を守ってくれてありがとう。でもあんたも私達の大事な孫なんだ、いいね?」

提督「・・・・・・」コクッ

ミラ「巌山も、迷惑かけたね」

元帥「いや何の。ではミラさん、儂らは帰りますので」

提督「じゃあなヤマ」

ヤマ「っ!!」タッ

提督「!」

チュッ・・・・・・

ヤマ「ん・・・・・・」ギューッ

提督「・・・・・・」

ヤマ「ぷはっ、おやすみ櫂ちゃん////」ニコッ

提督「おやすみ////」

スタスタスタスタ・・・・・・

ヤマ「」クルッ

ミラ「? 何処に行くんだい?」

ヤマ「ちょっと倉庫に探し物」スタスタ

ーー
ーーーー
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166: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:15:31.53 ID:6enVUVL30

提督「ただいま・・・・・・」

榛名「櫂!!」タッタッタッ

提督「! 榛名姉」

榛名「ごめんなさい、痛かったですよね?」ギューッ

提督「平気だよ、伊達に鍛えられてねぇし」

榛名「あんな酷いこと言ってごめんなさい、榛名は櫂の事大好きですよ」ポロポロ

提督「分かってるさ。だから厳しく怒ってくれたんだろ?」

榛名「」ギューッ

提督「長門姉も、ありがとう。心配してくれて」

長門「私もキツく言いすぎたな。すまない」ナデナデ

 

167: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:16:12.12 ID:6enVUVL30

明石「微笑ましい光景ですよね~」ホノボノ

陸奥「でも私達は・・・・・・」チラッ

少し離れた所で陸奥と明石は正座させられていた

元帥「それで陸奥? 赤城から聞いたが一般人相手に劇薬を投与したというのは本当かね?」ギロッ

陸奥「・・・・・・はい」

元帥「それで、明石はそれを作って剰え陸奥(このサディスト)に渡したのか?」

明石「さ、最近櫂から話を聞いていたもので、念のためと思っていたのですが」

元帥「はぁ・・・・・・使った者もそうじゃが、作って渡した者も一体何を考えておるか」

明石「うぅ・・・・・・」

陸奥「で、でも相手は櫂を傷つけた挙句石で殴ろうとしてたのよ? それ以前に櫂が助けた女子校生にも危害を加えようとしてたし、これぐらいの私刑なら」

提督「まぁでも陸奥姉は俺達を助けるためにしてくれたんだし、明石姉も俺の事を案じてくれてたわけだし」

元帥「例えそうでも・・・・・・あぁ、頭が痛い。とりあえずお前達二人は一週間謹慎じゃ」

陸奥「はい・・・・・・」

明石「分かりました・・・・・・」

ーー
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ーーーーーー

 

168: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:16:58.94 ID:6enVUVL30

一年後

提督「あれからあっという間に一年が経ったなぁ」

提督(俺達は中学二年になった。そして兄ちゃん達二人は無事に海外でも最高難度の大学医学部に合格、日々学業に励んでいるそうだ。俺も負けてらんねぇなぁ)

ヤマ「じゃあ櫂ちゃん、また明日!」ノシ

提督「おう!」

スタスタスタスタ・・・・・・

友提督「・・・・・なぁ」

提督「! マナブか、どうした?」

友提督「・・・・・・俺のクソ親父の事で分かった事があるんだ」

提督「!?」

友提督「アイツは政治資金絡みで黒い噂があったってのは知ってるよな?」

提督「あぁ。それが何処からか情報漏洩して失脚したんだろ?」

友提督「俺のクソ親父はかなりやばい事考えてたらしいんだ。詳しくはお前ん家で話す。お前の親父さんも聞いておいた方がいいかもしれねぇし」

提督「・・・・・・」コクッ

タッタッタッ・・・・・・

ーー
ーーーー
ーーーーーー

元帥「それで、何かの?」

提督「・・・・・・」

友提督「はい。俺の父は政治資金と言って受け取った金をある組織に流していたそうなんです」

提督「その組織って?」

 

169: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:17:40.76 ID:6enVUVL30

友提督「詳しくは知らないけど、艦娘に成り代わって深海棲艦を撃滅しようとしている過激組織らしい。かなりの軍事力と科学力を持ってるみたいだ」

提督「何だその絵物語みてぇな奴ら」

元帥「何とも勇ましいものじゃ」

友提督「軍人嫌いだった父は彼らの思想に多少なりとも賛同していたみたいで、政府の金を活動資金として提供していたんです」

元帥「・・・・・・」

友提督「しかし彼らは日本どころか世界すらも自分の傘下に置こうとした。そのためのカードとして開発したものがヤバすぎるやつだったんです」

友提督「それを知った父は怖くなったのか資金提供を打ち切り、その結果あんな目にあったようです」

提督「つまり・・・・・・詳しくは不明だけどそいつらは今現在、世界を相手にできるほどの何かを持ってるってわけか?」

友提督「あぁ」

元帥「それにしてもよくぞそこまで調べあげたものじゃ。一歩間違えば死んでいたかもしれんぞ?」

友提督「はい。我ながら奇跡だと思いますよ」

元帥「話してくれてありがとう」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

提督「・・・・・・」スタスタ

提督「過激派か・・・・・・俺もある意味奴らと同じだ」

提督「自分が気に入らない相手を力でねじ伏せようとする。獣みてぇだな」

 

170: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:18:19.81 ID:6enVUVL30

ガッ

提督「っ!?」

一瞬の出来事だった。提督は突如現れた黒服達に捕まり、口元にハンカチを押し付けられた

提督「何・・・・・・を・・・・・・(まずい、麻酔作用のある薬か・・・・・・!?)」クラッ

「よし、今だ運べ!!」

提督「」ガクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

榛名「!」ピクッ

金剛「? 榛名、どうしたデース?」

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

明石「あ、金剛さん、榛名さん!」

金剛「明石に夕張、どうしたデース?」

夕張「い、一緒に来てください!!」

 

171: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:18:57.25 ID:6enVUVL30

タッタッタッタッタッタッ・・・・・・

島風「おう!? 何やってるの?」

明石「だ、大至急提督にお伝えしなければ!! 大淀を呼んできて!」

島風「ま、任せて!」ヒュンッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

バタンッッッ

明石「た、たたた大変です!!」

夕張「い、一大事です!!」

元帥「! どうした、二人ともそんなに慌てて」

明石「か、櫂が・・・・・・誘拐されました!!」

艦娘「っ!?」

元帥「何じゃと!?」ガタッ

夕張「櫂の持ち物には発信機が仕込んであるんですが、それの変化からして車で連れ去られたようです!!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「う・・・・・・ここは?」

提督(何処かの倉庫か? にしては狭いな)

ヤマ「櫂ちゃん・・・・・・」

提督「! ヤマ!? 何でここに!?」ダッ

声のする方を見ると、すぐ側でヤマが柱に縛りつけられていた。提督は思わず駆け寄って抱きしめる

ヤマ「いきなり知らない人達に気絶させられて・・・・・・それで・・・・・・」ポロポロ

提督「っ!? 何かされたのか!?」

 

172: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:20:40.43 ID:6enVUVL30

『目は覚めたかい? 海原 櫂君』

突如部屋の照明が点き、声が響き渡る

提督「!」

『ようこそ、我らがアジトに。先ずは謝罪させてほしい、手荒な真似をしてすまなかったよ。何せあの元帥のご子息だ、生半可な方法じゃあ返り討ちにあうと思ってね』

提督「(変声機を使って喋ってるな)俺の事はどうでもいい。この娘は関係ねぇだろ、さっさと解放しろ」

『いや、彼女は必要だ。君に妙な真似をされては困る』

提督「どういう意味だ?」

『単刀直入にいう。我々はとあるウイルスを開発した。深海棲艦をも殺せる強力なやつをな。だが軍や政府はこのウイルスを使う事を禁じた』

提督「当たり前だ、そんなモン海にばらまかれたら深海棲艦どころか他の海洋生物にも影響が出るに決まってる」

『そうではない。彼らは恐れているのさ、戦争の終結を』

提督「は?」

『考えてもみたまえ、今日本は艦娘によって世界で最も対等に深海棲艦と渡り合っている。それがなくなればどうなる? また日本は弱い国に逆戻りだ』

提督「人間同士の戦争はずっと昔に終わってる。弱くても小さくても平和でいればいいじゃねぇか。そうなるために父さん達は奮闘しているんだ」

『甘いな。この話は平行線だ、今はよそう。さて、そのウイルスを我々は国への、延いては世界への貢献に使いたい』

 

173: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:21:23.25 ID:6enVUVL30

『しかし、もはやその思いはない。我々に賛同できん奴らには消えてもらう。そうすれば世界は我々のもの。深海棲艦を殲滅し、我らの崇高なる志で統一された世界となろう』

提督(イカれてやがる。言ってる事がめちゃくちゃだ)ゾワッ

最もらしい事を言っているが、全然要領を得ない支離滅裂な主張。だがそれでも、そのようなウイルスがあるなら彼らはかなり危険だ

提督「!?」

急に目の前の画面が点き、そこにはカウントダウンが表示されていた

『このカウントダウンの終了とともにウイルスを世界にばら撒く。世界の人々が気づく間もなく、ウイルスは深海棲艦はもとより全人類を蝕むだろう』

提督「何だと!?」ゾワッ

『但し我々も鬼ではない。だから君には選択の余地を与えよう。マシンの動力を切る電源がある。それを机の上のピストルで撃ち抜けばこのマシンは止まる』

提督「!(ピストルってこれか)」スッ

提督「電源は何処だ?」キョロキョロ

ヤマ「・・・・・・」ガタガタ

提督「これか? これか!?」ガサガサ

ヤマ「櫂ちゃん・・・・・・」

提督「ここにはない・・・・・・ならこっちか?」スタスタ

ヤマ「櫂ちゃん!!」ガシッ

提督「!? 何だヤマ」

唐突に提督の手を掴んだヤマは震えながら

 

174: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:22:02.23 ID:6enVUVL30

その手を自分の額に当てた・・・・・・

 

175: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:22:53.08 ID:6enVUVL30

提督「!? ・・・・・・まさか」

ヤマ「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・」ポロポロ

『見つかったようだね』

提督「てめぇ・・・・・・!!」ギロッ

『マイクロチップ型の電源をその娘の頭に埋め込ませてもらったよ。言わなくても分かるだろうが、敢えて言わせてもらおう』

『彼女の頭を撃ち抜けば世界は救われる』

提督「!?」

『愛する女か、全人類か、どちらか選びたまえ』

提督「そんな事・・・・・・できるわけねぇよ・・・・・・」ポロポロ

『さぁ、選べ! どちらかを切り捨てれば片方が助かる!』

提督「い、嫌だ!! 俺にはできねぇ!」

『ならばどちらも失うだけだ。嫌だ嫌だと言ってどうにかなる程世の中は甘くないぞ』

提督「黙れ!!」ギロッ

ヤマ「待ってください!」

提督「!?」

ヤマ「彼と・・・・・・話をさせてください」

提督「ヤマ! 何言ってんだよ!!」

『いいだろう。時間も余裕がある、二分ほどやるから話をつける事だ』

ヤマ「櫂ちゃん・・・・・・」

 

176: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:23:38.88 ID:6enVUVL30

提督「安心しろ、すぐに何とかするからな」

ヤマ「・・・・・・」ダキッ

提督「!?」

ヤマ「これ以上苦しまないで。私を殺して」

提督「馬鹿な事言うな!! そんな事できるわけねぇだろ!」ポロポロ

ヤマ「いつもならもっと冷静なのに。櫂ちゃんが子供っぽいところって何か新鮮だなぁ」ニコニコ

提督「うるせぇ・・・・・・」ポロポロ

ヤマ「櫂ちゃんはいつも私の傍にいてくれた。一緒に遊んで、勉強して」

ヤマ「一緒に笑って、一緒に泣いて」ジワァ

ヤマ「恋人になってからはもっと仲良くなれた」ツーッ

ヤマ「何十回もデートして、何十回も愛し合って、本当に幸せだった」ポロポロ

提督「・・・・・・」ポロポロ

ヤマ「私は心の底から櫂ちゃんの事愛してるよ」ニコッ

提督「俺もさ」グシグシ

ヤマ「・・・・・・お願い」

提督「・・・・・・」グイッ

ヤマ「!」

チュッ・・・・・・

これが最後だ。提督は愛しい彼女にキスをする。応えるようにヤマも両腕を提督の首に回し、強く抱きしめる。この行為を惜しむように互いに強く抱きしめ合い舌を絡ませた後、提督はヤマの眉間にピストルを向ける

提督「ヤマ、お前を愛してる」カチャ

ヤマ「櫂ちゃん、愛してるよ」

 

177: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:24:26.75 ID:6enVUVL30

ドォォォォォンッッッ

 

178: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:25:05.83 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・」ポロポロ

ヤマ「・・・・・・」ユラッ

ドシャッ・・・・・・

眉間を撃ち抜かれたヤマはゆっくりと倒れた。だがその顔には死への恐怖や絶望など微塵もなかった。この上なく安らかな、幸せそうな死に顔である

『どうやら全人類は救われたようだ』

提督「・・・・・・」ギロッ

『櫂君、君に一つ謝罪しなければならない』

提督「謝罪だと・・・・・・? 今更何を謝ろうってんだ」

『彼女の眉間に埋め込んだのは、何の変哲もないタダの小さな金属片だ。マシンの動力を切る電源なんかじゃないのさ』

提督「っ!?」

『まったく、SF映画の見過ぎだよ。そんな事実際にあるわけないじゃないか。それにこんな簡単に切り札を切るわけがないだろう?』

提督「何・・・・・・だと・・・・・・?」ドサッ

思いがけない告白に提督は脱力して膝をつく

『今回、我々の本当の目的は海軍元帥に絶望を与える事。その為にご子息である君を壊したのさ』

提督「あ、あ、あぁあ・・・・・・」ガタガタ

『もちろん君を殺すのが手っ取り早いが、それではつまらん。だから君の精神を壊す事で元帥に我々の力を思い知らせる。作戦は成功だろう』

『ではさらばだ』

ブツッ

提督「や、ヤマ・・・・・・」ダキッ

呆然とした提督はヤマを抱き寄せる。そして彼らの目論見通り、その精神は崩壊した

提督「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

自分の所為だ。自分が弱いから彼女を殺してしまったのだ。
何よりも愛する女を自らの手で殺し、それが無駄死にだったという事実が提督を激しく責め立てる

提督「許してくれ・・・・・・許してくれヤマ」ポロポロ

 

179: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:25:55.65 ID:6enVUVL30

「撃ちます、Fire!!」

「はぁぁぁっ!!」

ボガァァァァァァァァァンッッッ

ズドドドドドドドドンッッッ

金剛「カイ!!」タッタッタッ

長門「大丈夫か!!」タッタッタッ

榛名「怪我はありませんか!?」タッタッタッ

加賀「っ!? これは!?」

夕立「ど、どういう・・・・・・事?」

球磨「な、何で・・・・・・ヤマちゃんが?」

高雄「そんな・・・・・・」

入ってきた艦娘達は目の前の光景に皆言葉を失った

提督「許してくれヤマ・・・・・・俺が殺したんだ・・・・・・俺が悪いんだ!!」ガクガク

赤城「櫂、どういう事ですか、落ち着いてください」オロオロ

提督「お前だ・・・・・・お前が悪いんだ、お前がヤマを殺したんだ!!」ジャキン

徐ろに提督は近くに落ちていたピストルを拾い、自分の腹に押し付ける

提督「待ってろよヤマ、俺も苦しみ抜いた後にそっちに行くからな」ニコッ

艦娘「っ!?」ギョッ

榛名「何をしているんですか、やめなさい!!」ダッ

高雄「櫂!!」ダッ

球磨「落ち着くクマ!!」ダッ

ドォォォォォンッッッ

提督「うっ・・・・・・まだだ・・・・・・もっと、もっとだ」ゴフッ

提督「もっと苦しめ!! もっと辛い思いをしろ!!」

ドォォォォォン、ドォォォォォン、ドォォォォォン、ドォォォォォン・・・・・・

弾切れするまで自分の腹を撃った後、その傷口に銃口を押し付ける。傷口が開いて大量の赤黒い血が噴き出す

提督「はは、はははははは!! もっと苦しめ、お前はそれ以上の事をしたんだろ櫂!?」ゴパッ

 

180: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:26:48.81 ID:6enVUVL30

榛名「やめなさい!!」ダキッ

提督「離せ、離せぇぇ! 俺は俺を許さねぇ、ぶっ殺す、嬲り殺してやるんだぁぁぁ!!」ガタガタ

榛名「っ!? ごめんなさい!」グッ

提督「っ!?」ガクンッ

後ろから抱きしめる榛名がチョークで絞め落とす

高雄「早く止血を!!」

加賀「ヤマちゃんは・・・・・・」

長門「・・・・・・」フルフル

赤城「そんな・・・・・・」

榛名「榛名が櫂を運びます。誰かヤマちゃんを」

高雄「分かりました」

金剛「私もついて行きマス」

愛宕「私も」

長門「残りの者は部屋の中を調べろ!! どんな物でもいい、ここで起きた事を録音してある機械などを探すんだ!!」

艦娘「はっ!!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌朝

ミラ「それで、櫂の様子はどうだい?」

元帥「失血が酷くてな。儂の血を輸血して今は昏睡しております」

加賀「特に異常は無いようですが、それでも」

「だいたい、何があったってんだ?」

元帥「儂にも分からん。何故櫂がヤマちゃんを殺したのか」

「櫂の事じゃ、何か事情があったにちげぇねぇ」

元帥「本当に申し訳ありませんでした、櫂に代わって深く謝罪します」ペコッ

ミラ「やめとくれ。私達はまだ何も分からない」

 

181: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:27:42.28 ID:6enVUVL30

コンコン、ガチャ

明石「失礼します」

夕張「失礼します」

大淀「失礼します」

元帥「明石か」

明石「昨日長門さん達が持ち帰った機械から当時の会話を復元する事に成功しました」

夕張「結論から言わせていただくと、櫂に罪はありません」

ミラ「そうかい、よかったよ」ホッ

「あぁ。やっぱりな」

元帥「・・・・・・」

明石「その、内容ですが」

「聞かせてくれ」

ミラ「お願い」

元帥「頼む」

明石「・・・・・・分かりました」カチッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

カチッ

明石「・・・・・・以上で全てです」

元帥「・・・・・・」

ミラ「何て事だ・・・・・・」ポロポロ

「一番辛いのはあいつじゃねぇかよ」

夕張「この機械から彼らの居場所も割り出せました。ですが、その・・・・・・」

元帥「?」

大淀「榛名さんがその居場所を確かめるや否や単騎出撃しまして」

元帥「・・・・・・」

夕張「後を追って金剛型、長門型、扶桑型、伊勢型の全艦が出撃。大本営における全戦艦が彼らの本拠地の島に」

元帥「・・・・・・そうか」

明石「申し訳ありませんでした、引き止めはしたのですが」

元帥「構わん」

加賀「大丈夫でしょうか」

元帥「責任は儂がとる」

「? どういう事だ?」

加賀「簡単に言いますと」

 

182: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:28:17.21 ID:6enVUVL30

加賀「今から島が一つ消滅します」

 

183: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:29:01.87 ID:6enVUVL30

ーー
ーーーー
ーーーーーー

金剛「あそこデスカ」

扶桑「大丈夫かしら、あの島が消えてしまっても」

日向「恐らく奴ら以外の人はいない。だからこそ本拠地にしたのだろう」

伊勢「好都合だね」

山城「島ごと消されるなんて、不幸だわ」

比叡「今回は不幸の対象が違いますよね」

山城「当然よ。櫂にあんな事をしたんですもの」

長門「恐らく私達の仕事は例のウイルスの処分だ」

陸奥「そうなるわよね」

霧島「それと島からの脱出手段を潰す必要もあるわね」

扶桑「それよりも問題は」

金剛「榛名デース。あれは相当ブチ切れてるヨー」

比叡「と言うか私達置いていかれてますよ、お姉様」

金剛「Don’t worry! 場所は分かってマース!」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

184: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:31:26.73 ID:6enVUVL30

ドカァァァァァァァァンッッッ

「な、何事だ!?」

「ぼ、ボス! 艦娘です、艦娘が乗り込んできました!!」

ボス「何!? 何体だ?」

「た、たった一体です!!」

「馬鹿な!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「くそぉっ!!」ジャキン

ドォォォォォン、ドォォォォォン

榛名「・・・・・・」

コロ、コロ・・・・・・

「あ、当たったのに傷一つない!?」

「くたばれ!」ブンッ

キィィィィィン・・・・・・

榛名「・・・・・・」

カラァァァァァァン・・・・・・

「刀が折れた!?」

榛名「・・・・・・」チラッ

「こんの、舐めやがって」つ鉄パイプ

榛名「・・・・・・」ガシッ

「ひっ!?」

榛名「・・・・・・」グッ

バキィィィィィン

ガラァァァァァン・・・・・・・

「て、鉄パイプまで握り潰しやがった」

 

185: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:32:10.72 ID:6enVUVL30

ボス「そこまでだ、艦娘」

榛名「!?」バッ

ボス「たった一体でここまで乗り込んでくるとは大したものだ」

榛名「櫂を追い詰めたのはあなたですか?」

ボス「その通り。彼はどうかね?」

榛名「ここに例のウイルスがあるんですね?」

ボス「あぁ。地下倉庫に大量に眠っている。ちょうど全世界に散開させる目前だったのだよ」

榛名「ここに組織の構成員全員がいるという事で間違いありませんか?」

ボス「如何にも。全戦力がこの島にいるのさ。さぁ、問答は終わりだ」

榛名「!・・・・・・分かりました。はい、榛名は大丈夫です」

ボス「あん?」

榛名「今あなた達のいう地下倉庫からウイルスを運び出したとお姉様達から連絡が来ました」

「ば、馬鹿な!?」

ボス「あれは一つ10トンは下らない超大型カプセルに入れてある! それが10個だぞ!! こんな短時間に運び出せるわけがない!!」

榛名「榛名達は戦艦です。その程度の重量、運搬するのに苦労はしませんよ」

ボス「くっ」

榛名「あれはこちらで処分させていただきます」ヒュンッ

ボス「っ!? (消えた!?)」

榛名「榛名の仕事はあなた達の存在を抹消する事」スタスタ

ボス「い、いつの間に後ろに!?」

榛名「あなた達は櫂を、榛名達の弟を傷つけた」

ボス「ま、待て! そもそも我々を認めなかった政府や軍が悪いんだ、あれほどのウイルスならこの戦いに決着がつけられる」

榛名「それは榛名達がつけます。あなた達が作ったのはただの失敗作です」

榛名「櫂を、弟を傷つけたあなた達を榛名は絶対に許しません!!」スッ

ゆっくりと拳を上に上げる榛名。そして

榛名「その報いを受けなさい!!」ブンッ

地面に力いっぱい叩きつけた

 

186: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:32:53.28 ID:6enVUVL30

ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

 

187: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:33:39.75 ID:6enVUVL30

ボス「っ!?」

グラグラグラ・・・・・・

「な、何だ!?」

ビキビキビキ・・・・・・

バキ、バキバキバキ・・・・・・

榛名「・・・・・・罪なき命をあんなふざけた理由で奪ったあなた達は万死に値します」

ボス「実際奪ったのはあのガキだ、俺達は何もやっていない!!」

榛名「そうさせたのはあなた達でしょう?」スタスタ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

金剛「! 榛名」

榛名「ごめんなさいお姉様、皆さんも」

長門「いや、私達も来たばかりだ」

榛名「とりあえず、確かめてからでもいいでしょうか?」

長門「構わん。私達も久しぶりだ」

榛名「ありがとうございます」クル

戦艦達は全員で先程までいた島を眺める

金剛「そろそろネー」

大本営の最高戦力の一人である榛名は、その全てが規格外である。その拳を地面に叩きつけるだけで、その衝撃はその地面の下の奥深くまで伝わる。地下のマグマ溜りを刺激する事で強制的に火山活動を引き起こすのだ。結果、たった一発のパンチで火山噴火を引き起こして島一つを消滅させる事になるのだ。それ故に榛名は『黙示録(アポカリプス)』という二つ名をつけられており、その攻撃は『世界の終わり(ワールドエンド)』と呼ばれている

比叡「あ!」

 

188: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:34:19.77 ID:6enVUVL30

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッッ

 

189: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:35:01.34 ID:6enVUVL30

榛名「!」

長門「相変わらず・・・・・・言葉が出ないな」

陸奥「黙示録の二つ名は伊達じゃないわね」

金剛「で、このvirusどうするノー?」

長門「最も深い海溝に沈める。さぁ移動するぞ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

榛名「失礼します。榛名ならびに全戦艦帰投いたしました」

元帥「うむ」

長門「ウイルスは我々の独断で、世界で最も深い海溝に沈めました」

元帥「そうか。超深海の水圧と低温ならウイルスを完全破壊できるやもしれん。よくやった」

ガチャ

暁「た、大変よ司令官!」アセアセ

響「櫂が目を覚ましたんだ」

元帥「!」

榛名「本当ですか!?」

雷「でも、櫂ちゃん錯乱しだして・・・・・・」オロオロ

電「急に櫂ちゃんが部屋を飛び出しちゃったのです!!」アワアワ

元帥「!? いかん、早く探すんじゃ!」

艦娘「は、はい!!」ダッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

シャワー室

ザァァァァァァァ・・・・・・

提督「・・・・・・」ガシガシガシ

提督「取れろ、取れろ取れろ取れろ!!」ガシガシガシ

 

190: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:35:44.33 ID:6enVUVL30

バンッ

榛名「っ!? 櫂!!」ダッ

提督「は、るな、ねえ・・・・・・」

榛名「!?」ギョッ

ゆっくりと振り返る提督を見て榛名は凍りついた。彼はタワシを片手に一心不乱に自分の腕を擦っていたのだ。全身から血が噴き出し、特に両腕はズタズタになっている

提督「取れねぇんだ・・・・・・どれだけ洗っても、擦っても・・・・・・。あの娘の血が、ヤマの血が取れねぇよ・・・・・・」ポロポロ

榛名「櫂・・・・・・」ダキッ

提督「あ、あぁあ、あぁぁぁぁぁぁ」ポロポロ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」

妖精「泣き疲れて寝ちゃった?」ヌリヌリ

榛名「はい」

妖精「精神が壊れて幻覚でも見たのかな? 何にせよ辛いだろうね」

榛名「代われるものなら榛名が代わりたいです」ナデナデ

妖精「腕がこんなになるまでタワシで擦るなんて・・・・・・」

妖精(ん!? 傷の治癒が早い!? 何で!?)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

191: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:36:57.66 ID:6enVUVL30

その後、提督は発狂する事こそ無かったものの一言も言葉を発さなくなった。部屋でただ何をするでもなくボンヤリと座るだけの状態が何ヶ月も続いた。艦娘の皆は暇を見つけては足繁く提督の部屋に通った。話しかけたり、ご飯を食べたりとできるだけ彼と接するようにした。
団長や副長も気分転換にと色々な所に提督を連れ出した。それでも彼は一言も喋らなかった

元帥「回復の兆しは見せんか・・・・・・」

加賀「どうしたものでしょうか?」

ガチャ

夕張「失礼します。櫂が部屋を抜け出しました」

元帥「場所は?」

夕張「今の所不明です」

元帥「青葉達に尾行させるように。恐らくは・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ミラ「!? 櫂!」

「よく来てくれたな!」

提督「・・・・・・」

ミラ「? どうしたんだい?」

提督「・・・・・・」スッ

ミラ「!?」

「!?」

提督「申し訳・・・・・・ありませんでした」土下座

ミラ「やめとくれ、私達はアンタを責めたりなんかしないよ」

「話は全部聞いてる、辛い思いをさせてしまったな」

ミラ「さ、上がっておくれ」

提督「・・・・・・はい」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

192: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:37:36.09 ID:6enVUVL30

ソラ「櫂君、大丈夫?」

リク「心配してたんだよ?」

提督「ごめんなさい」

ミラ「(すっかり他人行儀だ。相当意識してるんだね)櫂、ちょっと来てくれるかい?」

提督「はい」スッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ミラ「この倉庫には先祖代々の資料があると言われている」

提督「・・・・・・」

ミラ「私達の一族の呪い・・・・・・知ってるかい?」

提督「いいえ」フルフル

ミラ「それはね・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」

ミラ「ただ、ヤマとアンタは逆だ。何故かというとね」

徐ろにミラは一つの巻物を提督に渡した

ミラ「ヤマはアンタを死なせないようにしたんだ」

提督「え?」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

 

193: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:38:27.17 ID:6enVUVL30

ガサガサ、ゴソゴソ

ヤマ「! あった! この儀式なら櫂ちゃんを守れる」パァァ


ーー
ーーー

ヤマ「これでよし。後は巻物に書かれた呪文を詠唱すれば」

ヤマ「ーーーーーーーーーーーー」

キィィィィィン・・・・・・

バタンッッッ

ミラ「ヤマ、何をやって・・・・・・!?」ギョッ

ヤマ「やった、やったよおばあちゃん! これで櫂ちゃんが死なずにすむn・・・・・・」

パァァァァァァァン・・・・・・

ヤマ「・・・・・・え?」ヒリヒリ

ミラ「何て事を・・・・・・何て馬鹿な事を・・・・・・!!」ブルブル

ヤマ「何・・・・・・で・・・・・・?」

ミラ「その巻物に書いた方法なら確かに櫂を呪いによる死からは助けられる」

ミラ「でも世の中そんなに都合よくいかないんだよ!!」

ヤマ「え?」ジワァ

ミラ「その巻物に書かれた儀式は、言ってみたら"立場逆転"。つまり」

 

194: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:39:09.12 ID:6enVUVL30

ミラ「アンタが受けるはずの苦しみを櫂が味わうようになるんだよ!!」

 

195: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:39:55.12 ID:6enVUVL30

ヤマ「そ・・・・・・そんな・・・・・・嘘・・・・・・」ツーッ

ミラ「愛する人を失う事がどれほど苦しく辛い事か、下手したら死ぬより辛いんだ。よく分かってるだろう!?」

ヤマ「わ、私は、ただ・・・・・・」ポロポロ

ヤマ「櫂ちゃんに生きてほしかっただけなのに・・・・・・!」ポロポロ

ミラ「本当にもう、アンタは」ダキッ

ヤマ「うわぁぁぁぁぁぁん!!」ポロポロ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・」

ミラ「ヤマは確かに浅はかな行動をしたかもしれない。でもね、アンタを思っての事だってのは理解してほしい」

ミラ「辛いかもしれないけど、乗り越えてほしい。今まで通り、皆と明るく接しておくれ。ヤマだってアンタの元気な姿が見たいんだ」

提督「・・・・・・はい」ポロポロ

ミラ「例え他所の女の子と結婚したとしても、アンタは私達の家族、孫なんだ。忘れないでね」

提督「・・・・・・ありがとうございます」ポロポロ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

196: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:40:58.27 ID:6enVUVL30

ガチャ

提督「ただいま」

元帥「! 櫂、もう大丈夫なのか?」

提督「"親父"、俺海軍に入る」

元帥「・・・・・・何故か、理由を教えてくれんか?」

提督「ヤマの意志を継ぐためだ。あいつは海軍に入りたがっていた。その夢を俺が叶える」

元帥「・・・・・・分かった」

元帥「しかし、軍はお前が思うほど楽な所ではないぞ。お前が軍人となった以上は儂もケンも、身内といって甘やかしはしない。それでもよいな?」

提督「何を今更。必要以上に甘やかされるつもりはない」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌年

提督「・・・・・・ここか」

提督(軍学校への入学出願会場。来年、皆は高校生だが、俺は士官候補生だ。気を引き締めねぇとな)

友提督「真剣なツラしてんなぁおい!」バシィン

提督「! マナブ!?」

友提督「何だよ、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して」

提督「え、お、お前進路決めてたんじゃ」

友提督「お前を一人になんかできるかっての。二人で天辺目指そうぜ!!」

提督「・・・・・・本音は?」

友提督「めちゃくちゃ美人な艦娘とイチャラブしたい」

提督「帰れ」ゲシッ

友提督「痛てぇ!?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

197: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:41:42.64 ID:6enVUVL30

友提督「なぁ櫂」

提督「ん?」

友提督「いくら何でもおかしくねぇか? 俺達もそうだけど出願した人全員通すなんて」

提督「それだけ人員不足なんだろ。なんせ死人が出る所に務めるんだ、慢性的に人手が足りてなくても不自然じゃねぇよ」

提督(それに、どうせ軍学校の篩にかけられるだろう。油断できねぇな)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

ガチャ

元帥「おぉ、帰ったか」

提督「ただいま」

団長「そうだ櫂、お前の意見を聞きたいんだが」

提督「?」

元帥「儂とケンで考案したんじゃが、どうかの?」

提督「? 艦娘のトレーニングプログラム?」ペラッ

元帥「何せ、資源も少なく演習も今までのようにはできんからのう。基礎的な体力をつければ練度も上がるかと思ったんじゃが」

提督「よくもまぁこれだけのデータを集めたもんだ」

団長「どうだ?」

提督「特に問題ねぇと思う。ただ・・・・・・」

元帥「?」

提督「これとは別に皆に一般教養もつけてやりたいなって思うんだ」

提督「解体された後でも社会で何不自由なく生活できるようにするのも、提督の仕事じゃないかな?」

元帥「確かにのう。考えてみよう」

提督「無理なら俺が勝手に組み込むだけだし」

団長「そうだ、今日申請してきたんだったな?」

提督「あぁ」

団長「学校とはいえ軍だ。もしお前に何かあっても容赦はしないぞ?」

提督「当然だ。それ以前に俺はそんな奴にならねぇよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

198: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:42:17.36 ID:6enVUVL30

提督(月日は流れ、俺とマナブは軍学校に入学した。朝から晩まで規律と集団行動、訓練と忙しない日々が続く。入った瞬間に車の免許を強制的に取らされたのは面食らったけど。その勢いで二輪の免許も取ったのはご愛嬌)

提督(当然の事ながら俺は元帥の息子である事を周りに隠している。教官達にも口止めを頼み、この事実を知るのは俺とマナブ、教官達だけ・・・・・・のはずだ)

教官「今日の訓練は拳銃による射撃訓練だ!」

提督「っ!?」

友提督「! 大丈夫か? もし辛いなら休んでも」

提督「いや、大丈夫だ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

199: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:43:31.51 ID:6enVUVL30

教官「全員整列したな? ではこれより訓練を開始する!!」

パァァァン、パァァァン

提督「・・・・・・」

「違うって、もっとよく狙え」

友提督「うわ、またあいつ偉そうに」ヒソッ

同期の中の一人が提督は少し苦手だった。彼は自分と同じく海兵の父を持ち、その血筋なのか成績もいい。それだけならいいのだが、それを鼻に掛ける嫌味な性格であった

「何で分からないかなぁ? もっとイメージして撃つんだよ」

「具体的に教えてくれよ」

「例えばだな、あの的を人だと思うんだよ」ヘラヘラ

「人?」

「そうそう、頭を撃ち抜くイメージだ、自然と命中するようになるぜ」

提督「・・・・・・」

友提督「次お前だぜ」

提督「あぁ・・・・・・」スタスタ

拳銃を握ると同時にあの時の記憶が鮮明に甦る。あの時、愛する人を撃ち抜いたあの感じが。自然と鼓動が早くなる

提督「・・・・・・」ドクンドクンドクン

「おいおい、俺の説明聞いてなかったか?」

・・・・・・やめろ

「簡単だ、人の頭をイメージすればいいんだよ」

やめろ、やめろ!

「頭を撃ち抜くイメージだ、簡単だろ?」

提督「っ!!」ジャキン

「「「「っ!?」」」」

教官「っ!? 海原、何をやっている!!」

友提督「か、櫂!!」

「ひっ!?」ギョッ

提督「・・・・・・あるのか?」

「あ?」ガタガタ

提督「お前・・・・・・本当に人を撃ち殺した事あるのか? 人の頭を撃ち抜いた事あるのか?」

「も、ものの例えじゃねぇかよ、何本気に」

提督「人を撃ち殺した事も無いくせに分かりきった口をきくな」

「な、何様のつもりだよお前!」

友提督「まぁまぁまぁ、一旦ここは落ち着こう、な?」アセアセ

提督「・・・・・・」スッ

 

200: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:44:22.16 ID:6enVUVL30

友提督「きっと例えが悪かったんだよ、的をスイカとかカボチャに例えればよかったんだ、ほらサイズも近いし」

提督「・・・・・・」クルッ

スタスタスタ・・・・・・

友提督「お、おい何処行くんだよ!?」

教官「! ま、待て海原、おい!」タッタッタッ

友提督(櫂の奴、やっぱりあれが堪えるよな。にしても、今までのあいつと雰囲気が違うな。前のブチ切れたあいつは烈火みたいだったのに、今はまるで深海みたいだ。静かだけどめちゃくちゃ不気味で引きずり込まれそうな雰囲気だ)

友提督「やっぱり着いてきて正解だったな」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

数日後

提督「・・・・・・」カリカリ

コンコン

教官「失礼する、海原」

提督「はっ!」ビシッ

教官「貴様の過去は聞いた。だがあの件は、流石にこちらとしても見逃すわけにはいかない。すまないが貴様は今後射撃訓練には参加できない」

提督「了解です」

教官「それともう一つ」スッ

提督「? これは?」

教官「貴様のお父君からの電報だ」

提督「・・・・・・」ウケトリ

提督「・・・・・・」ピラッ

提督「・・・・・・!」

教官「では失礼する。明日以降も訓練に励め」

提督「はっ!!」ビシッ

 

201: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:45:03.68 ID:6enVUVL30

提督(皆が近々最終決戦・・・・・・深海棲艦との全面戦争を始める、か)

提督「こっちも返信の手紙を書くか。電報の書き方は・・・・・・」ガサガサ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

二週間後

教官「全員揃っているな」

教官「先ずは朗報だ! 海軍はつい先日、人類の悲願を成就した!!」

ザワザワ・・・・・・

教官「深海棲艦の本拠地に総力戦を行い、見事勝利。我ら人類は深海棲艦との戦争に勝ったのだ!!」

ウォォォォォォ!!

教官「だが、まだ奴らの残党は残っている。そいつらを全て根絶するためにも、貴様らには一層の努力を期待する!!」

「「「「「「「はっ!!」」」」」」」

提督(良かった、皆が勝ったんだ!! あぁ、今すぐ無事を確かめたいなぁ)ホッ

人類の勝利という言葉に皆が沸き立つ中、提督は戦場に赴いた姉達の身を案じていた。海軍最強の艦娘達ではあったが、それでも不安はある。
勝利の代償として誰かが轟沈していないだろうか。姉達に限ってそんな事はないと信じているが、"勝利"の二文字だけではこちら側の被害状況など、詳しい内容は分からない

友提督「お姉さん達の心配か?」

提督「あぁ。確かめてくる」ソロッ

友提督「あいよ」

教官「なお、この勝利の立役者たる大本営の艦娘達、"一人の犠牲も出さずに勝利した"その訓練方法の実用性なども此度の闘いから注目され始めている。よって我が軍学校でも正式に採用し・・・・・・」

友提督(! タイミング悪っ!!)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

202: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:45:47.19 ID:6enVUVL30

そして年月は流れ

提督(ついに俺達も明日で軍学校卒業か)

友提督「ったく、お前小学校と変わらねぇじゃねぇか」

提督「何の事だ」

友提督「俺以外とは口もきかない、そのクセ座学や訓練は優秀で。ガリ勉野郎か!!」

提督「一つだけ良くないやつあったじゃんか」

友提督「あれは仕方ねぇ。それ抜きにしてもだ!」

提督「で? お前決めたのか? 初期艦誰にするか」

友提督「もちろん。二年前から決めてあるさ」

友提督「お前は? 多分新制度の対象だから選り取りみどりだろ?」

提督「・・・・・・どうだろうな?」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

翌日

教官「今日をもって貴様らはこの軍学校を卒業する! 三年前、役立たずのタダ飯喰らい共だった貴様らは立派に一新兵となった。以後、それぞれの軍でさらなる精進を期待する!!」

教官「なお、海軍所属の者はこの後必要書類を書いてもらうため、成績順に我々の元に来るように!」

提督「・・・・・・」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「一番目か」

コンコン

教官「入れ」

ガチャ

提督「失礼します。海原です」

教官「あぁ来たか海原。かけたまえ」

提督「失礼します」スッ

教官「さて、まずはおめでとう。見事首席合格した事、お父君もさぞお喜びだろう」

 

203: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:46:35.14 ID:6enVUVL30

教官「皆を呼ぶ理由は他でもない、以後貴様らがそれぞれ鎮守府に着任するにあたり、手続き書類を書くと共に一つ決めてもらいたいものがある」

提督「初期艦ですよね」

教官「その通りだ。知っての通り、三年前の大戦後、それまで第一線で戦ってきた古参提督達の多くが退役された」

教官「彼らの鎮守府にいた初期レベルおよび比較的練度の低い駆逐艦を次の世代の初期艦にしようとする新制度だが、流石に全員が選べるわけではない」

教官「成績上位十名がその新制度の対象となる。首席の貴様も当然対象だ。このリストの中から選びたまえ」スッ

提督「教官、自分は結構です」

教官「何?」

提督「初期艦は従来の五人の中から選ばせていただけませんか?」

教官「構わないが、それでいいのか?」

提督「はい」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「・・・・・・! よぉマナブ」

友提督「よっしゃぁ!! 無事選べたぜ!!」

提督「おぉ、そりゃおめでとう。つーか次席なら大して変わらねぇよ」

提督「で、誰選んだんだ?」

友提督「Z1、レーベだよ! ドイツ艦隊編成という夢への第一歩だぜ!!」

提督「お前の目当てはビスマルクだろ」

友提督「あ、バレた? そういうお前は?」

 

204: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:47:12.71 ID:6enVUVL30

提督「吹雪」

友提督「・・・・・・へ?」

提督「いやだから、吹雪だって」

友提督「はぁぁ!? 首席なのに!? わざわざ従来の五人から選んだのか!?」

提督「別に誰選ぼうと俺の自由じゃん」

友提督「確かに。で、理由は?」

提督「普段ちゃらんぽらんな俺と真面目な吹雪なら、丁度いいバランスなんじゃね?って理由」

友提督「あ~、なるほど」

友提督(確かにこいつ最低限のルールを守るだけで後は一切適当だからな。真面目な子ならストッパーにもなるだろうし)

ーー
ーーーー
ーーーーーー

提督「荷物はこれでよし、と」

元帥「支度はできたかの?」

提督「あぁ」

団長「お前が立派な提督になるのを楽しみにしているぞ」

提督「ありがとう、"叔父貴"」

副長「ほれ、餞別や」スッ

提督「? これは?」

副長「俺からの着任祝い。かなりの業物や、使わんですむよう祈っとるで」

提督「兄ぃ、ありがとう」

元帥「流石に全員とまではいかんが、残っている皆に挨拶はしてくれんかの?」

提督「分かってる」

副長「いえ、他の奴らも仕事休んで来てますよ」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

205: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:47:55.11 ID:6enVUVL30

島風「もう行くの?」

綾波「少し寂しくなりますね」

敷波「いつでも帰っておいでよ」

元吹雪「櫂ちゃん頑張ってね!」

元睦月「挫けたらダメだよ!」

元夕立「櫂ちゃんならできるっぽい!」

元暁「辛くなったら私達を頼ってね?」

元響「хорошо」

元雷「櫂ちゃんは強い子だから大丈夫!」

元電「ファイト! なのです!」

川内「夜更かししちゃダメだよ?」

神通「姉さんがそれを言いますか? でも、身体には気をつけてくださいね?」

那珂「櫂ちゃん、笑顔を忘れちゃダメだよ?」

元天龍「そうだ! 自信を持ってやれよ!」

元龍田「鎮守府をしっかり守るのよ~?」

元球磨「でも、あんまり一人で溜め込むんじゃないクマ」

元多磨「泣きたいときは泣いてもいいニャ」

元北上「気楽に頑張んな~」

元大井「しゃんとするのよ?」

元木曾「時間見つけて俺達にも顔見せてくれよ?」

提督「ありがとう。でも、できればちゃん付けはやめてほしいな」

艦娘「えぇ!? 何で!?」

提督「ちゃん付けはあいつだけの特権なんだ。我儘だけどお願いしてもいいかな?」

艦娘「・・・・・・分かった」

 

206: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:48:35.87 ID:6enVUVL30

元愛宕「逞しくなったわね」

元高雄「頑張るのよ」

赤城「またいつかご飯食べに行きましょうね」

加賀「貴方の仲間に会うのを楽しみに待ってるわ」

長門「精進しろよ、櫂」

陸奥「人生楽しんでね?」

金剛「See you again! 笑顔が一番デース」

比叡「ファイトだよ!」

霧島「皆と仲良くね?」

榛名「榛名達は何時でも貴方の味方です。忘れないで」

提督「皆・・・・・・ありがとう」

副長「頑張りや~」

団長「達者でな」

元帥「行っておいで。儂の息子じゃ、必ずやれる」

提督「はい!!」

提督「行ってきます!!」

艦娘「行ってらっしゃ~い!」

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ミラ「という事さ・・・・・・」

妖精「・・・・・・」

吹雪「司令官・・・・・・」

北上「・・・・・・」

文月「・・・・・・」

大鳳「・・・・・・」

利根「・・・・・・」

 

207: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:49:19.20 ID:6enVUVL30

大和「ひっ・・・・・・ひっ・・・・・・」ポロポロ

ミラ「! 大和」

大和「私は最低です・・・・・・そんな提督に・・・・・・私は何て酷い事を・・・・・・」ポロポロ

ミラ「アンタの話は一昨日櫂から聞いたよ。最終決戦の時、普段の立ち振る舞い、そして"共鳴"の使用。それを聞いてピンときた」

ミラ「大和、アンタはヤマの生まれ変わりだ」

大和「!?」

ソラ「大和は櫂君の事、好き?」

大和「・・・・・・」コクッ

リク「だったら、義兄さんと一緒にいてください」

ミラ「それが櫂のためでもあり、アンタ自身のためでもあると思うよ」

大和「私だって、提督と一緒にいたいです・・・・・・でも、もう私にはそんな資格無いんです」ポロポロ

妖精「大和・・・・・・」

大和「!」クルッ

吹雪「大和さん?」

ミラ「!」チラッ

ソラ「おばあちゃん?」

リク「どうしたの?」

大和「提督が内出血を起こしてる」

ミラ「しかもかなりの量だ!」

妖精「っ!? まずい!」

間髪入れずに妖精はナースコールのボタンを押した

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208: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:49:53.84 ID:6enVUVL30

「皆さん、落ち着いて聞いてください」

その後提督は駆けつけた看護師達によって緊急治療室に搬送された。残った一人の医者が、病院に搬送されてからの提督の診断結果を皆に話している

「海原さんの体内から謎の猛毒物質が大量に検出されました」

艦娘「!?」

「謎の猛毒物質が海原さんの内蔵を汚染しています。胃や腸、肝臓や膵臓が侵されている事による出血かと」

大和「それは治るのですか!?」

「手術で取り除くしか方法はありませんが、不可能です」

妖精「な、何でさ!?」

「これ程複雑な物を除去するにはかなりの技量が必要となります。しかも汚染範囲が今も増加中で、時間も限られています」

吹雪「スピードと技量がないとできない・・・・・・って事ですか?」

「現在、当病院にはその条件に合う医者は在籍しておりません。いや、恐らく日本国内でも探すのは至難かと」

大和「そ、そんな・・・・・・」ドサッ

文月「司令官・・・・・・死んじゃうの?」ウルウル

「今は何とか抑え込む事ができていますが、近いうちにまた症状が悪化する危険性が高いでしょう」

妖精「・・・・・・」

 

209: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:50:39.84 ID:6enVUVL30

??「そのオペ、僕に切らせてください」

 

210: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:51:32.00 ID:6enVUVL30

艦娘「っ!?」

妖精「!?」

ミラ「!」

「!?」

驚いた顔で皆が声のする方を見ると、一人の青年がいた。歳は提督とあまり変わらないようにも見えるその青年は自信に満ちた目で見つめていた

??「僕なら成功します」

大和「え・・・・・・?」

「アルバイトの君が出ていい幕ではない! 出て行きたまえ!」

文月「アルバイト?」

ミラ「雇われた医者かい?」

??「患者を放っておく事はできない。僕なら彼を救えます」

「いい加減にs・・・・・・」

大和「お願いします!!」

「!?」

大和「例え万が一、いえ那由多の果ての可能性でも、助かる可能性があると仰るなら・・・・・・」スッ

涙を流しながら大和は深々と頭を下げる

大和「どうか・・・・・・提督を助けてください!!」

??「任せてください」クルッ

スタスタスタ・・・・・・

北上「本当に大丈夫なの? 失敗しないよね?」

ピタッ

??「僕は失敗しません、外科医には失敗は許されないから。一度失敗されたら患者はその時点で終わりですから」

それは青年の医者としての信念だった。まだ若いこの青年は、自らの手で退路を断ち切る事で迷いや油断を切り捨てていた

吹雪「・・・・・・」ポーッ

??「10分後に手術(オペ)を始めます」スタスタ

「私はどうなっても知らんぞ」スタスタ

妖精「・・・・・・」テテテテ

ーー
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ーーーーーー

 

211: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:52:16.14 ID:6enVUVL30

妖精「待ってよ」

??「! どうかしましたか?」

妖精「これを使って」つ傷薬

??「妖精印の傷薬・・・・・・実物を見たのは初めてです」ウケトリ

妖精「毒に侵された範囲が全部摘出できたら、それを切断面に塗って。摘出された部分を再生できるから」

??「それほどの薬ならオペするまでもないのでは?」

妖精「傷薬は傷は治せても病や毒は治せないのさ。あくまで傷を塞ぐ力を引き出してるだけだしね」

??「なるほど」

妖精「本当に治せるのかい?」

??「できるできないじゃない、やらなきゃいけないんだ」

妖精「・・・・・・」

??「僕は必ず彼を救ってみせる」スタスタ

ーー
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212: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:52:53.03 ID:6enVUVL30

そしてオペが始まった。大和達はオペを行っている部屋の前で待っている。ミラはひたすら合掌してお経を読み上げ、オペの成功を祈っている。ある者は壁にもたれ掛かり、ある者は椅子に座って俯く。皆が緊張しながらその時を待っていた
そして手術中のネオンが消えたのは、実に半日以上過ぎた時、翌日の正午だった。

大和「っ!?」ガタッ

??「皆さん」

部屋から出てきたのは白衣に身を包んだ若い女性だった。歳はあの青年と同じくらいだろうか。非常に整った顔立ちの美女だった

大和「て、提督は、提督は大丈夫ですか!?」

??「結論から言いますと、手術は成功です。彼の体内の猛毒物質に汚染された箇所は全て摘出できました」

ミラ「! あぁ、良かった」ホッ

艦娘「やったぁ!!」ピョンピョン

ソラ「わーい!!」

リク「ちょ、姉さん落ち着いて」アセアセ

妖精「アンタ達も、ここ病院だよ!」

??「・・・・・・ですが」

大和「?」

??「手術には成功しましたが、彼が目を覚ますかまでは我々には判断できません。こればかりは彼自身の力に頼るしかありません」

大和「・・・・・・はい。それでも提督を助けていただき、本当にありがとうございます」ポロポロ

涙を流しながら大和は女性に頭を下げた。続いて周りの皆も頭を下げる

??「あぁそうだ」スッ

妖精「!」

??「あの人から。手術の時に助かったって言ってましたよ」

妖精「そっか」ウケトリ

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213: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:53:47.00 ID:6enVUVL30

数日後

大和「・・・・・・」

吹雪「大和さん、本当に帰らないんですか?」

大和「はい。提督の傍にいたいんです」

北上「だからって・・・・・・」

妖精「あたしも残るよ。流石にこの娘一人にはさせない」

大鳳「お願いしますね」

文月「司令官、目覚ますかな?」ウルウル

利根「分からぬ。また明日じゃな、明日来たら起きておるかもしれぬぞ」ナデナデ

スタスタスタ・・・・・・

大和「・・・・・・」

妖精「ねぇ、あれからずっと泊まってるけど、帰らないの?」

大和「はい。提督がいないと辛いんです」

妖精「皆や元帥、団長や副長、ミラさん達も言ってたけど、せめて食事はちゃんと摂ってよ。提督が目が覚めた時、窶れた大和を見たらどう思う?」

大和「・・・・・・」コクッ

妖精「とりあえず、先ずはシャワーを浴びといで。その間に元帥が持ってきてくれた差し入れ温めとくから」

大和「その姿でですか?」

妖精「大丈夫、アンタ達の艤装メンテに比べたら楽なもんさ」テテテテ

大和「・・・・・・」スッ

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

214: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:54:31.65 ID:6enVUVL30

大和「ごちそうさまでした」

妖精「榛名が作った野菜炒め、どうだった?」

大和「凄く・・・・・・美味しかったです」ジワァ

妖精「!?」

大和「提督が・・・・・・大和に作ってくれたのと、同じ味です・・・・・・」ツーッ

妖精「ほら涙拭いて」つハンカチ

大和「・・・・・・」グシグシ

妖精「ほら、もう休みなよ」

大和「はい」スッ

スタスタスタスタ・・・・・・

妖精(休みなって言ったのにベッドの側の椅子に腰掛けて。言う事なんて聞きやしない)

妖精(ま、提督の傍が大和にとって一番安心するんだろうね)テテテテ

妖精「大和」

大和「・・・・・・」

妖精「? 大和?」

大和「・・・・・・」スーッ、スーッ

妖精「・・・・・・寝てるし」

妖精「毛布だけ掛けとくか」バサッ

大和「・・・・・・」

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215: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:55:23.00 ID:6enVUVL30

気がつくとそこは何もない真っ白な空間だった。どっちが上下かも分からない。地面に足をつけているわけでもなく、空中に浮いているでもない不思議な感覚だ

大和「ここは・・・・・・?」

大和「っ!? 提督は!?」キョロキョロ

『落ち着いて』

大和「!! 誰ですか?」

『貴女の事はずっと見てたよ。櫂ちゃんをありがとう』

大和「!? まさか・・・・・・ヤマさん?」

ヤマ『うん。この前は私が迷惑かけちゃってごめんね?』

大和「そんな! ヤマさんは悪くないです」

ヤマ『私の負の魂が起こしたんだから、私の責任。止めてくれてありがとう』

ヤマ『それに貴女が私の生まれ変わりで本当に良かった』

大和「そんな・・・・・・大和は何もできていません。提督を傷つけてしまって」

ヤマ『私も時々喧嘩したよ。でも直ぐに櫂ちゃんが謝ってくれるから仲直りしちゃってたし』

大和「大和はヤマさんの代わりになんてなれません・・・・・・」

ヤマ『櫂ちゃんは大和ちゃんの事愛してるよ。私の後釜とか生まれ変わりだとかなんて理由じゃなくて、大和ちゃん(貴女)自身に惚れてるの』

ヤマ『大和ちゃんは、櫂ちゃんの事好き?』

大和「っ!? はい! 大好きです!」

ヤマ『それなら大丈夫! きっと櫂ちゃんは分かってくれるよ!』

大和「!」

ヤマ『だから、私からお願いしてもいいかな? 櫂ちゃんと幸せになって!』

大和「大和にはそんな資格ありません・・・・・・。知らなかったとはいえ、提督を傷つけたんです!!」ポロポロ

ヤマ『人を愛するのに資格や理由なんて必要ないよ。私は呪いの所為で長生きできなかったけど、貴女は違う。死人(私)にできない事を大和ちゃんにしてほしいの』

ヤマ『だから、お願い』

大和「大和は・・・・・・大和は・・・・・・」ポロポロ

ヤマ『大丈夫。私は何時でも大和ちゃんの事見てるから。櫂ちゃんや他の皆と幸せに過ごしているところを、これからも見せてね?』

ーー
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ーーーーーー

大和「ん・・・・・・」ムクッ

大和「! 夢ですか・・・・・・」

 

216: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:56:06.95 ID:6enVUVL30

ミラ「起きたみたいだね」

大和「っ!? ミラさん! おはようございます」ペコッ

ミラ「いいよ。妖精さんから聞いたよ、付きっきりだったんだって?」

大和「はい」

吹雪「おはようございます」

大和「吹雪ちゃん、皆も」

北上「提督はどう?」

利根「うーむ、多少顔色が良くなっておる気がするのぅ」

大鳳「そうですか?」

文月「司令官起きるかな?」

大和「起きると・・・・・・いいですね」ナデナデ

 

217: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:56:44.84 ID:6enVUVL30

提督「・・・・・・」ピクッ

 

218: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:57:20.85 ID:6enVUVL30

大和「!?」

提督「ん・・・・・・」

薄らと目を開ける提督。黒い瞳は数日ぶりに光が入った事で一瞬眩んだが、直ぐに順応した。ゆっくりと酸素マスクを外し、提督は大和を見る

提督「・・・・・・大和・・・・・・」

大和「う、うぅう~・・・・・・」ジワァ

艦娘「提督(司令官)!!」

大和「っ!!」ダッ

タッタッタッ・・・・・・

吹雪「っ!? 大和さん!?」ギョッ

提督「!」

文月「司令か~ん!!」ダッ

ボフッ

提督「文月・・・・・・」

文月「うぇぇぇぇぇぇん、良かったよぉぉぉ!!」ビェェェェ

北上「本当に提督はー!!」ポロポロ

大鳳「よがっだでず・・・・・・ぼんぼび、ぼんぼびよがっだぁぁぁ」ポロポロ

利根「本当に・・・・・・世話がやけるのぅ」グスッ

提督「ごめんな、皆。迷惑かけたな」

吹雪「ちょ、皆さん落ち着いてくださいよ、司令官起きたばかりなんですから!」アセアセ

提督「吹雪もいいぜ、ほら」コイコイ

吹雪「っ!?」ジワァ

提督「我慢するなよ、泣いてもいいから」

吹雪「司令官・・・・・・」ウルウル

タッタッタッ・・・・・・

ダキッ

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁぁん!! 司令かぁぁぁぁん!!」ギューッ ポロポロ

提督「心配させてごめんな吹雪」ナデナデ

ミラ「本当に良かったよ、アンタが無事で」グスッ

提督「ミラさんも、迷惑かけてすみませんでした」

ミラ「無事ならいいんだ」

 

219: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:58:04.39 ID:6enVUVL30

妖精「提督!? 目が覚めたの!?」

提督「あぁ。お陰様で」

妖精「さっき大和が泣きながら走ってったからまさかと思ったけど」

提督「っ!? そうだ、大和を追いかけねぇと」ガバッ

そう言うが早いか提督はベッドから跳ね起き、腕の点滴を乱暴に外す

妖精「ちょ、何やってんのさ!?」ギョッ

提督「今はこうしちゃいられねぇんだ!!」ダッ

ベッドから立ち上がり、走ろうとした瞬間

提督「!?」クラッ

提督「あ、足が動かねぇ!?」ヨロヨロ

激しい目眩に襲われる。足もおぼつかない。数日間寝たきりだったのだ、当然体が鈍っている

吹雪「司令官!?」ガシッ

提督「悪ぃ吹雪」

妖精「あぁもうっ!!」ダッ

懐から傷薬を取り出した妖精は、提督に駆け寄ると点滴痕の止血をし、彼の口の中に牛乳を流し込む

妖精「上着の左胸ポケット!」

提督「っ!? ありがとう!!」ゴソゴソ

かけてあった上着から何かを取りだして、今度こそ提督は大和を追いかける

提督(分かる! あいつが何処にいるのか!)タッタッタッ

先ほどの体の鈍りを全く感じさせない足どりで提督はどんどん大和の後を追う。その行き先は・・・・・・

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

220: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:58:46.96 ID:6enVUVL30

屋上

大和「何で・・・・・・逃げてしまったんでしょうか」

大和「あの人の傍にいたいのに、傍にいると罪悪感に押しつぶされそうになる・・・・・・やっぱり提督を傷つけた私に、彼の傍にいる資格なんて・・・・・・」ポロポロ

提督「見つけたぞ、大和!!」

大和「っ!?」バッ

提督「・・・・・・」スタスタ

大和「提督・・・・・・」フイッ

提督「本当にすまなかった!!」土下座

大和「っ!?」

提督「お前を傷つけるような事をして。お前に寂しい思いをさせ、不安にするような事ばかりしていた」

大和(違う・・・・・・やめて・・・・・・)

提督「本当に俺が悪かった。この事は一生かけてでも償っていく! やれというならこの場で腹を切ってでも詫びる!だかr・・・・・・」

大和「やめてッッッ!!」

提督「っ!?」

大和「・・・・・・何謝ってるんですか! 悪いのは全部私なんです! 貴方を疑い、傷つけた!」ポロポロ

大和「こんな私に・・・・・・貴方の傍にいる資格なんてないんです!!」ポロポロ

提督「そんな事・・・・・・」

大和「なのに・・・・・・!! 提督がいないと私は辛くて堪らない」グシグシ

提督「・・・・・・」スッ

大和「・・・・・・こんな私に提督を愛する資格なんてないんです。でももし・・・・・・」

 

221: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 02:59:22.39 ID:6enVUVL30

大和「もし許されるなら・・・・・・提督、貴方とやり直したい」

 

222: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:00:30.45 ID:6enVUVL30

大和「提督、本当に申し訳ありませんでした」土下座

提督「・・・・・・」

提督「何言ってんだ、そんなもん無理に決まってんだろ」

大和「っ!?」

提督「俺達別れてねぇのに何でやり直す必要があるんだ? 勝手に終わらせんじゃねぇよ」

大和「え・・・・・・!?」ジワァ

提督「お前に初めて会った時、確かに俺はお前にヤマの面影を見て取った。何かにつけてヤマと比較していた」

提督「でも今は違う。いや、お前に告白した時には既に違った」

提督「俺は大和に惚れていたんだ。ヤマの生まれ変わりとしてではなく、一人の異性として、お前に惚れていたんだ」

大和「っ!?」

提督「俺はもうお前がいないと生きていけねぇ。だから」ゴソゴソ

大和「?」

徐ろに大和の前に跪き、小さな小箱を差し出す

パカッ

大和「っ!?」

提督「大和、俺と結婚してくれ」

箱に入っていたのは結婚指輪だった。銀色に輝くリングは単純な形ながら非常に美しく感じる。そしてそのリングの上にはダイヤモンドが付いている

大和「私なんかで・・・・・・」フルフル

大和「私なんかでいいんですか・・・・・・?」

提督「お前以外考えられねぇよ」

大和「・・・・・・喜んで」

提督「!」

大和「喜んでお受け致します!!」ポロポロ

提督「良かった・・・・・・」ホッ

提督「ほら、指出して」スッ

大和「あ・・・・・・」

提督「お、やっぱりピッタリだ」

大和「提・・・・・・督・・・・・・」

提督「一生幸せにするからな、大和」

大和「っ!!」ダキッ

提督「おわっ!?」ギューッ

大和「提督、大好きです!! 一生貴方を愛します!!」

大和「本当に・・・・・・本当に良かった」ポロポロ

大和「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」ギューッ

提督「・・・・・・」ナデナデ

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223: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:01:17.83 ID:6enVUVL30

ホラ、ナキヤメッテ。キレイナカオガダイナシダゾ

ウワァァァァァァン!!

??「・・・・・・」

??「彼の事が心配だった?」コツコツコツ

??「まあね。君の麻酔医としての補佐もあってオペは成功した。でも彼の心を治すのは僕には無理だったな」

??「でも、もう彼女がいるから大丈夫ですね」

??「これで僕達も君に恩返しができたかな、櫂君?」

??「彼がいなかったら私達はあの日、一生後悔してたかもしれない」

??「櫂君のお陰で僕は夢を叶え、そして君と結婚できたんだ。彼は僕達の恩人だよ」

??「うん////」

??「でも勝手にオペしちゃったからもうすぐ契約切られるかな」ナハハ

??「所長から他の派遣先聞いてみましょう」

??「ごめんね、君まで巻き込んじゃって」ナデナデ

??「ん・・・・・・」チュッ

??「!」

??「私は貴方の妻よ? 貴方と一緒にいれたらそれでいいんです////」

??「ははは。僕もさ」

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224: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:02:02.73 ID:6enVUVL30

提督「え? 若い先生?」

文月「うん。その人が司令官を助けてくれたんだよぉ」

北上「他の医者が前列が無いとかリスクが高いとか言ってたのにその人は一切迷わなかったんだ」

大鳳「確かこんな漢字の名前でした」カリカリ

提督「・・・・・・!?」

吹雪「因みに手術の後に話してくれた女の人もいたんです」

大鳳「その人も同じ苗字でこんな漢字の名前でしたよ」カリカリ

提督「!? は、ははは。まさかなぁ」ポロポロ

大和「提督? どうしました?」

提督「とんだサプライズだ。あの二人に助けられるなんて」グシグシ

提督(ありがとう、兄ちゃん、姉ちゃん)

提督「にしても驚きだ、まさかあの歳で医者に、しかもドクターXになっていたのか」

文月「ドクターXって?」

提督「ドクターXってのは、手術が確立されてねぇ危険なオペも行って、命を天秤にかける事もあるから、悪魔の外科医と言われてる人達だ」

提督「でもそれは違う。俺からしたら、彼らは命を救うためにはなんでも行うという、自分を守る事より命の可能性に賭ける事のできる熱い心を持った、凄い技術者だ」

提督「一般の医者が己の保身のために匙を投げるハイリスクなオペを進んで開拓していく、言ってみたら医術の先駆者達さ」

吹雪「・・・・・・」

提督「? どうした吹雪?」

吹雪「私、医者になりたいです!」

提督「・・・・・・お前、医者がどれだけ辛いか分かっているのか?」

提督「人の命を預かる仕事だ。生半可な覚悟じゃ務まらねぇぞ」

吹雪「それでも私は! 彼のように多くの人を救いたいんです!」

提督「・・・・・・お前が決めた道だ、俺に口出しする権利はねぇ。だけど、医師免許を取ったら逃げる事は許されねぇぞ?」

吹雪「当然です!!」

提督「・・・・・・なら頑張れ」ナデナデ

吹雪「はい!」

 

225: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:02:49.40 ID:6enVUVL30

ミラ「大和、迷いは消えたかい?」

大和「はい!」

ソラ「良かった」ホッ

リク「義兄さんの事、よろしくお願いします」

元帥「ところで櫂、お前この後どうするつもりじゃ?」

提督「どうするって退院するけど」

元帥「馬鹿者、軍を抜けるかどうかじゃ」

提督「・・・・・・」

団長「もう艦娘は戦いの場に出向く必要もない。同時に提督も必要なくなったしな」

副長「軍やめて他んとこ探すかっちゅうこっちゃ」

提督「どっちにしろ一線は退くさ」

大和「私達はどのようなご決断でも貴方に着いて行きます」

ーー
ーーーー
ーーーーーー

 

226: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:03:30.08 ID:6enVUVL30

提督「この鎮守府ともおさらばか」

大和「思い出が詰まってますよね」

北上「最初は吹雪との二人三脚」

大鳳「北上さんや私のどんちゃん騒ぎ」

文月「勉強や訓練以外にも楽しい事ばっかだったよぉ」

利根「当然出撃もこなしたのぅ」

吹雪「こうして来れたのも全て司令官のお陰です」

提督「俺だけじゃねぇよ。皆がいたからさ」

大和「・・・・・・////」

提督「そろそろ出発だ。皆引っ越し業者に荷物渡したか?」

艦娘「はい!」

提督「よし、じゃあ歩いてくか」

艦娘「は・・・・・・って、えぇっ!?」ギョッ

吹雪「ここからですか!?」

提督「当たり前」

北上「鬼ー、人でなしー!!」

提督「うるせぇ!」

大鳳「着くのいつですかぁ?」

提督「たぶん二、三時間で着く」

文月「司令官おんぶして~」

提督「最初は自分の足で歩こうな? 疲れたらおぶってやる」

文月「うん~」ニパァ

利根「食事はどうするんじゃ?」

提督「今日は外食」

大和「提督」

提督「お前もか、何だ大和」

 

227: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:04:09.79 ID:6enVUVL30

大和「あ、愛してます////」

提督「」

艦娘(さり気なく愛を叫ぶ大和さん可愛い)

提督「俺もさ」ナデナデ

大和「ん・・・・・・////」スリスリ

提督「お前ら、俺と大和ホテル行ってるから先に向かってくれ」

妖精「行かせないよ?」ギロッ

提督「はいすみませんでした」

大和「むー・・・・・・」

吹雪「妖精さんも一緒に来ますよね?」

妖精「誰がこのバカップルのストッパーになるのさ?」

提督「本当にありがとうな」

妖精「いいって事よ」

提督「じゃ、行くか」

艦娘「はい!」

文月「行くよぉ!」タッタッタッ

吹雪「待って文月ちゃん」

北上「元気だねぇ」

利根「お主が言うか」

大鳳「私達もさほど変わりませんよ」

ワイワイ

提督「・・・・・・」

 

228: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:05:33.95 ID:6enVUVL30

『お幸せに、櫂ちゃん』

 

229: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:06:17.07 ID:6enVUVL30

提督「っ!?」バッ

提督「・・・・・・あぁ。ありがとうな」

大和「どうしました?」

提督「お幸せに、だってさ」

大和「! はい!」ニコッ

妖精「幻聴かい?」

提督「多分な」

大和「そんな事ありませんよ」

シレイカーン、ヤマトサーン、ヨウセイサーン!!

妖精「はいはい、今行くよ~!」テテテテ

提督「さ、行くぞ」スッ

大和「はい」ギュッ

スタスタスタ・・・・・・

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230: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:06:54.61 ID:6enVUVL30

10年後

大和「~♪」コトコト

提督「楽しそうだな大和」

大和「えぇ。今日は少しお出かけをするから」

ドタドタドタドタ・・・・・・

文月「おはよう司令官、大和さん!」

提督「おう、おはよう」

大和「おはよう。どうしたの文月ちゃん?」

文月「生徒会から呼び出しがあったんだぁ。朝早くから大変だよぉ」イソイソ

提督「大変だな引退したのに」

大和「はい、お弁当」スッ

文月「ありがとぉ、行ってきまーす!!」ダッ

提督「ほれ、文月」ポイッ

文月「ほわぁ、菓子パン?」

提督「何も食わねぇと力出ねぇぞ」

文月「ありがとぉ司令官」パクッ

タッタッタッ・・・・・・

提督「忙しないなぁ、受験生なのに」

 

231: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:07:34.83 ID:6enVUVL30

吹雪「おはようございます、司令官、大和さん」

提督「おはようさん」

大和「今日はお休み?」

吹雪「ううん、今日はゼミの後輩指導。午後からだから」

北上「ふわぁぁぁ、おはよー」ノビー

提督「おはようさん、クソニート」

北上「誰がニートだ、ちゃんと稼いでるじゃんかー」

提督「家から出ろよ引き籠り」

大和「まぁまぁ朝から」

北上「確か利根っちと大鳳は今日朝帰りだっけ?」イタダキマース

提督「あぁ。静かにしてやれよ?」

北上「はいはーい」モグモグ

吹雪「二人も大変だよね、今じゃ忙しい日々だし」

提督「まぁな。本人が楽しんでるならそれが一番だ」

ガチャ

大鳳「ただいまー」

利根「今帰ったぞ~」

大和「お帰りなさい。一緒に帰ってきたの?」

大鳳「えぇ。利根さんと駅で会ったから」

利根「ちょうど良かったしのぅ」

提督「有名人は大変だねぇ」

 

232: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:08:21.44 ID:6enVUVL30

利根「吾輩は少し寝てくるとしよう」フワァァァ

大鳳「私も寝てくるわ」ノビー

北上「はいはーい」ノシ

大和「静かにね?」

利根「うむ」

スタスタスタ・・・・・・

提督「じゃ、そろそろ仕事に」スッ

大和「分かったわ」

提督「行ってくるよ」スタスタ

吹雪「行ってらっしゃい!」

北上「行ってら~」

大和「貴方」トコトコ

提督「ん?」クルッ

チュッ・・・・・・

大和「行ってらっしゃい」

提督「おう」ナデナデ

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ーーーーーー

 

233: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:10:21.19 ID:6enVUVL30

大和「そろそろかな?」

北上「んぁ? 何処か出かけるの?」

大和「えぇ。留守番お願いしてもいい?」

北上「自宅警備の達人に任せなって」ニヒヒ

大和「行ってきます」スタスタ

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大和(私達が鎮守府を引っ越してから10年。市役所への届け出で提督と私は夫婦に、皆は書類上は私達の養子という事になり、それぞれの道を歩み出した)

大和(22歳になった吹雪ちゃんは、進学した医大で歴代トップの成績を修めている。今は卒論を作り終わって院への進学待ち)

大和(北上さんは26歳。持ち前の知識を活かして執筆したライトノベルが異例の大ヒット。生活の片手間に書いた小説が悉くヒットして印税のみで億万長者になった)

大和(大鳳さんは自身の夢を叶えて料理評論家になった。その的確かつ客観的な評価、そして自身の体験談を交えた自筆の本のヒットにより、27歳にして世界中から注目される存在に)

大和(文月ちゃんは18歳。この辺でトップの進学校で主席。スポーツも万能で生徒会長も務めていた、正に学校のアイドルね。でも何故か告白は全て断っているのよね)

大和(利根さんは提督との約束通り、世界的に有名な料理人の下で5年間修行し、今はその人の下で働いている。その腕前と発想から28歳で料理界のホープとも呼ばれてる)

大和(29歳となった提督は一線は退いたものの、艦娘が居なくなった軍を盛り立てるために霊峰さんと一緒に後進育成の教官になった。今では教え子から絶大な支持を得ているみたいね)

 

234: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:10:57.94 ID:6enVUVL30

「大和ー、遅いわよー!」

大和「! ビス子にコウちゃん、遅れてごめん」タッタッタッ

ビスマルク「やっと揃ったわね」

港湾「ハヨ行コ!」ワクワク

大和(霊峰さんの奥さんであるビスマルク改めビス子と、副長さんの奥さんの港湾棲姫ことコウちゃんとはよく週末に出かける親友になった。コウちゃんが副長さんの真似をして関西弁を使うようになったのは驚いたわ)

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大和「~♪」スタスタ

提督「よう大和」

大和「! 貴方! 今帰り?」ギューッ

提督「まぁな、そっちもお出かけの帰りか?」

大和「うん! 早く帰ろ、櫂ちゃん」ニコッ

提督「おいおい、外は恥ずかしいって」

大和「最近軍はどう?」

提督「特に問題無さそうだ、目立った事もないし」

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235: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:11:46.07 ID:6enVUVL30

提督「ただいまー」

ドタドタドタドタ・・・・・・

「お父さん、お母さん!」ダキッ

提督「おっとっと、今日は何時に起きたんだ? 休日だからって昼まで寝てたのか?」ナデナデ

「10時だよ、朝ご飯の後ちゃんと勉強したもん!」ニパァ

大和「妖精さんは分かりやすかった?」

「うん!」

吹雪「お帰りなさい司令官、大和さん」

北上「今日も異常なーし」ニヒヒ

大鳳「平和ね~」

文月「後であたしもお勉強教えてあげるね?」

「本当に? ありがとう文月お姉ちゃん!」

義理の姉達囲まれているのは提督と大和の間に産まれた8歳の娘である。親バカ二人曰く「海原家の天使」であり、今は小学2年生である

利根「久々に吾輩が晩ご飯を作ったからの!」

大和「ありがとう利根さん」

大和(本当に・・・・・・幸せ)

提督「大和・・・・・・」ナデナデ

大和「天国のヤマさんも・・・・・・見守ってくれてるかしら」

提督「! あぁ、きっとな」

妖精「あの娘のためにもこの平和を維持しなきゃね」

提督「当然」

提督「さ、行こうぜ!」

大和「うん!」

 

236: ◆Fd8Nv55Lkc 2017/04/16(日) 03:12:32.41 ID:6enVUVL30
以上で終わりです。こんな駄作に付き合って頂いて誠にありがとうございました。また何か思いついたら書くかもです

 

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/16(日) 22:25:24.72 ID:MFtDJ7wzo

すげー良かった

お疲れ様でした

 

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/17(月) 01:47:18.94 ID:A4R9Qjn5o
おつ
久々にこんな感じの読んだ
文月もかわいかった

 


元スレ
タイトル:大和「もし許されるなら」
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