川崎沙希「恋」

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

見たいSSカテゴリーは??

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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:00:03.89 ID:Zck0ptyS0

俺ガイルSSです。
・少女漫画的な乙女回路全開。
・全体的に暗い雰囲気です。

苦手な方はブラウザバック推奨です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428735603


2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:00:42.74 ID:Zck0ptyS0

――高校三年時、冬

沙希(夕暮れの差す教室を眺めながら、一人で廊下を歩く)

沙希(最近じゃ登校してくる三年生もまばらで、こんな放課後まで残ってる三年生となるともっと少ない)

沙希(私も平塚先生に合格の決まったことを伝えにでも行かなきゃ、きっと帰ってるし)

沙希(担任でもないのに、私の希望する学校などを親身になって聞いてくれて、一緒に探してくれた先生)

沙希(奨学金などの手続きもしっかり教えてくれて、頭が上がらない。感謝を伝えると『当たり前のことだよ』なんて笑ってるし)

沙希(良い先生だ。良い高校に来たと、高校三年間を振り返って改めて思う。多くの友達ができたわけじゃないけど、少しはできたし)

沙希(しんとした廊下を一人で歩いていると、海老名を見つけた)

 

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:02:01.42 ID:Zck0ptyS0

姫菜「あ、サキサキだー。やっはろー」

沙希「お疲れ。何してんの?」

姫菜「んー分かんない問題があったから、先生に聞きに。私のとこ、二次試験がもうすぐだからね」

沙希「……そっか。がんばってるね」

姫菜「あは、普通だよ。それよりサキサキ、合格おめでとう」

沙希「……ありがと」

姫菜「お、照れてる?」

沙希「バカ……」

姫菜「あは、サキサキは可愛いな~。んーうりうり」

沙希「ちょ、やめなって」

沙希(頭をなでながら抱きついてくる。なんかむずがゆい)

 

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:02:44.30 ID:Zck0ptyS0

姫菜「……」サワサワ

沙希「ちょ、無言でどこ触って」

姫菜「は~柔らかい」サワサワ

沙希「やめ、やめてって……ひゃん」

姫菜「あはは、ごめんごめん。つい」

沙希「ついじゃないって……」

沙希(やっと私から離れた海老名は笑いながら謝ってくる。なんか怒れないから、この子はずるい)

 

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:03:14.56 ID:Zck0ptyS0

姫菜「んーサキサキのおっぱいも触れたし二次試験までピリッと頑張れそう!」

沙希「……あっそ。無理、しないで。できることがあったら何でも言って」

姫菜「ありがと!大丈夫だよ。……でも、きつくなったらお願いね」

沙希「うん」

姫菜「よーしまた笑顔でサキサキのおっぱい触るために頑張るよー!じゃあね」

沙希「ちょ、そんな何度も大きな声で言わないでって。……もう、じゃあまた」

姫菜「うん、ばいばい」

沙希(海老名は笑いながら手を振って、教室の方に歩いていった)

 

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:03:45.63 ID:Zck0ptyS0

沙希(一人になって、廊下に立ちつくす)

沙希(……やっぱり今日も、会えなかった)

沙希(なんで来なくてもいい学校にきて、こんな放課後まで残ってたのかって)

『サンキュー!愛してるぜ川崎!』

沙希(きっと自分の言ったことも覚えてない、あいつに会いたかったからだなんて)

沙希(馬鹿だよね)

沙希「……帰ろ」

 

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:04:54.49 ID:Zck0ptyS0

――帰路にて

大志「あれ、姉ちゃん」

沙希「大志」

大志「姉ちゃんと帰る時間が一緒になるの久しぶりだね。今日は学校いってたんだ?」

沙希「うん、ちょっと先生と話があってね」

大志「そっか」

沙希(そこまで話して、二人とも黙った。並んで歩いていると、夕陽に伸びる大志の影が私の影より少し長くなっていることに気づく)

 

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:05:28.24 ID:Zck0ptyS0

沙希「あんた、身長のびた?」

大志「うん、まあね。姉ちゃん追い越しちゃったぜ」

沙希(どやーなんて自分で言って、大志は笑っている)

沙希「生意気」

大志「いって」

沙希(肩を軽く小突いてやると、大志はおおげさに痛がってみせた)

 

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:05:55.83 ID:Zck0ptyS0

大志「姉ちゃん乱暴なの直せよな。大学いっても彼氏できねえぞ」

沙希「余計なお世話」

大志「姉ちゃんの彼氏になろうとする男なんて、そうそういないだろうしね。怖いから」

沙希「そんなことないよ。私、告白されたし」

大志「マジで!え、いつ?」

沙希「三年に上がった頃くらいから、ポツポツと」

沙希(私が海老名たちと一緒にいることが多くなった頃くらいからだろうか。少し人と話すことも増えてきて、そういうのも増えた)

 

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:06:27.63 ID:Zck0ptyS0

大志「……へー」

沙希「何、面白くなさそうな顔して」

大志「別に」

沙希「言いなって」

大志「別に……ただ、姉ちゃんは比企谷先輩のことが本当に好きなんだなって思っただけ」

沙希「……何いってんの。ほら、スーパー寄って行くよ。荷物持ちして」

沙希(大志はまだ何か言いたげな顔だったが、肩をすくめてスーパーの方に歩いて行った)

沙希「……生意気」

 

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:07:01.51 ID:Zck0ptyS0

――自宅にて

沙希(スマホのロック画面を解除して、電源ボタンを軽く押して暗転。電源ボタンを軽く押して、ロックを解除して、また電源ボタンを軽く押して暗転)

沙希(不毛な作業だ。メーラーを開くことすらしない)

沙希(どうせ自分からメールなんて、できないし)

沙希(思えば、自分から誰かに連絡を取るという行為を私はほとんどしない。家族にくらいだ)

沙希「だから、何もできないんだよね……」

 

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:07:29.76 ID:Zck0ptyS0

沙希(自分から行動を起こさない人間が、振り向いてもらえるわけがない。そんなの当たり前だ)

沙希(だから私に告白してくれた男の子たちは、みんな尊敬できる。私にはできないことを、彼らは勇気をもって実行したのだから)

沙希(その気持ちに応えられなかったことは、本当に申し訳ないけれど)

沙希(きっと私は、好きな人になにも言えないまま総武高校を卒業するのだろう。そして、そのことを後悔しながら生きるのだろう)

沙希(いつかは忘れるのかもしれないけど、私にはそれはとても現実味のない物語のように思える)

 

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:10:05.23 ID:Zck0ptyS0

沙希「大学、か」

沙希(夕方、大志に言われたことを思い出す。大学に入って彼氏の一人でもできれば、変われるのだろうか)

沙希(もっとも、そんな気持ちで付き合うなんて器用なことはできないだろうけど)

沙希(まあ、今からそんなことを考えても仕方がない。海老名が合格した時のためのプレゼントの案でも考えた方が建設的というものだ)

沙希(なにあげようかな。なにをあげれば喜ぶだろう)

沙希(そういえば海老名は結局、どうするんだろう。それとも、もう答えは伝えたのだろうか)

 

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:10:43.28 ID:Zck0ptyS0

姫菜『戸部っち、私ってこういう人だよ。こういう、『腐ったもの』が私。知ってた?』

姫菜『だから――』

戸部『ちょタンマタンマ。俺ってさ、バカだから正直よく分からんけどさ、それが俺の諦める理由になるん?』

姫菜『……なるよ。なってよ』

戸部『いやならないっしょー。全然ちっともならないっしょー』

 

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:11:14.72 ID:Zck0ptyS0

戸部『だってさ、それでもやっぱり俺は海老名さんのことマジで好きだし?』

戸部『……だから、ふるなら俺のダメなとこ言ってよ。『戸部とは合わないと思う』とか、そう言われた方が分かりやすいっしょ』

姫菜『そんなの……』

戸部『あ、ごめん言いづらいか。でも、海老名さんがそう言わない限り、俺ってば諦めんよ?』

戸部『だから、もっかい考えてくれんかな。お願いしゃす!』

姫菜『……戸部っちって本当に、バカだね』

戸部『知ってる!』

 

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:11:43.53 ID:Zck0ptyS0

沙希(二人とも、笑っていた。海老名は『もう一度、ちゃんと考えてみる。だから次は、私の言葉をきいてください』なんて言っていたけど)

沙希(なんで私が知っているかって、海老名から直接きいたからだ。相談、なんて言って。でも彼女の中ではもう、その答えは決まっているようだった)

沙希(お似合いの二人だと思う。前はそんなこと思わなかったけど、人は見かけによらない。話して、言葉を聞かないと分からないことだらけだ)

沙希(ふと時計を見ると、もう二時を回っていた。明日は卒業式の予行演習がある。久しぶりに三年生がほぼ全員そろうだろう)

沙希(胸に微かな期待を抱いて、すぐにそれを打ち消して。床に就いた)

 

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:12:10.76 ID:Zck0ptyS0

――次の日、朝。校内

沙希(いつもより早く目が覚めてしまって、登校時間より一時間も早く登校した。学校にはまだほとんど誰も来ていない。閑散とした校内を一人で歩いていると、とても不思議な気分にな

る)

沙希(でも、嫌いじゃない。そんな静けさだ)

沙希(廊下の先に、ある男子を見つけた)

沙希(以前、告白してくれた男子だ。彼もこちらに気づいたようで、軽く手を挙げて近づいてきた)

 

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:12:40.94 ID:Zck0ptyS0

男「おはよ、川崎さん。早いね」

沙希「おはよ。なんか目が覚めてね」

男「ああ、俺も。本番は明日なのにね」

沙希「うん」

沙希(彼はゆっくりと廊下の端から端までの教室を見まわした)

 

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:13:12.59 ID:Zck0ptyS0

男「一日早いけど、お世話になりました」

沙希「うん。こちらこそありがと」

男「良い高校だったよね」

沙希「そうだね」

男「楽しかったな……」

沙希「早いって」

男「はは、そうだね」

沙希(彼は困ったように笑った)

 

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 16:13:46.62 ID:Zck0ptyS0

男「川崎さん、例の好きな人にはまだ何も言ってないの?」

沙希「……うん、まあ」

男「そっか。頑張ってとは言いたくないけど、後悔しないようにね」

沙希「……」

男「俺は川崎さんに振られたけど、後悔してないよ。言えてよかったと思う。川崎さんもそうなればいいなって、お節介だけど、そう思うよ」

沙希「……ありがとう」

男「うん。それじゃ、友達きたっぽいからまたね!」

沙希「うん、また」

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